1984年12月21日 CD発売 32ATC-4
1984年12月21日 LP発売 ANL-1038
1984年12月21日 CT発売 25AN-38
2000年4月26日 CD発売 TKCA-71916
2018年2月23日 LP発売 LAGREC002
「吉祥天女」
原作:吉田秋生 音楽:久石譲
第29回小学館漫画賞を受賞した名作コミックに久石譲がオリジナル音楽を書き下ろしたイメージアルバムの先駆的作品。
吉祥天女 音楽解説
一、天女伝説
「七宝充満の宝を降らし、国土にこれを施し給ふ」という、能楽「羽衣」の引用から物語は始まる。「天女の羽衣」を代々受け継ぎ、地上に降りた天女の末裔であるヒロイン。物語のベースに流れる「天人女房伝説」からイメージした、このアルバムのメインテーマ。
二、叶 小夜子
春の嵐に散る桜とともに、麻井由似子の通う高校に転校してきた少女・叶小夜子。彼女の不思議な魅力が、学園に静かな波紋のように広がっていく。「気になる転校生」をめぐって、なにかがゆっくりと動きはじめる。
三、遠野 涼
「春日高の浮世雲」の異名をとる軟派中の軟派、遠野涼はクラスのなかに難なくとけこんでいる小夜子に、ただひとりなにか異質なものを感じとる。自分をとりまくすべてのことを呪っていると言い放つ小夜子。一見、軽薄で明るい学園生活を送る涼は、今まで目をそらしてきた自分の過去に、ふたたび対峙する。
四、天女飛翔
今井久子や暁の指図で、小夜子を襲う不良グループ。男の暴力に対して、翔ぶかのように危機を脱していく小夜子。羽衣を血に染めて飛翔する天女のイメージ。
五、遠野 暁
叶家の莫大な財を手に入れるため、小夜子に近づく涼の従兄、遠野暁。ワナをはり小夜子と婚約にまでもちこむが、彼女の魅力にひきこまれ、微妙に変化していく。スノップな現実を象徴するキャラクターとしてイメージした曲。
六、魔性の女
国語教師の根津、暁の手下の大沢真、伯母の浮子、そして暁の父と、次々と葬りさっていく小夜子。血が流れるごとに彼女の魅力は妖しく増していく。幼時に受けた暴行から「女性であることの屈辱」を味わった彼女は、すべての男性に報復するかのように、その魔性を超常的なまでに発揮していく。
七、血の抗争
小夜子の祖父、叶泰造の死により、叶家の財産をねらう暁をはじめとする遠野家の計略。私欲にくらむ魑魅魍魎(ちみもうりょう)の中で、秘かに刃をとぎすます小夜子。
八、小夜子と涼
小夜子の魔性を目のあたりにして、むしろ畏敬の念をもつ涼。最初に会ったときから、涼の中に自分と同じ「傷つきやすい魂」を感じた小夜子。ふたりの心はつかの間、通いあうかにみえるが、暁の死に至り、涼は小夜子を葬ろうと銃を手にする。破滅の色調を帯びた、小夜子と涼のラブソング。
九、予感
暁の死により彼女の報復は終った。が、その魔性は、唯一、わかりあえる存在かもしれなかった涼をも殺してしまう。女性としての業を一身に背負ったかのような小夜子の精神(こころ)が孤高の涙にゆれる。
十、転生
”天女を妻にした男は幸福だったと思う?それとも……”
(音楽解説 ~CDライナーノーツより)
2018年Lag Recordsからアナログレコードが再発売されている。
2018年2月23日 LP発売 LAGREC002
吉祥天女 イメージアルバム (アナログレコード)
KISSHO TENNYO [LP] [Analog]
1. 天女伝説
2. 叶 小夜子
3. 遠野涼
4. 天女飛翔
5. 遠野暁
6. 魔性の女
7. 血の抗争
8. 小夜子と涼
9. 予感
10. 転生
プロデューサー:久石譲
作曲・編曲:久石譲
演奏:久石譲・福岡保子
録音スタジオ:
サンライズスタジオ
ジョーズステーション
59年9月10日~10月9日
使用楽器:
フェアライトCMI、プロフィット5、ヤマハDX7、リンドラム、ローランドMC-4、ハモンドオルガン、ローランドSH-101、ローランドTR-808
久石先生のアルバムは再販されないアルバム割とあって…このアルバムも、中々出てこないので再販希望です。音楽的には比較的ピュアで突き抜けたシンセサウンドが魅力です。
このアルバムのシンセサイザーサウンドいいですよね。ありがとうございます!