Disc. 久石譲 『ふたり鷹 音楽編 1 MUSIC SELECTION 1』

1984年11月21日 LP発売 C25G0362
1984年11月21日 CT発売 25P-7351

 

フジテレビ系列アニメーション「ふたり鷹」
1984年9月27日~1985年7月12日 放送

原作:新谷かおる 音楽:久石譲

 

主題歌
オープニングテーマ – 『ハートブレイクCrossin’』
エンディングテーマ – 『サヨナラを言わないでくれ』

両曲
作詞 – 売野雅勇 / 作曲・編曲 – 芹澤廣明 / 歌 – 陣内孝則

 

 

(LPジャケット / LP盤)

 

 

A1. ハートブレイク Crossin’ Heartbreak Crossin’ (オープニング主題歌)
A2. サーキット・ライダー Circuit Rider
A3. 沢渡 鷹 イメージテーマ TAKA SAWATARI Image Theme
A4. 東条 鷹 イメージテーマ TAKA TOUJYOU Image Theme
A5. デッド・ヒート Dead Heat
A6. 流火 イメージテーマ RUI Image Theme
A7. トワイライト・フリーウェイ Twilight Freeway

B1. モーニング・タウン Morning Town
B2. 緋沙子 イメージテーマ HISAKO Image Theme
B3. 美亜 イメージテーマ MIA Image Theme
B4. コンクリート・ツーリング Concrete Touring
B5. テンション Tension
B6. ラスト・スパート Last Spurt
B7. サヨナラを言わないでくれ Don’t say good-bye (エンディング主題歌)

A2-A6. 作曲・編曲:久石譲
A1. 作詞:売野雅勇 作曲・編曲:芹澤廣明 歌:陣内孝則

B2-B6. 作曲・編曲:久石譲
B9. 作詞:売野雅勇 作曲・編曲:芹澤廣明 歌:陣内孝則

 

Disc. マニュアルプロジェクト 『デジタル ファンタジア DIGITAL FANTASIA』

1984年9月21日 CD発売 35C32-7273
1984年9月21日 LP発売 AX-7408
1984年9月21日 CT発売 CAY-1273

 

松任谷由実の楽曲をシンセサイザー・インストゥルメンタルとして発表された作品。全編曲を担当したのが久石譲。

シンセサイザーは主にフェアライトを中心としたサウンドになっており、ユーミンのおなじみの楽曲たちが、原曲の持ち味をそこなわない、そんななかでも実験的なアレンジが満載となっている。80年代の久石譲サウンドになじみがあれば、「あっ、久石譲らしいな」と思わずニヤっとするかもしれない。シンセサイザーの音色をとっても、リズムパターンをとっても、また前衛的で実験的なアレンジをとっても。

 

企画もののCD作品であり経緯は不明。また下記楽曲解説は久石譲ではない他者によるもの。

 

 

◆解説

シンガーソングライター松任谷由実に関しては、いまさら説明の必要が無いほど、現在の日本の音楽シーンにとってはポピュラーなシンガーソングライターである。1972年11月にアルバム「ひこうき雲」、シングル「きっと言える」でデビューして以来、ニューミュージックと呼ばれるジャンルにおいて、フォーク全盛の時代から10年以上も良質のポップスを作りつづけ、今日では松田聖子・原田知世・薬師丸ひろ子・麗美等多くの第一線で活躍するアーティストに作品を提供している。

荒井由実時代から、現在の松任谷由実までの作品の魅力は、たとえば詩の世界がビジュアルでドラマがあり、主人公の気持が手にとる様に伝わる素晴らしさもあるが、やはり常にポップでありながら聴く人に無理なく伝わるメロディーのロジックの確かさだろう。そしてそのメロディーだけを聴いたとしても様々な景色、ドラマ、主人公の姿、などを連想されるに違いない。

このシンセサイザーによるインストゥルメンタルアルバムを聴いた人達が、それぞれの体験、感性によって様々なイマジネーションを広げることだろう。

 

◆楽曲解説

ダンデライオン
ユーミンの比較的新しい作品、リンドラム、プロフェット5、DX-7、によるリズムベース、ストリングスが広がりのあるサウンドを構成している。ちょうど海岸から波打ち際、水平線から空に広がる景色を想像するようなトロピカルでビジュアルなサウンド。

時をかける少女
原田知世で大ヒットした映画主題歌。最新コンピューター・シンセサイザー、フェアライトCMIをフルに使用したサウンドは、多くの隠し味のエフェクトサウンドが入っており、またコンピューターがはじき出すアタックのあるビートを聴いているだけでも心地よくなる。

夕闇をひとり ~ ボイジャー ~ 潮風にちぎれて ~ 夕闇をひとり
テンポの近い3曲のメドレー。「夕闇をひとり」のメロディーはフェアライトで演奏されており、コザック合唱団を連想させるコーラスサウンドが独特の雰囲気をかもし出している。次の「ボイジャー」も人間の声をサンプリング(プロッピーディスクに音を記憶させる)したフェアライトがメロディーとバックコーラスを演奏している。そして「潮風にちぎれて」ではサビをハモニカのトーンで演奏され、また「夕闇をひとり」で締めくくっている。

海を見ていた午後
ハイファイセットもレパートリーにし、詩の中で横浜山手にある「ドルフィン」が登場することから、当時大学生の間で人気になった作品。これも少女の声をサンプリングした音でメロディーを演奏している。聴いているとまるで歌っているかのように詩が聴こえる錯覚を起こしそうになる。途中からシンセサイザーの心臓の鼓動のようなビートとストリングスが奇妙にマッチングしている。

ベルベット・イースター
LP「ユーミンブランド」に収録されている作品。地味ではあるが、ファンの間では代表作の1曲にあげる人も多い。人間の声をサンプリングしたコーラスとメロディー、そしておもちゃのピアノ、強烈なドラムのフィルから大編成のオーケストラサウンドで盛り上がりフェイドアウトして行く。感動的でこのアルバムのコンセプトの中心的作品です。

あの日にかえりたい
1975年に発売されたユーミンの代表曲で哀愁のあるメロディーはポップスファンだけでなく、多くの人々がファンになった作品。リンドラムの強力で現代的なビートにのって、コンピューターによるリードメロがシンプルだが幻想的な雰囲気を出している。またエンディングのリズムの突然のカットが意外性とドラマティックな印象を与えてくれる。

守ってあげたい
薬師丸ひろ子主演の映画主題歌でヒットした作品。ニューウェーブなリズムにコンピューターが演奏するシンプルなメロディーが新鮮な感じで、淡々とした中にもアイデアを盛り込んだ隠し味がきいている。

不思議な体験
某洋酒メーカーのCMに使用された作品。リズムとメロディーだけで始まり、そしてシンセのストリングスからサビへ展開し、ブラスシンセがメロディーを演奏しサウンドを盛り上げ、フェイドアウトしていく。

卒業写真 ~ 私のフランソワーズ ~ 翳りゆく部屋
ユーミンの初期の頃のバラードを3曲メドレーにしてある。やはり空間を感じさせるイントロからフェアライトによる弦楽四重奏そして大編成のストリングスへ移行し、人間の声のサンプリングによる「私のフランソワーズ」がなかなか哀しく、そしてフルオーケストラで盛り上がり木管系のリードメロディー、そして大編成のオーケストラによるエンディングが感動的。

(CDライナノーツ より)

 

 

(LPジャケット)

 

 

デジタルファンタジア

(CDジャケット)

 

1. ダンデライオン
2. 時をかける少女
3. 夕闇をひとり ~ VOYAGER~日付のない墓標~ ~ 潮風にちぎれて ~ 夕闇をひとり
4. 海を見ていた午後
5. ベルベット・イースター
6. あの日にかえりたい
7. 守ってあげたい
8. 不思議な体験
9. 卒業写真 ~ 私のフランソワーズ ~ 翳りゆく部屋

全作曲:松任谷由実
全編曲:久石譲
演奏:マニュアル プロジェクト

 

Disc. 久石譲 『バース BIRTH』

久石譲 バース birth

1984年作品

 

1984年 OVA作品 「バース BIRTH」
アニメーションディレクター:金田伊功 音楽:久石譲

 

 

「バース イメージアルバム」

1983年5月1日 LP発売 JBX-25014
1983年5月1日 CA発売 VCK-6069

バース LP 1

(LPジャケット)

 

1. バースのテーマ
2. 夢見草
3. イノガニック神殿
4. 聖剣
5. ラサの夢
6. 宇宙
7. フローター・バイク
8. 砂龍
9. アーリア
10. ザックスの戦士

 

 

「バース オリジナル・サウンドトラック ~音楽篇」

1984年7月21日 LP発売 JBX-25050
1984年7月21日 CA発売 VCK-6120

バース LP 2

(LPジャケット)

 

1. 風をあつめて
2. バースのテーマ (OVA Remix)
3. マイ・ロンゲスト・ロード
4. 未知なる光の
5. クライシス
6. フローター・バイク
7. ロマンチック・ベビー
8. ザッツ・ロマン
9. モノアイ・パニック
10. 熱き心に
11. イノガニック・タワー
12. ソウル・シャワー
13. いざない
14.ザックスの戦士

 

 

1994年3月24日 CD発売 VICL-23071

久石譲 バース birth

 

 

 

ビクター・アニメ『殿堂ツイン』シリーズ 17 「ウィンダリア/バース」
映像と音楽はここまでひとつになれる!

 

『殿堂TWIN 17 ウインダリア/バース (2 CD)』

1999年6月23日 CD発売 VICL-60433~34

 

※ここでは久石譲音楽担当による「バース」、本作品DISC2のみ記載

 

バース/金田伊功(イメージアルバム)
1. バースのテーマ
2. 夢見草
3. イノガニック神殿
4. 聖剣
5. ラサの夢
6. 宇宙
7. フローター・バイク
8. 砂龍
9. アーリア
10. ザックスの戦士
オリジナル・ビデオ・アニメーション「バース」 音楽篇
11. 風をあつめて
12. バースのテーマ (OVA Remix)
13. マイ・ロンゲスト・ロード
14. 未知なる光の
15. クライシス
16. フローター・バイク
17. ロマンチック・ベビー
18. ザッツ・ロマン
19. モノアイ・パニック
20. 熱き心に
21. イノガニック・タワー
22. ソウル・シャワー
23. いざない

作・編曲:久石譲 (1~4, 6~9, 11~23)
作詞:冬杜花代子/作・編曲:久石譲 (5)
作詞:荒井まゆみ/作曲:謝花義哲/編曲:久石譲 (10)
歌:ちさ (5)/シャバナ (10)
演奏:ザ・バース (1~4, 6~9, 11~23)

※複数作品をオリジナル音源から復刻の為、DISC2-3,7とDISC2-21,16は同一音源を使用しています。また”バース 音楽篇”のオリジナルLPには「ザックスの戦士(DISC2-10と同一音源)」が収録されておりましたが、今回はCDの収録時間の限界を越えるため割愛しました。ご了承ください。

 

 

Disc. V.A. 『機甲創世記モスピーダ Vol.3 ライブ・アット・ピットイン』

1984年6月21日 LP発売 JBX-25047
1984年6月21日 CT発売 VCK-6113

 

1983年 フジテレビ系アニメ放送 「機甲創世記モスピーダ」
音楽:久石譲

放送期間:1983年10月2日~1984年3月25日
放送時間:毎週日曜日9時30分~10時(関東地区)
放送局:フジテレビ系
放送話数:全25話

 

 

久石譲 機甲創世記モスピーダ 1-3

 

 

 

機甲創世記モスピーダ ライブ・アット・ピットイン

(LPジャケット)

 

1.めざめ
2.Love Tonight
3.荒れ野へ
4.愛の小石
5.虹の彼方に
6.ロンリー・エラント
7.スターダスト
8.DREAM EATERS
9.プリテンド
10.ブルー・レイン

 

Disc. V.A. 『J9 スペシャル・ロックショー』

1984年6月21日 LP発売 K22G-7193

 

2年間にわたって俺たちを楽しませてくれたJ9の奴ら。そして忘れてはならないのが歌。今夜は夜どおし……

 

 

(LPジャケット / LP盤)

 

 

J9 Special Rock Show

構成:四辻たかお

サイド1
1.星影のララバイ/山形ユキオ
2.太陽の子ら/山形ユキオ
3.マイ・ソウル・ジャーニー/増田直美
4.アステドイド・ブルース/増田直美
5.さすらいキッド/たいわいさお
6.メイビィ・ベイビィ/樋浦一帆
7.ビリー・ザ・ショット/増田直美
8.ABAYO FLY BYE/山形ユキオ

サイド2
1.不死蝶のライラ/山形ユキオ
2.愛のライディング・マシーン/山形ユキオ
3.ハピィ・ソング/増田直美
4.トライ!トライ!トライ!/英莉花
5.恋人たちの星まつり/山形ユキオ
6.ロング・グッナイ/MOTCHIN
7.銀河旋風ブライガー/たいらいさお
8.銀河烈風バクシンガー/山形ユキオ、坂部悟
9.銀河疾風サスライガー/MOTCHIN

作詩=山本優(①-1~4,6~8/②-1~6,8,9)
   木久池勉(①-5)/ 山本正之(②-7)

作曲=山本正之(①-1~5,7,8/②-1~3,7~9)
   久石譲(①-6/②-5)/ 中島正雄(②-4)/ アイ高野(②-6)

編曲=山本正之(①-1~4,7,8/②-1,2,8)
   高田弘(①-5/②-7)/ 中島正雄(①-6)/ 久石譲(②-3~6,9)

ナレーション:徳丸完(②-8)

イラスト:細川留美子

◎初回特典=小松原一男描きおろしB2ポスター付

 

Disc. 宮城純子 『DIGITAL TRIP シンセサイザー・ファンタジー 風の谷のナウシカ』

1984年6月21日 LP発売 CX-7160
1984年6月21日 CT発売 CAY-675
1993年9月21日 CD発売 COCC-11062

 

本作はアニメーションクリエーター・宮崎駿の名前を日本中にとどろかせたあまりに有名な作品である。本盤はその音楽をシンセサイザーで新たにアレンジしたもの。映画では使用されなかった宮城純子によるオリジナルの楽曲も収録されている。

 

 

曲目解説

風の伝説
映画のオープニングで使用された曲のアレンジです。原曲の雰囲気を尊重しつつ見事に受け継いでいます。自然と人間の関わり合いを描く「風の谷のナウシカ」の壮大な物語にふさわしく、重厚な語り口で私達を圧倒してくれます。しかし表面的な激しさではなく、例えば絵巻物でもながめながら老婆の呟くお話にじっと耳を傾けているような、そんな気持で聞ける曲になっています。重く、ゆっくりと繰り返される音色は、私達の生活、あるいは全ての生命の営みさえつつみ込んで静かに流れる時の流れの様に、よどみなく移ろってゆきます。

風の谷のナウシカ
原曲は松本隆氏が作詩、細野晴臣氏が作曲を手掛けた、映画のシンボルテーマソングです。話題を呼んだナウシカイメージガールの安田成美さんが歌って大ヒット、多くの人々に親しまれました。この曲のアレンジ物としては、久石譲氏によるシンフォニー編が有りますが、デジタル・トリップ版では前2曲とは違う新たな魅力を発見出来るに違いありません。すでにおなじみのメロディに落ち着きのある神秘的なアレンジがほどこされ、ひとり心静かに聞き入る事が出来るでしょう。ささらく様な主旋律にそっと耳を澄ませて下さい。

戦闘
冷たく、しかも正確に繰り返されるシンセサイザーのドラムマーチは、弾ける様に、跳ねる様に刻まれてゆきます。翻る軍旗、整然と足並をそろえて迫り来る装甲兵の群れ。ごつい鎧兜が不気味に輝きながら砂塵の中でひしめき合う。哀しい叫びとともにあちこちから火の手が上がり、後に残るはひたすらの焼野が原。風の空しく吹き抜けるばかり。力強いシンプルなリズムが、一歩一歩確実に食いつぶしてゆく圧倒的な「力の波」を想わせます。

飛翔 ~シリウスルに向かって~
従来フュージョンの世界で活躍して来られた宮城さんが、「ナウシカ」の世界から得たイメージのひとこまを、最も自分の身近に引き寄せた所で曲作りをされた。思わず体がリズムをとってしまう事受け合いのサウンドで、このアルバムの中では最もスピード感に溢れた曲に仕上がっています。激しさと軽快さに満ちた演奏の中に、生き生きとキーボードを操る宮城さんの指先が見える様です。

ナウシカのテーマ
男よりも男らしく、女よりも女らしく。軽やかに空を舞い、虫にさえ心を通わせる優しさを持ち、時に雄々しく力強く…。本編の主人公ナウシカのイメージを言葉にするのは大変です。どれひとつ欠けても言い足りなくなってしまう。そんな彼女のイメージを、明るく美しいメロディが伝えてくれます。映画の中でも様々なアレンジで使用されていました。このアルバムでは、シンセサイザーならではの音色を弾かせて、流れる様なすっきりした曲になっています。

破壊
この曲も宮城さんのオリジナルの世界です。しかし、この曲における音の扱いは、「飛翔」に見られた激しさとは異質の荒々しさが感じられます。いわば、音を”音そのもの”のまま、たたきつけて来るような恐さでしょうか。巨大なハンマーでも振りおろすかと思われる炸裂音はズバリ破壊の音に他なりません。冒頭から最後まで続く同一のリズムに乗って、高音部では不安感の高まるメロディがひたすら繰り返され、低音からは奇妙な唸り声がはい上がって来る。起伏のない旋律を聞くうちに、言い知れない危機感にとらわれている事に気付くでしょう。映画「風の谷のナウシカ」の中では、「火の七日間」を初めとして、破壊を想起させるエピソードがいくつか有りますが、それらを全て包括してストレートに表現されています。

谷への道
何処から来たのか旅人がひとり。海からの風を受けて回る、幾つもの風車を横目に谷へ続くなだらかな坂道を歩いている。心地良い午後の日ざしの中をゆっくりと、ゆっくりと。畑仕事の帰り道だろうか、向こうから手かごを下げた奥さん達が近付いて来た。親し気に話しかけられてとまどった一瞬、彼は何やら自分が昔からここにいたみたいな錯覚にとらわれていた……。「風の谷」-旅人が、いつの間にか忘れていた安らぎと、活気に満ちた日常生活がここに在る。自然と共に生きる人々の力強さがみなぎっている。「谷への道」この曲は淡々とした語り口で私達を故郷への道に案内してくれる。この喜びを感じる事が出来た今、僕等も風の谷の住人になれた様だ。

鳥の人
「生きている伝説の人ナウシカ」。そんな彼女のイメージが、ノスタルジックなメロディに乗って心地良く伝わって来ます。シンセサイザー(機械!)がこれ程情感あるれた音色を聞かせてくれるなんて。この曲中でナウシカは、ガンシップに乗ってつむじ風の様に飛ぶ人ではありません。むしろはるかな大空を、それこそ鳥が弧を描く様にゆったりと静かに舞っている…。そんな彼女を見て人々はなぜか言い知れぬ安堵感を覚えたりして。そんな情景が目に浮かぶ様です。曲の後半、映画本編では愛らしい少女の歌声で印象的だったメロディが、大幅に装いを変えたアレンジで演奏されています。それは愛らしさよりも、むしろおちついた、つつみ込む様な優しさを強く感じさせるものです。やがて多くの子供達の母親となって行くであろうナウシカの、少女というより女性、あるいは母性のイメージでしょうか。

菊池勝雄

(曲目解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

(LPジャケット)

 

 

DIGITAL TRIP 風の谷のナウシカ

1. 風の伝説
2. 風の谷のナウシカ
3. 戦闘
4. 飛翔 ~シリウスルに向かって~
5. ナウシカのテーマ
6. 破壊
7. 谷への道
8. 鳥の人

作曲:久石譲 (1,3,5,7,8) 細野晴臣 (2) 宮城純子 (4,6)
編曲:宮城純子

シンセサイザー:宮城純子

 

Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ ドラマ編 風の神さま』

1984年4月25日 LP発売 ANL-1901~2
1984年4月25日 CT発売 38AN-1
1989年2月25日 CD発売 24ATC-176~7
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70135

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

本作品は映画本編を映像なしの音声のみで聴く作品である。BGMはもちろんセリフや効果音などもそのまま収録されている。

 

 

不幸な時代でもナウシカは存在します 宮崎駿監督・談

この作品の音響監督を斯波重治さんにひき受けてもらって、よかったと思ってます。声優さんと話す時に、あれだけ言葉を持って意味を語る人はいないですよ。音響効果の人たちも遠距離マラソン・ダビングをよくやってくれました(笑)。また、久石譲さんが先行してイメージレコードを製作してくれたので、音楽を考えるのに非常に助かりました。

ナウシカって少女は変な子なんです。蟲と人間を区別しないんですよ。もうちょっとで蟲の世界へ行ってしまいそうで、だけどギリギリのところで人間世界にとどまっている人物です。髪の毛が赤いのは-クラリスや小山田マキの血統だと言われるんだけど(笑)。-黒はラナでやっちゃってるから。金髪なんかだと人種が確定されちゃうでしょ。赤なら日本人にもいるしね。ホントは肌の色も、もっと濃くしようという意見もあったけれど、これはやめました。

城の斬り合いでも人を殺してしまうんですよね。でも、幸いなことに、うれしそうな顔をしていないでしょ。でも、杖は使っても刀では斬ってないんです。刀は持たせたくなかった。ナウシカは刀を手にしたけど、ユパが割って入らなくとも、刀を使うことはなかったでしょう。そういう人だと思います。

……これは、むずかしい作品でした!(嘆息)

彼女は最終的には、世俗の幸福は得られない人です。たとえば、自分が死ぬ時に、気に入っている娘に、自分の愛する男の子どもを生んでくれと平気で頼んじゃうような、嫉妬とかいう感情が最終的には無くなってしまうタイプじゃないかと思う。

現実にナウシカのような少女がいたら、たしかに集団から疎外され迫害されるでしょう。だからと言って、なぜ、フィクションの世界のこういうキャラクターまで、みんなは躍起になって否定しようとするんでしょうね。こういう人間、みんなキライですか?

昔の物語の主人公は単純明快でした。でもそれを見ていた人々が単純明快だったわけではないですよ。やっかみやら、コンプレックスやら、イジイジしているのやら、色んな人間がいて、そうじゃない主人公を見て、こういう風にやれたらなあ、とか思ってたわけでしょ。

そんな冒険物語を読んでね、人をいじめてばっかりいたような奴が、いじめんのやめたかっていうと、それは嘘ですよ。それとは全然、別なことなんですよ。人間ってのは実に不思議なもんで、自分は悪役のほうに似てるとは思わないんだから(笑)。

いまは、そういう意味では、不幸な時代なんだと思います。時代のせいにはしたくないんですけど、自分の身のまわりにいるイヤな奴とかそんなのを登場させて、作品を作ってもしょうがないですよ。最後に必要なのは人生を肯定していく活力です。だから、僕の作品の主人公みたいな人間はいないと言われると、すごく腹が立ちますね(笑)。

構成 by 鳴海丈 59年3月12日

(CDライナーノーツより)

 

 

サウンド(秘)情報

★最初の腐海のシーンで、「王蟲の~」というナウシカのセリフが2回つづくが、アフレコに立ち会っていた宮崎監督は、これを聞いて、「これが本当のオーム返しだな」

★アテレコは2月下旬に赤坂の新坂スタジオで、中1日休んで、4日間にわたって行われた。総勢26名の声優さんが出演しているが、4日間通してスタジオに通ったのは、ナウシカ役の島本須美さんだけである。

★登場人物が防瘴マスクをつけているシーンでは、実際にマスクをつけてアテレコが行われた。これは1個13円の紙コップに50本100円の輪ゴムをつけたもの。底の部分に星形の切れこみがいれてあり、声が響きすぎないように中にガーゼが張ってある。これをつけた島本さんは、さかんに「まるでブタみたい!恥ずかしいっ!!」

★音響監督は「科学忍者隊ガッチャマン」「未来少年コナン」「うる星やつら」などのベテラン、斯波重治さん。俳優の経験がる斯波さんは、「うる星~」では時々、ガヤのシーンなどで声を入れているそうだ。なお、「ナウシカ」と同時上映の「名探偵ホームズ」も斯波さんが録音を担当している。

★風の谷の少年役で出演している鮎原久子ちゃんは、「ラジオアニメック」のレギュラー。自分の出番を待っている時に、出演者に挨拶をしてから「番組を聞いてくださいね」としっかり宣伝をしていった。

★宮崎監督と高畑勲プロデューサーは、4日間、アテレコに立ち会った。いつものクセで宮崎監督は、終始、椅子の上にアグラをかいたままだった。

★「ナウシカ」にはヒゲのある人物が多く登場し、口の動きが見えないので、アテレコがむずかしい。ユパ役のベテラン納谷悟朗さん、大型船墜落のシーンでセリフが合わず、「あの最後の口がパカッと開くのがおかしい」それは木の葉です、と教えられて、「口に見えたんだよ…あっ!そうか!ヒゲで最初から口は見えないんだ!!(笑)」ナウシカの父、族長ジル役の辻村真人さんは、城おじのニガもアテしている。また、トエトと少女C役の吉田理保子さんは、宇宙船に避難する村人の中の老婆もアテた。

★少女時代のナウシカの演技を宮崎監督は絶賛している。父親を殺されて逆上、立ち回りになった時の気合もすごいが、斯波さんは島本さんに「獣になってください」と指導したそうだ。

★宮崎監督は好きなマンガ映画のひとつにソ連の「雪の女王」をあげているが、これを公民館で1回しか観ていないという。「映画を2回観ると、自分のイメージがふくらみすぎていて、なんか、ガッカリすることがあるでしょ?でもね、自分の心の中でふくらんだイメージというのは、明らかに最初に見た時の感動にもとづているわけ。だから、僕はそのイメージを大切にして、何度も同じ映画を観たりしません」そのかわり、公民館で録音してきたテープは飽きるほど聞いたそうだ。「ナウシカ」を劇場で1回しか観なかった人も、このCDは何回も聞いてください。

END

(CDライナーノーツより)

 

 

《LP盤初回特典》
・島本須美ポートレイト
・B2ポスター
・AR台本
・4頁カラーグラフ

風の谷のナウシカ ドラマ編 LP

(LPジャケット)

 

風の谷のナウシカ ドラマ編

DISC 1
・風使いの娘
・風の谷

DISC 2
・風と人々
・風の神さま

 

Disc. ジャッキー・チェン 『成龍拳 オリジナル・サウンドトラック』

1984年4月21日 LP発売 AF-7276
1984年4月21日 CT発売 CAR-1283
1997年10月21日 CD発売

 

1977年の香港映画「成龍拳」。日本では1984年に公開されているジャッキー・チェン主演映画。日本での劇場公開時には日本独自の主題歌 北原深の「成龍拳」がオリジナル編集のOPと劇中に挿入された。当時、日本オリジナルサウンドトラックが日本コロムビアより発売された。

主題歌を含む歌もの2曲に加え、インストゥルメンタルにセリフ入りの映画の1シーンを乗せたドラマ仕立ての曲を収録しており、当時まだ無名だった久石譲や甲斐正人などが音楽を手掛けている。1997年10月21日に復刻盤としてCD発売されたが現在は廃盤。

久石譲がBGM音楽を担当しているのは、2.ドラマ「花蜂党の復讐」~BGM:SAD DREAMS(作曲・編曲:久石譲)~BGM:THE GHOST(作曲・編曲:久石譲)~BGM:FIGHT OF JUSTICE(作曲:甲斐正人)~成龍拳(作曲:小田裕一郎)~FIGHT OF JUSTICE(作曲:甲斐正人) の楽曲内である。

 

 

補足

映画は1970年代後半に香港公開されている。オリジナル版では既成曲を多数拝借しており、日本公開に際して権利の問題が生じるため、日本公開版用に音楽を新たに制作しているという時代的経緯がある。下記日本公開日を念頭に、1980年代前半にかけて手がけた久石譲の仕事である。

映画「スネーキー・モンキー蛇拳」 日本公開日 1979年12月1日
映画「蛇鶴八拳」 日本公開日 1983年2月19日
映画「キャノンボール2」 日本公開日 1983年12月17日
映画「ドラゴン特攻隊」 日本公開日 1983年12月17日
映画「プロジェクトA」 日本公開日 1984年2月25日
映画「成龍拳」 日本公開日 1984年5月12日

 

 

 

 

東映映画《成龍拳》オリジナル・サウンドトラック

成龍10年遂に出る!鮮烈華麗の大拳劇!!
■カラー名場面満載■セリフ対訳付

ジャッキー・チェン 成龍拳 オリジナル・サウンドトラック

SIDE 1
1.成龍拳 歌/北原深
作詞:Jim Steele 作曲:小田裕一郎
2.ドラマ《花蜂党の復讐》
BGM) SAD DREAMS *
作曲:久石譲 編曲:久石譲
BGM) THE GHOST *
作曲:久石譲 編曲:久石譲
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
3.ドラマ《何処か遠くへ…》
BGM) I NEVER SAID IT’S FOREVER *
作曲:甲斐正人
4.ドラマ《竜四(ルン・スー)の告白》
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
5.I NEVER SAID IT’S FOREVER 歌/北原深
作詞:Gregory Starr 作曲:甲斐正人

SIDE 2
1.ドラマ《血雨党の逆襲》
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
2.ドラマ《小雷の危機》
BGM) I NEVER SAID IT’S FOREVER *
作曲:甲斐正人
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
3.ドラマ《金川(チン・チュアン)の正体~竜四の死》
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
4.ドラマ《千々(チェン・チェン)を求めて~苦業の日々》
BGM) I NEVER SAID IT’S FOREVER *
作曲:甲斐正人
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
FIGHT OF JUSTICE
作曲:甲斐正人
10.ドラマ《激闘!成龍拳》
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
成龍拳 歌/北原深
作曲:小田裕一郎

編曲:甲斐正人(SAD DREAMS, THE GHOST除く)
* インストゥルメンタル

先着30,000名
透明レコード + ジャッキー・チェン 特製カラーレーベル使用

 

Disc. 久石譲 『シンデレラ迷宮 イメージアルバム』

1984年3月 LP発売 CX-7155
1984年3月 CT発売 CAY-670

 

原作:氷室冴子 音楽:久石譲
ジャケットイラスト:藤田和子

 

氷室ファン待望のイメージアルバム

ミント・エージのシンデレラたちに贈る氷室ファンタジーのオリジナルサウンドトラック!

 

 

録音を終えて 久石譲・談

Q.原作を読んで、どんな印象をうけました?

Joe:
すごく変った物語だと思いましたね。ああいう設定ってあまりないでしょう。だから自分の持っている音楽性の中でどの方向からアプローチしようかと考えた時には、現実じゃない、という所から絞っていきましたね。非現実的なものをシンプルにやる、そしてそれをこの小説の読者である若い女の子たちの感性に最もフィットするようにやるにはどうしたらいいかと考えました。

Q.非現実的なものを表現する上で、具体的にはどういう方法をとったのですか?

Joe:
これは夢の中の物語で、見方によっては非常にビョーキしてる世界だよね。だから、ミニマル・ミュージックという、小さなパターンを繰り返して作っていく手法を使って、一種不訶思議な時間感覚を創り出そうと思ったわけです。もうひとつのポイントは、全体にオルガン・サウンドを中心にしたことかな。

Q.原作には、白鳥の湖とか白雪姫とかのパロディがいっぱいでてきますが、そのあたりはどのように考えたのですか?

Joe:
白雪姫、白鳥の湖、オーロラ姫、ジェイン・エア、そういったテーマが全部有名だったら、それをうまくパロディにして全く違った風に作っていく方法もあったかもしれません。実は《緋と黒の舞姫》では白鳥の湖のモチーフをちょっと出してるんだけど、全部のメロディをキチンと使えるんでなければ、パロディにする意味が無いですからね。それに個々のキャラクターを音楽的に表現する段になると、この小説はそれぞれの人物が実はこんなに暗かった、実はこんなに悲惨だったっていう話だから、単純なパロディでは描ききれなかったですね。

Q.登場人物の中で特に好きなキャラクターは?

Joe:
好きというか、やりやすかったのは、《待ち続ける女》のジェイン・エアでした。ヨーロピアン、それも戦前のドイツの暗い酒場、みたいなイメージが最初からあって、デカダンス、のような感じでやってみようということで一番最初にメロディが出来上りました。

Q.全曲を録音し終って、一番印象に残っているのはどの曲ですか?

Joe:
勿論みんな気に入っているけれど、《シーラカンスの夢》は中でも一番満足していますね。あの曲ではテープ・ループという方法を使いました。アーと歌った声をテープに録音し、それをぐるっと回して秒数の異なる何本かのエンドレス・テープを作り、それを重ねあわせると非常に微妙な色合いがでる、という手法なんですけどね。

Q.アルバムが完成しての感想をひとつ。

Joe:
かなり常識からはずれたような音作りをした気がする、あまり意図はしなかったんだけれど。例えば、1コーラスがあって2コーラスがある、すると普通はその間に間奏という部分があって間奏のメロディがあるんだけど、このアルバムではあまりそういうことはしていない。ごく自然にやったことが、世間で言う、ビョーキしてますね、という音に近かった、しかしそれも決して暗くならなかったのが救いなんじゃないか、と本人は自負しているわけです。

(LPライナーノーツより)

 

 

楽曲解説

SIDE 1

シンデレラ迷宮
《シンデレラ迷宮》のテーマ曲。印象的なイントロと共に、このイメージ・アルバムの幕が上る。コンピューターを使ったシンプルなデジタル・リズムの上に、美しいメロディが静かに奏でられてゆく。クラシカルな音楽を”いま”の感覚で捉えなおした佳曲といえよう。この物語全体に漂う一種不訶思議なファンタジーを強く感じさせてくれる。

リネの夢
この物語そのものであるところの《リネの夢》のテーマ。現代音楽の手法であり、クラフトワーク、YMO等、近年のテクノ・ポップ・グループに大きな影響を与えた〈ミニマル・ミュージック〉(パターン・ミュージック)-最小単位の音のパターンを繰り返す音楽手法-を使い、”夢”の不思議な時間感覚を捉えている。この手法はアルバム全体を通して、非現実を象徴する音型として、何ヶ所かで使われている。

王妃の孤独
白雪姫の継母たる王妃のテーマ。バロック音楽の大聖堂のオルガンを思わせる重厚な響きに、単音のピアノが重なっていく。王妃の高貴さ、その運命のかなしさを淡淡と綴る。

緋と黒の舞姫
《リネの夢》の音型を使ったイントロの中から突然強烈なリズムが踊り出る。〈蒼ざめた湖〉のほとりに住む緋と黒の舞姫オディールのテーマ。途中、ストリングスの音色で、どこかエキゾチックな妖しいオブリガートがメロディに絡み合う。オディールは、舞姫というより、緋と黒のディスコ・クィーン、くらいの強烈なイメージで捉えられている。藤田和子氏描くところのオディールのイラストも、可愛く、かなしみに満ちたディスコ・クィーンというった方がイメージに合っているのではないだろうか。(中間部で二度出てくる白鳥の湖のパロディ、分かりますか?)

シーラカンスの夢
舞台一転、オディールの部屋。深い湖の底-テープ・ループを利用した人声の、不気味な、そして何処か荘厳な響き、そしてオルガンの静かな響きの上に、ダルシマがメロディを奏でる。婚礼の祝宴のシーンに出てくる箱琴のイメージを、このダルシマの音色にダブらせて聞くのも面白いだろう。オディール編のこの二曲、緋と黒の舞姫の妖しい情熱と、深い悲しみの眠りを見事に描き分けている。

SIDE 2

シンデレラ・シンドローム
カルメン、ジュリエット、輝子-皆、自分を絶望の淵から救ってくれる王子が現われるのを、ただ身をすくませて待っているだけのシンデレラ症候群(シンドローム)患者だ。ここでは個々の人物のイメージは追わず、不気味さ、ビョーキっぽさを前面に出し、〈ハーレム・ディスコ〉とでも言った印象の曲になっている。

オーロラ姫の嘆き
暁の国の姫君ゼランディーヌのテーマ。作曲者久石譲のイメージの中では、このオーロラ姫のセクションが最もビョーキっぽい感じがあったようだ。変拍子のミニマル・ミュージックによるベーシックな音作りの上に、高音の美しいメロディがゆるやかに絡み合い、その一種の不均衡さが、オーロラ姫の精神のアンバランスを暗示するかのようだ。

待ち続ける女
決して来ることのない自分自身を永遠に待ち続ける狂気の女、ジェイン。世紀末、頽廃、デカダンスをキーワードにして、けだるいスキャット・ボーカルと何処かヨーロッパ風のアコーディオンが、ジェインの憂愁を映し出す。

ソーンフィールド館の炎上
ジェインのつけた火によって、ソーンフィールド館は次第に炎に包まれてゆく。激しいデジタル・リズムの上に、オルガンのアドリブが繰り広げられる。途中、前曲のジェインのモチーフがはさまり、女性の叫び声とともに、吸いこまれるようにして曲は幕を閉じる。

シンデレラ迷宮 (クロージング)
物語は大団円をむかえ、真暗になった画面にゆっくりとクレジット・タイトルがせり上ってゆく。《シンデレラ迷宮》のメロディが静かに流れ出す。ピアノとストリングスの音色が、やわらかくクロージング・テーマを歌い出す……

(楽曲解説 ~LPライナーノーツより)

 

 

LPライナーノーツにはその他に下記も掲載されている。

・シンデレラ迷宮のことなど 氷室冴子
・氷室さんのこと 藤田和子
・小説と音楽と 石原秋彦 (集英社コバルトシリーズ編集長)

 

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 6

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 3

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 7

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 4

 

 

シンデレラ迷宮 久石譲 sc

Side 1
1.シンデレラ迷宮
2.リネの夢
3.王妃の孤独
4.緋と黒の舞姫
5.シーラカンスの夢

Side 2
1.シンデレラ・シンドローム
2.オーロラ姫の嘆き
3.待ち続ける女
4.ソーンフィールド館の炎上
5.シンデレラ迷宮 [クロージング]

原作:氷室冴子
作・編曲:久石譲
演奏:Wonder City Orchestra
ジャケットイラストレーション:藤田和子

All Composed & Arranged by Joe Hisaishi
Performed by Wonder City Orchestra

Guest:
Keiji Azami (dulcimer)
Kimie Kanai (scat)
Masumi Sasaki (voice)

Recorded at Columbia Studio & Arcadia Studio , Tokyo  Jan. – Feb. 1984

 

Disc. V.A. 『NHKみんなのうた 星うらないキラキラ』

1984年3月 LP発売 CZ-7250

 

「NHKみんなのうた」をあつめた歌集として発売されたもの。久石譲が編曲を担当した「パンダ・ダ・・ヤッ」「星と夢のサンバ」「あんぐりーブギ」の3楽曲が収録されている。

 

上記3楽曲に関しては他LP作品やCD化収録されているものもあるので下記ご参照。

 

(LPジャケット)

 

Side-1
1.星うらないキラキラ
作詩・作曲:みなみらんぼう 編曲:千代正行 歌:中島義実、ヤング・フレッシュ
2.ふいふい
作詩:林權三郎 作曲・編曲:大中恩作 歌:池辺明、東京少年少女合唱隊
3.おにいちゃんになっちゃった
作詩:西尾尚子 作曲・編曲:三枝成章 歌:若松朋
4.オナカの大きな王子さま
作詩・作曲:小椋佳 編曲:越部信義 歌:大倉正丈
5.パンダ・ダ・パ・ヤッ
作詩:若谷和子 作曲:森田公一 編曲:久石譲 歌:井上広美
6.ひげなしゴゲジャバル
作詩・作曲:菊池之枝 編曲:岩河三郎 歌:真理ヨシコ、コロムビアゆりかご会
7.星と夢のサンバ
作詩:水本慶子 作曲:原川健 編曲:久石譲 歌:池田典代、こおろぎ’73
8.白い道
作詩:海野洋司 作曲:ヴィヴァルディ 編曲:石川皓也 歌:かおりくみこ
9.小さな木の実
作詩:海野洋司 作曲:ビゼー 編曲:石川皓也 歌:大庭照子
10.思い出のアルバム
作詩:増子とし 作曲:本多鉄磨 編曲:小林昭宏 歌:かおりくみこ、中井幹子、コロムビアゆりかご会

Side-2
1.あさおきたん
作詩:阪田寛夫 作曲:大中恩 編曲:渡辺博史 歌:前川寛介、大森里奈、杉本誠次郎、少年少女合唱団みずうみ
2.虫歯のこどもの誕生日
作詩・作曲:みなみらんぼう 編曲:千代正行 歌:吉田紀人
3.北風小僧の寒太郎
作詞:井出隆夫 作曲・編曲:福田和禾子 歌:大倉正丈、コロムビアゆりかご会
4.山口さんちのツトム君
作詩・作曲:みなみらんぼう 編曲:若松正司 歌:川橋啓史
5.あんぐりーブギ
作詩:實川翔 作曲:野田晴彦 編曲:久石譲 歌:東京少年少女合唱隊
6.サラマンドラ
作詩:加藤直 作曲・編曲:高井達雄 歌:水木一郎
7.南の島のハメハメハ大王
作詞:伊藤アキラ 作曲:森田公一 編曲:若松正司 歌:堀江美都子、こおろぎ’73
8.宗谷岬
作詩:吉田弘 作曲:船村徹 編曲:青木望 歌:ダ・カーポ
9.みずうみ
作詩:山川啓介 作曲:グリーグ 編曲:乾裕樹 歌:奈々瀬ひとみ
10.切手のないおくりもの
作詩・作曲:財津和夫 編曲:貴峰啓之 歌:杉並児童合唱団