Blog. 「音楽の友 2021年1月号」 特集:オーケストラの定期会員になろう2021 久石譲インタビュー 内容

Posted on 2021/01/13

クラシック音楽誌「音楽の友 2021年1月号」の特集II「オーケストラの定期会員になろう2021」内で、久石譲インタビューが掲載されました。2021年これからの新日本フィルハーモニー交響楽団とのコンサートについて語られています。

 

 

特集II
オーケストラの定期会員になろう2021

(山田治生/池田卓夫/二宮光由[大響]/池田卓夫/山口明洋[大フィル]/尾高忠明/広上淳一/藤岡幸夫/奥田佳道/川瀬賢太郎[神奈フィル]/片桐卓也/久石 譲[新日フィル]/石丸恭一[東フィル]/下野竜也&井形健児[広響])

1月号恒例の「オーケストラの定期会員になろう」、今年は6つのオーケストラが参加、2021年シーズンを紹介する。特別編として、尾高忠明、広上淳一、藤岡幸夫の3指揮者が参加した座談会(鼎談)を掲載。

 

2020年はオーケストラにとっても受難の年だったのではないだろうか。3~5月は感染防止の自粛のためほぼ演奏活動ができず、配信などを通じてかろうじて動いていた団体も多い。さて、迎えた2021年、オーケストラにとって再出発のシーズンとなる。今年は6団体が参加、それぞれの団体の次シーズンについて語っていただいた。

(*以後、久石譲ページのみ抜粋)

 

新日本フィルハーモニー交響楽団
Composer in Residence and Music Partner 久石譲

楽団創立50周年記念シリーズが幕開け

取材・文=山田治生

新シーズンの開幕を久石譲が指揮

2020年9月、久石譲は、新日本フィルハーモニーのComposer in Residence and Music Partnerに就任した。久石は、1991年に同フィルと初共演し、2004年からは新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(スタジオジブリ映画で使われた久石作品などを中心に演奏)の音楽監督を務め、共演を重ねている。

「新日本フィルはオーケストラとしてとても品のよい音がします。僕は、新日本フィルの育ちの良い、温かい音がすごく好きなのです。彼らとは現代的なアプローチもずいぶんいっしょに行ってきましたが、新日本フィルは、時代の先端を走るオーケストラであったし、これからもそうあると思います」

そして、新日本フィルが音楽監督不在となる来季、久石は、2021/2022シーズン開幕となる9月定期演奏会の指揮を担い、マーラー「交響曲第1番《巨人》」を振るとともに、みずからの新作初演で楽団創立プレ50周年記念シリーズのオープニングを祝する。

「新作は、マーラー『交響曲第1番』と一つの世界が作れるような音楽にしたいと思っています。マーラー『第1番』とバランスがとれるような20~30分の曲を考えています。創立50周年ということで、バルトークの『管弦楽のための協奏曲』のようにオーケストラの機能を最大限に発揮でき、いつでも演奏されるような、オーケストラ作品にしたいですね」

2022年4月のすみだ名曲シリーズも指揮し、再来年度からは久石ならではの新たなコンサート・シリーズも企画している。

「新しいコンサート・シリーズでは、現代の音楽と古典の音楽を同じプログラムで演奏し、クラシックの名曲を現代の視点からコンテンポラリーなアプローチでリクリエイトしたいと思っています。状況が許されるなら、新日本フィルとは、マーラーやブルックナー、《春の祭典》のような大きな編成のものをきちんと形にしたいですね」

 

変わっていく新日本フィルを目の当たりに

現在、新日本フィルではいくつかのパートで首席奏者の欠員が問題となっている。

「われわれの音を聴いてもらうためには、各セクションの首席奏者を早い時期にととのえること。いちばん考えなければならないのは、お客さまのことです。自分たちの最高のものを提供してお客さまに聴いていただくことを最優先事項と考えるならば、できるだけ早く問題を解決するべきです。僕は音楽的なアドヴァイスをする立場ですが、こういう状況なので最大限協力したいと思っています。そして元気なオーケストラになること。2021年夏ごろまでに諸問題を解決して、変わっていきます。お客さまのために、練ったプログラムを作り、真剣に演奏する。いま、定期会員になるとお得ですよ。変わっていく新日本フィルを目の当たりにすることができますから。熱気のある演奏がいっぱい繰り広げられるので、会員になられると楽しいと思います」

新日本フィルでは、2021年9月にプレ50周年記念シリーズがスタートし、小泉和裕、井上道義、佐渡裕、クリスティアン・アルミンク、インゴ・メッツマッハーら、これまで新日本フィルでポストを持っていた指揮者が登場する。そして、2023年4月に新しい音楽監督が就任する予定である。

(「音楽の友 2021年1月号」より)

 

 

目次

特集I
ウィーン・フィル、日本ツアーのすべて~奇跡の来日を追いかける!

(寺西基之/渋谷ゆう子/寺西肇/加藤浩子/ヴァレリー・ゲルギエフ/池田卓夫/奥田佳道/高山直也/山田真一/片桐卓也/山田治生/堤 剛/金子建志/折井雅子/白川英伸)
来日の5日前に発表されたウィーン・フィルの来日。さまざまな話題を呼び、2020年のコロナ禍における日本のクラシック音楽シーンのハイライトとなったツアーを、入国から最終日まで追いかけた。

特集II
オーケストラの定期会員になろう2021
(山田治生/池田卓夫/二宮光由[大響]/池田卓夫/山口明洋[大フィル]/尾高忠明/広上淳一/藤岡幸夫/奥田佳道/川瀬賢太郎[神奈フィル]/片桐卓也/久石 譲[新日フィル]/石丸恭一[東フィル]/下野竜也&井形健児[広響])
1月号恒例の「オーケストラの定期会員になろう」、今年は6つのオーケストラが参加、2021年シーズンを紹介する。特別編として、尾高忠明、広上淳一、藤岡幸夫の3指揮者が参加した座談会(鼎談)を掲載。

●[Interview]鈴木優人―仲間とともに、革新的でより多彩な音楽活動を(伊熊よし子)
●[Report]鈴木優人が率いる、生き生きして勢いあるヘンデル《リナルド》(山田治生)
●[Interview]ヨーヨー・マ―コロナ禍という嵐のなかでの演奏活動(小林伸太郎)
●[Report]東京芸術劇場で野田秀樹演出、井上道義指揮によるモーツァルト「《フィガロの結婚》~庭師は見た!~」が再演(山田治生)
●[Report]日生劇場《ルチア~あるいはある花嫁の悲劇》―感染症対策のため、ルチアの一人芝居に翻案(萩谷由喜子)
●[Report]世界の現状に対する危機感を描き出した、新国立劇場《アルマゲドンの夢》(山田治生)
●[告知]読者招待イヴェント「ふかわりょうのクラシックの友」
●[連載]マリアージュなこの1本・番外編名曲レシピはお好き?(8) ―ショパン「マズルカ第51番」(伊熊よし子)
●[連載]林家三平の古典音楽(クラシック) でど~も・すいません! (16)(林家三平)
●[連載]カメラマンリレー連載「舞台カメラマンの回想 ―私が出会ったアーティストたち」(8) ―広上淳一、佐渡 裕(大窪道治)
●[連載]コバケンのタクト(10)(千葉 望)
●[連載]ベートーヴェン的な、余りにベートーヴェン的な(16)~〈ゲスト〉クリスティアン・ベザイデンホウト(fp)(越懸澤麻衣)
●[連載]IL DEVUの重量級・歌道(18)(河野典子)
●[連載]誌上名曲喫茶「まろ亭」―亭主のメモ帳から(25)~ NHK交響楽団第1コンサートマスター篠崎史紀の偏愛案内 サン=サーンス「交響曲第3番《オルガン付き》」(篠崎史紀)
●[連載]東音西奏 ! ―QBT冒険記(4)(クァルテットベルリン-トウキョウ)
●[連載]和音の本音―ショパンとともに(5)(清水和音/青澤隆明)

ほか

 

 

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