Blog. 久石譲 「善光寺・奉納コンサート」 演奏曲目 紹介

Posted on 2016/07/18

7月14日夜、善光寺・奉納コンサートによってスタートした「アートメントNAGANO2016」です。奉納コンサートWebニュース各種はインフォメーションにてご紹介しています。

Info. 2016/07/15 「久石譲 善光寺 奉納コンサート」Webニュース各種 【Update!】

 

 

この文末に、

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なおコンサート演目は、おくりびと/Summer/HA-NA-BI/カルテット/One Summer’s Day (Pf.solo)/KIDS RETURN (アンコール) 順不同 他となっています。こちらは確認情報です。

【お願い】
ぜひ善光寺奉納コンサートに当選された方、行かれた方いらっしゃいましたら、情報お待ちしています。
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と記載していましたら、貴重なメッセージをいただきました♪

いただいたお便りを要約するかたちで演奏曲目をご紹介します。

 

 

善光寺・奉納コンサート

[公演期間]Print
2016/07/14

[公演回数]
1公演
長野・善光寺本堂(内陣)

[編成]
ピアノ:久石譲
編成:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)より
ピアノ:長尾洋史
ヴァイオリン:近藤薫、松田拓之、城代さや香、石亀協子、小林壱成
ヴィオラ:加藤大輔、瀧本麻衣子
チェロ:水野由紀、向井航
コントラバス:幣隆太朗
パーカッション:高橋篤史

[曲目]
久石譲:One Summer’s Day (Pf.Solo)
久石譲:Wave
アルヴォ・ペルト:Spiegel im Spiegel for Violin and Piano
アルヴォ・ペルト:Summa
久石譲:Quartet ~ Main Theme
久石譲:Departures for Violoncello and Piano
久石譲:Summer
久石譲:HA-NA-BI

—-encore—-
久石譲:Kids Return

 

このようなセットリストになっています。

久石譲:One Summer’s Day (Pf.Solo)
映画『千と千尋の神隠し』より。久石譲によるピアノ・ソロにて。

久石譲:Wave
宮崎駿監督の誕生日に献呈された三鷹の森ジブリ美術館BGM楽曲。久石譲によるピアノ・ソロにて。

ここからはステージをNCOメンバーに譲りプログラムは進みます。

アルヴォ・ペルト:Spiegel im Spiegel for Violin and Piano
鏡の中の鏡 ヴァイオリン&ピアノ版にて。

アルヴォ・ペルト:Summa
スンマ 弦楽合奏にて。

久石譲:Quartet -Main Theme
映画『カルテット』(監督:久石譲)よりメインテーマ。弦楽四重奏にて。

久石譲:Departures for Violoncello and Piano
映画『おくりびと』より。チェロ&ピアノ版にて。

久石譲:Summer

久石譲:HA-NA-BI

久石譲:Kids Return
アンコールで久石譲再登場。久石譲ピアノ&NCOアンサンブルにて。

 

 

抽選による約220人の観客だけが堪能することのできた一期一会な奉納コンサートです。貴重な情報提供をいただき心より感謝いたします。これからも久石譲ファンの方と一緒に歩んでいきたい当サイトです。どうぞお付き合いよろしくお願いします。

久石譲コンサート Concert 2015-

 

また長野市芸術館公式サイトや長野市芸術館公式Facebookページでは、7月16日開催「久石譲&ナガノ・チェンバー・オーケストラ 第1回定期演奏会」のレポート写真も随時更新されています。ぜひチェックしてみてください。

公式サイト:長野市芸術館 | ニュース
公式サイト:長野市芸術館Facebook

 

 

追記 2016.8

「アートメントNAGANO2016」パンフレットより

【解説】

夏のフェスティヴァルは、文字どおり、善光寺に「奉納」するところから始まります。ナガノ・チェンバー・オーケストラのメンバーが、音楽監督である久石譲のアート系・エンタテインメント系両系列の作品を、アルヴォ・ペルトの作品とあわせて、演奏します。

はじめに演奏される2曲は、宮崎駿とのつながりのなかで作曲された作品です。

《One Summer’s Day》は宮崎駿監督によるアニメーション映画『千と千尋の神隠し』(2001)をしるしづける音楽。《Wave》は久石譲が三鷹の森ジブリ美術館のオリジナルBGMとして2009年に作曲したもので、宮崎駿に贈られたものとして知られています。

アルヴォ・ペルトの作品が2つつづきます。
まず、この作曲家について紹介しておきましょう。

1935年エストニアのパイデで生まれた作曲家です。首都タリンの音楽院で学び、エストニア放送でしごとを始めました。この時代、旧ソ連邦の一部であったため、西側の音楽の情報は非常にかぎられていました。そうしたなかでペルトは密かに知ることのできた西側の前衛的な音楽を独自にとりいれた作品を書いていました。しかし1970年をほぼ境にして、音楽は大きく変化します。シンプルで静謐でありながら、みごとに計算された作品、どこか宗教的なものを潜ませた作品に、です。ペルトのそうした音楽は、そうして、世界中で静かなブームともなっていきました。1980年にオーストリアの亡命、その後はドイツに移り、この地で市民権を得、現在も活発に作曲をつづけています。

《鏡の中の鏡》はヴァイオリニストのヴラディーミル・スピヴァコフに献呈された1978年の作品です。あまりにシンプルなピアノの音型のうえに、ヴァイオリンが、けっして叙情にながれない旋律を奏でます。ヴァイオリンははじめ「ソ」の音、つぎに「ラ」の音を弾きますが、この「ラ」の音を中心にして、下の音程と上の音程が対照的に奏されてゆく、鏡のようになります。これがタイトルの由来と言っていいでしょう。具体的には、ソ-ラ-シ♭-ラ/ファ-ソ-ラ-ド-シ♭-ラ/ソ-ファ-ミ-ラ-シ♭-ド-レ-ラetcというふうになります。

《スンマ》はもともとは合唱のための作品(1977)で、ラテン語のテクストをもとに作曲されました。ほぼ20年後、弦楽オーケストラや弦楽四重奏のために自ら改変した版を発表、世界中で演奏されています。スンマ(summa)とは思想や神学の大系を意味します。

ここからあとの作品は、久石譲が映画とのかかわりのなかでつくった音楽、ジブリ映画とは異なったところからつくられた音楽を、コンサート用の作品として改変した作品がならびます。

《Quartet》は、自身が監督した映画『Quartet カルテット』(2001)の音楽によっています。映画では、袴田吉彦が主演をつとめる弦楽四重奏団が、ストーリーの中心になっています。

《Departures》は、小山薫堂脚本、滝田洋二郎監督、主演本木雅弘映画『おくりびと』(2008)のための音楽。映画は第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞しています。納棺師である主人公がオーケストラの元チェロ奏者であることもあり、オーケストラ版でもチェロが中心的な役割を果たします。

《Summer》は北野武監督による映画『菊次郎の夏』(1999)のメイン・テーマです。後には車のCFにもつけられました。小学生3年生の菊次郎は、遠くにいる母親に会うために家をでて、さまざまな出会いをします。一種のロードムーヴィーと言ってもいいかもしれません。

コンサート最後の《HANA-BI》は北野武監督による同名の映画『HANA-BI』(1998)から。北野武演じる刑事は暴力とやさしさとをないまぜにした人格を描きだします。

小沼純一(音楽評論家)

(アートメント・パンフレットより)

 

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