Info. 2015/10/21 [雑誌] 「ストレンジ・デイズ 2015年12月号」久石譲インタビュー 掲載

10月20日発売の「ストレンジ・デイズ」2015年12月号に
「久石譲プレゼンツ ミュージック・フューチャー Vol.2」が取り上げられました。

STRANGE FIELDS/小沼純一
「コン・テンポラリー・ミュージック:MUSIC FUTURE VOL.2」

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Info. 2015/10/20 [雑誌]「CDジャーナル 2015年11月号」久石譲インタビュー掲載

10月20日発売の「CDジャーナル」2015年11月号
Artists Interviewに久石が登場。
8月にリリースしたソロ・アルバム「ミニマリズム 2」について、
また、直近のコンサート活動や、最新作《コントラバス協奏曲》への
意気込みも語っています。
ぜひご覧ください。

(久石譲オフィシャルサイト より)

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Info. 2015/10/20 [雑誌]「モーストリー・クラシック 2015年 12 月号」久石譲インタビュー掲載

10月20日発売の「モーストリー・クラシック」2015年12月号「STAGE」では、ソロ・アルバム「ミニマリズム 2」のインタビュー記事、「公演Reviews」には、9月に開催した「久石譲 プレゼンツ ミュージック・フューチャー Vol.2」の批評が掲載されています。ぜひご一読ください。

公式サイト:MOSTLY CLASSIC モーストリー・クラシック

(久石譲オフィシャルサイト より)

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Info. 2015/11/13 久石譲・麻衣 合作 栃木市「市歌」発表へ

栃木市は、11月13日の市制5周年記念式典で発表する市歌について、数々の映画やテレビCMなどの楽曲を手掛ける作曲家久石譲さん(64)に作曲を依頼していたことを明らかにした。作詞と歌は、久石さんの長女で歌手の麻衣さん(37)が手掛ける。麻衣さんは式典で市歌の合唱を披露する市内の小学生への指導も行うなど本番に向けた準備を着々と進めている。

久石さんは宮崎駿監督の映画で音楽を手掛けるなど抜群の知名度と実績を誇ることから、曲の制作を依頼した。久石さんと麻衣さんとの合作は自治体の歌では初めてだという。

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Blog. 「久石譲 PIANO STORIES ’98 Orchestra Night」 コンサート・パンフレットより

Posted on 2015/10/17

久石譲の過去のコンサートから「PIANO STORIES ’98 Orchestra Night」です。

1998年はとりわけ多種多彩なコンサートを開催しています。「PIANO STORIES ’98 Best Selection ~Piano Night」ピアノ・ヴァイオリン・チェロによるコンサート、「加藤登紀子日比谷野音コンサート」ゲスト出演にてPiano Nightでのダイジェスト版のような、「JAPAN TELECOM FESTIVAL’98 SUPER SOUND OF JOE HISAISHI」サテライト中継にて、3都市同時演奏、「第11回 JALステージスペシャル 醍醐寺音舞台」総合演出も担当、バラネスクカルテットも出演、「題名のない音楽会」もののけ姫やナウシカなどおなじみの曲をお茶の間に、そして10月から12月にかけて全国9公演にて開催されたのが「PIANO STORIES ’98 Orchestra Night」です。ピアノ主体からはじまり、多彩なスタイルでコンサートを展開し、オーケストラで締めくくる、そんな1998年です。

 

 

PIANO STORIES’98 Orchestra Night

[公演期間]23 PIANO STORIES’98 Orchestra Night
1998/10/15 ~ 1998/12/16

[公演回数]
全国9公演
10/15 仙台・仙台イズミティ21
10/19 東京・東京芸術劇場ホール
10/27 大阪・ザ・シンフォニーホール
10/29 京都・宇治市文化センター
10/31 大阪・貝塚コスモスシアター
11/1 名古屋・愛知県芸術劇場コンサートホール
12/9 岡山・岡山シンフォニーホール
12/15 広島・広島厚生年金会館
12/16 広島・広島厚生年金会館

[編成]
ピアノ:久石譲
仙台フィルハーモニー管弦楽団 (仙台)
東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団 (東京)
関西フィルハーモニー管弦楽団 (大阪・京都・名古屋)
広島交響楽団 (岡山・広島)
指揮:曽我大介

[曲目]
【Symphonic Poem “NAUSICAÄ”】
Part I
Part II
Part III
(風の谷~遠い日々~レクイエム~メーヴェ~谷への道~鳥の人)

【Nostalgia】
Nostalgia
Cinema Nostalgia
la pioggia
HANA-BI

【交響組曲 もののけ姫】
アシタカせっ記
TA・TA・RI・GAMI
もののけ姫
アシタカとサン

【WORKS・I】
Sonatine
Tango X.T.C
Madness

—–アンコール—–
Friends
Asian Dream Song

 

 

プログラムを見てもわかるとおり、『WORKS・I』『WORKS II』から名曲たちを網羅したような、そんなベスト選曲的プログラムになっています。実際にこのコンサートツアーでの名演を収録したのが、のちに『WORKS II』としてLive CDになりましたので、、そういうことです。

 

 

【楽曲解説】 PROGRAM

Symphonic Poem “NAUSICAÄ”
アルバム「WORKS・I」で書き下ろされた「交響詩曲ナウシカ」。「風の谷のナウシカ」から14年、音楽はこうして演奏時間約18分の大曲となり、新たなシンフォニックの響きにのって、その構想を大きく開花させる。コンサートでは今ツアーが初演となる。

Nostalgia ~Piano Stories III~ より
今秋リリースされたばかりのニューアルバム「Nostalgia」からの5曲を演奏する。「HANA-BI」がベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したときの記者会見で、イタリア人記者によって「イタリア的な音」を見出されて以来、ずっと大切にしてきた「イタリアの唄心」を存分に「唄う」曲が並ぶ。「HANA-BI」は新アレンジ、他4曲は書き下ろしの新曲で、「la pioggia」は映画「時雨の記」のテーマ曲でもある。新譜の曲をライヴで聴かせる初めての機会となる。

交響組曲 「もののけ姫」 より
宮崎駿監督のもつ空気感のようなものが、スラヴ色の強い東欧の音に相通じるのではないか。それがこのアルバムをチェコ・フィルと録音した最大の理由でもあった。今年7月に「交響組曲」としてまとめられたこのアルバムからの5曲も今コンサートが初演となる。映画冒頭でインパクトあるサウンドを聴かせた「アシタカせっ記」から「TA・TA・RI・GAMI」へ、そして広く愛唱されてもいる「もののけ姫」、「黄泉の世界」、エンディングの「アシタカとサン」まで、シンフォニックに綴るドラマが繰り広げられる。

WORKS・I より
宮崎駿、北野武、大林宣彦各監督との作品を厳選し、「JOE meets 3 DIRECTORS」として新たに書き下ろし、ロンドン・フィルと録音したアルバム「WORKS・I」からの3曲。「Sonatine」は北野監督の同名映画(1993)のメインテーマ、「Tango X.T.C.」は大林監督の『はるか、ノスタルジィ』(1992)より、そして大胆なアレンジを聴かせる「Madness」は宮崎監督『紅の豚』(1992)より。それぞれに、この新アレンジでの演奏は、今回のツアーが初演となる。

(【楽曲解説】 ~コンサート・パンフレットより)

※掲載されていた「Casanova」「黄泉の世界」は、プログラムの都合上演奏されていない

 

久石譲 98 コンサート インタビュー

 

ツアー直前インタビュー
煌くとき Brilliant Time

今回のツアーは2年ぶりのオーケストラ・コンサートとなる。「HANA-BI」(ベネチア国際映画祭金獅子賞)以来の”イタリア的な音へのこだわり”が存分に盛り込まれた、「Nostalgia」(今秋リリースのニューアルバム)からも、もちろん何曲か演奏される。なぜ今イタリアなのか。ソロアルバム「Nostalgia」にカヴァー曲を入れたのはどうしてなのだろうか。

 

日本からイタリアに録音に行くってまれなことですよね

久石:
「Nostalgia」は、イタリアで現地のオーケストラとレコーディングしましたけど、オケには機能性よりも『唄』を望みました。多少荒っぽくても、そこには『唄』があるというアルバムを作りたかった。だからイタリアにしたんです。

この2年間で、ロンドン・フィルと「WORKS・I」を作り、それから「もののけ姫」のシンフォニック・ヴァージョンではチェコ・フィルとやりました。ソロアルバムのカッチリした世界を表現できるのは、技術的にもかなり高いものをもっているロンドン・フィルでなければならなかったし、「もののけ姫」ではスラヴ色の強い、朗々として少し暗く重い、土臭さみたいなものがどうしても欲しかったのです。

そして次に自分のソロアルバムを、と考えたとき、根底に『唄』を表現したいということがありました。それは、去年「HANA-BI」でベネチアへ行って、公式記者会見で外国人記者から「音楽がすごくイタリア的なメロディだ」と指摘されて、「ああ、そうなのかな」と思ったのがきっかけです。確かにベネチアで「HANA-BI」を観たとき、自分でも「この音楽、イタリア的に聴こえるなあ」と思いました。そのあたりですね。イタリア的な『唄』を表現しようと思ったのは。

それと、今回のアルバムでは、イタリアというテーマの中でカヴァーをやってみたいと思って、サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」の有名なアリア(アルバムでは「バビロンの丘」)とニノ・ロータの「太陽がいっぱい」を、最もイタリア的な香りのするメロディということで選びました。アレンジという部分も自分の中の大事な要素ですから、人のメロディを借りてきても自分の世界が作れるというところにチャレンジしてみたかったのです。

このようなイタリアで録りたいという発想は、「交響組曲もののけ姫」をスラヴの音でやりたいと思ったのと同じように、すごく大切なことでした。日本で録れば簡単ですし、イギリスのオケならもっとうまい。それは十分わかっているけれど、今度の音楽には何としてもイタリアが必要だったんです。

技術的な面でも現時点で可能な限りの最先端の技術で録るという、徹底的にハードディスク・レコーディングを行いました。ここが大事なところなんだけど、古臭いやりかたでノスタルジックな音を録ったら、本当に古臭くなってしまう。それは僕の欲してる音ではないんですよ。それで、オケがそのレコーディング方式に不慣れだったってこともあって、レコーディングの2日目からは予定外に僕がピアノを弾いて、オケをひっぱるという、同時録音に切り替えざる得なかったんです。でも、そのうちに現場の雰囲気が一変して、オケがピタッとついてくるのがわかりました。そういう意味では柔軟性のある若いオーケストラでよかったですね。

イタリアにはやっぱり、日本のオーケストラにも、またイギリスのオーケストラにもない、独特のおおらかなメロディーの唄い方がありました。結果をみても、これはイタリアに行かなかったら成立しないアルバムだったと、今、改めて思っています。

 

作曲家・久石譲の書いた曲に、ピアニストとして自分がどう追いつくのか。
その繰り返しは決して終わることはない。

作曲、オーケストラアレンジ、レコーディング。連日のスコア書きで、手の疲労が限界に達した頃、ピアノのレコーディングはやってくる。書くことから弾くことへ、その役割は替わっても、過酷なまでの手の酷使は続く。それでも、作曲家として、演奏者である自分に何かを課すかのように、久石さんはピアノに向かう。

 

今回のツアーはオーケストラとの仕事の集大成なんです

久石:
何十人ものオーケストラと一緒に演奏するというのは、自分のピアノとオケとが瞬間、瞬間にどういうふうに格闘するかという、そういう意味での楽しみがあります。しかし一方、技量を試されるという意味では苦しみでもあるわけです。そもそも人前でピアノを弾くということ自体、一般的にとてもしんどいことでしょう。僕自身どこかに、できればやりたくないな、という気持ちがあるんだけれども、でもそれを自分に課すことによって乗り越えられることがあるんです。だから敢えてやっている。避けて通れないから弾いている、というのが正直なところですね。

しかも、弾くときの条件がいつも過酷ですからね。まず作曲で譜面を書き、続いてオーケストラ・スコアをガーッと書くと、手がもうボロボロなんですよ。腱鞘炎寸前になっている。悪いことに、そのころにピアノをレコーディングしなければいけなくなるんです。書くことは、なんとか早め早めにやろうとは思うんですが、どうしてもなぜかそういうタイミングになってしまいますね。もうほとんど体力勝負です。

そんな状況にあって、曲の創りとしては以前に比べ、確実にピアノパートが難しくなってきています。自分でどんどんハードルをあげて、それにチャレンジするというのを、ずっと続けてることになりますね。今回のアルバム「Nostalgia」にしても、ここまで上げなくてもよかったんじゃないかってくらい、ピアノが難しくなっている。演奏テクニック上のハードルは相当高くなってます。

じゃあ久石譲の根底は何なんだと問われたとき、その答えはあくまで作曲家なんです。曲を創るとき、今度の曲ではオケはこうあるべきで、弦はこうあるべきで、自分のピアノもこうあるべきだろうと、そういう視点で創るわけで、演奏する段階になったら、そのハードルの高さに自分がついていかなければならなくなるんです。久石譲というピアニストにあわせて曲は書いていませんから、あくまで作曲家・久石譲が書いた曲に、ピアニストとしての自分がどう追いついていくかという、その繰り返しです。そういう意味で、僕は根本的にあくまで作曲家なんです。

しかし同時に、久石譲という作曲家の曲は自分が弾くのが一番いいと思っていますから、大変だけどピアノに向かう。コンサート前の、あと10分でステージに上がるというときには毎回、”この曲を弾けるのは自分だけなんだ”ということを、自分に言い聞かせていますよ。

今度のコンサートで僕自身が最大の楽しみにしているのは、まだライヴでやってない曲ばかりのプログラムだということです。中には新しいアレンジをした曲もありますが、いずれにしてもまだ、コンサートでオーケストラとやってない。曲を書いて、またはアレンジして、録音して、それをコンサートで聴いてもらう。そこで、はじめて曲が完結すると思っているのですが、今回のツアーでは全国で9回の、いろいろなオケとの共演という形でそれができるのですから、とてもやりがいを感じています。

この2年間にやってきたオーケストラとの仕事の集大成ともいえるこのコンサートを、じっくり聴いていただきたいと思っています。

(久石譲インタビュー 同コンサート・パンフレットより)

 

この公式コンサート・パンフレットは、ほかにも「交響組曲もののけ姫」「Nostalgia ~Piano Stories III」のレコーディング日誌もそれぞれ特集掲載されていました。

 

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Blog. 久石譲 「Nostalgia」 レコーディング日誌 (1998 コンサート・パンフレットより)

Posted on 2015/10/17

久石譲の過去のコンサートから。「PIANO STORIES ’98 Orchestra Night」のコンサート・パンフレットにて特集された、「NOSTALGIA ~PIANO STORIES III~」のレコーディング日誌。

 

 

Making in Italy 「Nostalgia」

インストゥルメンタルでありがなら『唄』を表現できるオーケストラが欲しい。だからこそ、新譜「Nostalgia」のレコーディングにはイタリアの地が選ばれた。おおらかにメロディを唄うオケの魅力を最大限に引き出しながら収録は進んだ。

 

9月7日
成田から16時間、やっとボローニャに到着。出発の前日に、京都・醍醐寺の「音舞台」コンサートから戻ったばかりという強行軍の上に、イタリアでは荷物が行方不明になる不運のおまけつき。

空港から40分ほどで目的地モデナに着く。リハーサルのDATを聴いた久石さんは、「おぉっ!イタリアだぁ!」と大感激。イメージ通りの音だったに違いない。日本人が海外のオーケストラ・レコーディングでイタリアを選ぶのは、おそらく稀なことだろう。

 

9月8日
レコーディング初日。収録するストロキホールはホテルから歩いて5分ほどのところにある。今日は東京の紀尾井ホールで録ったピアノにオケを合わせる形で録音していく。オーケストラはフェラーラという街の名前のついたフェラーラ・オーケストラで、指揮はイタリア人のレナート・セリオ氏。レコーディング・エンジニアにはドイツ人のステファン・フロック氏が加わった。「Nostalgia」と「Cinema Nostalgia」を録って1セッション目を終了。オケもしだいに調子を上げてはいるが、盛り上がりはいまひとつだ。2セッション目は「バビロンの丘」から「il porco rosso」へ。イタリアのエスプリあふれる仕上がりとなった。

 

9月9日
もう少しオーケストラをピアノで動かすという意味で、急きょ久石さんのピアノを同時録音することになる。連日のスコア書きと醍醐寺のコンサートで腕はかなり疲労している。その最悪な状況を知っているだけに心配ではあるが、止むを得ない状況だ。

まず「HANA-BI」から。ピアノがぐいぐいとオケをひっぱり、迫力が増していくのがわかる。次に映画「時雨の記」(今秋公開)のテーマ、「la pioggia」。オケもさらに充実した音を出してきて、雰囲気の高まりが感じられる。ここで午前のセッション終了。

午後から最後のセッションで「旅情」を録る。これは紀尾井ホールで録ってあったピアノに合わせてオケを録る。オケも慣れてきて順調に進行した。その後編集作業へ。

 

9月10日
午前中にイタリア各紙の新聞の取材を受ける。今回のレコーディングを多くの新聞が取り上げており、両手に抱えるほどの掲載記事を見せてもらった。日本での作業に入るため、早くも美しいモデナの街をあとにして帰国。

久石譲 Nostalgia レコーディング 2

(久石譲 PIANO STORIES ’98 Orchestra Night コンサート・パンフレットより)

 

レコーディング方式を、急きょピアノとの同時録音に切り替えた経緯は、同コンサート・パンフレットでのインタビューでも語られている。

Blog. 「久石譲 PIANO STORIES ’98 Orchestra Night」 コンサート・パンフレットより

 

久石譲 Nostalgia レコーディング 1

 

Blog. 久石譲 「交響組曲 もののけ姫」 レコーディング日誌 (1998 コンサート・パンフレットより)

Posted on 2015/10/17

久石譲の過去のコンサートから。「PIANO STORIES ’98 Orchestra Night」のコンサート・パンフレットにて特集された、「交響組曲 もののけ姫」のレコーディング日誌。

 

 

Making in Czech 「交響組曲 もののけ姫」

スラヴ色の強い音。
「もののけ姫」のメロディに合う、土の匂いのする音。
それを求めた「交響組曲 もののけ姫」のレコーディングで、
すでに100年を超える歴史と東欧独特の響きを持つ、
チェコ・フェルハーモニーとのセッションが実現した。

 

6月6日
昨日、20時間かけてプラハへ到着。今年は異常気象とのことで、6月というのに30度を超える暑さだ。今日は市民会館の中にあるスメタナホールでピアノのリハーサル。調律UPが予定より延びたため、有名な火薬塔に通じる部屋などを案内してもらう。

リハーサル後はレコーディング会場である「芸術家の家」内のドヴォルザークホールを下見。ホール内で手でたたいてみると、まっすぐな残響が続く。低音のにごりもなく、やわらかくて繊細な、実にきれいな響きだ。

 

6月7日
録音初日。前の仕事が押して指揮者のマリオ・クレメンス氏の到着が遅れたため、夜からのスタート。録音曲順の打合せ後、「レクイエム」から収録。チェコ・フィルのパターンとして、各セクションに1名ずつ補強メンバーが加わり、弦5部64名、木管12名、金管18名、打楽器4名、ハープ2名というとても厚い編成だ。緊張の中、1曲目をスムーズに録り終え、続いて「アシタカせっ記」。確かなテクニックと重厚な音質が東欧のイメージを醸し出す。指揮のマリオ氏も、久石さんの音楽を楽しんでいるようだ。スタッフ一同、満足のうちに初日終了。

 

6月8日
午前9:30よりセッションスタート。「TA・TA・RI・GAMI」から。事前に打合せていたチャンチキと〆太鼓(日本から持参)を、初めてにもかかわらず打楽器奏者が上手く演奏してくれた。セッションの雰囲気はしだいに盛り上がり、「シシ神の森」、休憩をはさんで「黄泉の世界」「旅立ち」と4曲を無事、録りおえた。それにしても、団員たちの譜読みの速さには驚かされる。当日セットされたばかりのパート譜で一度合わせを行い、二度目からリハーサルテイクになるが、非常に完成度の高い安定した演奏なので、最良のテイクがまとめられた。

 

6月9日
レコーディング最終日。「アシタカとサン」「もののけ姫」の収録で、久石さんのピアノとチェコ・フィルとのセッションが実現。美しいピアノの音とオーケストラとが一体となってホールいっぱいに響きわたり、最終日にふさわしい高揚感のうちにアルバム「交響組曲もののけ姫」のレコーディングを終了。

指揮者のマリオ氏、団員たちからスタンディングで拍手をおくられた。夜、世界一といわれるボヘミアのビールで乾杯。明日は日本でのマスタリング作業のため帰国する。

 

久石譲 スメタナホール

↑ スメタナホールでのピアノリハーサル

 

久石譲 ドヴォルザークホール

久石譲 交響組曲もののけ姫 レコーディング

(久石譲 PIANO STORIES ’98 Orchestra Night コンサート・パンフレットより)

 

 

Related page:

 

Blog. 「クラシック プレミアム クラシック プレミアム 46 ~ショスタコーヴィチ~」(CDマガジン) レビュー

Posted on 2015/10/15

クラシックプレミアム第46巻は、ショスタコーヴィチです。

 

【収録曲】
交響曲 第5番 ニ短調 作品47
ワレリー・ゲルギエフ指揮
マリインスキー劇場管弦楽団
録音/2002年 (ライヴ)

交響曲 第9番 変ホ長調 作品70
ベルナルト・ハイティンク指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音/1980年

 

 

久石譲のエッセイにいくまえに、こちらも毎号楽しみにしている読み物「西洋古典音楽史」(岡田暁生 筆)。今号はクラシック音楽における「即興演奏」がテーマだったのですが、とても興味深い内容が後半にあったのでご紹介します。

 

「今日において即興が廃れてしまった最大の原因は、おそらく近代の大作曲家たちによる演奏家への過剰干渉である。作曲家というのは隅から隅まで自分の思いどおりにならないと気が済まない人種である。しかもモーツァルトやショパンやリストがそうしたように、自分で作って自分で演奏するのではなく、19世紀後半以後は「専業作曲家」が増えてくる。作るだけで、自分では演奏しない(できない)作曲家たちである。演奏という最終的な完成形まで自分の責任でもっていくことができない、これはつらい。どれだけきちんと楽譜を上げても、最後は演奏家に託さないといけない。だがひょっとすると演奏家は自分の作品を無茶苦茶にしてしまうかもしれない…。」

「19世紀後半以後の作曲家の楽譜は、どんどん緻密になっていく。誤解の余地が生じないように、細かいニュアンスまですべて書き込もうとする。あれだけ細かく楽譜で指定されたら、即興することなど不可能だ。余計なことをせず、ひらすら楽譜どおりに弾くことを、近代の作曲家は強要する。演奏家嫌いでとりわけ名高かったのはストラヴィンスキーで、彼はイタリアの諺を引いて「通訳(トラディトーレ)はいつも裏切り者(トラドゥットーレ)だ」(翻訳に誤訳はつきものという意味)と言い、「自分にとって理想の演奏家は、オルゴールの蓋を開ける人だ」と主張した。演奏家など単なる再生機械(または機械にスイッチを入れる人)でいいということだ。実際彼は一時期、自分のすべての作品をピアノ編曲し、それを自分で自動ピアノに録音することを考えていた。」

「小説家や画家と同じような意味で「作品を仕上げる」ことは、作曲家にはできない。頭の中にどれだけ完璧な形が思い描かれていようとも、実際の演奏会ではどんなアクシデントが起きるかわからない。演奏を他人の手にゆだねるとあっては、なおのことである。それに万が一完璧な演奏を実現することができたとしても、それを常時再現することなどできようはずもない。つまり即興的/偶発的な要素をどれだけ排除したところで、絵画や文学のような意味での「完成形」としては、音楽作品は存在していない。例えばベートーヴェンの《第9》。フルトヴェングラーの録音もカラヤンの録音もバーンスタインの録音も、あるいは○月○日のどこそこでの演奏会もすべて、ユートピアとしての「完成形」になんとか辿り着こうとして夢破れた敗北の記録なのかもしれない。すべての芸術の中で最もはかなく、だからこそ最も美しいのが音楽だとすると、その理由の一つはこのあたりにある。」

(キーワードでたどる西洋古典音楽史 「即興演奏再考(上)」 より)

 

 

「久石譲の音楽的日乗」第44回は、
ソナタ形式の中の第1主題と第2主題

前回は音楽形式について話が進みましたが、今回はより深く。ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を例にあげて、具体的に解説されているのでわかりやくもありますが、いや、やはり難しい。

それでも「第1主題と第2主題」についてというお題のなか、久石譲が音楽分解するベートーヴェン交響曲第5番という見方も。指揮者:久石譲としての一面、さらには作曲家として指揮をするという久石譲の一面、いろんな思考や解釈が垣間見れたような気がします。

 

 

「ホモフォニー(ハーモニー)音楽を支えてきたのは機能和声とソナタ形式であると前回書いた。それをベートーヴェンの交響曲第5番《運命》を例に考えてみる。」

「全4楽章で約35分の長さを持つこの曲は、特に冒頭の4音からなる「ジャ、ジャ、ジャ、ジャーン」が有名で、本人が弟子に「運営がこのように戸を叩くのだ」と語ったことから《運命》と呼ばれるようになったらしいが、本当のところは定かではない。ちなみに海外ではあくまで交響曲第5番であって《運命》と呼ぶことはまったくない。」

「第1楽章と第4楽章がソナタ形式なのだが、ここでは第1楽章で考えてみる。カルロス・クライバーの演奏が7分22秒、サイモン・ラトル7分29秒、カラヤン、アーノンクールが7分24秒なので、曲の長さとしてはそれほど長くはない。ただここで注目するのは、ふつう演奏時間は指揮者によってまちまちなのだが(1~2分違うケースもある)、この第1楽章はほとんど同じであること。それだけ緻密に作られているということだろう。だが、トスカニーニは6分15秒! これはどういう演奏なのか? 疾風怒濤の攻め技か!と思ったのだが、これは提示部を繰り返さなかったための時間だった。演奏もそれほど速くない。この提示部の繰り返し問題は後で説明する。」

「さて、ここでソナタ形式をもう一度おさらいすると全体は提示部と展開部、そして再現部の3部構成でできている。提示部では第1主題(テーマ)と第2主題があり、その関係は主調とその属調あるいは平行調である。あ~何だか面倒くさいが、大事なことだからわかりやすく説明すると、《運命》の正式名称は交響曲第5番ハ短調なのだが、このハ短調が基本のキー(主調)で、属調とはその5度上のト短調になる。だが、基本のキーが短調の場合、第2主題は平行調になる。この平行調は調号が同じもの(ハ長調とイ短調の関係)を指し、まあ夫婦のようなものである、仲がいいかどうかは別として(笑)、いやこれは冗談ではなく、その対比あるいは対立が大きなエネルギーになっている楽曲もあるからだ。」

「《運命》の場合、第2主題は変ホ長調で優しく始まるのだが、再現部では同主調のハ長調で演奏される。また長調の楽曲でも再現部では属調ではなく、同じ主調で演奏されるのがみそなのだが、聴いてわかるだろうか? 特に東洋人の感覚ではヘテロフォニーといって同じキーの音が微妙にズレるドローン(持続低音のようなもの)的なものがベースにあり、主調と属調の違いが、大きく世界を変えるように感じる西洋人のものとは異なる。絶対音感の問題もあるが、我々の聴き方としてはキーの違いだけではなく、第1主題と第2主題の性格の違いがドラマを生んでいくと思った方が自然である。」

「映画の場合、A、Bそれぞれの登場人物が性格も考え方も同じだったらドラマとしてまったく成立しない。つまり映画にならない。が、A、Bの考え方や性格が違うために軋轢が生じ、対立することによってそこにドラマが生まれる。その対立によって起こるさまざまなドラマが映画なのだ。」

「ソナタ形式の基本も同じで、対立によって生じるドラマ性にあると僕は思っている。《運命》ではこれ以上削れない究極の4音モティーフを核とした激しい第1主題と、うっとりするくらいに優しい気品に溢れた第2主題がドラマ性を生み、音楽史上最も重要な楽曲になったのだが、忘れてはならない事がある。それは作曲的観点から見てどこにも無駄のない完璧な楽曲なのだが、そのうえに誰にでもわかるわかりやすさがある事だ。作曲は論理的な机上のものだけではなく、人々の感性に訴えかける強さも必要だ。そしてその表現を可能にしたのが、機能和声であり、ソナタ形式なのである。極端にいうとこの第1主題と第2主題のそれぞれ数小節をしっかり作ってさえあれば、楽曲完成の道筋はできたといっても過言ではない。あとはソナタ形式のフォーマットに沿って作曲していく。展開部ではそれぞれの主題を変奏し、再現部では先ほどのキーに即して再現する。メインの楽章ができればあとはロンド形式なりスケルツォなり舞曲系の楽曲と歌謡形式の遅い楽章を配置すれば交響曲は完成する。もちろんそんなに簡単に作曲はできないが、このメインのフォーマットがあるからハイドンは生涯106曲もの交響曲を書き、モーツァルトは41曲の交響曲を書いた。ベートーヴェンは9曲と先人より少ないが、それは時代の表現が変わり、よりエモーショナルで巨大になったからである。ロマン派の時代の幕開けだ。」

「提示部の繰り返しについては次回書く事にするが、ふと思う。《運命》の第1主題と第2主題の関係は、ベートーヴェンが生涯求めた(実現しなかったが)夫婦の理想の関係を描いたのではないか?と。これも、また別の《運命》のドラマである。」

 

 

クラシック音楽は形式ばかり重んじていておもしろくない、これはとっつきにくい大きな理由でもあると思います。ただ具体的に譜面が読めなくても、作曲家の意図を読み取れなくても、どういった形式があって、この作品はどの形式で構成されているか。これを予備知識として知っておくだけでも、聴き方はだいぶ変わるかもなと思った今号のエッセイ内容でした。

クラッシック以外の近代音楽が文学的(表現力)だとすると、クラシック音楽は数学的(理論)ということになります。数式を突きつめること、理論を成立させて解答を導くことが美しい。そういえば理系の人に意外にもクラシック音楽好きが多いと聞いたことも。

そういった理論のなかにも、無表情で無機質ではなく、どこか惹きつけられる、感情を揺さぶる魅力があるからこそ、クラシック音楽にハマるとのめり込んでしまうのではないかと。

まあ専門的知識はないので、最終的には、何かわからないけど、何がすごいのかはわからないけど、この作品好きだな、という結論にしかならないのですが。

それでいいとも思うのです。だからこそいろいろな音楽に触れることが、耳を肥やし、解釈や感情を豊かなものにしていく。そして「あ、自分ってこういうの好きなんだな」と新しい発見ができることこそが一番のおもしろさだと思います。

人がなにかを好きになるのは、感情が先、理論が後。好きになった(感情)からこそ、より知りたい(情報/理論)という順番ですね。

 

クラシックプレミアム 44 ショスタコーヴィチ

 

Info. 2015/10/13 [CDマガジン] 「クラシック プレミアム 47 ~ハイドン~」 久石譲エッセイ連載 発売

2015年10月13日 CDマガジン 「クラシック プレミアム 47 ~ハイドン~」(小学館)
隔週火曜日発売 本体1,200円+税

「久石譲の音楽的日乗」エッセイ連載付き。クラシックの名曲とともにお届けするCDマガジン。久石による連載エッセイのほか、音楽評論家や研究者による解説など、クラシック音楽の奥深く魅力的な世界を紹介。

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Blog. 「久石譲 PIANO STORIES ’98 Piano Night」 コンサートパンフレットより

Posted on 2015/10/7

久石譲の過去のコンサートから
「PIANO STORIES ’98 Best Selection ~Piano Night」です。

1998年に開催されたピアノを主体とした全国ツアーです。オリジナル・ソロアルバムから、映画人気作品まで。久石譲のピアノによって、久石譲の美しいメロディーが、ヴァイオリン、チェロとのトリオによって、シンプルにそして優美に堪能できる、そんなコンサートでした。

そして全国13公演におよぶツアーとなっていて、編成がシンプルなことも功を奏し各地域の中規模ホールでも開催できた、そんな今となってはありがたいコンサートツアーでした。

 

 

PIANO STORIES ’98 Best Selection ~Piano Night

[公演期間]22 PIANO STORIES’98
1998/04/16 – 1998/06/03

[公演回数]
13公演
4/16 釧路・釧路市生涯学習センター
4/18 札幌・札幌市教育文化会館大ホール
4/24 静岡・長泉市文化センター ベルフォーレ
5/7 佐賀・佐賀市文化会館中ホール
5/8 福岡・ももちパレス
5/12 岡山・倉敷市芸文館
5/14 岐阜・瑞浪市総合文化センター
5/17 島根・松江市総合文化センタープラバホール
5/18 鳥取・米子市文化ホール
5/23 滋賀・滋賀県立草津文化芸術会館
5/28 三重・川越市あいあいホール
5/31 岩手・盛岡キャラホール(都南文化会館)
6/3 宮城・仙台青年文化センター

[編成]
ピアノ:久石譲
ヴァイオリン:キャサリン・キャッシュ
チェロ:諸岡由美子

[曲目]
Friends [Piano solo]
Angel Springs [Piano solo]
Rain Garden [Piano solo]
君だけを見ていた [Piano solo] (I only noticed you)
もののけ姫 [Piano & Violin]
アシタカせっ記 [Piano Trio]
Two of Us [Piano Trio]
Modern Strings [Piano Trio]

-休憩-

The Wind of Life [Piano solo]
Silencio de Parc Güell [Piano solo]
Asian Dream Song [Piano solo]
Fantasia for Nausicaä [Piano solo]
風のとおり道 [Piano & Cello]
HANA-BI [Piano Trio]
Kids Return [ Piano Trio]

—–アンコール—–
Tango X.T.C
アシタカとサン

 

【楽曲解説】 Program

Friends
トヨタ自動車「クラウンマジェスタ」のCMでおなじみのこの曲は、メロディアスなピアノの旋律の美しさが特に印象的で、コンサートでもたびたび取り上げられている。繊細なメロディラインを味わうことができる。
*アルバム『PIANO STORIES II』にも、ピアノ&ストリングスの編成で収録されているが、本日はコンサートバージョン(ピアノ・ソロ)で演奏される。

Angel Springs
こちらも長い間、サントリーウイスキー「山崎」のCMで親しまれてきた。どこかなつかしい郷愁のただようメロディが、寄り添うようにすっと心に響いてくる。
*『PIANO STORIES II』にピアノ&ストリングスの編成で収録されている。この曲もコンサートバージョンでの演奏。

Rain Garden
フランス印象派の作品を彷彿とさせるようなピアノ作品。”~ふと、ラヴェルが弾きたくなった。その響きが心に微かな波紋となって広がっていく。~”(「PIANO STORIES II)メモランダムより)
*『PIANO STORIES II』にピアノ・ソロで収録されている。

君だけを見ていた
ドラマ「大名は判ってくれない」(1992年)のオープニング・テーマ曲。コンサートでもたびたびピアノ・ソロで取り上げられるナンバー。ドラマティクで、たたみかけるようなメロディ・ラインが印象に残る。
*コンサートでのみ聴くことができる。

もののけ姫
主題歌「もののけ姫」は、カウンターテナー米良美一の澄んだ歌声で幅広く親しまれている。作詞は宮崎駿監督自身によるもの。コンサートではピアノとストリングスが、ヴォーカルとは違った雰囲気の魅力を存分に歌う。
*『もののけ姫 サウンドトラック』にインストゥルメンタルとヴォーカルの2バージョンを収録。シングル『もののけ姫』(唄/米良美一)もリリースされている。

アシタカせっ記
宮崎駿監督との作品から、昨年記録的な大ヒットとなった話題作「もののけ姫」より。この曲は映画の冒頭に流れるメインテーマで、力強く広大なスケール感と深いメロディ・ラインが圧倒的な迫力で聴き手に迫ってくる。
*オーケストラ・レコーディングされた『もののけ姫 サウンドトラック』に収録されている。

Two of Us
思わず口ずさみたくなるような、甘く切ないメロディ。ピアノと弦の音色がからみ合い、溶け合って、しだいにテンションを上げていく。映画「ふたり」(大林宣彦監督作品)でそのメロディを聴かせた。
*ピアノ&ストリングスの原曲は『My Lost City』に収録、また『WORKS・I』ではシンフォニック・サウンドで味わうことができる。

Modern Strings
クールなメロディとストリングスの裏アップ・ビートのカッティングな小気味よい1曲。”フランス映画のような”ニュアンスを出した原曲が、大人のムードをかもしだしている。
*『I am』ではサックスがブルージーな気だるさを演出していて、まさにその”フランス映画のような”雰囲気が楽しめる。

The Wind of Life
”~生命の風、人の一生を一塵の風に託す。陽はまた昇り、やがて沈む。花は咲き、そして散る。風のように生きたいと思った”(『PIANO STORIES II』メモランダムより)。そのタイトルの通り、風のようにさわやかなピアノ曲。
*『PIANO STORIES II』にピアノ・ソロの演奏が収録されている。

Silencio de Parc Güell
この曲のタイトル、シレンシオ・デ・パーク・グェールの”パーク・グェール”は、スペインのバルセロナにあるアントニオ・ガウディ作による公園のこと。シューベルトを思わせるような、さわやかさと優しさを合わせもったピアノ・ソロ作品。
*『I am』に収録。

Asian Dream Song
3月に開催された長野パラリンピック冬季競技大会の大会テーマ曲。コンサートでも1昨年から取り上げてきたが今回はピアノ・ソロで演奏される。
*『PIANO STORIES II』にピアノ&ストリングスで収録。ヴォーカル・バージョンはシングル『旅立ちの時~Asian Dream Song』(作詞/ドリアン助川 唄/宮沢和史)と『HOPE NAGANO PARALYMPICS 1998 TRIBUTE』に収録されている。

Fantasia
多くのファンのフェイバリットとなっている「風の谷のナウシカ」(宮崎駿監督作品)のメロディを、作曲者自身のピアノがクラシカルに綴る。どことなく懐かしさの漂う1曲。
*『Piano Stories』に収録されている。

風のとおり道
宮崎駿監督作品「となりのトトロ」より、映画の中でも重要な場面でたびたび流れていた代表的な作品を1曲。”小さな村、大きな楡の木、森の風景-”そんな情景を、物語を語るようにピアノの演奏で。
*ピアノ・ソロは『Piano Stories』に収録(タイトルは「The Wind Forest」)のほか、オリジナルは『となりのトトロ サウンドトラック』に収録されている。

HANA-BI
北野武監督「HANA-BI」のメイン・テーマ。昨年、ベネチア国際映画祭でグランプリ(金獅子賞)を受賞、一躍世界にそのメロディを聴かせた。アコースティック・サウンドが、欧米のジャーナリストが称する”キタノ・ブルー”をより一層鮮やかなものにしている。
*『HANA-BI サウンドトラック』に収録。

Kids Return
リズムの切れのよさと、わきあがるようなドライブ感が心地よい、人気ナンバー。これまでコンサートでもたびたび演奏され、好評を得ている。
*『Kids Return サウンドトラック』にオリジナルが、『PIANO STORIES II』にはピアノ&ストリングスの編成による演奏が、収録されている。

(【楽曲解説】 ~コンサート・パンフレットより)

 

 

この季節にもぴったりな楽曲たちが並んでいます。時代的にコンサート映像が残っていないのがすごく残念な、今となってはとても伝説的な希少なプログラムと編成です。

DVD『a Wish to the Moon -Joe Hisaishi & 9 cellos 2003 ETUDE&ENCORE TOUR-』

このあたりでも同じ楽曲が登場していますので、アコースティックな雰囲気ふくめ楽しめると思います。

 

久石譲 98 コンサート 2