Disc. 久石譲 『紅の豚 サウンドトラック』

久石譲 『紅の豚 サウンドトラック』

1992年7月25日 CD発売 TKCA-30596
1992年7月25日 CT発売 TKTA-20245
1997年5月21日 CD発売 TKCA-71156
2020年3月11日 LP発売 TJJA-10023

 

1992年公開 スタジオジブリ作品 映画「紅の豚」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

映画本編で使用された楽曲を収録したサントラ盤。アコースティックなサウンドにこだわり、ほぼ70名のフルオーケストラで録音。収録は1992年5~6月に行われた。加藤登紀子の歌2曲も収録。本作から、LPの発売は行われなくなった。

 

 

同時代に生きるアーティストとして
音楽監督・久石譲

「紅の豚」は、宮崎監督との仕事では「ナウシカ」から数えて、もう5作目になります。最初の打ち合わせでちょっと驚いたのは、映画の舞台が1920年代末期だという事。というのは、そのとき制作中だったソロアルバム(「My Lost City」 東芝EMI)でテーマにしていたのが、1920年代、アールデコの時代だったんです。同じ時代を生きるアーティストとして、どこか通じるところがあったのかも知れません。

ただ、通じ合ったということがイコール、音楽のレベルに結びつくとは限らない。たとえば「トトロ」ですが、自分の得意としる分野ではないのですが、それがかえって客観的かつ冷静に作れたせいか、思わぬ?レベルに達していてとても気に入っています。

そういう意味でいうと、今回もすべてスムーズに行ったというわけではありません。僕も宮崎監督も、お互いに妥協することが嫌いな方ですから(笑)。しかし、それによってこちらのテンションも上がったし、それがより高いレベルでの仕事につながったと思います。また今回はアコースティックなサウンドにこだわって70名のフルオーケストラでほぼ録音しました。

とにかく幸運にも、5作品も一緒に仕事をしてくると、毎回毎回が真剣勝負ですね。

1992年6月4日、アオイスタジオにて談

(CDライナーノーツより)

 

 

久石:
宮崎さんの個人的な思いが結構強く出てる映画ですよね。宮崎さんが前面に出てくるときの音楽のあり方っていうのは、僕はあんまりうまくなかった。どちらかというと、うんと引いてやるべきだったんだけれども、舞台がアドリア海で空飛ぶっていうので、ちょっと活劇調に振りそうになる部分と、そうじゃなくてほんとにパーソナルな思いっていうところで、たぶん僕があんまりこの作品を理解していなかったのかもしれない。今でもちょっとそれは反省してるんですよね。

鈴木:
いや、でも素晴らしかった。忘れもしない、久石さんにスタジオに来てもらって、宮崎の注文は「恥ずかしい曲を作ってください!盛り上げてください!」。いろいろな映画を観るとここで盛り上げるっていうときにほとんどの曲が盛り上がらない、そんな曲ばかり聴いてるとうんざりすると。でも久石さんなら、そこでほんとに高々に盛り上げてくれる曲、それをやってほしい、見事に期待に応じてくれたんですよ。だからあの曲ができたときに、宮崎が大喜びしたのを覚えています。

久石:
個人的にはある種映画「カサブランカ」のようなイメージで。ノスタルジックなんだけど男のかっこよさみたいな、そんなのが出たらいいなあっていう感じです。

鈴木:
ほんと一発で宮崎が気に入りましたから。(マルコとジーナのテーマを口ずさむ)久石さんのピアノで弾くところが宮崎が好きだったんですけどねえ、実にそれがうまくいって、絶賛でした。

Blog. NHK FM 「今日は一日”久石譲”三昧」 番組内容 -トーク編- より抜粋)

 

 

「嬉しかったのは、宮崎さんが舞台を1920年代の末に設定してこの映画を作り、そのことをまったく知らない状態で、僕も1920年代にこだわって『My Lost City』を作っていたことだ。およそ10歳、ワンジェネレーション離れている宮崎さんと僕が、同じ時期に、同じ時代のことを想定しながら、自分のいちばん大切なものを同時に作っていた。そのことにとても運命的なものを感じた。同じ時代を想定して作ったせいもあるだろう、宮崎さん自身も、僕の『My Lost City』をとても気に入ってくれた。「あの曲が全部欲しい、全部『紅の豚』に欲しい」と言っていたほどだ。事実、オープニングの曲は、『My Lost City』の「1920~Age of Illusion」を想定したものを書いて欲しいという依頼で作ったし、壊れた飛行機をもう一回作り直して、細い運河から飛び立つシーンは、『My Lost City』の「狂気」をそのまま使っている。」

(映画『紅の豚』 宮崎駿監督が久石譲に渡した詩の世界)

 

 

「時には昔の話を」(宮崎駿・加藤登紀子著)は、映画『紅の話』のエンディング用に宮崎駿監督が描き下ろした22枚の絵や、加藤登紀子さんとの対談、たくさんの詩がおさめられた大人の絵本的な作品。その本には5つの詩も収められている。「飛行艇乗りのタンゴ」「上昇」「黄昏のアドリア海」「夜間飛行」「秘密の庭」「メリーゴーランド」=詩/宮崎駿 これらの詩は映画『紅の豚』の音楽を久石譲にお願いするにあたり、音楽作りのヒントとして手渡されたものである。

なおこの本に収録されている22枚のイラストからの一部抜粋や、宮崎駿と加藤登紀子さんによる対談内容は、「ジブリの教科書 7 紅の話」にも収録されている。宮崎駿監督の6つの詩は本著のみ収録。

 

 

 

2020.03 Update

2020年発売LP盤には、新しく書き下ろされたライナーノーツが封入された。時間を経てとても具体的で貴重な解説になっている。

 

 

 

 

久石譲 『紅の豚 サウンドトラック』

1 .時代の風 -人が人でいられた時-
2. MAMMAIUTO(マンマユート)
3. Addio!(アディオ)
4. 帰らざる日々
5. セピア色の写真
6. セリビア行進曲(マーチ)
7. Flying boatmen
8. Doom -雲の罠-
9. Porco e Bella(ポルコ エ ベッラ)
10. Fio Seventeen
11. ピッコロの女たち
12. Friend
13. Partner ship
14. 狂気 -飛翔- (「My Lost City」より)
15. アドリアの海へ
16. 遠き時代を求めて
17. 荒野の一目惚れ
18. 夏の終わりに
19. 失われた魂 -LOST SPIRIT-
20. Dog fight
21. Porco e Bella -Ending-
22. さくらんぼの実る頃 歌:加藤登紀子
23. 時には昔の話を 歌:加藤登紀子

 

Porco Rosso (Original Soundtrack)

1.The Wind of Ages – When a Human Can be a Human
2.Mammaiuto
3.Addio!
4.Bygone Days
5.A Picture in Sepia
6.Serbian March
7.Flying Boatmen
8.Doom – Trap of Clouds
9.Porco e Bella
10.Fio – Seventeen
11.Women of Piccolo
12.Friend
13.Partnership
15.To the Adriatic Sea
16.In Search of the Distant Era
17.Love at the First Sight in the Wildness
18. At the End of the Summer
19.Lost Spirit
20.Dog Fight
21.Porco e Bella – Ending

*Track.14はデジタル収録されていない

 

Porco Rosso
(France, 1995) LBS 10 950602

1.L’EPOQUE DU VENT – Le temps où l’Homme était un Homme
2.MAMMAIUTO
3.ADDIO
4.LES JOURS SANS RETOUR
5.LA PHOTO COULEUR SEPIA
6.SERIVIA MARCH
7.FLYING BOATMEN
8.DOOM-LE PIEGE DES NUAGES
9.PORCO E BELLA
10.FIO-SEVENTEEN
11.LES FEMMES DE PICCOLO
12.FRIEND
13.PARTNERSHIP
14.VERS L’ADRIATIQUE
15.A LA RECHERCHE DU TEMPS PASSE
16.COUP DE COEUR DANS LE DESERT
17.LA FIN DE L’ETE
18.LOST SPIRIT
19.DOG FIGHT

 

붉은 돼지 Original Soundtrack
(South Korea, 2004) PCKD-20158

1.시대의 바람 -사람이 사람다울 때-
2.MAMMA AIUTO
3.Addio!
4.지난날
5.세피아 색의 사진
6.세르비아 행진곡
7.Flying Boatmen
8.Doom -구름의 덫-
9.Porco e Bella
10.Fio – Seventeen
11피코로의 여인들
12.Friend
13.Partner ship
14.광기 비상 –
15.아드리아해를 향해
16.머나먼 시대를 찾아서
17.황야에서의 첫 만남, 그리고 사랑
18.여름의 끝자락
19.잃어버린 영혼 -LOST SPIRIT-
20.Dog fight
21.Porco e Bella -Ending-
22.체리가 익어갈 무렵
23.때로는 옛 이야기를

 

Disc. 久石譲 『NATURAL WONDER LAND KUTCHAN』

1992年6月28日 CD発売 AKCD-210 ※倶知安町役場限定販売(開催期間)

 

倶知安町開祖百周年記念映画
「NATURAL WONDER LAND KUTCHAN」

 

豪雪の地”倶知安”は、先人のたゆまぬ努力と熱意により厳しい試練を乗り越え、今日の豊かな緑の大地を築きあげました。この度、開基百年を記念し「交響詩 倶知安」を制作致しました。天与の極めて優れた自然環境の中で培われてきた歴史、文化を継承し、次代の更なる発展を願いつつ本町第2世紀を皆様とともに奏でたいと思います。制作にあたり作曲家久石譲先生はじめ関係各位に深く感謝を申しあげご挨拶と致します。

倶知安町長 宮下 雄一郎

 

 

■メッセージ
豊かな水、豪雪に耐える逞しい人々、そして秀峰羊蹄山、それぞれに思いを込めて、「Main Theme AQUA」 「YAKUDOU」 「YOUTEI-ZAN」を作曲しました。皆様に愛されますなら幸いです。

久石譲

(CDライナノーツより)

 

●この音楽は倶知安町開基百年記念映像に使用されたものです

 

 

ピアノを基調とした澄んだ清らかなメロディ。同年発表のオリジナル・ソロアルバム「I am」に近い空気感と雰囲気。ピアノ、ギター、シンセサイザー、ストリングスといった、シンプルな楽器構成。自然の壮大さ、みずみずしさ、そして軽快さもあり、「タスマニア物語」や「仔鹿物語」といった同年代の作品とも共通する音楽世界。

現在は廃盤となった、施設/イベントへの音楽として貴重な作品。

 

 

NATURAL WONDER LAND KUTCHAN 倶知安 久石譲 sc

1.PROLOGUE
2.AQUA (Main Theme)
3.YAKUDOU
4.YOUTEI-ZAN
5.AQUA (Main Theme)

 

Disc. 久石譲 『紅の豚 イメージアルバム』

久石譲 『紅の豚 イメージアルバム』

1992年5月25日 CD発売 TKCA-30577
1992年5月25日 CT発売 TKTA-20239
1997年5月21日 CD発売 TKCA-71155
2020年3月11日 LP発売 TJJA-10022

 

1992年公開 スタジオジブリ作品 映画「紅の豚」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

原作漫画『飛行艇時代』と、宮崎監督の音楽イメージメモをもとに、1920年代末のヨーロッパ・イタリアをイメージしながら制作された作品。宮崎監督は制作の初期段階でいつも久石に音楽のイメージを記したメモを渡しており、それが作曲の源となっている。

 

 

久石譲 『紅の豚 イメージアルバム』

1. アドリア海の青い空
2. 冒険飛行家の時代
3. 真紅の翼
4. 雲海のサボイア
5. ピッコロ社
6. 戦争ゴッコ
7. ダボハゼ
8. アドリアーノの窓
9. 世界恐慌
10. マルコとジーナのテーマ

プロデュース、コンポーズ&アレンジ:久石譲

 

Porco Rosso Image Album

1.The Blue Sky of the Adriatic Sea
2.The Age of Adventurous Pilots
3. Crimson Wings
4.The Savoia in the Clouds
5.Piccolo S.P.A.
6.Playing War
7.Flying Boat “Dabohaze”
8.Hotel Adriano’s Window
9.Global Terror
10.The Theme of Marco and Gina

 

Disc. 久石譲 『君だけを見ていた』

久石譲 『君だけを見ていた』

1992年3月4日 CDS発売 TODT-2810

 

1992年放送 フジテレビ系ドラマ「大人は判ってくれない」

オープニング・テーマ曲「君だけを見ていた」
エンディング・テーマ曲「Tango X.T.C」

 

 

両A面シングルとして発売された。「Tango X.T.C.」は約1ヶ月前にリリースされたオリジナル・ソロアルバム『My Lost City』収録と同曲である。

「君だけを見ていた」はファンのあいだでも人気の高い幻の名曲である。幻と言われる所以は、このシングル盤しか存在せず、アルバム等には未収録楽曲だからである。またオリジナル版のみならず、リアレンジなどでも収録はなく、唯一コンサートDVDにて久石譲ピアノ・ソロ・ヴァージョンを聴くことができる。

そのピアノ版をも今となっては貴重な記録となっている。

 

 

 

 

 

 

久石譲 『君だけを見ていた』

1.君だけを見ていた
2.TANGO X.T.C.

「君だけを見ていた」
Joe Hisaishi:Paino & SYnth.
Kisyoshi Hiyama:Chorus
Fujimaru Yoshino:Guitar
Fumihiko Kazama:Accordion
Masatsugu Shinozaki:Strings
Recorded at
Wonder Station, Tokyo
Hitokuchizaka Studio, Tokyo

「Tango X.T.C.」
Joe Hisaishi:Piano & Synth.
Richard Galliano:Bandonéon
Phil Todd:Sax
Chris Laurence:Bass
Recorded at
Abby Road Studio, London
Studio Guillame Tell, Paris

 

Disc. 久石譲 『My Lost City』

My Lost City

1992年2月12日 CD発売 TOCT-6414
2003年7月30日 CD発売 TOCT-25122

 

1920年代、アール・デコの時代にインスピレーションを抱いた会心作

ロンドンのストリングス、パリのバンドネオン、最高の音楽を求めて
久石譲のピアノは、1920年代を、そして世紀末を彷徨った。

 

 

Prologue
僕にとってのピアノとストリングス、それは永遠に彷徨う旅人の心を歌うには最も相応しい形態だ。
新しい旅の始まり。

漂流者 ~Drifting in the City
都市の漂流者。行く場所さえない心のさすらい人。
「彼は自分の身勝手さを重々承知しながらも芸術家になるための戦いから身を退くことができず、
そのせいで彼の人生は何処か悲劇的気高さを帯びるに至ったのである。」

1920 ~Age of Illusion
バリエーション、音の変奏、それはうつろいゆくもの。
映画のカメラで言えば、特徴を使って絶えず移動するようなもの。
交通機関と一緒で都市と都市の間を結ぶ、移動祝祭空間だ。
そしてテーマは、主役、立ち止り確認すること。音の都市なのだ。
テーマからテーマへ、人から人へ、絶えずうつろい行く、それがバリエーションだ。
そこには予想もつかない未来のように、スリリングな展開となる。

Solitude ~in her・‥
それは不可能な試みだった。芸術行為とは自我の放出だ。
発生する自我と放出される自我のバランスを常に一定に保つことなど不可能なのだ。
実現不可能な目標に向けてなされる超人的努力の行き着く先は、精神と肉体の崩壊だ。

Two of Us
幸せの時は流れて・‥Floating

Jealousy
人はえてして合い反する感情のなかに自分の身を置く。
優しさ────傲慢さ センチメンタリズム────シニシズム
楽天性────自己破壊への欲望 上昇志向────降下感覚
そんな合い反する感情の向かう先は…

Cape Hotel
リビエラ、ジェラルド・マーフィとセーラ・マーフィの夫婦は何を考えていたのだろうか?
サティの作品は文学的に縛られていたのだろうか?
表層的な都市で育つ音楽はその資源的な根を絶たれる。
明快で表面のみからなる音楽は文学的な表現とは違う土壌にある。

狂気
目標を達成することで自分を駆り立てていた悪霊を統御できるはず。
自己を証明することによって平安を得られる。

冬の夢
魂の孤独な旅、寒い「氷の宮殿」を抜けて何処へ行くのか?
人は様々な感情のなかで成功と失敗を繰り返して、何処へ行くのか?
シューベルトの「冬の旅」から「白鳥の歌」には深い人生への慈愛と悲しみに満ちている。

Tango X.T.C.
なぜ1920年代のタンゴはセンチメンタルなのか?
ブエノスアイレスは。世紀末から都市化されたのであり、ニューヨークとほとんど同じなのだ。
とすれば20年代に置いてこの都市は
大自然の平原から引き抜かれた根なし草の悲哀を味わっていた
パンパ────ブエノスアイレス────パリ、これはタンゴの道そのものだ。
20年代のタンゴには草原から切り離されて、
再び戻ることのできない都市生活者の悲しみが響いている。

My Lost City
彼を描くのが目的ではない。
彼を通して自分を見つめるのが目的なのだ。
それはあたかも意志を持った鏡のように(彼と僕が同じだということ、又は似ている事ではなく)
そこで乱反射されたものを受けとることなのだ。
つまり僕が彼という鏡を通して写る姿を見たときまで見えなかった自分が
写しだされるかも知れないのだ。
そこは何処までも果てしなく続くビルの谷間ではなかった。
そこには限りがあった。
想像の世界に営々と築き上げてきた光り輝く宮殿は、脆くも地上に崩れ落ちた。

久石譲

 

 

アビーロード・スタジオでの録音、深い絆で結ばれたマイク・ジャレット(エンジニア)、チェロ版ナウシカ組曲などでも有名な藤原真理(チェロ)による「Two of Us」「冬の夢」、リチャード・ガリアーノ(バンドネオン)による「Jealousy」「Tango X.T.C.」、そして久石譲の決意表明にして渾身の名曲「漂流者 -Drifting in the City」。最高の音楽を求めて、当時できうるすべてを注ぎこんだ作品。

当時の久石譲が純度高く封じ込まれている本作品は、当時の著書にも詳しく書かれている。1920年代という時代について、MY LOST CITY・漂流者というキーワードやコンセプトについて、バンドネオンやタンゴへのこだわりについて。

「漂流者—Drifting in the City」の出だしの音型を決めるのに10日以上悩んだとあるとおり、人に受けようとするのではなく、自分が納得するものを追い求めた決意表明のようなもの渾身の楽曲。非常にシンプルなメロディで8分も展開していくための厳選されたメロディ、出たしからその世界観が広がるような強いメロディ。

当時久石譲はこのように語っている。「華やかでなくて、でも優しくて、それで寂しくて、乾いていて、激しくて、劇的で、人間の強さと脆さ、優しさと哀しさ、すべてを持っていて、すべてから距離を保っている、そういうメロディに行き着きたいという思いが、ずっとあった。いろんな人にいろんな感情を抱いてもらう。そのためには、こちら側は自分の感情をぶつけないことだ。ぎりぎりまでテンションを盛り上げたところで作れば、聴く人にいろんなインスピレーションを持ってもらえる。」

 

 

 

My Lost City

MY LOST CITY
HOMMAGE A Mr. SCOTT FITZGERALD

1. PROLOGUE
2. 漂流者~DRIFTING IN THE CITY
3. 1920〜AGE OF ILLUSION
4. SOLITUDE〜IN HER・‥
5. TWO OF US
6. JEALOUSY
7. CAPE HOTEL
8. 狂気 MADNESS
9. 冬の夢 WINTER DREAMS
10. TANGO X.T.C.
11. MY LOST CITY

Recorded at Abbey Road Studio, London etc
Recording Engineer:Mike Jarratt (Abbey Road Studio)
Mixing Engineer: Mike Jarratt(Abbey Road Studio)

Musicians are
Piano:Joe Hisaishi
Strings:Gavyn Wright Londons Strings (14Vioins,4Violas,2Cello,2Bass)
Flute:Andy Findon 3. 8.
Bandonéon:Richard Galliano 6. 10.
Cello:Mari Fujiwara 5. 9.

Musicians
Gavyn Wright London Strings
(Strings Conductor:Mick Ingman)
Andy Findon(Flute)
Mari Fujisawa(Cello)
Masatsugu Shinozaki(Violin)
Gavyn Wright(Violin)
Wilf Gibson(Violin)
George Robertson(Viola)
Anthony Pleeth(Cello)
Chris Laurence(Dble Bass)
Richard Galliano(Bandoneon)
Phil Todd(Sax)
Frank Ricotti(Vib.)

Recorded at:
Abbey Road Studio,London
Studio Guillame Tell,Paris
Wonder Station,Tokyo
Onkio Haus,Tokyo
Sedie Studio,Tokyo
Marine Studio,Kannon-zaki

 

Disc. 久石譲 『天外魔境II 卍MARU / FAR EAST OF EDEN MANJI MARU』

久石譲 天外魔境2

1992年2月1日 CD発売 NACL-1047

 

1992年 PCエンジン SUPER CD-ROM用ゲームソフト
「天外魔境 II 卍MARU」
音楽:久石譲 福田裕彦

 

 

寄稿

僕は、映像と関わった仕事も多いですが、
これは今までに抱いていたコンピューターゲームのイメージより、
はるかにクオリティーが高いのに驚いたと同時に、
自分で作り上げる一編の壮大なドラマであると思いました。
音楽は従来のマップ上のゲーム音楽とは違いますし、
メインテーマはいわゆる久石メロディーと呼ばれているものなので、
それだけでも存分に楽しんでもらえるものと思います。
そして、ゲームを通して僕の音楽と楽しんで下さい。

音楽監督:久石譲

(CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 天外魔境2

1. タイトル
2. オープニング (宇宙空間)
3. 卍丸のテーマ
4. 極楽のテーマ
5. カブキのテーマ
6. 絹のテーマ
7. Lマップ(通常)
8. 破滅への確実な歩み
9. 根の進撃
10. 鋼鉄城のテーマ
11. 殺意
12. ボスバトル
13. Lマップ (聖剣有り)
14. 機械獣デデベ
15. 魔獣
16. 神への挑戦
17. エンディング
18. のどかな村
19. 活気あふれる城下町
20. 根の一族に殺された者たちへのレクイエム
21. 盆と正月のテーマ
22. 世捨て人のテーマ
23. 桃源郷
24. 知的静寂
25. 霊験あらたか
26. 神聖な空間
27. 激闘
28. 死闘
29. 果てなき戦い
30. 静寂の中を進む
31. 闇に潜む魔物
32. 邪神崇拝
33. 生き物の腹の中へ
34. 死闘の予感
35. 悪の楽園
36. ワタシのんきな宣教師
37. 金,それが人生
38. ナルシストのテーマ
39. ナルシストの剣舞
40. 大いなる馬鹿
41. 高速飛行する乗り物
42. 地上軽量級の乗り物
43. 地上中量級の乗り物
44. 地上重量級の乗り物
45. 潜水鑑
46. 間抜けな乗り物
47. 聖剣はわが手に
48. 暗黒の歴史
49. したたかな女たち
50. 商店街
51. 巨大な味方登場
52. 仲間の死を越えて
53. 神との別れ
54. 武装
55. 魔物の潜む洞窟
56. EXTRA 1
57. EXTRA 2

Composed & Arranged by Joe Hisaishi 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 13. 17.
Another Composed & Arranged by Hirohiko Fukuda

 

Disc. V.A. 『ANIMAGE SINGLES』

1991年12月21日 CD発売 TKCA-30488
1991年12月21日 CT発売 TKTA-20208

 

スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」から「魔女の宅急便」まで。主題歌やイメージソングを集めたコンピレーション・アルバム。

 

映画『風の谷のナウシカ』より2曲は本編には使用されていないイメージソングである。また同2曲のみ作曲も久石譲作品ではない。

 

 

アニメージュ シングルズ

映画『風の谷のナウシカ』より
1.風の谷のナウシカ 安田成美
2.風の妖精 安田成美
映画『天空の城ラピュタ』より
3.君をのせて 井上あずみ
4.合唱 君をのせて 杉並児童合唱団
映画『となりのトトロ』より
5.となりのトトロ 井上あずみ
6.さんぽ 杉並児童合唱団
映画『魔女の宅急便』より
7.めぐる季節 井上杏美
8.魔法のぬくもり 井上杏美

 

Disc. 久石譲 『あの夏、いちばん静かな海 』

久石譲 『あの夏、いちばん静かな海。』

1991年10月9日 CD発売 TOCP-6907
2001年6月28日 CD発売 WRCT-1002

 

1991年公開 映画「あの夏、いちばん静かな海。」
監督:北野武 音楽:久石譲 出演:真木蔵人 他

 

 

映画「あの夏、いちばん静かな海」 プロデューサー 森昌行

「物事の決め事を、一度ははずして考える」-これは、映画に限らずタレント・ビートたけし、そして北野武の活動において、一環した姿勢の一つです。従って、「映画に音楽はつきもの」という常識は北野作品には通用せず、それが全く音楽のない前作「3-4X10月」を生み出しました。このことは逆に言えば、映像と音楽の関係について、その必然性においても、クオリティーにおいても、音楽のもつ力を大変重要視しているということです。

今回の作品については、その企画の段階から、音楽をつけることを前提としてスタートしました。というのは、セリフのない主人公にニュアンスをつけていくのは、数々の具体的なエピソードを映像でつみ重ねていくのではなく、音楽によって表現しようという意図を、明確に演出的な手法として導入したかったからです。ただ、実際、どんな音楽かということについては、漠然としたイメージはあったものの、正直言って久石さんに作っていただくまで、確信を持てずにいました。そういう意味では、今回の作品は久石さんの音楽に随分と助けていただいたと思います。あらためて、その才能に感謝したいと思います。

北野映画の中における音楽の位置づけというのは、今後作ってゆく作品にあっても、常に大きなテーマでありつづけると思います。それは、久石さんにとっても、同じだと思いますが、それにつけても今回の出逢いは素晴らしかったと思います。

(CDライナーノーツ より)

 

 

〈episode 1〉
この作品に関しては、監督自身も認めているように、もともと主人公の2人(生まれながらの聴覚障害者)に台詞がないところへもってきて、後半は台詞も何もなく、この作品そのものをふり返るように、主人公たちの思い出が日記帳のごとく滔々と連ねられているわけですが、あそこはどう考えても音楽がないと成立しない部分といいますか、音楽にあれこれ語ってもらったカットなんですね。

つまり最初から音楽を入れ込むことを想定して意識的に撮ったシーンなんです。武さんが自らの映像にあれほど音楽を求めたことは珍しいんじゃないですかね。久石さんとのコラボレーションはこの作品が最初だったわけですけど、登場人物の台詞が極端に少ないぶん、音楽がもたらす効用への期待感は、ほかのどの作品よりも高かったと思いますし、それだけに久石さんは苦労されたんじゃないでしょうか。結果的に、言葉(台詞)以上に主人公の感情や作品自体の情感を雄弁に物語るかのような音楽をつけていただいて、作品のクォリティや価値を随分高めていただいたような気がします。

〈サウンドトラック制作進行ノート〉
1991年7月 ワンダーステーション六本木にてレコーディング。

(「joe hisaishi meets kitano films」CDライナーノーツより)

 

 

「あのときは、ニューヨークでレコーディングをしていたときにプロデューサーから電話がかかってきて。「ビートたけしさんの映画をお願いしたいんですが」って言われて、「あ、なにかの間違いです」って思わず言っちゃったという(笑)。基本的には好きな監督だったんですよ。ただ、『その男、凶暴につき』とか『3-4×10月』をみると、僕のところに話が来ると思わなかったんですね。でも帰国してから、『あの夏、いちばん静かな海。』のラッシュをみたら、「これなら分かる」と。もっときちんとみていたら見落とさずに済んだんだけど、北野さんの作品というのはすごくピュアなんですよ。表面的には暴力があったりとかいろいろあるんだけれども、その奥の精神とか出てくる人間たちって、中途半端な屈折をしていないんですね。だからその一点で考えると、自分の音楽がなぜ必要とされるかというのがよく分かったんです。

ただ、やっぱり最初はね、台詞が極端に少ないし、劇的な要素もないし、どうしようかなと思ったんです。そしたら、北野さんが、「通常、音楽が入る場面から全部、音楽を抜きましょうか」というので、「そうですね。面白いですね」って僕も答えちゃって(笑)。それで通常音楽が入るところを極力音楽を抜いたんですよ。それがすごくうまくいったと思うんですよね。あとね、「朗々とした大きな感じじゃなくて、シンプルな、寄せてはかえすようなメロディ」と言われていて、僕としては「それはミニマルの精神と同じだから」と理解しましたね。」

Blog. 「キネマ旬報増刊 1998年2月3日号 No.1247」北野武映画 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

この映画の音楽制作にあたっては、当時コンサートツアーとスケジュールが重なっていた久石譲は一旦断ったという経緯がある。その時北野武監督はコンサートツアーが終わるまで一ヶ月間待つという決断をした。一般的にはあり得ない画期的なことで、音楽家のスケジュールのために映画スタッフをその間拘束することになり膨大な出費にもつながる。そこまでしての強いオファーだったことがうかがえるエピソードである。

当初想定していたメインテーマはサティ風のものだったが、「サイレントラブ」を聴いた北野武監督はこの曲をメインテーマにすえることを強く希望。結果こちらが採用され、サティ風の楽曲は映画のサブテーマにまわることになった。北野武監督は前作『その男、凶暴につき』でサティの楽曲を使用していて、そういう背景と監督の判断によるところも大きかったようだ。

 

 

久石譲 『あの夏、いちばん静かな海。』

1. Silent Love (Main Theme)
2. Clifside Waltz I
3. Island Song
4. Silent Love (In Search Of Something)
5. Bus Stop
6. While At Work
7. Clifside Waltz II
8. Solitude
9. Melody Of Love
10. Silent Love (Forever)
11. Alone
12. Next Is My Turn
13. Wave Cruising
14. Clifside Waltz III

All Composed by Joe Hisaishi
Produced by Joe Hisaishi
Arranged by Joe Hisaishi

Recorded at Wonder Station

Musicians:
Piano / Joe Hisaishi
Guitar / Hiroki Miyano
Bass / Makoto Saito
Violin / Masatsugu Shinozaki
Cello / Masami Horisawa
Vocal / Junko Hirotani
Fairlight Programming / Joe Hisaishi

 

 

なお発売後の経過により一度廃盤となった本作品は、2001年にワンダーランド・レコードより復刻・再販させることとなった。ジャケットが一新され、リマスター音源として復刻されている。収録内容はオリジナル盤と同一である。

 

2001年6月28日 CD発売 WRCT-1002

あの夏、いちばん静かな海 リマスター

 

 

Disc. 東京佼成ウインドオーケストラ 『ニュー・サウンズ・イン・ブラス・ベスト・セレクション Vol.9』

1991年9月20日 CD発売

 

”ニュー・サウンズ・イン・ブラス”シリーズの中から特別によりすぐった名演奏の数々…。ダイナミックで一味違ったポップな演奏をお楽しみください。

指揮:岩井直溥
演奏:東京佼成ウィンドオーケストラ

ゲスト・ミュージシャン:
Drums 猪俣猛
Bass 荒川康男
Trumpet 数原晋 他

 

 

久石譲が編曲を手がけた「哀愁のアダージョ」が収録されている。オリジナルLP発売時(1978年 第6集)は本名名義となっているため、久石譲ではなく藤沢守名義となっている。

 

 

曲目解説

1.レッツ・ダンス
1819年、カール・マリア・フォン・ウェーバーの手によって作曲されたこの曲は、1934年、米国NBCの広告放送出演の為に作られた楽団のテーマ曲として使用された。もちろん使用に際しては当時のアメリカを反映させジャズ風にアレンジされた事は言うまでもない。この曲とは、ウェーバーの「舞踏への勧誘」op.65であり、この楽団こそ「スウィングの王様」として世界に知れ渡った、ベニー・グッドマン率いるベニー・グッドマン楽団であった。そして、この後もこの曲は、当楽団のテーマ曲として親しまれてきたのである。1909年生まれのベニー・グッドマン、テレビのコマーシャルに出演していたのを覚えている人も多いのではないだろうか。クラリネットをフューチュアーした、スムーズなサックス群のソリとメカニックなブラス群のアタック、リズムリフ等、グッドマン・サウンズをブラスに再現させたアレンジの見事さは、アレンジャー岩井直溥の独壇場である。又演奏においても、ドラム猪俣猛、ベース荒川康男、ギター中牟礼貞則というメンバーに、クラリネット佐野正明、トランペット数原晋、T.Sax宮沢昭という顔ぶれは、今日考えられる中でも最高のアーティストぞろい、という事になりそうだ。猪俣のドライブするドラミングを中心に、それぞれのセクションがトップのリードで一丸となりドライブする。佼成ウィンド・オーケストラの多才な一面がうかがえる。吹奏楽がこんなに活き活きしていると、聞いていて嬉しくなってしまう。スウィングの醍醐味を充分味わう事のできるレパートリーである。

 

2.ストレンジャー・イン・パラダイス
ミュージカル「キスメット」の主題曲として発表された曲だが、原曲のボロディン作、歌劇「イゴール公」のテーマからの編曲と言った方が正確である。吹奏楽コンクールでもしばしば「イゴール公、ダッタン人の踊り」は演奏されるが、この様な軽い編曲、気楽なスタイルも良いもので、全般に音の厚みがないので、プログラムの中間部で演奏すると良い。

 

3.インテルメッツォ・ナンバーワン
スウェーデンの人気ロックグループ、”アバ”が演奏しヒットした古典調の曲。ベニー・アンダーソンが作曲となっているが、大変クラシカルな和声と形式ながら、原曲が何んであるのか不明である。アバのレパートリーとしては珍しく楽器演奏中心の曲で、ポピュラーに不馴れなバンドでも入門曲として演奏できそうだし、編曲も吹奏楽向きで優れている。

 

4.サンバでミネルバ
ミネルバは武芸の女神のこと。作曲者の土井慶子はヤマハ音楽教育システムで勉強、「自ら創り、自ら演奏する」教育理念の中で育った若いエレクトーン奏者である。サンバ特有の細かく速いリズムに乗って、木管と金管群の掛合いで全編小気味よいテーマが流れる。技術的にも難しい曲でなく、又この様に単に演奏するだけでなく、自らが作曲しそれを演奏する姿勢は、今の吹奏楽界にはまだ例もなく、今後バンドメンバーの中から、この様な自作自演者が生まれて来ることを期待したいものである。

 

5.ボイジャー
ヤマハ音楽教育システムでは、沢山の小・中学生が音楽の総合力を身につける便局をしているが、この曲は13歳の少女(中学生)の作品である。題名の通り、宇宙の壮大さを表すようなスケールの大きな作品だ。既成曲を演奏するだけでなく、自らも音楽を作ると言う意味は何か、同世代の皆さんに是非演奏していただきたい曲です。

 

6.ドント・セイ・ザット・アゲイン
人気絶頂のイギリスのジャズ/ファンク・バンド、「シャカタク」が演奏した軽快なサンバ。にぎやかなラテン・パーカッションの連打が続く中、あくまで都会的に洗練されたセンスが、上品さを保つ軽快なサンバだ。

 

7.松田聖子ヒット・メドレー
なんとナント!、ニュー・サウンズに流行歌の登場、いや驚きました。それも問答無用の聖子ちゃんメドレーとは!!しかし面白い。ハートのイアリング、赤いスイートピー、Rock’n Rouge、それにペンギンとビールのコマーシャルで大ヒットのSweet Memories。これは編曲者の力量勝ち。皆んなで楽しもうよ。

 

8.ケアレス・ウィスパー
イギリス出身のジョージ・マイケルとアンドリュー・レッジレー組の作品。まるで日本の歌謡曲を思わせるような作風で、サックスを中心にウィットに歌い上げる。短調、スローロック調は日本調と言うのか、ヨーロッパ風と言うのか……。本編唯一のしっとりとした作品、聴衆にほのぼのとした感じを与えること受け合いだ。

 

9.ダンシング・クィーン
若者の間にファンの多い、スウェーデン出身グループ、”アバ”の演奏で大ヒットしたナウな曲。小気味より軽快なリズムに流れる構成の簡単な小品だが、メロディー、ハーモニーの味も上品で、木管と金管セクション掛け合いが見事。フルート、クラリネット等高音木管に細かな運指はあるが、うまくリズムに乗れれば、演奏も楽しくなるだろう。

 

10.燃える想い
恒例の世界歌謡祭の入賞曲(第8回、1977年度)。コーラスグループ、ラッグスの演奏で登場、見事入賞しましたが、歌謡祭当日よりむしろその後に評価が高まり、数ヶ月にわたりヒットパレード曲としておなじみとなった。いわゆる歌の編曲だがら、全編を通じて同テンポで快調に飛ばされているが、後半には転調もあり、アンコール曲などによい。

 

11.哀愁のアダージョ
スペインの作曲家ミカエル・バケスのクラシック曲をムード調ポップスに編曲したもの。まるでメロドラマを思わせる甘くせつないテーマだが、編曲は3/4拍子を少し速目のモデラートと快調なアレグロに交互に置きかえ、変化を求めている。リズム形に少しややっこしさもあるが、馴れてしまえば問題ない。全体のパートのバランスが鍵となるだろう。

 

12.ミュージカル”ソフィスティケイテッド・レディーズ”メドレー
1981年以来、ブロードウェイで大ヒットの作品だが、普通のミュージカルではない。バンドの演奏が主役なのだ。今は亡きジャズの巨匠デューク・エリントンの作品を抜萃したもので、この編曲もなつかしい”パーディド”ほか5曲のスイングから構成されたスケールの大きなもの。エリントンならではのピアノ、バリトン・サックスのソロ等、ジャズの片鱗に触れられる。演奏も見事、大編成の吹奏楽は腕達者揃、本家のビッグ・バンドも真青と言ったところだ。

[石上禮男]

※解説は発売当初のものを転用しました。

(曲目解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

ニュー・サウンズ・イン・ブラス・ベスト・セレクション Vol.9

1.レッツ・ダンス Let’s Dance
2.ストレンジャー・イン・パラダイス Stranger in Paradise
3.インテルメッツォ・ナンバーワン Intermezzo No.1
4.サンバでミネルバ Samba de Minerva
5.ボイジャー Voyager
6.ドント・セイ・ザット・アゲイン Don’t Say That Again
7.松田聖子ヒット・メドレー
ハートのイアリング~赤いスイートピー~Rock’n Rouge~Sweet Memories
8.ケアレス・ウィスパー Careless Whisper
9.ダンシング・クィーン Dancing Queen
10.燃える想い Can’t Hide My Love
11.哀愁のアダージョ Adagio Cardinal
12.ミュージカル”ソフィスティケイテッド・レディーズ”メドレー
オーヴァチュア~昔はよかったね~ソフィスティケイテッド・レディーズ~パーディド~スイングがなければ意味がない~ロッキン・リズム
Overture~Things Ain’t What They Used to Be~Sophisticated Ladies~Perdido~It Don’t Mean a Thing~Rockin’ In Rhythm

編曲:
岩井直溥 1,3,4,6,7,8,9
小野崎孝輔 2,10
梶谷修 5
藤沢守 11
中川賢二 12

 

Disc. 久石譲 『NASA 未来から落ちてきた男』 *Unreleased

1991年8月23日 TV放送

 

フジテレビ系ドラマ
「金曜ドラマシアター 終戦記念スペシャル NASA ~未来から落ちてきた男~」
脚本:鎌田敏夫 音楽:久石譲 出演:三上博史、中井貴一 他

放送日:1991年8月23日 21:03~23:07

 

 

久石譲の映画・TV未発表テーマ曲を集めたアルバム『B+1 Original Movie’s Sound Track Themes』に、メインテーマ「As time passes」は収録されている。

本編ではほかにも、メインテーマ曲のリズムなし/スローテンポver.なども聴くことができる。ここではメロディの旋律もピアノではなくシンセサイザーのパンフルート系の音色になっている。またシーンのための短い場面音楽など、この作品のために書き下ろされたBGMがふんだんに使われている。

おもしろいのは、北野武監督映画「Sonatine ソナチネ」のメインテーマを彷彿とさせるモチーフを聴くことができる。時系列に見たときに、このモチーフがその後「ソナチネ」として発展していった可能性はあるのかもしれない。

 

1992年7月17日VHSにて発売されたが、その後DVD化もされていない作品。

 

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