Info. 2014/03/16 「第37回日本アカデミー賞授賞式 完全版」CS放送・日テレプラス

3月16日(日)21:00-25:00
3月22日(土)25:30- [再]
「第37回日本アカデミー賞授賞式 完全版」CS放送・日テレプラス(未公開映像を加えたノーカット版)

先日行われた3月7日「第37回日本アカデミー賞授賞式」(地上波)のノーカット完全版を放送。

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Blog. 久石譲 第37回 日本アカデミー賞 最優秀音楽賞 受賞 「風立ちぬ」

Posted on 2014/3/10

先日3月7日、ついに第37回日本アカデミー賞が開催されました。ということで、それをもとに結果はこうなりました。

 

第37回 日本アカデミー賞 結果(ノミネート発表:1月16日 授賞式:3月7日)

□優秀作品賞 ノミネート作品

  • 『凶悪』
  • 『少年H』
  • 『そして父になる』
  • 『東京家族』
  • 『舟を編む』 ☆
  • 『利休にたずねよ』

□優秀アニメーション作品賞 ノミネート作品

  • 『かぐや姫の物語』
  • 『風立ちぬ』 ☆
  • 『キャプテンハーロック』
  • 『劇場版魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』
  • 『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』

□優秀音楽賞 ノミネート作品

  • 岩代太郎 (利休にたずねよ)
  • 荻野清子 (清須会議)
  • 久石 譲 (かぐや姫の物語)
  • 久石 譲 (風立ちぬ) ☆
  • 久石 譲 (東京家族)
  • 松本淳一/森 敬/松原 毅 (そして父になる)
  • 渡邊 崇 (舟を編む)

 

メインの音楽賞で、最優秀音楽賞を「風立ちぬ」の音楽で見事受賞いたしました。

2013年に携わった作品のなかで「東京家族」「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」が各部門にノミネートされていたわけですが、アニメーション作品賞の宮崎駿監督×高畑勲監督のジブリ対決では、宮崎駿の映画「風立ちぬ」が選ばれましたね。

優秀音楽賞に久石譲の音楽3作品がノミネートされているだけでもすごいことだったわけですが、最優秀音楽賞は「風立ちぬ」の音楽が選ばれました。

日本アカデミー賞の最優秀音楽賞の受賞は第34回の「悪人」以来です。そしてジブリ作品では、第32回の「崖の上のポニョ」で同じく最優秀音楽賞を受賞しています。

これで日本アカデミー賞最優秀音楽賞の受賞は歴代No.1記録を更新し計8度目の受賞となりました。

 

過去の受賞歴はこちらにまとめています。

こちら ⇒ Blog. 日本アカデミー賞 最優秀音楽賞 歴代受賞者/受賞作品 一覧

 

ちなみに映画「風立ちぬ」の音楽としては、第10回 国際映画音楽批評家協会賞においてもオリジナル作曲賞アニメーション部門を受賞しています。

こちら ⇒ Info. 2014/02/20 第10回 国際映画音楽批評家協会賞 久石譲「風立ちぬ」受賞

 

日本アカデミー賞の受賞コメントでは、「3作も入っていたので、(票が)割れてとれないんじゃないかと思っていました。とても驚いています。ありがとうございます。」と笑顔で喜びお礼を。

また、ゴーストライター問題がニュースになっている時期でもあったため、「何かと作曲家が注目されていますが、(今回の曲は)私が書いています。念のため。」とニヤリとチクリと話題にしていました。

 

さて、毎年恒例なのですが!?TV放送ではメインの各賞を取り上げているため、久石譲の最優秀音楽賞受賞の瞬間も、上の受賞コメントも、TV放送ではカットされていました。翌日以降の各局のニュースやワイドショーでは取り上げられていましたが。旬な話題ということもあり。

ということで、3月16日21:00-25:00「第37回日本アカデミー賞授賞式 完全版」CS放送・日テレプラス(未公開映像を加えたノーカット版)

こちらを楽しみにしたいと思います。

 

Related page:

 

日本アカデミー賞 久石譲 風立ちぬ

 

Info. 2014/03/04 [CDマガジン] 「クラシック プレミアム 5 ~ヴィヴァルディ / ヘンデル~」 久石譲コラム連載 発売

2014年3月4日 CDマガジン 「クラシック プレミアム 5 ~ヴィヴァルディ / ヘンデル~」(小学館)
隔週火曜日発売 本体1,200円+税

「久石譲の音楽的日乗」連載付き。クラシックの名曲とともにお届けするCDマガジン。久石による連載エッセイのほか、音楽評論家や研究者による解説など、クラシック音楽の奥深く魅力的な世界を紹介。

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Blog. 「クラシック プレミアム 4 ~ショパン ピアノ作品集~」(CDマガジン) レビュー

Posted 2014/3/1

「クラシック プレミアム」第4号は、ショパンです。

他の19世紀作曲家とは違い、生涯ピアノ作品のみをつくりつづけたショパンですが、まさにピアノひとつで多彩な世界、詩人のような作曲家だなと思います。

 

【収録曲】
《幻想即興曲》
スタニスラフ・ブーニン(ピアノ) 録音/1987年
《華麗なる大円舞曲》
ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ) 録音/1990年
ポロネーズ《英雄》
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ) 録音/1999年
《子犬のワルツ》、ワルツ 第7番
ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ) 録音/1990年
バラード 第1番
アンドレイ・カヴリーロフ(ピアノ) 録音/1991年
練習曲《別れの曲》
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ) 録音/1988年
練習曲《革命》 《黒鍵》 《木枯らし》
ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ) 録音/1971-1972年
夜想曲(ノクターン) 第2番・第20番
マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ) 録音/1995-1996年
前奏曲 第8番・第15番《雨だれ》
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) 録音/1975年
スケルツォ 第2番
アルトゥーロ・ベネディッティ・ミケランジェリ(ピアノ) 録音/1971年

 

収録曲の名前だけを見ても、曲が思い浮かばないものもありますが、かくいう私もCDを聴くまではそうでした。いざCDを流してみてびっくりしました。ほとんどの曲を知っていました、聴いたことがありました。

そのくらいどの曲も、そのなかのメロディーやフレーズも印象的で、TV・映画・CMと引っ張りだこな音楽たちばかりということがわかります。

上品かつ繊細で、イメージを縛らない、動的な曲も静的な曲も印象的でインパクト、まさにピアノ1本で多彩な音楽世界、イメージを広げるショパンの音楽だからこそ、今日まで多くの人に愛され、日常生活にもその音楽が溢れているんだろうなと思います。

 

 

「久石譲の音楽的日乗」第4回は、僕が指揮をするわけは?

この連載コラムも4回目を迎えましたが、全50巻のうちこの冒頭は、久石譲の指揮者としての考え方や視点を垣間見ることができます。

今回のコラムでは、職業としての指揮者が確立された時代のことや、作曲家が指揮をしていた時代、その背景や逸話など、いろいろな側面からのクラシック音楽の歴史が見れておもしろかったです。

そして印象に残った箇所を一部抜粋してご紹介します。

 

「それでは作曲家兼楽器奏者と作曲家兼指揮者の違いは何なのだろう。ブーレーズによれば「前者は日常的とまでは言わないにせよ、少なくともあまり大きな中断のない筋肉の訓練を必要とし、そうすることによって楽器の名手としての能力を維持するが、他方、後者の方は、専門家としての技能を手中にしていれば、断絶の影響を恐れることなく、いつでも自分の活動を中断したり再開したりできる。」なるほど、おこがましいが僕が最近ピアノを弾かなくなった理由と指揮をするわけがわかった気がする(笑)。」

 

作曲家が指揮をすることの意味は、前回(第3回)のコラムで書かれていましたが、久石譲は、作曲家、ピアニスト、指揮者と3役ありますからね。このあたりそれぞれの住み分けも自身の著書やインタビューで明確に語っていた内容がありますね。

これからどんな指揮者論や、クラシック話、広義での音楽話が聴けるのかますます楽しみです。毎回コラムのなかで、いろいろな人物などキーワードが飛び出すので、それを後から自分なりに調べたりするのもおもしろいです。知らないことや、新しい興味など、どんどん広がっていきます。

 

クラシックプレミアム 4 ショパン

 

Blog. 映画『魔女の宅急便』の音楽 久石譲 高畑勲 インタビュー

Posted on 2014/2/27

先日、文春ジブリ文庫 「ジブリの教科書 5 魔女の宅急便」について、読書感想としてその内容を書きました。

こちら ⇒ Blog. 文春ジブリ文庫 「ジブリの教科書 5 魔女の宅急便」 読書

とても読み応えのある内容で、おそらく誰が読んでも、目からウロコ、新しい発見がある、そんな充実した本です。そして、あまりにもたくさん書いてしまって、肝心の音楽:久石譲のことを触れることができなかったので、あらためて。

 

映画『魔女の宅急便』が1989年公開ですから、今から約25年前です。

この作品は音楽:久石譲に加えて、注目すべきなのは音楽演出:高畑勲です。宮崎駿監督との間で、この3者による音楽制作が進められていたということです。なので、当時のインタビューも久石譲と高畑勲監督の、それぞれのインタビューが収録されています。

それがすごく興味深かったです。つい昨年2013年に、映画『かぐや姫の物語』で高畑勲×久石譲の初タッグが実現し、それにともなうインタビューや対談はたくさん紹介してきました。

こちら ⇒ Blog. 久石譲 「かぐや姫の物語」 インタビュー 熱風より
※ページ下部に『かぐや姫の物語』関連インタビュー リンクもほぼすべて紹介しています

 

映画『かぐや姫の物語』の物語に関しては、まだ記憶に新しいのもあり、この「ジブリの教科書 5 魔女の宅急便」を読み進んでいくと、久石譲も高畑勲監督も、お互い言っていることがシンクロするほどだったんです。

1989年の『魔女の宅急便』と2013年の『かぐや姫の物語』約25年の時間の隔たりがあるなか、両者とも映画音楽に求めるものや、その位置づけ、大切にしていることなど、その根幹となるものに対して同じことを言っているんですね。

これにはびっくりしました。

 

具体的には、高畑勲監督は、映画『かぐや姫の物語』の音楽に対して、こういう要求をしています。

  • 一切登場人物の気持ちを表現しないでほしい
  • 状況に付けないでほしい
  • 観客の気持ちを煽らないでほしい

つまりは「一切感情に訴えかけてはいけない」、引きの音楽、観る人に委ねる音楽、これを久石譲の音楽に求め、見事にその音楽世界は表現されることになりました。

これを念頭に、本書「ジブリの教科書 5 魔女の宅急便」のインタビューを紐解いてみます。一部抜粋して紹介します。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

-今回はヨーロッパが舞台ということで音楽的にもそのへんを意識されたと思うのですが。

久石 「そうですね、架空の国ではあるけれどもヨーロッパ的な雰囲気ということで、いわゆるヨーロッパのエスニック、それも舞曲ふうのものを多用しようということは考えました。」

(中略)

-たしかに、映画を拝見しますと音楽のつけ方がはっきりしていて、今回でいえばキキがつぎの場所へ移動する時の、つなぎの部分に音楽が使われているような印象がありました。

久石 「たとえば悲しいシーンに悲しい曲をつけるとか、アクションシーンに派手な曲をつけるとか、そういうやり方はいっさいしないという前提でやりましたからね。ある意味でそれはすごく徹底していると思います。むしろ感情に訴えかけるよりも、見ている人を心地よくさせるような音楽のつけ方というんですか、そういう点を心がけたということはありますね。わざとらしくない、自然な音楽といいますか…。」

-久石さんが宮崎作品の音楽を創る時にいちばん、心がけることは何ですか。

久石 「まず大きな声で歌えること。変にこまっしゃくれたものではなく、徹底して童心にかえってストレートに作るということですね。そしてヒューマン、人間愛にあふれていること。これに尽きると思います。」

(中略)

 

-今回の音楽の特徴は、どういうところですか。

高畑 「この作品はいわゆるファンタジーではありません。『トトロ』もそうでしたが、大きな意味ではファンタジーに属するものでしょうが、もっと現実に近い物語であると宮さんは考えてつくった。たとえばキキは空を飛びますけど、それはカッコよく飛ぶのとはちがうし、ふつうの女の子の日常的な描写や気持ちが中心になっているんですね。ですから音楽が担当する部分も、世界の異質さとか戦闘の激しさとかを担当するわけではない。むしろふつうの劇映画のような考え方をして、しかもヨーロッパ的ふんいきをもった舞台にふさわしいローカルカラーをうち出そうということだったんです。それと、つらいところ悲しいところに音楽はつけない、とか、歌とは別にメインテーマの曲を設定して、あのワルツですが、あれをキキの気持ちがしだいにひろがっていくところにくりかえし使うとかが、音楽の扱いの上での特徴というえば特徴ではないでしょうか。はじめ、ホウキで空を飛ぶ、というのはスピード感もないし、変な効果音をつけるわけにはいかないので心配だったのですが、久石さんの音楽もユーミンの歌も、いまいったねらいにピッタリだったし、上機嫌な気分が出ていたのでホッとしているところです。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

いかがでしょうか。

約25年の時空を超えて、考え方や発言がシンクロしていることが、わかってもたえたのではないでしょうか。

それだけスタジオジブリ作品、鈴木敏夫プロデューサーをはじめ、宮崎駿監督、高畑勲監督、それぞれが劇中音楽をいかに大切にしているか、独自の価値観と要求によって、それを見事に久石譲が音楽に昇華しているか、ということがあらためてわかった当時のインタビュー内容でした。

 

本当に読み応え満点で、思わず映画『魔女の宅急便』がまた観たくなります。実際、この読書をしながら、文章を書きながら、『魔女の宅急便』の音楽を聴いています。

 

当サイトでは、もちろん『魔女の宅急便』関連CD作品もそれぞれ詳細紹介しています。

  • イメージアルバムとサウンドトラックの違いって?
  • 同じメロディーの曲なのに曲名がちがう?
  • ヴォーカル・アルバムやハイテックシリーズって?

 

そのあたりも下記CD作品詳細をのぞいてもらえれば、わかると思います。

魔女の宅急便 イメージアルバム

魔女の宅急便 イメージアルバム

 

久石譲 『魔女の宅急便 サントラ音楽集』

魔女の宅急便 サントラ音楽集

 

久石譲 『魔女の宅急便 ヴォーカル・アルバム』

魔女の宅急便 ヴォーカル・アルバム

 

久石譲 『魔女の宅急便 ハイテックシリーズ』

魔女の宅急便 ハイテックシリーズ

 

 

ほかにも、『魔女の宅急便』の音楽たちは、久石譲作品のいろいろなCDアルバムに収録されています。「メロディフォニー」では、美しいフルオーケストラ組曲として。「空想美術館」では、華麗な弦の響きにて。そのあたりは、いつの日か、特集ページでしっかり掘り下げて紹介したいと思います。

 

 

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ジブリの教科書 魔女の宅急便

 

Blog. 文春ジブリ文庫 「ジブリの教科書 5 魔女の宅急便」 読書

Posted on 2014/2/24

2013年4月から創刊された文春文庫 x スタジオジブリによる文春ジブリ文庫シリーズです。第1弾『風の谷のナウシカ』から始まって、第5弾は『魔女の宅急便』です。

毎回楽しみにしているこのシリーズですが、各界からの豪華執筆陣がその作品を独自の視点から読み解いていたり、当時の製作陣インタビューなど貴重な記録が満載です。当時出版された様々な書籍からの再編集も多いですが、ある意味作品ごとに、その内容がまとめられて収められているのはうれしいところ。

また今回のための書き下ろしや語り下ろしインタビューなどもあり、過去と現在の時間を超えて『魔女の宅急便』の世界を楽しむことができます。多彩な執筆陣から、原作者角野栄子、内田樹、上野千鶴子、青山七恵、氷室冴子、松任谷由実、C.W.ニコル、などいろいろなインタビューや対談満載です。

 

読んで知ったことなど、書きたいことたくさんあるのですが。

目からウロコだったのは

  • 映画『魔女の宅急便』の表テーマと裏テーマの存在
  • どうしてキキは飛べなくなったのか?
  • どうしてキキは黒猫ジジと言葉が通じなくなったのか?

このあたりのことが、宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーの口から語られていてとても興味深いです。

ほかにも上の3点などの主要な問題に対して、豪華執筆陣たちが、それぞれの解釈で、あらゆる角度から解説しているのも、なるほどとうなずけます。どれが正解というよりも、いろいろな考え方や捉え方が自由にあるんだな、ということがすごくよくわかります。

“思春期の女の子の物語”でありながら、そこには、「成長」「才能」「働くということ」がしっかりと描かれていたんだなと、改めて奥が深い作品であることがわかりました。

 

宮﨑駿監督は、この作品にふれて「才能」のことを語っています。

平気に無意識にできていたことが、ある日突然できなくなる。
なぜできなくなったのかわからない。
そして無意識のうちに成長していくことはできない。

ちょっと漫画を描けるだけ、単に空を飛べるだけ、それで食っていけるのか?

 

このように「才能を職業にするということ」「働くこと」「おカネをもらって生活していくこと」つまりは、『自分でおカネを稼いで自立する』ということがどういうことなのか、その過程で起こる不安や葛藤、つまずきや成長を、見事に描いています。

キキは空を飛ぶだけの才能、監督は漫画が描けるだけの才能、その小さい頃から無意識にできていたことを意識的に成長させていく物語、そう両者を捉えると、この作品の見どころや台詞の重さも変わってくるのかもしれません。

 

また”思春期”に対する洞察力がすごい。確かに「思春期の頃ってこういう感情だったかな」と誰もが思うような、思春期特有の言動・葛藤・自分を守ること・避難場所 など宮崎駿監督の語りはそれだけでも読む価値が十分にあります。

そんな”思春期”特有のディティールを、映画のなかに散りばめてあって「なるほど、このシーンはこういうことだったのか」と唸ってしまいます。

 

冒頭に、制作当時のインタビューなどを再編集、と書きましたが、そのおかげて、いろいろな製作陣の話が、とてもリアルです。当時の時間をそのまま切り取ったような鮮明さと具体的な話が満載です。美術ボードなどのカラースケッチも多数収録してあり、キャラクター設定のスケッチもあり、絵としても見どころ満点でした。「西洋と東洋の魔女、その歴史」なんかもかなり深く掘り下げてあって、より専門的な話、歴史観や宗教観も学ぶことができます。

 

そしてあのヨーロッパ的な雰囲気のする舞台ですが、モデルとなったスウェーデンのストックホルム、ゴッドランド島のヴィズビーの他、インタビューのなかからいろいろな街の名前が登場してきます。そんなごっちゃまぜにしたヨーロッパ的な舞台だからこそ、モデル地はありながらも「架空の場所」という設定になっているんですね。

ヴィズビーの街です。

魔女の宅急便 ヴィズビー

素敵ですね!ほかにも「ヴィズビー」や「ストックホルム」などで検索をすると、『魔女の宅急便』的雰囲気をもった街写真がたくさんHitすると思います。

 

さて、肝心の音楽:久石譲のことに触れていませんが、もちろん久石譲の当時制作インタビューも収録されています。ここまで網羅してしまいますと、膨大になってしまいますので、それはまた別の機会にご紹介します。

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ジブリの教科書 魔女の宅急便

 

Info. 2014/02/25 麻衣 「ナウシカ・レクイエム」 初披露へ 映画公開から30年

作曲家・久石譲(63)の長女で歌手の麻衣(34)が、2014年2月25日に東京・六本木のSTB139で行われるソロライブで、アニメ史に残る不朽の名作『風の谷のナウシカ』(1984年3月公開)の劇中歌「ナウシカ・レクイエム」を初披露することが19日、わかった。

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Info. 2014/02/20 第10回 国際映画音楽批評家協会賞 久石譲「風立ちぬ」受賞

2014年2月20日、第10回 国際映画音楽批評家協会賞(IMFCA:The International Film Music Critics Association)の結果が発表。

◆オリジナル作曲賞アニメーション部門(Best Original Score For An Animated Feature)
・『クルードさんちのはじめての冒険』 音楽:アラン・シルヴェストリ
・“Epic”(米)(監督:クリス・ウェッジ) 音楽:ダニー・エルフマン
・『アナと雪の女王』 音楽:クリストフ・ベック
・『プレーンズ』 音楽:マーク・マンシーナ
◎『風立ちぬ』 音楽:久石譲

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Info. 2014/03/12 久石譲 「ジブリ・ベスト ストーリーズ」 収録曲&ジャケット 決定

『風の谷のナウシカ』の公開(1984年3月11日)から30年の節目にあたり久石譲が満を持して放つ、スタジオジブリ音楽のベストアルバムのリリースが決定いたしました。その名も 久石譲「ジブリ・ベスト ストーリーズ」。『ナウシカ』から『崖の上のポニョ』まで、久石がソロアルバムとして制作してきた宮崎監督作品の数々の名曲の中から、ピアノをメインにリアレンジされた13曲を選曲。ちょっぴり大人のジブリ・ベストアルバムです。どうぞご期待ください。

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