Posted on 2018/11/04
2018年11月2~3日、久石譲によるスタジオジブリ宮崎駿監督作品演奏会がアメリカ・ニューヨークにて開催されました。
2017年6月パリ世界初演、「久石譲 in パリ -「風の谷のナウシカ」から「風立ちぬ」まで 宮崎駿監督作品演奏会-」(NHK BS)TV放送されたことでも話題になりました。
1984年公開の「風の谷のナウシカ」から2013年公開の「風立ちぬ」まで、宮崎駿監督と久石譲コンビが手がけた全10作品の音楽を演奏するスペシャルなフィルム・コンサート。巨大スクリーンに映し出される映画の名シーンと共に奏でられるオーケストラの迫力の音楽。指揮・ピアノはもちろん久石譲、共演オーケストラはハリウッド・フィルム・ミュージック・オーケストラ。
ワールドツアーとして世界各国をめぐるジブリ・コンサート、パリ(2017.6)メルボルン(2018.4)サンノゼ(2018.5)ロサンゼルス(2018.9)につづいて5回目の開催地として選ばれたニューヨーク。
2018.11.7 update!!
写真4枚追加しました。
JOE HISAISHI SYMPHONIC CONCERT:
Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki
[公演期間]
2018/11/02 – 2018/11/03
Friday, November 2, 2018 8:00PM
Saturday, November 3, 2018 6:00PM
[公演回数]
2公演
ニューヨーク・カーネギーホール
Carnegie Hall, New York
[編成]
指揮・ピアノ:久石譲
管弦楽:ハリウッド・フィルム・ミュージック・オーケストラ
Conductor, Piano:Joe Hisaishi
Orchestra:Hollywood Film Music Orchestra
Choirs:Hollywood Film Music Orchestra Choirs
[曲目]
1. “NAUSICAÄ OF THE VALLEY OF THE WIND”
The Legend of the Wind
Nausicaä Requiem
The Battle between Mehve and Corvette
The Distant Days
The Bird Man
2. “KIKI’S DELIVERY SERVICE”
A Town with an Ocean View
Heartbroken Kiki
Mother’s Broom
3. “PRINCESS MONONOKE”
The Legend of Ashitaka
The Demon God
Princess Mononoke (Soprano: Michele Kennedy)
4. “THE WIND RISES”
(Mandoline: Kyle Pudenz)
A Journey (A Dream of Flight)
Nahoko (The Encounter)
A Journey (A Kingdom of Dreams)
5. “PONYO ON THE CLIFF BY THE SEA”
Deep Sea Pastures
Mother Sea (Soprano: Michele Kennedy)
Ponyo’s Sisters Lend a Hand – A Song for Mothers and the Sea
Ponyo on the Cliff by the Sea
—- 20-minute Intermission —-
6. “CASTLE IN THE SKY”
Doves and the Boy
Carrying You
7. “PORCO ROSSO”
Bygone Days
8. “HOWL’S MOVING CASTLE”
Symphonic Variation “Merry-go-round + Cave of Mind”
9. “SPIRITED AWAY”
One Summer’s Day
Reprise (Vocal: Marisa De Silva)
10. “MY NEIGHBOR TOTORO”
The Path of the Wind
Hey Let’s Go (Vocalist: Marisa De Silva & Soprano: Michele Kennedy)
My Neighbor Totoro (Vocalist: Marisa De Silva & Soprano: Michele Kennedy)
—–encore—-
Madness from Porco Rosso
Ashitaka and San from Princess Mononoke
祝!カーネギーホール!
今回は少しお話しを。
ジブリコンサートの映像と音楽のバランス。
久石譲は武道館コンサート(2008)のときにこう語っています。「スクリーンが大きすぎると映像に音楽がくっついてる感じになるし、小さすぎると映像がオマケになってしまう」。そこから88m x 162mの巨大スクリーン、映像と音楽のバランスがいいと導き出した。オーケストラと合唱の大編成、ステージの大きさと大人数が与える視覚的インパクト。それらと対等になるスクリーンの大きさがあの特注スクリーンです。
映像に合わせて音楽をシンクロさせる手法もとっていません。スクリーンに映し出される本編映像とそのとき奏でられる音楽は映画とコンサート違います。でも、観客はその世界観に違和感なく映像と音楽にどっぷりひたることができる。映画ワンシーンの”そのためだけの音楽”ではないからこそ、自由に羽ばたくイマジネーションの広がり。”作品の世界観に音楽をつける”その結晶です。
映画シーンとLive映像を織り交ぜることも。フィルムはフィルムでずっとダイジェスト映像ではなく、今その瞬間ステージLive映像と交錯させることで、臨場感や高揚感、観客の満足度は最高潮に達します。そして映像のつながりや切り替えもなめらかな職人技が光ります。
「映像と音楽は対等であるべき」久石譲の映画音楽に対する信念の象徴、見事に具現化したものそれがジブリコンサート、ひとつのコンサートのかたちです。サービス精神に付随しただけのフィルムコンサートとは一線を画するもの、Concert for Film & Music です。
ニューヨーク ランドマークのひとつカーネギーホールです。2,804席メインホール。
リハーサル風景
いよいよ開演です!
また少しお話です。
『天空の城ラピュタ』は、マーチングバンドもしくは共演オーケストラと合唱によるものです。武道館コンサート(2008)の構想段階でうまれた発想転換のお話。オーケストラのために20分の休憩が必要という話が浮上、でも武道館規模の会場で休憩時間を挟むとなると20分では自席に戻れないお客さんが出てきてしまう……そこでアイデアを膨らませた演出が吹奏楽によるマーチングバンド。オーケストラも休ませることができる(楽器の調整)、観客も記憶に残るワンコーナーになる。
そんななか、今回ニューヨーク公演ではめずらしく『天空の城ラピュタ』の前に20分休憩があります。オーケストラのために必要だったのか、観客のためのホール慣例なのか。ここまでもまた発想転換の進化です。
休憩をはさむことでできたこと、バンダ演出です。オーケストラ団員による演奏と合唱、優れた音響効果と評されるカーネギーホール。本舞台の管楽・パーカッション・合唱とバンダ(ステージから離れた位置で演奏する別働隊)による演出で、どんな響きがホールを包んだのか、うらやましいかぎりです。どこにいるのか? 探してみてください。
もうポストカードのような写真がいっぱい(おまけ)
早くも次の開催地も決定!2019年5月プラハ公演予定!待ち焦がれた聴衆を感動の渦に巻き込みます。
- Info. 2018/09/22 《速報》「久石譲 シンフォニック・コンサート スタジオジブリ宮崎駿作品演奏会」(ロサンゼルス) プログラム
- Info. 2018/05/30 《速報》「久石譲 シンフォニック・コンサート スタジオジブリ宮崎駿作品演奏会」(サンノゼ) プログラム
- Info. 2018/04/29 《速報》「久石譲 シンフォニック・コンサート スタジオジブリ宮崎駿作品演奏会」(メルボルン) プログラム
- Info. 2017/06/11 《速報》「久石譲 シンフォニック・コンサート Music from スタジオジブリ宮崎アニメ」(パリ) プログラム
2019.03.06. Update!!