Posted on 2021/11/01
ふらいすとーんです。
無印良品はお好きですか?
僕はわりによくショッピングします。店舗もネットもあります。日常生活のあらゆるカテゴリーを取りそろえている無印です。人によっては、「MUJIのステーショナリーは愛用してる」「生活雑貨シンプルでかわいい」「日用品かゆいところに手が届くグッズみつけた」「掃除したくなるアイテムそろってる」「飽きのこない洋服で合わせやすい」なんて、これは無印良品を使っているという人も多いかもしれませんね。
購買意欲をさらに促進する?店舗の滞在時間をさらに伸ばす? そんな効果あるのかないのか、お店で流れているオリジナルBMGのお話です。
お店で買い物していると、気になった商品を手にとって眺めながら、思わずBGMに合わせて鼻歌を歌ってしまったことないですか。あるような気がします。無印良品の店舗で流れている音楽って、爽やか、そよ風、心地いい。そんな楽曲多い気がします。北欧、アイリッシュ、ケルティック。そんなジャンル多い気がします。初めて聴く知らない曲なのに、曲に合わせてメロディ追っかけてよんで鼻歌あわせようとしてしまう。ルンルン気分で買い物するおなじみの光景が浮かんできます。
いいセンスだな。いい選曲だな。
そういえばCDも出してるのって
お店で流れてるBGMだよね。
大のMUJIファンは買うだろうね。
……
と通り過ぎてきた音楽です。
2021年5月、こんなニュースが飛び込んできました。新型コロナウィルスの影響でテレワークや在宅時間が増えたこともきっかけになっているようです。
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無印良品の店内BGM全327曲が一挙サブスク解禁
今回配信されたのは、2001年以降に発表された、無印良品の店内で流れるBGMの数々。収録されたCDは累計24枚におよび、世界16か国・地域をテーマとした伝統音楽になっている。BGMの楽曲はすべて現地の音楽家が演奏したオリジナル録音で、総数は300曲以上にのぼる。時代に消費される音楽とは一味違う、暮らしに寄り添った音楽の魅力を堪能できる。
楽曲の紹介は以下のとおり。〈BGM2〉から〈BGM25〉までの計327曲、16か国が、5月19日より順次配信されている。
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出典:Mikiki|無印良品の店内BGM全327曲が一挙サブスク解禁 より一部抜粋
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/28550
聴いてみたい!
心動かされたのは「BGMの楽曲はすべて現地の音楽家が演奏したオリジナル録音」、初めて知りました。そうなんだ、その土地に根づいている楽器と楽曲が収録されている。
久石譲音楽が好きな人は、あらゆる楽曲に散りばめられた民族楽器にも興味もつ人いると思います。「この曲にはこんな楽器が使われてるんだ」新鮮な出会いと喜ぶ耳って、これまでに何回も経験ありましたよね。エスニックな楽器とエスニックな色彩は、久石譲音楽のきらりと光るエッセンスです。
『となりのトトロ』のバグパイプ、『魔女の宅急便』や『ハウルの動く城』のアコーディオン、『風立ちぬ』のバラライヤやマンドリン、『かぐや姫の物語』のケルティックハープ、などなど。すぐに思い浮かぶスタジオジブリ作品だけでもたくさん使われています。
また、登場が多いものでいうと、シタール、リュート、ティンホイッスル、そしてエスニックで多彩なパーカッション群。久石譲ソロアルバムからサウンドトラックまで、必ずどこかにひと味効いたアクセントな音色ありますね。
同じWebニュースから。
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■楽曲紹介
(BGM NO./タイトル/国/制作年/紹介文)
・BGM2/Paris/フランス/2001/パリのメトロミュージシャンによる演奏を集めました。
・BGM3/Sicily/イタリア/2003/シチリアを中心とした南イタリアのトラディショナルミュージックです。
・BGM4/Ireland/アイルランド/2003/アイリッシュケルトの民謡音楽を集めました。
・BGM5/Puerto Rico/プエルトリコ/2004/サルサの原点、カリブ海プエルトリコの素朴な音楽です。
・BGM6/Andalucia/スペイン/2004/フラメンコのメッカ、セビリアの民族音楽です。
・BGM7/Scotland/イギリス/2005/スコットランドのトラディショナルミュージックです。
・BGM8/Stockholm/スウェーデン/2005/白夜の国、スウェーデンの透明な光から生まれた音楽です。
・BGM9/Naples/イタリア/2006/南イタリア・ナポリで歌い継がれた伝統音楽です。
・BGM10/Buenos Aires/アルゼンチン/2006/タンゴ発祥の地、アルゼンチン ブエノスアイレスを訪れ、タンゴの名曲をモダンアレンジしました。
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出典:Mikiki|無印良品の店内BGM全327曲が一挙サブスク解禁 より一部抜粋
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/28550
(以降、全BMG25までつづく)
聴いてみたい!
心動かされたのは、……ということは「世界各国その地域の伝統音楽が現地の楽器と音楽家によって録音されたもの」純正100%、そのまじりっけなしに誘惑されずにはいられません。
久石譲音楽に親しんできた人なら、曲で使用された民族楽器やそこからつながって民族音楽にまで興味広がっていくことあります。僕も昔からケルティックな音楽は好きでインストはもちろん北欧ポップスまで。いや違う待てよ、昔から好きなんじゃなくて、久石譲音楽の影響でいつのまにか好きになっていたのかもしれない。そう思うほどです。
そして今回。
サブスク解禁全327曲聴きました!楽しかったですよ。けっこうアルバムごとに◎○△ポイント付けたり、アルバムの特徴をひと言メモしたり、お気に入り曲選ぶならこの曲かなとチェックしたり。
正直に告白すると、僕は楽器の音色を聴きたかったんです。もちろんどんな曲があるのか楽しみもあります。でも楽曲的な良さを見つけたい、よりも、楽器の音色のうまみを堪能したい。こっちのほうが動機としては勝っていました。変わってますね。
ひとつ例を出すと、バグパイプやケルティックハープ(アイリッシュハープ)。久石譲曲ではいい塩梅のアクセントとして使われています。いい塩梅=「くぅーっ!ニクい!あるのとないのじゃ大違い!効いてる!神チョイスでしょ!」。ここにあるMUJI BGMは、水を得た魚のように、民族楽器たちが主役となって持ち味を充分に発揮しながら奏でられています。そこが聴きたかった。ケルティックハープ一色に包まれるっていいなあ、曲想によってはこんな音色ニュアンスもあるんだ。そんなうまみを余すところなく堪能したい、できます。
素材を活かした10曲選びました。
全327曲聴いたなかから選りすぐりの!とはいきませんが、ちょっと以上に気になった曲たちからご紹介します。楽器や曲想でなるべくまんべんなく。もちろん僕の好みは、いかんせん潜在的に反映されてしまっていることは予め目をつぶってください。そう思って耳をひらいてくれるとうれしいです。
Douce Nuit
・BGM2/Paris/フランス/2001/パリのメトロミュージシャンによる演奏
曲名見ただけならわからないですよね。聴いたらわかる「きよしこの夜」です。爽やかでいいですね。アルバム順に聴いていったので走りだしから驚きました。カバーもあるの?クリスマス曲もあるの?と。完走してから言えること、全327曲中クリスマス曲はたぶんこの1曲だけです。誰もが知ってるスタンダードナンバーはほかになかったと思います。だから、あまり必死に探そうとしないでくださいね。徒労におわってしまうかもしれません。
(BGM1は国内ミュージシャンたちによるオリジナル楽曲で制作されています。細野晴臣さんとかだったかな。1980-2000年の店内BGMを集めたCD3枚組だったかな。BGM1アルバムは解禁されていません。そこから次企画として「世界の伝統音楽」シリーズ BGM2が始まっているようです。)
Passeggiando per Lipari
・BGM3/Sicily/イタリア/2003/シチリアを中心とした南イタリアのトラディショナルミュージック
ボンジョルノ~! そんな賑やかしい声たち聞こえてきそうです。カラッとした青い空にカラッとしたギターの音色。自然と体も弾みそうなリズミカルさです。なんだか、ピクニック、レクレーション、とにかく、屋外に飛びだしたいモードです。
Sidh Beag agus Sidh Mor
・BGM4/Ireland/アイルランド/2003/アイリッシュケルトの民謡音楽
いいなあ、ケルティックハープ。とっても満足です。曲想もいいですよね。ハープって高音はしゃきっとしてるし低音はぼーんとしてる。弦をはじく強さでも質感やニュアンスが変わって、そういうところも聴き入ってしまいます。
Andrew Carr / Co a ni mire ri Mairi
・BGM7/Scotland/イギリス/2005/スコットランドのトラディショナルミュージック
あらまた、ケルティックハープ。2曲からなるのかな。風のように爽やかなんだけど、風の流れで起こるちょっとした小さいうねり、そんなグルーヴ感も感じます。
Le Dénicheur
・BGM12/Paris/フランス/2007/パリを代表する音楽「ミュゼット」を収録
ふかふか焼きたてのパンの匂いたちこめそうです。こんな曲を聴きながら朝の市場で買い物楽しみたい。世界は違うけれど、ソフィーとマルクルみたいに。あまり尖ってないまろやかなアコーディオンの音色もいいです。オープンカフェでとびきりのコーヒー。
Monk’s Jig – Donnybrook Fair – Boys of the town
・BGM17/Ireland/アイルランド/2012/アイルランドに根ざしたケルトミュージック
アイルランドではヴァイオリンのことをフィドルというようです。楽器は一緒で呼び方と演奏するジャンルが違うのかな。シンプルに言うと、クラシック音楽を演奏するならヴァイオリン、民族音楽を演奏するならフィドルと使い分けてるのかな。カントリー調のギターのカッティング、後半に出てくる音程感のない乾いたパーカッションもいいですね。もしこのあたりが好きならシークレット・ガーデンというアーティストもおすすめです。
ARKU DANTZA
・BGM22/Basque/スペイン/2017/食と芸術のバスク地方
なんの楽器だろう? わからないまま、コロンと丸いおもしろい音色が好みです。長調と短調のメロディが入れ替わり進みます。『菊次郎の夏』が思い浮かびそうな音色です、なんの楽器だろう?
Aijā žūžū (lullaby)
・BGM23/Latvia/ラトビア/2018/「バルトの貴婦人」とうたわれる美しい国ラトビア
バグパイプというと、スコットランドやアイルランドのイメージがあります。ラトビア?これバグパイプだよね?と調べました。実はラトビアなどバルト諸国でも盛んな楽器のようです。世界って広い。
映画『となりのトトロ』のオープニング主題歌「さんぽ」は、イメージアルバムからサウンドトラックへある楽器が追加されています。もともとイントロは、太鼓とシンバルの行進曲のように完成していました。映画製作中のある日、バグパイプの入ったものが宮崎駿監督に届けられたとき、監督は一瞬でそれが気に入ったそうです。たしかに、バグパイプがあるのとないの、印象もワクワク感もだいぶん違いますね。ぜひ聴き比べてみてください。
Pääskyläinen
・BGM 24/Finland/フィンランド/2019/森と湖の国フィンランド
きれいなコーラスワークです。透明感いっぱいです。
アルバムは各13~15曲ほど収録されています。ベースはインストゥルメンタル曲中心です、ボーカル曲は全体の1~2割くらいあると思います。今回CDを手にとっていないサブスクで聴いたので、楽器のクレジットなんかは全くわかりません。もし鳴っている楽器と書いている楽器違っていたらすいません…もう終わりかけのここで言う?!…。
Mountain Jigs
・BGM 25/Ireland/アイルランド/2020/ケルト文化が根ざした国
ケルト音楽の笛と一口に言っても、そこにはたくさんの種類があるみたいです。ティンホイッスルのような高音も鳴っていますけれど、どの笛いくつの笛が楽しくアンサンブルしているんでしょうね。
from MUJI BGM YouTube
気になる土地から。
好きな国、気になる地域の音楽から聴いてみるのもいいと思います。ちょっとした旅行気分ですね。メモからほかの楽器のことをいうと、BGM5 Puerto RicoやBGM6 Andaluciaはギター、BGM10 Buenos Airesはタンゴ、BGM20 Limaはカスタネット、BGM21 Bulgariaはブルガリアン、そんな特徴あったと思います。
気になる季節から。
楽曲配信プラットフォームはほぼ完備されています。日本国内はもちろん世界の各配信サービスで提供されているようです。そしてMUJIでは、どの地域の音楽が一番聴かれているか、どの国で一番聴かれているか、そんな追跡リサーチもしっかりしているようです。いつか見た制作者インタビューでは、台北でもっともMUJI BGM聴かれてるとあった、そう記憶しています。
一挙24枚327曲は聴けない、順番に聴いていくほど時間もない。そんな人にはMUJI公式が提供しているSpotifyプレイリストおすすめです。
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■Spotifyプレイリスト
ボーカルの入らない環境音楽として、自宅でのテレワークやリラックス・タイムに音楽をお楽しみいただけるよう、BGMシリーズのなかから、様々なシチュエーションに応じてお聞きいただけるプレイリストを定期的に更新します。Spotifyプレイリストは、年に4回更新予定です。
30曲 – 1時間40分
BGM2~25のうち、〈初夏を過ごす〉をコンセプトに楽曲をプレイリストとしてまとめました。
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出典:Mikiki|無印良品の店内BGM全327曲が一挙サブスク解禁 より一部抜粋
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/28550
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夏プレイリストは上のリンクでわかります。季節はめぐり、今は秋コレクションに変わっています。
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MUJI BGM Autumn
プレイリスト • 2021
37曲 • 2時間
「MUJI BGM」は、様々な国をテーマにしたBGM2~25を絶賛配信中。季節は秋へと移り変わり「芸術の秋」「食の秋」というイメージからやや哀愁の感じられるような楽曲をセレクトしたプレイリストになっております。「MUJI BGM」のプレイリストでは様々なシチュエーションに応じてお聞きいただけるプレイリストを定期的に更新しております。是非お聞きください。
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出典:MUJI BGM 配信|無印良品
https://www.muji.com/jp/ja/stories/other/712536
(Autumn Playlist ※2021年11月1日現在)
公式サイトにはCDアルバム購入ページもあります。アルバム1枚990円(税込)です。各曲30秒ずつのダイジェスト視聴もできるようです。最新作BGM26はワルシャワなんですね。けっこう根強い人気を誇っているBGMシリーズのようで、コンプリートしている人、新作を楽しみにしている人も多いみたいです。また、冬のプレイリストも楽しみですね。季節の変わり目とプレイリストの変わり目はわからないので気になる人はチェックです。毎年季節ごとに少しずつ内容も更新されていくんだと思います。
むすび。
僕はマイルドな言い方をして、かなり個性的な興味の入口でMUJI BGMを聴き楽しみました。むずかしい顔をしてガチで聴いてやる、そんな音楽じゃないのかもしれません。本格的かどうかはわかりませんが本場ものなのはたしかです。たっぷり収穫ありましたよ。
このご時世にからめていろいろなことも書けます。気軽に旅行に行けない今だからとか、テレワークや在宅でおうち時間増えた今だからとか、ちょっとでもリラックス安らげる時間がほしい今だからとか。もちろんそんなニーズもしっかりつかんだ人気で聴かれているだろうMUJI BGMです。
今回思ったことは3つです。
〈土地を楽しむ音楽〉だなということ。本当ならその土地に行かないと聴けない曲を楽しむことができます。実際に気温や湿度の影響などで、その土地から持ち運べない楽器や音楽ってあります。日本の尺八なんかもそうです。とてもデリケートな楽器らしいです。旅行気分はもちろん、人生で訪れるには余りある土地を楽しむ音楽です。
〈暮らしを聴く音楽〉だなということ。その土地に根づいている音楽だからこそ、暮らす人々の生活音すら一緒になって聞こえてきそうです。伝統音楽には、宗教や風習と結びついて受け継がれてきたものもあると思います。どんなときによく演奏される音楽なのかな? どんな人たちに紡がれてきた音楽なのかな? そう想像してみるのもおもしろいです。
〈日常を楽しむ音楽〉だなということ。個人の半径3メートル以内でみてみると、料理しながら掃除しながら、いつもの家事を楽しく味つけしてくれそうです。読書しながらエクササイズしながら、頭も体もすっきりして効果あがりそうです。個人の半径3メートルから広げてみてみると、誰かと一緒に時間を過ごしたくなる、そんな音楽のようでもあります。会話が弾みそうとか笑顔になりそうとか。不思議ですよね。個人でもちゃんと満たされる。そして誰かとスペースを共有したくなる音楽。
ちょっと部屋に花を飾るように、ちょっと日常の変化を感じてみる。1曲聴いただけでもそんな気分になれそうなMUJI BMGのお話でした。
Clothiers March
おやすみなさいのケルティックハープ。
それではまた。
reverb.
無添加な音楽はきっと体にも心にもいい♪
*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
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