Posted on 2023/07/07
当初は細野晴臣の予定だった…久石譲が映画『風の谷のナウシカ』に関わることになったワケ
倉田 雅弘
ライター・編集者 “Info. 2023/07/07 当初は細野晴臣の予定だった…久石譲が映画『風の谷のナウシカ』に関わることになったワケ(Web マネー現代より)” の続きを読む
Posted on 2023/07/07
当初は細野晴臣の予定だった…久石譲が映画『風の谷のナウシカ』に関わることになったワケ
倉田 雅弘
ライター・編集者 “Info. 2023/07/07 当初は細野晴臣の予定だった…久石譲が映画『風の谷のナウシカ』に関わることになったワケ(Web マネー現代より)” の続きを読む
2023年7月5日 CD発売 FRCA-1321
「となりのトトロ」「さんぽ」「君をのせて」…ジブリの歌姫、井上あずみのジブリカバー集!
ジブリ映画『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』の主題歌、テーマ曲を歌う井上あずみのデビュー40周年を記念するアルバムです。2010年に自身の曲のセルフカバーを含め全14曲のジブリカバーアルバムを発売。今回はその第二弾となり、「君をのせて」「となりのトトロ」「さんぽ」「風の通り道」を含むジブリの名曲を全12曲、新規録音で収録します。
(メーカーインフォメーションより)
01. いのちの名前
「千と千尋の神隠し」テーマソング
02. となりのトトロ (2023)
「となりのトトロ」エンディング主題歌
03. 風になる
「猫の恩返し」主題歌
04. 君をのせて (2023)
「天空の城ラピュタ」挿入歌
05. さよならの夏
「コクリコ坂から」主題歌
06. Arrietty’s Song
「借りぐらしのアリエッティ」主題歌
07. ルージュの伝言
「魔女の宅急便」挿入歌
08. 鳥になった私
「魔女の宅急便 ヴォーカルアルバム」より
09. ひこうき雲
「風立ちぬ」主題歌
10. テルーの唄
「ゲド戦記」挿入歌
11. さんぽ (2023)
「となりのトトロ」オープニング主題歌
12. 風のとおり道
「となりのトトロ イメージソング集」より
Posted on 2023/07/06
久石譲、ドイツ・グラモフォン(DG)初アルバム『a Symphonic Celebration』(6月30日発売)は世界同日リリースです。フィジカルは世界共通盤をベースに各国流通仕様(各国解説付き)、そしてデジタルもダウンロード/ストリーミングと広く開かれています。
このたび久石譲インタビューが到着しました。ぜひご覧ください。 “Info. 2023/07/04 久石譲「A Symphonic Celebration」インタビュー動画公開 【7/5 update!!】” の続きを読む
Posted on 2023/06/30
久石譲オフィシャルYouTubeチャンネルに、新しいミュージックビデオ「One Summer’s Day (English Version) featuring Grace Davidson」が公開されました。この楽曲は新録音で同日アルバム『A Symphonic Celebration』がドイツ・グラモフォンより世界リリースです。
2023年6月30日 CD発売
通常盤 UMCK-1731
限定盤 UMCK-7191/2
2023年9月29日 LP発売 UMJK-9119/20
*生産限定盤/日本盤
クラシック名門レーベル、ドイツ・グラモフォンからの記念すべき第一弾アルバム!
宮崎駿監督映画作品への提供曲をロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共にロンドンにてオーケストラ録音。
(CD帯より)
クラシック名門のドイツ・グラモフォンとの契約を発表した久石譲のグラモフォンからの第一弾アルバムは、なんと全曲宮崎駿監督作品に提供した自作曲を、新たなアレンジでオーケストラ録音。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共にロンドンで録音されたこの作品は、クラシック/J-POPアニメのどのジャンルにも通用する普遍的なサウンド。アニメ映画界で特別な存在感を持ち愛され続けるジブリ映画と久石譲のコラボレーションの結晶となっている。
デラックス・エディションのボーナスディスクには、世界中でストリーミングヒットを記録している「人生のメリーゴーランド(「ハウルの動く城」より、そして「あの夏へ(「千と千尋の神隠し」より)英語ヴァージョン」の2曲を新規アレンジにて特別収録。
【通常盤】
1CD
日本語解説付き
【デラックス・エディション】【限定盤】
2CD
デジパック仕様
歌詞収録
日本語解説付き
【アナログ】【生産限定盤】
2LP
日本語解説付き
(メーカー・インフォメーションより)
クラシック名門レーベル、ドイツ・グラモフォンからの記念すべき第一弾アルバム、全世界発売開始。
今年3月にクラシック名門レーベルのドイツ・グラモフォンとの独占契約を発表した久石譲。『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』『となりのトトロ』等、宮崎駿監督映画への提供曲をシンフォニック・アレンジで収録した待望の第一弾アルバムが全世界発売された。『A Symphonic Celebration』というタイトルにふさわしく、久石譲指揮によりロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とロンドンで制作されたこのアルバムは、アニメ映画界で特別な存在感を持ち愛され続けるジブリ映画と久石譲のコラボレーションが結実したものとなっており、ジャケット写真も、その宮崎駿監督の原画を使用したものになっている。
その先駆けとして、世界でストリーミング・ヒットを記録した「人生のメリーゴーランド」(映画『ハウルの動く城』より)の新バージョンが1stシングルとして配信されると同時にYouTubeにてMusic Videoも公開された。続いて映画『魔女の宅急便』の「かあさんのほうき」と「海の見える街」の美しい新ヴァージョンもスマッシュ・ヒットを記録しているが、映画『千と千尋の神隠し』の「あの夏へ(One Summer’s Day)」の英語ヴァージョンがYouTubeにて公開された。こちらは今アルバムの為に特別に英語詞により録音された「初英語ヴァージョン」となり、イギリスのソプラニスト、グレース・デヴィッドソンの透き通るヴォーカルと久石譲のピアノ演奏が、この有名曲に新たな息吹をもたらしている。
(メーカー・トピックスより 編)
A Symphonic Celebration
Music from the Studio Ghibli films of Hayao Miyazaki
ヒッチコックとハーマン、スピルバーグとウィリアムズ、ゼメキスとシルベストリ、バートンとエルフマン、フェリーニとロータ。長期間に渡り映画監督と作曲家が組んで仕事をすると、ある種の魔法がかかる。彼らの想像力は芸術的な感性によって火がつき、必然的に絡み合う。そして、このような二人のアーティストの深い理解により、記憶に残り、伝説的ですらある映画体験がもたらされる。だが、同様に名前を挙げ、称えるべき映画監督と作曲家のパートナーシップは他にも存在する。それは、宮崎駿監督と作曲家の久石譲である。
宮崎のスタジオジブリは、日本映画のみならず、世界中の映画界で愛される芸術的な存在となり、久石譲はその道のりの一歩一歩に寄り添ってきた。宮崎は長編アニメーションの最高傑作の数々を手作業で丹念に作り上げ、日本アニメを世界に知らしめたが、それに続き、久石譲も世界中から注目を集めるようになった。
宮崎の映画と久石の音楽には、大きな愛情が込められている。二人はまさに手を取り合い、お互いを燃え立たせている。実際のところ、久石が宮崎映画の音楽制作に着手する際には、まずスケッチ画と描写のみ、後に絵コンテを基に始める。タイムコードに縛られることもなく、登場人物の声が発されるずっと前から、この作曲家は宮崎が思い描く映画のアイデアそのものに触発された音楽を創り出す。生まれてくるその音楽は、宮崎監督の創作過程に反映され、彼の想像力を更に膨らませ、より大胆に発展していく。久石が映画のために手がけた初期の音楽案は「イメージ・アルバム」としてまとめられ、本質的には後に登場する映画スコアのコンセプト・アルバムであった。その後、これらのアイデアは磨き上げられ、完成した映画に使用された。それは、確かに風変りな仕事の進め方だが、1984年の『風の谷のナウシカ』以来、ほぼ40年に渡る共同製作で二人が培ってきた創造的な過程(プロセス)である。
宮崎は、幻想的でありながら、どこか親しみのある世界を創り出すことを好み、ストックホルムやサンフランシスコを彷彿とさせるような想像上の街を物語の舞台に設定している。また、時代設定はあるかもしれないし、ないのかもしれない。時には、私たちが既に知っていると思われる過去の別バージョンのようなものもある。このぼやけた曖昧さと融合性は、久石が自国文化から触発されたサウンドとメロディーにポップス、ほんの少量のミニマリズム、そして恐らく古典主義をひとつまみ加えることで、その音楽にも昇華されている。彼らの作品は、何故か理にかなっており、あたかも以前からそうであったかのように感じられる混成型(ハイブリット)であり輝かしい坩堝(メルティング・ポット)なのだ。
よって、このアルバムは、その比類なき芸術的コラボレーションの蒸留物であり、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とソリストのために再創造された音楽である。彼が過去に発表した「イメージ・アルバム」のように、映画の枠から解き放たれた久石譲の音楽的ヴィジョンが打ち出されているが、同作品では更に自由な空間に、可能な限りの、更なる精魂が傾けられている。
風の谷のナウシカ(1984年)
宮崎と久石が初めて組んだ同映画では、二人が進むべき道を歩み始めた。『風の谷のナウシカ』は、宮崎自身が手掛けた漫画を原作とした大作で、近隣諸国が戦争に巻き込まれた終末的(ポスト・アポカリプス)な汚染された世界を舞台にしている。宮崎監督の意に反して、ニューワールド・ピクチャーズにより大幅にカットされた英語版が公開されたが、2005年にはディズニー社がアリソン・ローマン、パトリック・スチュワート、ユマ・サーマンを起用し、ようやく新たな英語版キャストによる完全版を再公開した。久石のオリジナル・スコアは、オーケストラの色彩、パーカッション、シンセ音の数々を織り交ぜており、彼の新しい組曲は、心を奪うようなストリングスの音色やおとぎ話のような雰囲気、そしてバッハ合唱団が歌う箇所で僅かに取り入れたヘンデル作品からのモチーフにより、大きな深みが増している。
魔女の宅急便(1989年)
(宮崎と久石の)二人が手がけた4作目の映画は、10代の魔女が新しい町に溶け込むために空飛ぶ宅配業を開業するという、角野栄子による小説を原作として製作された。この作品で監督を務めるつもりはなかった宮崎は当初プロデューサーとして関わっていたが、製作中の展開に納得できず、このプロジェクトと引き継ぐことになった。オリジナル・キャストとして、キキを高山みなみが、猫のジジを佐久間レイが担当し、英語版ではキルスティン・ダンストと故フィル・ハートマンがこれらの役を担当した。ギターやアコーディオンに加え、オカリナやハンマー・ダルシマーが印象的な久石のオリジナル・スコアには、さり気ない魅力がある。この新たな組曲は、まるで魔法のように繊細なピチカート・ストリングス、官能的なワルツ調のテーマ、そして後にはバイオリン独奏とオーケストラのための完璧な幻想曲(ファンタジー)で構成されており、私たちを夢中にさせる。
もののけ姫(1997年)
この映画をきっかけに世界中の観客がスタジオジブリに注目するようになり、本国の日本ではスティーヴン・スピルバーグの『E.T』が記録した興行収入を塗り替えた(ジェームズ・キャメロンの『タイタニック』が登場するまで)。封建時代の日本を舞台にした宮崎による原作は、ニール・ゲイマンが英訳を監修している。あらすじは、自分が受けた呪いを解くために必死で旅をする少年が、自分の村の人々と森の神々との激しい戦いに巻き込まれるという内容。この映画の成功は、公開後に引退予定だった宮崎を驚かせた。日本アカデミー賞受賞は勿論のこと、興行的にも大きな成功を収めたお陰で彼は考えを改めた。オリジナル・キャストには石田ゆり子や松田洋治が含まれ、英語版にはミニー・ドライヴァー、ビリー・ボブ・ソーントン、ジリアン・アンダーソン等が出演。鳴り響く低音の弦楽器や打楽器の響きが印象的な原曲は、これまでに久石が手がけたジブリ作品の中では最もシンフォニックなスコアかもしれない。この組曲では、壮大なオーケストラの雰囲気、荘厳な合唱、渦巻く弦楽器、唸るような金管楽器が、ドラマをさらに盛り上げる。まさに音楽的大渦巻だ。
風立ちぬ(2013年)
漫画が原作の同作品は、伝記映画である点が宮崎作品としては恐らく珍しいだろう。堀越二郎は、とりわけ第二次世界大戦中の日本の航空に纏わる物語で重要な役割を果たし、尊敬を集めた航空機設計者。この映画は堀越の人生物語を描いており、日本史における重要な瞬間に触れている。英語版ではジョセフ・ゴードン=レヴィットが堀越の声を担当し(オリジナル版では庵野秀明)、その他キャストにはスタンリー・トゥッチ、ジョン・クラシンスキー、エミリー・ブラント等が含まれる。同作品はアカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネートされ、アニー賞脚本賞を受賞し、宮崎と久石はまたもや極めて重要な成功を収めた。堀越が劇中の登場人物でもあるイタリアの航空機設計者ジョヴァンニ・カプローニに強い影響を受けているため、日本アカデミー賞を受賞した久石のスコアには、ヨーロッパ的音楽観が際立っている。マンドリン、アコーディオン、ギター、そして、ほんの僅かのヴィヴァルディ的な要素が、スコアに心に残る瞬間をもたらす。今回の組曲では、マンドリンが重要な役割を担っており、そのエネルギーは素晴らしくバレエ的だ。
崖の上のポニョ(2008年)
恐らく他の作品よりもずっと若い視聴者層をターゲットにしたと思われる『崖の上のポニョ』は、瓶の中に入った魚の女の子を見つけた男の子を描いた可愛らしい物語。実はその魚の正体はプリンセスで、自分を救出してくれた男の子と恋に落ち、人間に変身してしまう。だが、ポニョの逃亡を快く思わない魔法使いの父親は、娘を連れ戻すために海面を上昇させ、皆を危険にさらしてしまう。奇妙な友情という設定は、『崖の上のポニョ』の英語版を担当した脚本家、故メリッサ・マティソンにとって目新しいものではなかった。彼女が脚本を手がけた『E.T』や『ワイルド・ブラック/少年の黒い馬(原題:Black Stallion)』は多くの人々から愛され、彼女はディズニーの『リトル・マーメイド』に触発された本作に独自の魔法をかけた。英語版では、ケイト・ブランシュット、リーアム・ニーソン、マット・デイモンが、オリジナル版では天海祐希、所ジョージ、長嶋一茂が演じた役を引き継いでいる。久石は、『崖の上のポニョ』のために制作した同作品で6度目の日本アカデミー賞を受賞した。チェレスタとヴィオラ独奏のある本作品は、魔法と輝きに満ちており、新たなこの組曲には、海面下を冒険するような驚嘆すべき不思議な感覚がある。木管楽器と弦楽器は、軽快なオーボエに合わせた美しいソプラノ独唱へと誘う。その後、久石はオーケストラを大海原での音楽的冒険へと放ち、合唱団による可愛らしく遊び心のある歌で同曲はフィナーレを迎える。
天空の城ラピュタ(1986年)
スタジオジブリ設立直前に製作された『風の谷のナウシカ』に続くこの映画は、正式にはスタジオジブリによる第一作となった。前作同様、『天空の城ラピュタ』も激動の冒険物語で、空の海賊や怪しい政府特務機関から逃れようとする二人の孤児たちが、ラピュタ(作品名となった天空の城)を探す旅に出る。この映画は、ラピュタという空飛ぶ島が登場するジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』をモチーフにしており、シータ役をよこざわけい子、パズー役を田中真弓が、英語版ではアンナ・パキンとジェームズ・ヴァン・デル・ビークが声を担当した。『風の谷のナウシカ』同様に、宮崎との2作目となる本作でも、久石は馴染み深いピアノ、弦楽器、声楽の他に、電子音やシンセ音をふんだんに取り入れた。新たな組曲では、壮大なオーケストラのサウンドと、ある程度英国的な、感情を抑えた威厳のあるホーンをフィーチャーしている。また、大人と子供で構成された合唱団は、心に残るような哀愁を帯びた雰囲気を与えている。奮い立たせるような、英雄的な楽曲だ。
紅の豚(1992年)
紅の豚(クリムゾン・ピッグ)!『紅の豚』は、日本の航空会社のために製作された短編映画としてスタートしたが、今日私たちが大好きな、素晴らしく奇妙な作品に発展した。漫画『飛行艇時代』を原作としたこの映画は、1930年代のイタリアに住む元空軍のエース・パイロット、ポルコ・ロッソ(別名マルコ・パゴット)が、雇われヒーローとして飛行を請け負う物語。豚のようなその姿はある種の呪いであることは明らかだが、詳細はあまり説明されていない。だが、後半ではポルコがキスされた後に人間に戻る姿が示唆されている。典型的なドタバタした色彩豊かな物語で、映画のテーマはむしろ大人向けだが、間違いなく印象に残る作品である。豚の主人公の声を、英語版ではマイケル・キートン、フランス語版ではジャン・レノが、オリジナル版で森山周一郎が担当した役を引き継いだ。原曲には同映画にふさわしく冒険とスリルに満ちた遊び心があり、ジャズ・ピアノの切なさを感じる瞬間もある。久石はこの曲に切なげなジャズ・ピアノをリードとして使い、紅の豚(ポルコ・ロッソ)にぴったりな、威厳のある堂々たる雰囲気を醸し出している。
ハウルの動く城(2004年)
この映画は、美しい圧巻の叙事詩であり、今もなお愛され続けている名作。原作はダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説で、魔女に呪われて老婆になった若い女性ソフィの物語が描かれている。彼女は、忘れ難き足のついた家であちこち移動する気まぐれな若き魔法使いを探しに出かけ、ようやく辿り着くと、呪いを解くためにその家に住む火の悪魔と契約をする。だが、その代償は? 英語版では、同作が最後の映画出演となったジーン・シモンズの他、クリスチャン・ベイルやブライス・ダナーも素晴らしい声の出演を披露した。久石によるこのオリジナル・スコアは、彼の作品の中でも最も壮大かつ親しみやすい一つであり、彼が最も大切にしていると思われるテーマを使用している。そのワルツは、主にピアノで演奏されているが、スコア全体を通して登場する。この新しい組曲は、すでに交響的なスペクタクルのようなものが先導し、聴き手の心をまるでバレエのように跳ねさせ、踊らせる。久石は、まさに息を呑むような、喜劇的かつ色彩豊かな音詩(トーン・ポエム)を創り上げた。
千と千尋の神隠し(2001年)
『ハウルの動く城』に圧巻される前に、観客たちは『千と千尋の神隠し』に心を奪われた。この輝かしい芸術作品は、2001年の公開時に日本映画史上最高の興行収入を記録。アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した同作品は世界中に影響を及ぼし、観客はその物語に魅了された。同作品は、家族が郊外での新生活に向かう途中で道を間違えたために少女が異世界に閉じ込められてしまう話で、久石の華麗なピアノとストリングスのスコアもさることながら、印象的なキャラクターと驚くべきビジュアルに満ちた世界が登場する。この組曲のために、彼は色彩のパレットを拡大しており、『ハウルの動く城』の組曲と同様に、これは音楽で紡ぐストーリーテリングのレッスンである。久石は、ピアノ独奏、美しい夢のような歌唱、素晴らしいシンフォニックな華麗さとペーソス的瞬間で、鮮やかな絵を描いている。
となりのトトロ(1988年)
アルバムの最終曲は、ファンの間で人気が高く、恐らく宮崎作品の中で初めて多数の支持者を得るきっかけとなった作品であり、それは少なからず、入院中の母親の近くに住むために引っ越したばかりの姉妹が好奇心を抱いた、非常に愛らしい森の精霊、トトロのお陰だろう。だが、メイとサツキが見続けるこの奇妙な生き物たちは何だろう? 同作品は、甘美でエモーショナルな冒険であり、脚本家兼監督の宮崎にとっても、実の母親が病気で長い間家を離れていたこともあり、個人的な物語でもある。この映画と登場人物は、スタジオジブリの象徴的な存在となっており、特に「大トトロ」(キング・トトロ)は、現在まさにスタジオジブリの顔。サツキとメイの声は、オリジナル版では日高のり子と坂本千夏、英語版では実の姉妹であるダコタとエル・ファニングが吹き替えを担当した。久石の音楽は、快活なシンセ音をふんだんに使っており、非常に当時らしいサウンドだ。フィナーレを飾るこの組曲では、「Hey Let’s Go(邦題:さんぽ)」という曲中の冒険への楽しい呼びかけは勿論のこと、素晴らしい祝祭的雰囲気を醸し出している。また、後半部分では、木管、金管、弦楽器がワイルドかつ活気ある威勢(スワッガー)で盛り上げ、歓喜に満ちた高揚感で締めくくる。
ーマイケル・ビーク(BBC Music Magazine)
(翻訳:湯山恵子)
(CD封入 日本語解説より)
世界共通盤ブックレットには、上記解説の英文オリジナル・テキストと共に久石譲バイオグラフィ”JOE HISAISHI Composer, Conductor, Dreamer”(3ページ)が英文で収められている。
歌詞収録は、楽曲ごとに本盤で歌われた言語による掲載となっている。「03. PRINCESS MONONOKE」日本詞、「05.PONYO ON THE CLIFF BY THE SEA」日本詞/英詞、「09. SPIRITED AWAY」日本詞/英詞(Bonus Track)、「10.MY NEIGHBOR TOTORO」英詞/日本詞 である。
各国流通仕様盤の封入解説(日本語解説など)には歌詞かつ訳詞は載っていない。つまりは、世界共通盤ブックレットのほうに多くの楽曲で歌われている日本語がそのまま収録されている。宮崎駿監督はじめ作詞者へのリスペクト、日本語へのリスペスト、ドメスティックなものをそのままインターナショナルに届けたいこの扱い方の意義は大きいと思われる。
リリースを迎えるまでの時系列インフォメーション、先行配信リリース、Music Video、久石譲インタビュー動画、アナログ盤などについてはこちらにまとめている。
フィジカル(CD/LP)は作品ごとにワントラックにまとめられている。デジタル(ダウンロード/ストリーミング)は作品ごとに構成楽曲で区切った複数トラックになっている。トラックリストは下記ご参照。
2025.02 update
久石譲
A Symphonic Celebration – Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki
JOE HISAISHI
Royal Philharmonic Orchestra
Disc1
01. NAUSICAÄ OF THE VALLEY OF THE WIND (映画『風の谷のナウシカ』より)
02. KIKI’S DELIVERY SERVICE (映画『魔女の宅急便』より)
03. PRINCESS MONONOKE (映画『もののけ姫』より)
04. THE WIND RISES (映画『風立ちぬ』より)
05. PONYO ON THE CLIFF BY THE SEA (映画『崖の上のポニョ』より)
06. CASTLE IN THE SKY (映画『天空の城ラピュタ』より)
07. PORCO ROSSO (映画『紅の豚』より)
08. HOWL’S MOVING CASTLE (映画『ハウルの動く城』より)
09. SPIRITED AWAY (映画『千と千尋の神隠し』より)
10. MY NEIGHBOR TOTORO (映画『となりのトトロ』より)
Disc2 – Bonus Tracks
01. MERRY-GO-ROUND OF LIFE (映画『ハウルの動く城』より)
02. ONE SUMMER’S DAY (THE NAME OF LIFE) (ENGLISH VERSION) (映画『千と千尋の神隠し』より)
レーベル Universal Music LLC
収録曲数 全12曲
収録時間 1:27:15
DIGITAL
01. Merry-Go-Round of Life (from ‘Howl’s Moving Castle’)
02. One Summer’s Day (The Name of Life) (English Version / from ‘Spirited Away’)
03. The Legend of the Wind (from ‘Nausicaä of the Valley of the Wind’)
04. Nausicaä Requiem (from ‘Nausicaä of the Valley of the Wind’)
05. The Battle between Mehve and Corvette (from ‘Nausicaä of the Valley of the Wind’)
06. The Distant Days (from ‘Nausicaä of the Valley of the Wind’)
07. The Bird Man (from ‘Nausicaä of the Valley of the Wind’)
08. A Town with an Ocean View (from ‘Kiki’s Delivery Service’)
09. Heartbroken Kiki (from ‘Kiki’s Delivery Service’)
10. Mother’s Broom (from ‘Kiki’s Delivery Service’)
11. The Legend of Ashitaka (from ‘Princess Mononoke’)
12. The Demon God (from ‘Princess Mononoke’)
13. Princess Mononoke (from ‘Princess Mononoke’)
14. A Journey (A Dream of Flight) (from ‘The Wind Rises’)
15. Nahoko (The Encounter) (from ‘The Wind Rises’)
16. A Journey (A Kingdom of Dreams) (from ‘The Wind Rises’)
17. Deep Sea Pastures (from ‘Ponyo on the Cliff by the Sea’)
18. Mother Sea (from ‘Ponyo on the Cliff by the Sea’)
19. Ponyo’s Sisters Lend a Hand – A Song for Mothers and the Sea (from ‘Ponyo on the Cliff by the Sea’)
20. Ponyo on the Cliff by the Sea (from ‘Ponyo on the Cliff by the Sea’)
21. Doves and the Boy (from ‘Castle in the Sky’)
22. Carrying You (from ‘Castle in the Sky’)
23. Bygone Days (from ‘Porco Rosso’)
24. Symphonic Variation “Merry-Go-Round + Cave of Mind” (from ‘Howl’s Moving Castle’)
25. One Summer’s Day (The Name of Life) (Japanese Version / from ‘Spirited Away’)
26. Reprise (from ‘Spirited Away’)
27. The Path of the Wind (from ‘My Neighbor Totoro’)
28. Hey Let’s Go (from ‘My Neighbor Totoro’)
29. My Neighbor Totoro (from ‘My Neighbor Totoro’)
June 30, 2023
29 Songs, 1 hour, 27 minutes
℗ 2023 UNIVERSAL MUSIC LLC, in collaboration with Deutsche Grammophon
All Music Composed, Arranged and Produced by Joe Hisaishi
Orchestra Contractor: Joe Hisaishi
Orchestra: Royal Philharmonic Orchestra
Recording Producer: Anna Barry
Recorded and Mixed by Mike Hatch
Mixed by Takeshi Muramatsu (Octavia Records Inc.)
Mastering Engineer: Shigeki Fujino (Universal Music Japan)
Recorded at St Giles Cripplegate Church
Disc 1
1. NAUSICAÄ OF THE VALLEY OF THE WIND
Choir: The Bach Choir / The Tiffin Choirs
Conductor of The Bach Choir: Mark Austin
Music Director of the Tiffin Choirs: James Day
Japanese Language Coach: Satoshi Kudo
2. KIKI’S DELIVERY SERVICE
Violin Solo: Stephen Morris
3. PRINCESS MONONOKE
Soprano Solo: Grace Davidson
Choir: The Bach Choir
Conductor of The Bach Choir: Mark Austin
4. THE WIND RISES
Mandolin Solo: Avi Avital
5. PONYO ON THE CLIFF BY THE SEA
Soprano Solo: Grace Davidson
Choir: The Bach Choir
Conductor of The Bach Choir: Mark Austin
6. CASTLE IN THE SKY
Choir: The Bach Choir / The Tiffin Choirs
Conductor of The Bach Choir: Mark Austin
Music Director of the Tiffin Choirs: James Day
Japanese Language Coach: Satoshi Kudo
7. PORCO ROSSO
8. HOWL’S MOVING CASTLE
Trumpet Solo: Phil Cobb
9. SPIRITED AWAY
Vocal Solo: Mai Fujisawa
10. MY NEIGHBOR TOTORO
Choir: The Bach Choir / The Tiffin Choirs
Conductor of The Bach Choir: Mark Austin
Music Director of the Tiffin Choirs: James Day
Japanese Language Coach: Satoshi Kudo
Disc2 – Bonus Tracks
1. MERRY-GO-ROUND OF LIFE
Trumpet Solo: Phil Cobb
2. ONE SUMMER’S DAY (THE NAME OF LIFE) (ENGLISH VERSION)
Soprano Solo: Grace Davidson
Marketing Management: Murray Rose
Product Coordination Management: Lina Matschinko
Executive Producer: Kleopatra Sofronius
Recording Producer: Anna Barry
A&R Management: Anusch Alimirzaie
Balance Engineer: Floating Earth – Mike Hatch
Recording Engineer: Floating Earth – Sophie Watson
Editors: Ian Watson and Tom Lewington
Photography: Nick Rutter
Design: Yuka Araki (T&M Creative)
Special Thanks to
PRO – Ian Maclay and Eleanor Clements
Hajime Isogai, Naohiro Fukao, Spike Sugiyama
Cover illustration © 2004 Studio Ghibli・NDDMT
Posted on 2023/06/26
2023年6月22-24日、久石譲コンサートが香港で開催されました。当初本公演は2020年12月予定から2021年6月延期を経て開催中止となっていました。新型コロナウィルスの影響です。2018年公演以来5年ぶり、ふたたび共演オーケストラは香港フィルハーモニー管弦楽団です。 “Info. 2023/06/26 《速報》 「JOE HISAISHI IN CONCERT」久石譲コンサート(香港)プログラム 【6/29 update!!】” の続きを読む
Posted on 2023/06/22
ロックなベートーヴェンから最先端のブラームスへ!
未来のクラシックを問う久石譲とFOCの「ブラームス交響曲全集」ついに完成! “Info. 2023/07/19 「ブラームス:交響曲全集《特別装丁BOX》久石譲&FOC」CD発売決定!!” の続きを読む
Posted on 2023/06/22
キングズ・シンガーズ新録音!
リゲティ生誕100周年記念&委嘱作品集!
男声ア・カペラのレジェンド、キングズ・シンガーズ!リゲティ生誕100周年記念と55年の歴史の中で委嘱した作品を厳選!2022年12月の来日公演でも取り上げた、久石譲の《 I was there 》、木下牧子の《あしたのうた》も収録! “Info. 2023/09/22 キングズ・シンガーズ「WONDERLAND」CD発売決定!! 久石譲「I was there」収録” の続きを読む
Posted on 2023/05/20
2023年3月30日開催「CINEMA:SOUND JOE HISAISHI IN CONCERT」久石譲コンサート(ウィーン)の動画配信が決定しました。この公演は、ウィーン交響楽団との共演でウィーン楽友協会で開催されました。
このたびドイツ・グラモフォン(DG)のオーディオ・ビデオ・ストリーミングサービスである「STAGE+」で放送されます。当初4月15日予定と発表されていましたが、いよいよめでたくです。視聴環境や視聴料金などについては事前にご確認ください。
2023.06.20 update
アーカイブ動画公開されました。
久石譲:交響曲 第2番
久石譲:【mládí】for Piano and Strings
I. Summer / II. HANA-BI / III. Kid’s Return
久石譲:One Summer’s Day (Pf.solo)
久石譲:交響組曲「もののけ姫」
久石譲:となりのトトロ
収録時間:98分
公式サイト:STAGE+|久石譲 in ウィーンを観る(配信URL)
https://www.stage-plus.com/ja/video/vod_concert_APNM8GRFDPHMASJKBSPJ6CO
公式サイト:STAGE+|久石譲 ウィーンでの演奏会について(配信URL)
https://www.stage-plus.com/ja/video/video_APKM8PBFBSP3GCO
先に放送されたLIVE放送よりも4K ULTRAHDフォーマットで高画質になっています。再生チャプターも選択可能です。またLIVE放送時の冒頭収録された久石譲インタビュー(14分/4K ULTRAHD)も合わせて公開されました。
*7日無料お試し期間付き なども有効にご活用ください。インタビューは会員登録のみ(新規登録)で無料視聴できます。コンサートは「無料お試しを利用する」で再生できます。「常時解約可能」となっているので7日間以内に手続きをすれば課金は発生しません。次回からの久石譲コンテンツ(ライブ配信/音楽アルバムストリーミング)などは無料対象外となると思います。
ジョン・ウィリアムズのコンサートもアーカイブされてます。そのなかのウィーンフィル共演はCD/DVD/Blu-ray化、ベルリンフィル共演はWOWOWでも放送されています。久石譲コンサートもパッケージ化やチャンネルの広がりなど期待したいです。グラモフォンとの活動はこれからも継続されると思います。ゆっくり視聴できるタイミングでお楽しみください。
クラシックのライブ配信やアルバムも充実しています。現代作曲家ではジョン・ウィリアムズやマックス・リヒターも多数ラインナップされています。また、6/30new『a Symphonic Celebration』の「風立ちぬ」でマンドリンを演奏しているアヴィ・アヴィタルさんもグラモフォン専属アーティストです。アーカイブ動画やアルバムカタログを楽しむことできます。たくさんの音楽広がっていくコンテンツSTAGE+です。たっぷり視聴できる方法でお楽しみください。
Joe Hisaishi Interview
久石譲に聞く IN ウィーン
作曲するときにいつも大事にしているのは、映画の音楽を書くエンターテインメントの音楽を書く、それから作品を書くと、この二つともとても大事にしています。その大事にしているものを一つのコンサートで一緒にやることで、違ったサイドを二つ見てもらう。それがいつもコンセプトにしています。
今回は前半がミニマル・ミュージック、自分はミニマリストなのでそういうミニマル・スタイル同じフレーズをくり返す音楽を主体にした自分の作品。これは約35分かかるシンフォニーです。後半は、北野武監督に書いた映画音楽を僕のピアノとストリングスでやると、そういうものを作りました。それから一番最後にフル・オーケストラで宮崎駿さんの映画『もののけ姫』を交響組曲にしたものを演奏する。という自分にとって一番気に入ったプログラムを作りました。
ウィーン学友協会について
コンサートの前日にムジークフェライン(ウィーン学友協会)のホールに行きました。正直言って日本のNHKテレビなどで新年の新春ワルツコンサートをよく見ていましたので、あっここなんだと思いました。すごくきれいないいホールだなとは思いましたが、舞台が意外と狭いのでほんとに狭いんだと、僕の編成は結構大きいから入るのかなってそれをすごく心配しました。一番印象に残ったのは、サイドにある窓ガラスがあってそれが外から光がいっぱい入っていたので、ああこういうふうに作られてるんだっていうホールの感じをすごく感じましたね。二日目になって、ふっと考えたら、この指揮台にあるいはこの楽屋のコンダクターズ・ルーム、あっここにマーラーとかブラームスがきっといたんだな、あるいはここで指揮したんだなとか思ったら、急にああここでクラシック音楽の歴史が作られたんだ、そう思ったときに今自分がここにいることのすごさというか重みをすごく感じました。
ウィーン交響楽団の反応
我々僕もやっているクラシック音楽の中心はもともと歴史としてはどうしてもウィーンで作られてきてました。あまり現代的なものに対するアプローチってたくさんされてないと思ったんですね。現実に僕のようなミニマル・ミュージックのスタイルはおそらくやったことがない、実際に彼らも初めてだと言っていました。なのでこれは大変だなと実は思ったんですけれども。いい意味で本当に彼らは一生懸命やってくれて、そしてそのアプローチに一生懸命挑戦してくれました。結果的にいうと、非常に伝統的なものを持っていないと出ない深い大きな音と、僕の音楽が持っているミニマル・ミュージックのような非常に今日的なリズムの音楽、それが良いように作用して。通常ミニマル・ミュージックを演奏しているとわりとパキパキとしたまるで刻んだような音楽になりがちなんですが、そこにとても大きいフレーズで歌うトラディショナルな方法とミニマルが融合して、今まで僕も聴いたことないようなサウンドになったと思います。だからほんとに素晴らしかった。ウィーン交響楽団ほんとに素晴らしいオーケストラです。またぜひやりたいなと思います。
オーケストラメンバーとのコミュニケーション
譜面を読んで音楽でコミュニケーションしちゃうから、その段階で例えば、あっこの人たちは初めてなんだなとか、だいたいヨーロッパのオーケストラというのはどことやってもそうなんですけども、例えばこうやってダウンビートしますね、そうするとザァーンぐらいにとても遅く反応する、クラシックなオーケストラほど遅いんです。ミニマル・ミュージックは必ずタンタンとここで音が出ないといけないんですけど、あっもう遅れるなというのがあって、それはもうみんなが気づいててちょっと早くしなきゃいけない、みんながそれぞれ調節していく過程、だから質問やなんかで変なのはないです。
交響曲第2番について
交響曲第2番に関しては、コロナが始まって海外コンサートがすべて延期されたので、その分時間ができたとそれでちょうどいい機会だと思ってシンフォニーを書きました。スケッチからだいたいラフなオーケストレーションまで3,4か月で出来たんですね。その後はまたいろいろな映画音楽とか作っていたので、わりと気にしてなかったんです。ただあんまり先になっちゃうと嫌だから、そうですねちょうど1年後ぐらいにいいチャンスがあったのでそこで翌年もう一回最後の仕上げをしたんですけれども、そんなに苦しくはなかったです。あまり気にはしてなかった、待つことがね。この第2番で自分にとって一番重要だったことは、コロナ禍でみんなが動けなくなってしまった、人と人と会うことも出来なくなってた。そうすると僕も例えば作曲はいつも新しいものを書こうと努力します。それはわりと革新的なアイディアだとかわりとそういう曲を書こうとするんですが、その状況下で聴くのが疲れるような、あるいはメッセージ性の強いようなものを書こうとは思わなかったんです。どちらかというとバッハの対位法の音楽といいますかね、バッハのフーガのように、わりと音と音がちゃんと絡んだ音楽といいますか、変なメッセージ性のない非常に音楽的な、音楽だけで完結する世界、そういうものを書きたいとその時思いました。それはかえってコロナ禍であったからこそ思えたので、前衛的であることよりも音の運動性を書こう、それがすごく出来たことはうれしかったです。この第2番は3つの楽章ありますけれども、おそらくこれはそれぞれ独立して例えば序曲のような扱いで3曲まとめて演奏する必要がない、それぞれ独立して演奏してもいいように個別のタイトルを付けました。そう、第3楽章のそれは日本のわらべ唄という子供たちが遊びながら歌うメロディなんですね。それはとてもシンプルなメロディラインなので、これをくり返しあるいは1小節とかズレながらやっていくことでミニマル的なアプローチができるんじゃないかなと思ってそれで作った曲です。それともう一つ、早く出来たんですねあの曲は。なんで、なんかね神様が降りてきて作らせた、そういう感じがします。「かーごめ、かごめ、籠の中の鳥は~」もう非常にどこにでもあるようなフレーズなんですね。特別であったわけではない。ただこれをミニマルとして作るにはちょうどいい、そういうふうに感じました。マーラーの「交響曲第1番」とか演奏したことがあって、やっぱりあの時の第3楽章とかの感覚があって、こういうシンプルなメロディを組み立てていくことがミニマルになるんじゃないかっていう気持ちとか、あるいはヘンリク・グレツキの「交響曲第3番 悲歌の交響曲」やアルヴォ・ペルトだとかね、いろいろな音楽を聴いていて、こういう静かなくり返しのアプローチはいつかやりたいなっというのもありました。
北野武の映画音楽について
北野武監督に作った曲をたまたまチェコ・プラハで演奏することがあって、3曲を組み合わせてひとつのコーナーを作ろうと思った。場所がチェコだったんで、チェコ語にちょうど「mládí」という言葉が辞書で引いてたら出てきて「青春」という意味があったので、これが一番ちょうどいいなと思って付けました。
交響組曲《もののけ姫》について
『もののけ姫』を交響組曲にする段階で、だいたいストーリーに沿って全体の内容を25~27分の組曲にしたわけですね。もともとその中の「もののけ姫」のテーマ曲、これは映画のために書いた曲なのでそれを必ず入れたい。それから一番最後のシーンで、世界が崩壊していった最後に緑が野原に復活するシーンがあって、これはやっぱり映画のエンディングとして非常にふさわしいし宮崎さんもすごく喜んでくれた。だからそれに書いたメロディをとても自分でも気に入っていたんですが、最終的には歌のメロディになるんじゃないかっていうことで歌にしました。映画にも入っていた曲なので組曲の中でもちゃんと使ったわけですね。
(「久石譲 ウィーンでの演奏会について」インタビュー動画より 書き起こし)
(up to here, updated on 2023.06.20)
2023.06.13 update
「アシタカとサン」のライブ動画が先行公開されました。
Joe Hisaishi – Ashitaka and San (from ‘Princess Mononoke’) Live in Vienna
from Deutsche Grammophon – DG Official
(up to here, updated on 2023.6.13)
収録配信
久石譲 in ウイーン
ウィーン交響楽団
2023年6月18日 3:00
1. 再配信 – 2023年6月18日 9:00
2. 再配信 – 2023年6月18日 20:00
収録時間 120分
宮崎駿監督のスタジオジブリ作品をはじめ、100本以上の映画音楽を手がけた久石譲。彼は映画音楽のレジェンドともいうべき存在ですが、もともとはミニマル・ミュージックの旗手として活動を開始しており、ミニマリズムにエレクトロニクス、西洋と日本のクラシックなど、多様なスタイルを融合させ、クラシック音楽でも様々な作品を書いています。本映像では彼の交響曲第2番をはじめ、映画『もののけ姫』の音楽などの代表作が久石本人の指揮、ウィーン交響楽団の演奏でお楽しみ頂けます。
久石譲:交響曲 第2番
久石譲:ピアノと弦楽器のためのムラーディ (Mládí for Piano and Strings)
久石譲:交響組曲《もののけ姫》
Joe Hisaishi in Vienna
Wiener Symphoniker
Joe Hisaishi: Symphony No. 2
Joe Hisaishi: Mládí for Piano and Strings
Joe Hisaishi: Symphonic Suite from “Princess Mononoke”
公式サイト:STAGE+|久石譲 in ウィーンを観る(配信URL)
https://www.stage-plus.com/ja/video/live_concert_9HKNCPA3DTN66PBIEHFJ6CPJ
WEBページは英語・ドイツ語・日本語に切り替えできます。
公式サイト:クラシックの映像&音楽配信「ステージプラス」
https://www.stage-plus.com/ja
なお、現時点のアナウンスからは、初回放送後に2回の再放送予定となっています。アーカイブでいつでも視聴できるタイプのものなのか否か不明です。できることならまずは6月18日放送を視聴できるようにご予定ご確認ください。
公演プログラムや公演風景についてはこちらにまとめています。
Posted on 2023/06/16
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