Overtone.第34回 久石譲ベストアルバム「Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi」を聴く

Posted on 2020/08/13

ふらいすとーんです。

久石譲ベストアルバム『Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi』が2020年2月に世界同日リリースされました。初めての世界共通盤、さらにストリーミングリリース、新たにミュージックビデオ公開など、これまでの活動集大成のような永久保存盤です。そして、ここからまた次の世界発信に向けて動き出す予感すら、記念すべき一枚です。

 

久しぶりに一曲一曲ゆっくり聴きました。ファンにとっても節目のような心持ちで、初めて聴いたときのあの感動や、懐かしさ、新しく抱く感情もあったりしながら、久石譲音楽と共に歩んできた時間に思い馳せる、そんなベスト盤です。

コンサートでプログラムされるときを除いて、昔の曲について振り返ること、今感じること、今記すこと。いい機会だと思って、このベスト発売当時ツイッターに一曲ごとコメントしていきました。今回はそれをまとめたものです。一般的な楽曲解説にはなっていないので、ぜひオリジナル盤やベスト盤のライナーノーツなどで、詳しくは紐解いてもらえたらなと思います。

 

いちファンが語るその曲のこと(魅力・思い出・解説)です。あなたが思うその曲のこと(魅力・思い出・解説)と少しでも共感することがあったならうれしいです。ツイートしたそのままをご紹介します。

 

久石譲の約40年間の名曲たち。

久石譲と歩んできたファンも40年・30年・20年・10年。

これから歩みはじめるファン。

ぐるぐる螺旋のように上昇気流にのって。

それは広がり、膨らみ、溢れ、つながり。

このベストアルバムは ” for ALL FANS”。

 

全体

DISC1はオーケストラを中心に、DISC2はピアノやアンサンブルを中心にまとめられています。宮崎駿監督・北野武監督の映画作品を軸にTV・CM音楽まで。ちゃんと聴いてみようかな、そんな人には涙モノです。オリジナル盤より音質も向上しているのでオススメ満点な永久保存盤!

往年ファンのみなさま。新鮮味はありません。でも音質は向上しております。さて、僕はこう思います。レコード会社の都合や予算からではない、世界リリースという大きな意味のある一枚です。応援してきたその人は、そういう人になったんだ。そんな証ですね。受け取りましょう。

オリジナル盤とゆっくり聴きくらべ。ファンにとっても節目のような心もち。『Melodyphony』からの曲は、より音がくっきりになった印象です。全曲ボリュームレベルきれいに統一コントロール、とおして聴いてもまったく古い新しい凹凸は感じない。1988-2016リリースCDから。

たとえば、”The Wind of Life”はオリジナル盤でレベル超えて音割れしてる箇所あるけれど(3:17-,4:00-)、『Piano Stories Best』でそこはキレイになっていて、もちろんベスト盤でもキレイな音質を引き継いでいます。CD盤愛聴、Apple音質やハイレゾ音源は未開拓です。

 

DISC 1

One Summer’s Day
淡い曲だと思った。でもそこに秘められたもの、奥ゆかしさ。時間とともに輝きをましていった曲。ハープ、グロッケン、弦トレモノの舞う光を反射したような音像(2:16-)も、よりくっきりきらめいている。

Kiki’s Delivery Service
おしゃれにドレスアップしたキキがまぶしい。ヴァイオリン・ソロやチェロ・ソロ、一歩前に出たように輪郭がさらに浮き立ち(3:19-)かけあう立体的空間がのびやかに広がっている。

Summer
日本の夏。夏休み。なつかしい夏。戻れない夏。楽しみな夏。この曲には聴いた人の数だけの”わたしの夏”がある。イントロからのピッチカートはこじんまりとかたまらず、高低豊かな弦たちでふくらみ(-1:07)、木管楽器たちの戯れ(3:14-)もみずみずしい。

il porco rosso
ジブリコンサート(世界ツアー中)をベースにストリングスを加えた短縮版。『Melody Blvd.』のサックス版もいい、『PIANO STORIES III』のフリューゲルホルン版もいい、コンサートでしか聴けない久石譲ピアノソロ版もいい。カッコイイとは、こういうことさ!

Madness
この曲を聴きにコンサートを楽しみにしていた時代がある。ソロ作品から提供するかたちとなったこの曲。スタジオジブリ作品に、久石譲の作家性が色濃く反映されるという巡りあわせ。それは、長いジブリ史のなかで大きな価値をもってくると思う。

Water Traveller
大きなメロディ、独特なハーモニーの流れ、咆哮する金管楽器、大きな水しぶきのようなシンバルやドラ。この曲を気に入って類型を見つけようと思ってもなかなか探せない。もし映画のためじゃなかったら、きっと壮大な序曲として絶対的ポジションにある曲。

Oriental Wind
口あたりがいいだけじゃのこらない。消えていくCM音楽はたくさんある。ふと手のとまる印象的なメロディに、現代的アプローチを盛りこみアート性を高めた音楽作品になっているからこそ、今でものこっている曲。○鷹じゃなくて伊右衛門です。

Silent Love
寄せては返す波と、短いサインの紡ぐ以心伝心。唯一、サントラからのオリジナル収録。『WORKS・I』にも壮大なフルオケ版はあるけれど、今ならまたちがったオーケストラ版や室内楽版を聴かせてくれそうな、そんな期待をしてしまう曲。

Departures
チェロの音域は人の声に近いという。チェロが歌っている、語っている。人が歌うように語るように。いや、言葉にならないこと想いをチェロが代弁しているのかもしれない。おくる人おくられる人の魂のふるえ。胸をつくものがある。

ハープ、マリンバなどの打楽器たちの隠し味がすごく効いているさまがよくわかる。ベスト盤を聴いて新鮮な感動だった。この曲だけじゃなく『メロディフォニー』から収録された曲たちは、ほんとみずみずしい鮮度あがっている。音質向上に感謝です。

“PRINCESS MONONOKE” Suite
久石譲が日本人作曲家であることに、そして同じ日本人であることに、喜びと誇り胸抱くのは、”Summer”よりも”Oriental Wind”よりも、この『もののけ姫』の音楽かもしれない。そこにはたしかなDNAの受け継がれがある。むしだしのドメスティック。

The Procession of Celestial Beings
高畑勲×久石譲のタッグでしか生まれなかった曲。監督からのオーダーを見事に結晶してみせた曲。竹取物語のひとつの答えがここにある。ふたりの作品コラボレーションがひとつだけでもあるかないか、あるという歴史的足跡は大きいと思う。

My Neighbour TOTORO
このオーケストラ版は誕生したときから完璧だった。オーケストラの魅力、ピアノの魅力、トトロの魅力、とびきり溢れてる。もっとこうしたほうが、そんな必要のない、誕生したときのまま。それから約20年。驚異的。

ずっと気になってたけど。ベストアルバムを公式見解とするなら、曲名のときは”Neighbour”(イギリス英語)になってて、作品名のときは”Neighbor”(アメリカ英語)になってる。でもまだ、コンサートプログラムとかごっちゃになってるの多い。その心は?

 

DISC 2

Ballade
こんな演奏を聴かせてくれるバーがあったなら。現実から隠れた光をおさえた空間と、お酒でゆっくりきれいに洗い流してくれる時間。そして少しタフになって、少しやさしくなってお店を出ていく。不純物だらけの日常を濾過するとき。

KIDS RETURN
サントラのシンセサイザー版は覚醒させる。フルオーケストラ版は解放させる。このアンサンブル版は青春の鋭利さやトゲをえぐってくる。挑発的に、痛々しいほどまっすぐに。表情もコロコロ変わる。そしてどのバージョンにも清々しい疾走感がある。

Asian Dream Song
歌曲版サビのないこちら原型。羽生結弦選手のおかげで新たな生命とファンを獲得した幸福な曲。そのスポーツとこの曲に共通するのは、芯の強さと芸術性の高み。いつまでも輝きを失わない。”View of Silence”も収録してほしかったですね。

羽生結弦選手「Hope&Legacy」”View of Silence”。『PRETENDER』CD収録曲ですが、2001年福島「うつくしま未来博」上映作品『4 MOVEMENT』(監督:久石譲)でも使われた曲。この曲には東日本大震災、東北への想いが込めれているのかも。”Asian Dream Song”はスケート始めた頃と夢。象徴的な2曲にのせて。

Birthday
名は体を表す。曲名がそうだから誕生日をイメージさせるのか。純粋無垢なメロディの調べがほわほわ温かさをイメージさせるのか。生まれてきた命への、そして幾度巡ってくる誕生記念日への祝福の曲。スイートな曲。

Innocent
いろいろなCDに、いろいろなバージョンで、いろいろな曲名で収録されている「君をのせて」。器楽版は”Innocent”、歌曲版は”Carrying You”となっているのも象徴的。数ある久石メロディのひとつのタイプ、初期からの原石、イノセントなメロディ。

Fantasia
シンプルなピアノ版を聴いても、そのスケールの大きさは伝わる。限られたハーモニーで紡ぐ壮大なメロディは、絵画的でもあり宇宙的でもある。これがアニメーション映画につけられた音楽か、過去・現在・近未来、時間をのみこむ旋律。ここからすべてがはじまった。

「風の伝説」をベースとしながらも、「遠い日々」もモチーフ(3:40-)や「ナウシカ・レクイエム」からも(4:30-)織りこまれたピアノ幻想曲。”Symphonic Poem NAUSICAA 2015″ [The End of the World収録]の4:00-,7:00-などで登場しています。

HANA-BI
HANA-BIとは生と死。刹那にエモーショナルにピアノは語る。すごく離れたものでもなく、隣り合わせでもなく、ひとつの表裏かもしれない。光と影。メロディをささえる重い低音が、生と死のたしかな存在感に胸を燃やす。咲くこと、散ること。

The Wind Forest
現代人が感じる日本の原風景。体験してきたこと、童心、ぬくもりのある光景。ふしぎと古さを感じさせない、昭和・平成・令和、世代を超えてつながる珠玉のメロディ。

Angel Springs
The Wind of Life
『Piano Stories II』は一緒に過ごした時間の一番長いアルバムかもしれない。毎日、365日。少しだけでも曲がらずに育ってこれたなら、感謝しなくちゃ。そういう一枚があるだけで、思い出は甘く切なくいつでも輝く。

Nostalgia
十代にもノスタルジーはある。年代ごとにその質感は変わっていく。昔の記憶で心と体を温める。郷愁たっぷり、ひたりたいときだってある。夕陽のようなぬくもりは、明日への熱源になっていく。

Spring
Summerの姉妹曲。それはタイトルだけじゃない。[ラレミファ(ミーレレー)]の”Summer”と、[ラファソラ(ミーレレー)]の”Spring”。ニ長調の同じモチーフから変奏された姉妹曲。軽やかで爽やかなふたつ。AutumnやWinterは?と待ちこがれた時代がなつかしい。

Ashitaka and San
エバーグリーンな曲。防ぎたかった破壊がある。防げなかった破壊がある。そこから学んだこともある。でも、失われたものの大きさを忘れてはいけない。どんな状況でも鎮魂の祈りを、どんな状況でも希望の願いを。そこからしかほんとうの再生はうまれない。

『銀河鉄道の夜』親和性のある楽曲ひとつ。宮沢賢治に造詣の深い宮崎駿・高畑勲 両監督。先に完成されたその曲を聴いて、とても気に入ったんじゃないかな、同じ空気感や雰囲気でとお願いしたんじゃないかな。真実はわからない。ひとつの空想です。

Ponyo on the Cliff by the Sea
すべての楽器が音をはじいて弾く、音符の粒たちがぷちぷちかわいく跳ねあう。ベストアルバムを聴きながら、ハッとよぎった。「あら、わたし達はもともと泡から生まれたのよ。」グランマンマーレの台詞。音の粒、泡、生命。

Cinema Nostalgia
古きよき映画の時代。それはサイレント映画か、白黒映画か、映写機まわすおじさんのいた時代か。僕らにはわからない。けれど、音楽が運んでくれる佇まい・味わい・香りは、あの時代を感じることができる。心のフィルムに焼きつける。

Merry-Go-Round
回転木馬のアップダウンと、長調と短調の交互する旋律。人生山あり谷あり、一喜一憂。メリーゴーランドから眺める景色は、まるで自分が世界の中心のように廻る廻る。踊るワルツ。宮崎駿監督が命名した”人生のメリーゴランド” タイトルもすごい!曲もすごい!

 

 

DISC 1
1. One Summer’s Day 映画『千と千尋の神隠し』より
2. Kiki’s Delivery Service 映画『魔女の宅急便』より
3. Summer 映画『菊次郎の夏』より
4. il porco rosso 映画『紅の豚』より
5. Madness 映画『紅の豚』より
6. Water Traveller 映画『水の旅人 侍KIDS』より
7. Oriental Wind サントリー緑茶『伊右衛門』CMソング
8. Silent Love 映画『あの夏、いちばん静かな海。』より
9. Departures 映画『おくりびと』より
10. “PRINCESS MONONOKE” Suite 映画『もののけ姫』より
11. The Procession of Celestial Beings 映画『かぐや姫の物語』より
12. My Neighbour TOTORO 映画『となりのトトロ』より

DISC 2
1. Ballade 映画『BROTHER』より
2. KIDS RETURN 映画『KIDS RETURN』より
3. Asian Dream Song 1998年「長野冬季パラリンピック」テーマソング
4. Birthday
5. Innocent 映画『天空の城ラピュタ』より
6. Fantasia (for Nausicaä)  映画『風の谷のナウシカ』より
7. HANA-BI 映画『HANA-BI』より
8. The Wind Forest  映画『となりのトトロ』より
9. Angel Springs サントリー「山崎」CMソング
10. Nostalgia サントリー「山崎」CMソング
11. Spring ベネッセコーポレーション「進研ゼミ」CMソング
12. The Wind of Life
13. Ashitaka and San 映画『もののけ姫』より
14. Ponyo on the Cliff by the Sea 映画『崖の上のポニョ』より
15. Cinema Nostalgia 日本テレビ系「金曜ロードショー」オープニング・テーマ曲
16. Merry-Go-Round 映画『ハウルの動く城』より

 

 

 

 

そして、久石譲ベストアルバム『Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi』発売とともに、新たに制作され公開されたMusic Videoたち。

 

Joe Hisaishi – One Summer’s Day

 

Joe Hisaishi – Summer

 

Joe Hisaishi – Nostalgia

 

Joe Hisaishi – My Neighbour TOTORO

from Joe Hisaishi Official YouTube

 

 

オリジナル・リリース

DISC 1
Track.1,2,3,6,7,9,12
Disc. 久石譲 『Melodyphony メロディフォニー ~Best of JOE HISAISHI〜』

Track.4,5
Disc. 久石譲 & 新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 『The End of the World』

Track.8
Disc. 久石譲 『THE BEST COLLECTION presented by Wonderland Records』

Track.10
Disc. 久石譲 & 新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 『真夏の夜の悪夢』

Track.11
Disc. 久石譲 『WORKS IV -Dream of W.D.O.-』 *抜粋

DISC2
Track.1,7,13
Disc. 久石譲 『ENCORE』

Track.2
Disc. 久石譲 『Shoot The Violist ~ヴィオリストを撃て~』

Track.3,9,12
Disc. 久石譲 『PIANO STORIES II ~The Wind of Life』

Track.4,11,16
Disc. 久石譲 『FREEDOM PIANO STORIES 4』

Track.5,6,8
Disc. 久石譲 『Piano Stories』

Track.10,15
Disc. 久石譲 『NOSTALGIA ~PIANO STORIES III~』

Track.14
Disc. 久石譲 『Another Piano Stories ~The End of the World~』

 

Also included in
DISC2 Track.5,6,8,9,12,15
Disc. 久石譲 『Piano Stories Best ’88-’08』

DISC1 Track.1,2,12 & DISC2 Track. 6,8,13,14
Disc. 久石譲 『Ghibli Best Stories ジブリ・ベスト ストーリーズ』

 

 

 

世界盤をベースに、デザイン・円盤・英文ブックレットすべて共通です。国内盤は対訳ライナーノーツが封入されています。洋楽アーティストの日本盤に追加でブックレットが入っているのと同じ、世界仕様です。各国盤にも対訳がついてくるんだと思います。

サブスク解禁で久石譲音楽が手軽に聴けるようになりました。海外ファンも公式音源を迷うことなく探せて聴けるようになりました。海外コンサート会場でも文句なしにおすすめできる、ワールドワイド・ベスト。これは総決算・到達点ではなく、新しいはじまりの第一歩です、たぶん。

それではまた。

 

reverb.
次の世界リリースはオリジナルアルバムか、第二弾ベストアルバムか♪

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

このコーナーでは、もっと気軽にコメントやメッセージをお待ちしています。響きはじめの部屋 コンタクトフォーム または 下の”コメントする” からどうぞ♪

 

Disc. 久石譲 『Xpark(館内展示エリア音楽)』 *Unreleased

2020年8月7日 開館

 

2020年8月7日グランドオープン
新都市型水族館『Xpark』(台湾・高鉄桃園駅前)
館内展示エリアの楽曲(全7曲)書き下ろし

曲名・分数・編成などは不明

 

 

“久石譲さんによる7曲の館内音楽は、コロナの影響でリモート会議による打ち合わせを行ったという。巨大水槽で行われる魚群ショーや各ゾーンのイメージを伝えて打ち合わせを重ね、コロナの影響でオーケストラでのレコーディングができないなどの困難を乗り越えで完成した。”

(台北経済新聞 より抜粋)

 

 

メディア・旅行代理店向けに行われた内覧会の様子を動画で見たかぎり、TV『Deep Ocean シリーズ』、プラネタリウム『ad Universum』、映画『海獣の子供』の音楽づくり線上にあるような、ミニマルベースの心地よい、時間軸や空間軸の無数の広がりを感じる音楽となっている。また、生楽器のレコーディングが難しい環境下だったからだろうか、シンセサイザーベースの音楽になっていて、ほとんど生楽器は使っていないように聴こえる。そのぶん、シンセサイザー構成ならではの音やフレーズが飛び交っていて、近年の久石譲音楽制作からすると、貴重な音源といえるかもしれない。生楽器ならば微細な質感や音感でニュアンスに広がりや表情をもたせられることに対して、今回のシンセサイザーベースの楽曲は、パート数・トラック数といった旋律の数を多くすることで、表情を豊かにカラフルにしているように聴こえた。

 

 

なお、公式CM動画公開(2020年9月28日)でも、少しだけ音楽を聴くことができる。

 

 

いつかオリジナル音源や、演奏会用の作品として聴いてみたい。

 

 

 

2021.7 追記

「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2021」コンサートにて「Xpark」が初演された。

 

”台湾の水族館のために作曲した。いわば環境音楽のように観に来ていただいた人々に寄り添う音楽を書いたが、この曲はExitの音楽として観客の皆さんが楽しい気分で帰って欲しい、と思い作曲した。”

(「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2021」コンサート・パンフレットより)

 

 

 

 

2021.11 追記

久石譲インタビュー動画が公開された。また11月11日からは新しいフルオーケストラ・バージョンが館内で公開されることになった。あわせて全7曲のタイトルも発表された。

1.entrance 『Xpark 〜introduction〜』
2.福爾摩沙 『Sea mystery』
3.銀鯧幻影之美『Rainbow in curved fishes』
4.暖海生機 『Fish around the sea』
5.癒見水母(前半) 『Floating the space』
6.癒見水母(後半) 『Kaleidoscope』
7.Xcafe~EXIT 『Xpark 〜ending〜』

 

 

 

2022.07追記

アルバム『Symphonic Suite “Princess Mononoke” 2021』に収録された。

 

 

 

 

 

Blog. 「新日本フィルハーモニー交響楽団 ベートーヴェン生誕250年記念 久石譲、ベートーヴェンを振る!」コンサート・プログラム

Posted on 2020/08/06

毎年夏開催「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2020」に久石譲が登場しました。「新日本フィルハーモニー交響楽団 ベートーヴェン生誕250年記念 久石譲、ベートーヴェンを振る!」公演です。

開催も危ぶまれるほどの状況下、座席数を制限してのホール鑑賞とインターネット有料映像配信によるハイブリッド開催という新しい試みです。コンサートに足運ぶことを待ち望んだ観客は、拍手喝采にわき、オンライン鑑賞は当日のライブ配信から一定期間アーカイブ配信視聴まで楽しめるという、新しいかたちです。

 

 

新日本フィルハーモニー交響楽団
ベートーヴェン生誕250年
久石譲、ベートーヴェンを振る!

[公演期間]  
2020/08/04

[公演回数]
1公演
ミューザ川崎シンフォニーホール

[編成]
指揮:久石譲
ヴァイオリン:豊嶋泰嗣(ソロ・コンサートマスター) *
コンサートマスター:崔文洙(ソロ・コンサートマスター)
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

[曲目]
久石譲:Encounter for String Orchestra
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61 *
(カデンツァ:ベートーヴェン/久石譲)

—-intermission—-

ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 作品92

[参考作品]

久石譲 千と千尋の神隠し 組曲 

 

 

当日会場でも配布された「プログラム・曲目解説」はPDFで閲覧・ダウンロードできます。

公式サイト:フェスタ サマーミューザKAWASAKI 2020|新日本フィルハーモニー交響楽団
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2702

 

 

「Encounter for String Orchestra」は、だまし絵で知られる版画家M.C.エッシャーの同名の作品に触発された楽曲。リズムは変拍子のアフタービートで刻まれ、ミニマル・ミュージックを原点に持つ久石ならではのもの。ピアノと弦楽四重奏のための作品を弦楽オーケストラのために自ら編曲。ミニマル・ミュージックと、弦楽オーケストラならではの抒情的感性とが絡み合い、それぞれの特性が浮かび上がる。

「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」 今回、演奏されるヴァイオリン協奏曲のカデンツァは、そのピアノ協奏曲に編曲する際にベートーヴェン自身が作ったカデンツァをもとに久石譲が再構築したものだ。編曲者によって途中がカットされている版がほとんどだが、久石はそれをせずにベートーヴェンのオリジナルと同じ長さに仕上げた。まさに世界で唯一の完全版で、今回の演奏会が初のお披露目になる。

(プログラムより 一部抜粋)

 

 

 

アーカイブ動画は、《公演を1000円で、8月31日まで、たっぷり3時間、いつでも何度でも、ゆっくり視聴OK》となっています。

内容
久石譲インタビュー
室内楽コンサート
公演
首席ファゴット奏者 河村幹子インタビュー
テレワーク動画「さんぽ」

 

これからますますふえていく、コンサート動画配信、いち早く楽しんでみてください。

公式サイト:TIGET|新日本フィルハーモニー交響楽団 久石譲
https://tiget.net/tours/summermuza20200804

 

 

 

ここからは映像配信の内容をベースとしながらご紹介します。

 

 

指揮者 久石譲インタビュー (約7分)

外出が出来ない時期は何をされていましたか?

久石:
「この5ヶ月間、僕がやっていたのは、ほとんどほんとに家にいたんですけれども、週3回オンラインで英語のレッスンを受け、それから新しいシンフォニーを書く、それからちょっとエンターテインメントのお仕事とか、ほとんどもう作曲に集中して、できるだけ規則正しい生活を、ミニマルの生活と言いますか、それをずっと一生懸命やっていました。」

 

演奏曲目について
見どころ聴きどころ

久石:
「今回演奏するのは、1曲目に僕の「Encounter」というストリング・オーケストラの曲、これが約7分ちょっとでしょうかね、とてもリズム難しいんですけれども、その現代曲をやって。」

「それからベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルト(協奏曲)をやります。このコンチェルトに関しては、ソリストの豊嶋(泰嗣)さんから依頼があって、カデンツァを僕が全部作りました。ただこの場合、新しいフレーズを自分が書くにはちょっとおこがましいので。ベートーヴェン自身がヴァイオリン・コンチェルトをピアノ・コンチェルトに直しました。そのとき初めて本人がカデンツァを書いたんですね。ヴァイオリン・コンチェルトのときは書いてないんですが、ピアノコンチェルトに直したときにカデンツァを書いたんです、かなり長大なカデンツァ。これをベースに作った。それで、普通はピアノ・コンチェルトなので途中いろんなところをカットされるんですが、僕はもう今回はベートーヴェンが書いたとおりのものを、(ソリストと)もうひとりヴァイオリンとチェロとティンパニ、こういうかたちで、いわゆる完璧バージョンとして作り直しました。それから、豊嶋さん自体がですね、15万円ぐらいするのかなあ、なんかわからないけど、自筆のベートーヴェン譜を昔買って、それを徹底的に調べて、通常やってるフレーズとは随分違うフレーズでやってるんで、今回はとてもその、何度も聴いてるかもしれませんけれども、随分違ったベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトになると思います。これはもうほんとに今回初めて聴ける、ほんとのオリジナル完全バージョンということになると思います。」

 

9月1日から新日本フィルハーモニー交響楽団のComposer in residence and Music Partnerに就任

久石:
「今までワールド・ドリーム・オーケストラという、僕と新日本フィルのプロジェクトとして音楽監督やってたんですけれども、今回のコンポーザー・イン・レジデンスになりますと、このオーケストラのために現代曲として作品としてきちんと作曲をし、それからミュージック・パートナーとしても、どちらかというと今度は演奏する側に自分もまわって、きちんと一緒に音楽を作っていく。なにかいろいろなことがあったら相談にのるし、できるだけ一緒にこういう方向に進もうよということを積極的にクラシックの分野でも一緒にやっていこうということになるわけですね。ですから、とても光栄ですし、逆に大変緊張もしています。」

「あと、わりと海外からも委嘱がすごく多いんです。ですから、やはりもともとミニマルをベースにした作曲家だったわけなので、それをこれからは真剣にやりたい。そして、いろいろこうやって新日本フィルさんともその新作を一緒に演っていきたい、そういうふうに思っています。」

 

久石譲さんにとって新日本フィルは○○なオーケストラ?

久石:
「オーケストラというものを一から教えてもらったのが新日本フィルなんですね。たとえば、リハーサルのやりかた、それからオーケストラの人たちが何を大切にしているか、というのをかれこれ30年一緒に仕事をしています。それで、折に触れそういうことを教わってきて、自分が今オーケストラの曲を書いたり、オーケストラを指揮する、それはすべて新日本フィルから教わったことなんですね。だから僕にとっては、ここはほんとにホームグラウンドなんですね。ホームグラウンドで、しかもとても品のある上品な心に訴えてくるサウンドといいますか音と、それからワールド・ドリーム・オーケストラなんかで、僕のミニマル・ミュージックとか随分演ってますので、とても現代性も持っている。そういう長所を、それともちろん、小澤(征爾)さんたちがずっと培ってきたクラシックの非常に伝統的な、その両方をこなせるすごくいいオーケストラなので、恩返しもふくめて、そういう長所を伸ばして一緒にやっていく、そういうオーケストラを目指したいと思っています。」

 

配信をご覧になっている皆さまへ
メッセージをお願いします

久石:
「こういう非常に厳しい状況ですが、我々音楽をやっている人間は、やっぱり音を出す、それがやっぱり命です。今回、新日本フィルハーモニー交響楽団の皆さんも、みんなほんとに燃えてます。ぜひその一生懸命やっているひたむきな演奏を楽しんでください。」

(動画より 書き起こし)

 

 

室内楽コンサート

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8番

【出演】
ヴァイオリン:崔文洙、ビルマン聡平
ヴィオラ:篠﨑友美
チェロ:植木昭雄

 

本演前の室内楽コンサートといえば、ふつうはロビーコンサートやウェルカムコンサートなどのような、軽い装いのプログラムと雰囲気をイメージしますが、ステージでの演奏は張り詰めた緊張感がひしひし伝わる迫真の演奏でした。この作品は、”反ファシズムと第2次大戦で亡くなられた方々への哀歌として作曲されたもので、コロナ禍の犠牲になられた方々へ捧げられました。”と紹介されています。コンサートマスターが演奏に入っていることからも並々ならぬ思いが伝わってきます。

 

from ミューザ川崎シンフォニーホール 公式ツイッター
@summer_muza

 

 

プログラム
久石譲:Encounter for String Orchestra
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61 *
(カデンツァ:ベートーヴェン/久石譲)

—-intermission—-

ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 作品92

 

 

コンサート動画配信は、多数のカメラアングルと、臨場感のあるサウンドです。ライブ配信時の映像と音響をそのままアーカイブ配信していますが、編集や修正の必要のないくらい素晴らしいライブ・クオリティです。

「Backstage Special View」、舞台袖に設置されたカメラで、舞台袖から登場する指揮者や奏者、カーテンコールで出たり入ったりする指揮者やソリストの様子まで。普段のホール客席からは見ることのできない貴重な機会と、本企画ならではの楽しみ方に感謝です。

新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターが二人も同じステージに上がる公演、なかなかない贅沢さだと思います。弦編成は12~10~8~6~6の対向配置と、一般的な弦12型よりも低弦が厚くなっていて(これは久石譲の編成特徴)、ダイナミックなサウンドです。ティンパニは、「ヴァイオリン協奏曲」と「交響曲 第7番」とで使用している種類が違います。(久石譲FOCは本公演「交響曲 第7番」で使用している種類と同じで、また木の撥を使うのも同じじゃないかなと思います。乾いた跳ねるような音質が特徴的です。)オーボエはベテランの方でしょうか、オーケストラのチューニング時はオーボエのラ音に合わせるのですが、そのときに音叉を耳に当てていらっしゃるのが印象的です。また演奏中、オーボエのふとしたフレーズで指揮者久石譲やソリスト豊嶋泰嗣の表情が一瞬ゆるんだり、空気がそこでふわっと変わったり明るくなったり、ちょっとペースを整えたりと。そんな見えない安定感や信頼感といったものが伝わってきました。長年一緒にやっている大御所の方でしょうか。

このように、見れば見るほど、聴けば聴くほどに、新しい発見やおもしろさがありそうです。動画配信ならではの楽しみ方です。

 

お客さんの数は、いつもより少ないはずなのに。カーテンコール、鳴りやまない拍手喝采に、着替えかけのTシャツ姿の久石譲が再登場。豊嶋泰嗣さん、崔文洙さん、コンサートマスターお二人も現れ、客席へ応えている笑顔は、このコンサートの成功を映しているようでした。

 

公演風景の写真2枚お借りしました。(計4枚中)

from ミューザ川崎シンフォニーホール 公式ツイッター
@summer_muza
https://twitter.com/summer_muza/status/1290596877428088832

 

 

また主催者オフィシャルブログでも公演の様子と観客感想が紹介されています。ぜひご覧ください。

公式サイト:ミューザ川崎シンフォニーホール|オフィシャルブログ|8/5日 第11号
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/blog/?p=13230

 

 

まだ間に合う!

アーカイブ動画は、《公演を1000円で、8月31日まで、たっぷり3時間、いつでも何度でも、ゆっくり視聴OK》となっています。

 

内容
久石譲インタビュー
室内楽コンサート
公演
首席ファゴット奏者 河村幹子インタビュー
テレワーク動画「さんぽ」

公式サイト:TIGET|新日本フィルハーモニー交響楽団 久石譲
https://tiget.net/tours/summermuza20200804

 

 

Info. 2020/09/01 久石譲 Composer in Residence and Music Partner 就任 新日本フィルハーモニー交響楽団

Posted on 2020/07/31

久石 譲氏 Composer in Residence and Music Partner 就任のお知らせ(新日本フィルハーモニー交響楽団)

2020年9月1日より、久石譲氏が Composer in Residence and Music Partnerとして就任することとなりました。 “Info. 2020/09/01 久石譲 Composer in Residence and Music Partner 就任 新日本フィルハーモニー交響楽団” の続きを読む

Info. 2020/07/31 小澤征爾、原田慶太楼、久石譲ら各界著名人よりコメントが到着『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』(Web SPICEより)

Posted on 2020/07/31

小澤征爾、原田慶太楼、久石譲ら各界著名人よりコメントが到着『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』

2020年8月14日(金)発売のライヴ・アルバム『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』。本アルバムに各界著名人から寄せられた推薦コメントが到着した。また、「ハリー・ポッター」テーマ曲のティザー映像も本日7月31日(金)より公開となった。 “Info. 2020/07/31 小澤征爾、原田慶太楼、久石譲ら各界著名人よりコメントが到着『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』(Web SPICEより)” の続きを読む

Info. 2020/07/31 久石譲が日本センチュリー交響楽団の首席客演指揮者に就任 (Web SPICEより)

Posted on 2020/07/31

久石譲が日本センチュリー交響楽団の首席客演指揮者に就任

2021年の4月より、日本センチュリー交響楽団の首席客演指揮者に久石譲が就任する。

スタジオジブリ作品の音楽制作で知られる作曲家 久石譲だが、最近はオーケストラの作品作りに取り組む傍らで、ロンドン交響楽団や香港フィルハーモニー管弦楽団を定期的に指揮するなど、指揮者としての活動も精力的にこなしている。 “Info. 2020/07/31 久石譲が日本センチュリー交響楽団の首席客演指揮者に就任 (Web SPICEより)” の続きを読む

Info. 2020/07/09 [久石譲:Melody Road]日本センチュリー交響楽団WebコンサートVol.7 動画公開

Posted on 2020/07/29

2021年4月より、久石譲が当団の首席客演指揮者に就任することが決定いたしました!

これまでも幾度となく共演を重ね、その心に響く音作りや、楽譜の新鮮な解釈に、私たちはいつも心を奪われてきました。
「現代の音楽を知る者の視点で、クラシック音楽に取り組みたい」と語る久石氏。
来シーズンより共にどんな音楽を作っていけるのか、楽団員一同楽しみでなりません。
歓迎の意を込めて、久石譲の映画音楽の魅力が詰まった作品”Melody Road”を演奏致しました。
久石作品の限りない魅力をご堪能頂くと共に、氏を迎えて更に進化する日本センチュリー交響楽団にどうぞご期待下さい!

 

[久石譲:Melody Road]日本センチュリー交響楽団WebコンサートVol.7

◆久石譲 作曲/ 弦楽四重奏曲集 カルテット より “Melody Road”
(全音楽譜出版社:久石譲ライブラリー)

【演奏者】
[Concertmaster]松浦奈々
[Violin]池原衣美、小川和代、関晴水、中屋響、道橋倫子
[Viola]須田祥子、飯田隆、森亜紀子
[Cello]北口大輔、渡邉弾楽
[Contrabass]村田和幸

 

◆Joe Hisaishi:Melody Road
It is a great privilege to announce that we will have Joe Hisaishi as our Principal Guest Conductor for the coming season starting in April 2021.

All the members of Japan Century Symphony Orchestra are delighted to perform and create epoch-making music with the composer and conductor of world-wide fame.

To extend our warm welcome to Joe Hisaishi, we are presenting his “Melody Road”, a medley piece of his famous film-music works.
Please look forward to it!

 

***ご寄付のお礼とご案内***
日頃より日本センチュリー交響楽団の活動を応援いただき誠にありがとうございます。
新型コロナウイルスの影響によりコンサートの開催が困難な状況が続いておりましたが、
先月末より、ソーシャルディスタンスに充分に配慮した形でコンサートを再開し始めました。
とはいえ、奏者やお客様の数を大幅に減らすなどの策を講じることになるため、まだまだ通常のコンサートのように多くの皆様に会場でお目にかかることは難しい状況です。
コンサートホールや配信ライブでの演奏に加えて、このWebコンサートシリーズにおいても、引き続き音楽をお楽しみ頂ければと存じます。

大変有難いことに、当楽団の動画をご覧になったお客様よりご寄付のお申し出を頂いております。
皆様からの温かいご支援がどれほど励みになることか、言い表す言葉も見つかりません。
日本センチュリー交響楽団の楽員・スタッフ一同、心よりお礼を申し上げます。
温かい応援のお気持ちに感謝するとともに、ご支援のお申し出・お問合わせを引き続きいただいておりますので、この場を借りて、下記の寄付サイトのご案内をさせていただきたいと思います。

小口寄付のご案内
https://www.century-orchestra.jp/support/donate.html

ただいま「小口寄付」にて1000円からのご寄付をお受けしております。 私たちはいつも、音楽を通して皆さまと繋がりたいと思っています。
今後とも日本センチュリー交響楽団をどうぞ宜しくお願い致します。

Official Website→ https://www.century-orchestra.jp/
Facebook→ https://facebook.com/JapanCentury
Twitter→ https://twitter.com/Japan_Century

from 日本センチュリー交響楽団 YouTube

 

 

 

Blog. 「レコード芸術 2020年8月号」ブラームス:交響曲第1番 久石譲 FOC 最新盤レヴュー・評

Posted on 2020/07/27

クラシック音楽雑誌「レコード芸術 2020年8月号 Vol.69 No.839」、先取り!最新盤レヴュー コーナーに『ブラームス:交響曲第1番/久石譲指揮 フューチャー・オーケストラ・クラシックス』が掲載されました。

ここで紹介されるものは、次月号「新譜月報」に登場するディスクから要チェックアイテムを先行紹介するもの、来月号にも期待です。

 

 

先取り!最新盤レヴュー

一騎当千の手練たちがバンドのように燃焼する

久石譲とフューチャー・オーケストラ・クラシックスのブラームス:交響曲第1番が登場

 

ベートーヴェンをきっかけに風向きは変わり始めた

久石譲は、宮崎駿監督のアニメなど映画音楽の作曲家として名高いが、近年はクラシック音楽の指揮者としても活躍している。

国立音楽大学作曲科の学生時代に影響を受けたミニマル・ミュージックの紹介と、自作の新作初演にも力を入れているが、それと並行して、19世紀の交響曲の指揮でも着実に経験を重ねて、成果をあげつつある。

10年ほど前、東京フィルや新日本フィルを指揮した演奏会やそのライヴ録音のCDが出はじめたころは、博物館行きではない、生き生きとした音楽を聴かせたいという思い自体はよくわかったものの、楽員たちとの意思疎通にもどかしさが残り、十分な結果につながらないうらみがあった。

しかし、評価は変わりつつある。転機となったのは、2016年に開館した長野市芸術館の芸術監督として、新たに結成したナガノ・チェンバー・オーケストラ(CDではフューチャー・オーケストラ・クラシックスと改称)を18年まで毎年夏に指揮して、ライヴ録音によるベートーヴェンの交響曲全集を完成させたことだ。

本格派を自負するようなクラシック好きはどうしても、その活動を「アニメで儲けた作曲家の余技」と、よく聴きもしないうちに軽侮しがちだが、それだけで片づけてしまうにはもったいない演奏を、このベートーヴェンでは聴くことができた。

現在は、ベートーヴェンの交響曲はヨーロッパを中心に、第1ヴァイオリン12人以下の編成で演奏するものが主流となっている。久石もその傾向に則り、室内オーケストラのサイズで、快速で弾力に富んだ演奏を展開していた。

 

一気呵成に進行するダイナミックな音楽

今回のブラームスの交響曲第1番も、同様の方式によっている。弦楽器は10~10~8~6~5という編成で、ヴァイオリンは舞台の左右に分かれる対向配置。チェロとコントラバスは第1ヴァイオリンの後ろにいる。

ヴィブラートは少なめに、音の減衰を早めにして弾ませ、第1楽章の序奏から速いテンポで、音楽を一気呵成に進行させる。チェロとコントラバス、打楽器とハープ以外の全員が立奏しているのも、音楽のダイナミックな動きにつながっている。

現代のブラームス演奏は、前期と後期のロマン派様式の境目に位置して、どちらもさかんなだけでなく、双方に利点と説得力がある。久石の演奏はもちろん前者だ。

ナガノ・チェンバー・オーケストラから新たに東京を活動の中心に移し、フューチャー・オーケストラ・クラシックスと名を変えたアンサンブルには、国内の交響楽団の首席奏者など俊英がつどって、まことにイキがいい。久石の指揮のもと、思いきりやってやろうという意欲が伝わってくる。

顔の見えない巨大集団ではなく、個性を持った演奏家たちがバンドのように合奏する。近年のヨーロッパのありかたが、ようやく日本にも伝わってきているようで、嬉しい。コンサートマスターの近藤薫、ホルンの福川伸陽などのソロの鮮やかさも際だっている。

来年7月までにブラームスの残りの交響曲を演奏する計画は、コロナ禍のために中止となってしまったが、再起と実現を待ちたい。

山崎浩太郎

(レコード芸術 2020年8月号 Vol.69 No.839 より)

 

 

 

 

 

Info. 2021/04 久石譲 日本センチュリー交響楽団 首席客演指揮者 就任へ

Posted on 2020/07/22

【NEWS:日本センチュリー交響楽団 久石譲 首席客演指揮者就任決定!!】

2021年4月より、久石譲が日本センチュリー交響楽団の首席客演指揮者に就任することが決定いたしました。

クラシカルな作品から映画音楽まで幅広く活躍の場を広げる日本を代表する作曲家・久石譲がプロオーケストラの正指揮者ポストに就くのは初めてのことです。 “Info. 2021/04 久石譲 日本センチュリー交響楽団 首席客演指揮者 就任へ” の続きを読む