Posted on 2014/2/2
2014年1月4日から創刊された「クラシック プレミアム」です。全50巻の刊行予定で、SHM-CD付きマガジンとなっています。
とても楽しみにしていました。理由は大きくふたつあります。
もちろんひとつは、「久石譲の音楽的日乗」というコラムが連載されることです。毎号楽しみに読んだとして、全50巻ということは、最終的に書籍1冊分が発行されるくらいの質量になっているはずです。
もうひとつは、ちょうどクラシックを学びたいと思っていた時期と、幸運にもタイミング的にぴったりだったからです。昔からピアノをやっていたので、知っている曲や知識も多少はありますが、ここらでもう一度クラシックの世界を勉強したいなと思っていました。
どういう曲があるのか?どういう作曲家がいるのか?どういう時代背景や秘話が名曲たちの誕生にひそんでいるのか?また曲ごとに名盤と言われている指揮者や演奏者たちは?
なかなかこれらのことを知りたいと思うと、どこから紐解いていいのやら…となってしまいます。クラシック音楽やジャズ音楽などの世界は奥が深いですから中途半端に手を出すと、ただただ溺れてしまいます。
今回の小学館から創刊された「クラシック プレミアム」全50巻は、まさにクラシック音楽の世界に触れる素人にはもってこいかな、と思って喜んでいます。これから学んでいくための手引きとなってくれたらいいなと。
記念すべき創刊号は、カルロス・クライバー指揮による、ベートーヴェン 交響曲第5番/第7番です。もちろんカルロス・クライバーという名指揮者すら知りませんでしたので、マガジンも読み応え満点、CDも聴き応え満点でした。
今回紹介したいのは、もちろん久石譲の連載内容です。
「久石譲の音楽的日乗」の記念すべき第1回は、第5番でも第7番でもなく、ちょうど自身のコンサートプログラムの時期もあってか、「第9」を指揮して思うこと というタイトルとその内容になっていました。
第9の誕生物語から、復活上演までの時代背景、音楽的構造の解説まで、さすが自身でタクトを振るだけあって、すごい知識と説得力でした。それは作曲者でもあり、指揮者でもあり、両方の側面からのベートーヴェン論が垣間見れて非常に興味深かったです。
一部だけ抜粋紹介します。
「第9の基本的構造は第5番《運命》と同じ、苦悩から歓喜へという図式。この構造は聴く側もカタルシスを得やすい。耐えに耐えたあとの最後にくる解放。それを明確に示した曲が第5であり、第9だ。人間の生理に根ざしたものともいえる。ある意味、きわめてシンプルで明解な作品だが、そのシンプルさに難しさがある。」
「クラシック プレミアム」にCD収録されているのは
1. ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67《運命》 録音1974年
2. ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92 録音1975~76年
カルロス・クライバー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
3. ヨハン・シュトラウスII世:喜歌劇《こうもり》序曲 録音1975年
カルロス・クライバー指揮/バイエルン国立管弦楽団
そして久石譲指揮としても、ベートーヴェン第5番と第7番は 『JOE HISAISHI CLASSICS 4 』というCDにてライブ音源作品化されています。また直近では、2013年の「読響シンフォニックライブ」や「久石譲 第九スペシャル」などのコンサート活動としてもベートーヴェンの楽曲を取り上げています。いや、2014年の幕開けとなる最初のコンサート、1月11日に台湾・台北でのコンサートもベートーヴェン・プログラムでした。
それぞれ上の作品やコンサートに伴って、ベートーヴェンやベートーヴェン作品への思いも語っています。
「クラシック プレミアム」全50巻は、予定では2015年の11月まで続きます。隔週(火)発売ですので、1ヶ月で2巻分です。じっくり腰をすえて、耳を傾けながら、クラシック音楽を聴き学ぶには、これから2年間というのはいいスパンかもしれません。
ゆっくり継続してクラシック音楽の世界を楽しんでいこうと思います。もちろん久石譲の連載も毎号楽しみにしながら。また2巻目以降も、少しずつ紹介していきます。
高音質(SHM-CD)で聴く全230曲
これが5つの”プレミアム”
1.初めて聴く高音質でクリアな音
マスター・クオリティに限りなく近い高音質を再現できる、SHM(スーパー・ハイ・マテリアル)-CDを採用。
2.かつてない豊富な音源
ドイツ・グラモフォンやデッカなどを傘下に持つユニバーサル・ミュージックと、EMIクラシックスやテルデックのワーナーミュージックの協力により、いままでではありえなかった豊富な音源のなかから、歴史的名演奏、名録音を厳選して構成。
3.こだわり抜いた選曲、音楽家、演奏、そして編成
歴史的名演奏から、現在、世界に冠たる演奏家の演奏も収録。さらに、世界で活躍する日本人音楽家の最高の演奏を収録。
4.入門者にもよくわかり、クラシック通も楽しめる充実のガイドブック
楽曲、演奏家の詳細な解説とともに、クラシック音楽の歴史、内容、本質、楽しみ方がわかりやすく伝わる1冊。
5.平均収録時間68分を超えるCD
1巻目は、充実の80分を収録。ほかのほとんどの巻も収録時間が60分を超えた、まさにクラシック音楽が “ぎっしり” と詰まったCD。