Info. 2011/04/12 久石譲が「運命」指揮 本名で新曲も発表

作曲家の久石譲さんが9日、東京・赤坂のサントリーホールでクラシック曲を演奏するコンサートを開いた。東京フィルハーモニー交響楽団の演奏でベートーベンの交響曲第5番「運命」と同7番を振ったほか、本名の藤澤守名義で書いた新曲「5th dimension」を披露した。

コンサートの冒頭、久石さんは「(東日本大震災の影響で)大変な状況の中、開催していいのか迷ったが、音楽家は音楽でしか伝えられないと考え、やることにした。『運命』は苦難を乗り越えて、歓喜に辿り着く曲。今の状況とシンクロしていて、最大のメッセージになる」と話した。

新曲を本名で書いたのは「久石譲の名前で書くとエンターテイメント色が強くなってしまうから」。取りかかったのは震災の直後で、もともと「運命」と同じ編成でミニマル音楽を書こうと考えていたが、こみ上げる思いがそのまま音符になったような激しい曲調になった。途中で切れるような終わり方で、震災がまだ「終わっていない」ということを強く印象づけていた。

(2011年4月12日 読売新聞)

 

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