Disc. 『「もののけ姫」はこうして生まれた。』

1998年6月26日 VHS発売 VWSZ-8016
2001年11月21日 DVD発売 VWDZ8016

 

宮崎駿監督が渾身の力をこめて制作し、公開されるや大ヒットとなった1997年スタジオジブリ作品『もののけ姫』。本作はそのアニメーション制作現場から、宣伝戦略、アテレコにおける声優と宮崎監督のやりとり、さらに公開後の大ヒットの様子までを約2年にわたり克明に記録したドキュメント映像である。さらには、北米公開時に宮崎監督がトロント、ロスアンゼルス、ニューヨークの3都市をキャンペーンで回った際の映像も特典として収録している。

 

 

1997年、日本映画界を席巻、話題を独占した「もののけ姫」。数々の記録を破り、映画史に残る金字塔を打ち立てたこの映画は、いかにして生まれたのか?

激しい思いを叩きつけていく宮崎駿監督とそれを支えるスタジオジブリ・スタッフの未知なる挑戦。常識破りの戦いに挑んだ鈴木プロデューサーの戦略とは…。そして久石譲、米良美一による華麗なる音声作りの舞台裏。さらに映画に登場する強烈なキャラクターにのりうつっていった豪華声優陣たち。全ての力が結集した時、「もののけ姫」は、社会現象と化していった。

未だかつてないスケールで作られた「もののけ姫」。多くの謎を秘めた表現と映画に情熱を捧げた人間たちを2年間にわたって熱く、そして静かに見つけ続けた完全ドキュメント。これを見れば「もののけ姫」の全てがわかる!

(DVDジャケットより)

 

 

音楽を担当した久石譲も本作品には登場している。

ひとつは、主題歌「もののけ姫」のレコーディング風景。米良美一とのやりとりや監督もふくめたスタジオでのやりとり、OKテイクまでの道のりが収められている。「アシタカの心の声。この歌はアシタカからサンへの想いである」という宮崎監督のひと言で、ヴォーカルの表現が大きく変化した様子、またそれをうけて歌詞が一部変更になった瞬間など貴重な場面が収められている。

イメージアルバムでの同歌詞と本主題歌の「おまえ」「そなた」という言葉の順番が逆になった瞬間が記録されている。

 

 

もうひとつは、映画冒頭の「旅立ち」の音楽について。ここには当初宮崎監督の構想とは違う勇壮な楽曲が使われている。これは鈴木プロデューサーの提案からである。その経緯については下記ご参照。

Blog. 映画「もののけ姫」 アシタカ旅立ちの音楽 制作秘話

 

そしてこのドキュメントに収録されているのはまさに「旅立ち -西へ-」のフルオーケストラによるレコーディング風景。しかも、レコーディング当日奏でられた同曲は、盛り上がる箇所にシンバルとティンパニが鳴っていない。スタジオで同席していた鈴木プロデューサーからのさらなる提案で、シンバルとティンパニを加えたヴァージョンをその場で演奏してみるというやりとりが全て収められている。打楽器による高揚感なし・ありを聴くことができる貴重な記録である。

なぜそういった提案がされたのか?久石譲と鈴木プロデューサーのこのシーンの解釈の違いからである。久石譲はあくまでも「村を追われたアシタカ・これからの試練」を思っておさえた。一方の鈴木プロデューサーは、「悲壮感を出すよりは、これは新たな旅立ちという祝福」という解釈をしていた。だからもっと勇壮にしたいと。

結果、宮崎駿監督がどちらを採用したかは、周知のとおりである。満面の笑みで「こっちがいいね!」と言って鈴木プロデューサーや久石譲が合いの手を入れる和気あいあいとしたシーンが映像として記録されている。

 

 

VHS:3本組/360分

 

DVD:3枚組/400分

本編ディスク3枚組
<ディスク1> 第1章 紙の上のドラマ 約132分
<ディスク2> 第2章 生命が吹きこまれた! 約137分
<ディスク3> 記録を超えた日 約130分 / 映像特典 約20分

ピクチャーディスク仕様

 

Disc. V.A. 『STUDIO GHIBLI SONGS』

STUDIO GHIBLI SONGS 2

1998年5月21日 CD発売 TKCA-71381

 

『風の谷のナウシカ』から『もののけ姫』まで、スタジオジブリ全作品の主題歌&挿入歌を収録したベスト企画アルバム。

 

 

STUDIO GHIBLI SONGS

STUDIO GHIBLI SONGS 2

1. 「風の谷のナウシカ」~風の谷のナウシカ (安田成美)
2. 「天空の城ラピュタ」~君をのせて (井上あずみ)
3. 「となりのトトロ」~さんぽ (井上あずみ)
4. 「となりのトトロ」~となりのトトロ (井上あずみ)
5. 「火垂るの墓」~はにゅうの宿 (アメリーダ・ガル=クリチ)
6. 「魔女の宅急便」~ルージュの伝言 (荒井由実)
7. 「魔女の宅急便」~やさしさに包まれたなら (荒井由実)
8. 「おもひでぽろぽろ」~愛は花,君のその種子 (都はるみ)
9. 「紅の豚」~さくらんぼの実る頃 (加藤登紀子)
10. 「紅の豚」~時には昔の話を (加藤登紀子)
11. 「海がきこえる」~海になれたら (坂本洋子)
12. 「平成狸合戦ぽんぽこ」~アジアのこの街で (上々颱風)
13. 「平成狸合戦ぽんぽこ」~いつでも誰かが (上々颱風)
14. 「耳をすませば」~カントリーロード (本名陽子)
15. 「On Your Mark」~ON YOUR MARK (CHAGE&ASKA)
16. 「もののけ姫」~もののけ姫 (米良美一)

 

Disc. 久石譲 『WORKS・I』

久石譲 『WORKS 1』

1997年10月15日 CD発売 POCH-1652

 

交響詩曲「ナウシカ」をはじめ、
久石譲の名曲があのロンドン・フィルとの共演で一堂に!
宮崎駿・北野武・大林宣彦監督作品より厳選。
記念すべき集大成シリーズ第1作。全曲書きおろし。

 

 

【監督コメント】

宮崎駿
「風の谷のナウシカ」のイメージアルバムから、僕はずっと久石さんと仕事をして来た。コンビだからとか、友情でとかではなく、自分達の作品に最もふさわしい才能を探したあげく、結局、いつも久石さんにたどり着くという繰り返しだったのだ。彼は本当にいい仕事をして来たと思う。映画「もののけ姫」では、もう別格の仕上がりで、おさまりの悪いシーンの断続するフィルムを、見事に音でつづりあわせ、更に全体を高い次元に引き上げてくれた。感謝、というしかない。

 

北野武
映画に音楽をつける時ってさ、結局イメージのすり合わせと言うか、ものすごく感覚的、抽象的な打ち合わせの上で作業してゆく訳だから、本当に大変なんだよね。ましてオイラは音楽的な専門知識なんてほとんど無いから、こんな感じってな言い方しかできないし…久石さんってすごい人だよね。映像のもってるニオイを生かしてくれるんだからさ。オイラの場合は『あの夏、いちばん静かな海。』からのお付き合いなんだけど、「シンプルなメロディーの繰り返しが好きなんですよ」って言ったら、あんな凄いテーマが出来ちゃった。オイラが映画を作る時、削ぎ落としって事をいつも意識してるんだけど、音を付ける作曲家にも同じコンセプトで曲作りをお願いする訳だから、相当ワガママだよね。それでも、久石さんはそのワガママを受け容れてくれるし、それどころか、映像がぐっと前に出てくる様な曲を作ってくれる。そしてそのひとつひとつの曲は、久石さんのニオイも放ちながら、オイラの作品を結晶させる。感謝。

 

大林宣彦
喩えばある風景を美しいと思うのは、ぼくらが「美しい」という言葉を持つからだ。映像も音楽ももし言葉を持たなければ、もっと純粋に美しいものであるかも知れないが、残念ながらぼくらの誰もがこの言葉の呪縛から逃れることはできない。僕も譲さんも、いつも映像や音楽についてお互いの言葉で語り合うのだが、世界を美しくするのも汚すのもつまるところはぼくらの言葉自身である。
譲さんは言葉をとても大切にしてくれる音楽家の友人だ。彼の美しいメロディーは、言葉自体の持つしたたかな論理性と一つ一つの言葉の響きに寄り添うたおやかな感性とに支えられて誕生してくる。それは言葉との闘争であり共存でもある。つまりは人間的な音楽であるわけだ。
ぼくの映画の多くは独立プロの小さな自主製作だが、譲さんは度々手弁当で参加してくれた。いつも手弁当に甘えるわけにはいかないが、ここ一番という時には必ずにこにこ駆けつけてくれる。では何がここ一番かと見極めるのも言葉の覚悟であり、そんなわけでお互いの言葉への信頼がともすると危ういこの世の人の関係に、強く深い友情の絆を紡いでくれているのだろう。
ぼくらが共に創造した映画がその証しであり、だからこのアルバムはぼくの誇りでもある。

(CDライナーノーツより)

 

 

 

 

(1) 「Symphonic Poem “NAUSICAÄ”」

映画『風の谷のナウシカ』を組曲化した17分33秒にも及ぶ大作である。映画本編のみならず、イメージアルバム、サウンドトラック、シンフォニー編という3作品から、映画本編では使用されなかった楽曲も含めたナウシカの壮大な世界を表現している。

パート1 ~ ティンパニの冒頭の力強い響きで一気にナウシカの世界へ引き込まれる。「風の伝説」からはじまり「ナウシカ・レクイエム」へと引き継がれる。フーガ調のメロディーの展開が奥行きと深みをましている。その後重厚な管弦楽にてレクイエムが響きわたる。

パート2 ~ 「メーヴェとコルヴェットの戦い」スリリングで高揚感のある見せ場である。その後、劇中には使用されなかったが風の谷の風景を見事に描いた「谷への道」が心地よい風を感じる悠々としたストリングスで奏でられる。再度「ナウシカ・レクイエム/遠い日々」の登場である。ここでは澄んだボーイ・ソプラノの歌声によって、劇中とはまたひと味違った格式高い品格へと昇華している。サントラ盤「王蟲との交流」をベースとしたアレンジである。

パート3 ~ 「鳥の人 ~エンディング」フルオーケストラによる壮大なクライマックス。コンサートの演目やアンコールとしても人気が高く、このパートのみ演奏されることも多い。

 

(2) 「FOR YOU」

映画『水の旅人 -侍KIDS』より主題歌「あなたになら…」フルオーケストラによるインストゥルメンタル。メインテーマ「水の旅人」とならんで人気のある楽曲である。メロディーメーカーとしての久石譲の実力が結晶した作品ともいえる。

フルートやヴァイオリンなど、ソロ楽器が優美に旋律をうたい、その楽曲のもつ透明感をひきたてた上品なアレンジが施されている。後半の転調によりより華やかに壮大な愛を奏でている。サントラ盤でも「夢を叶えて」というタイトルにて近いアレンジで収録されている。

 

(3) 「SONATINE」

映画『ソナチネ』よりメインテーマ。オリジナル版は、ピアノの短いモチーフによる繰り返しとシンセサイザー、パーカッションが絡み合うなんともエキゾチックな楽曲である。これを8分にも及ぶ大作に仕立ててしまう。オーケストラを駆使し、緊張感あるドラマティックなオーケストレーション。短い旋律の繰り返しからここまでの世界観を築き上げる手腕に唸ってしまう。本作品において、いい意味で裏切られた意欲的な力作である。

 

(4) 「TANGO X.T.C.」

映画『はるか、ノスタルジィ』にて「出会い ~追憶のX.T.C.~」という原曲にて誕生。その後自身のオリジナル・アルバム『MY LOST CITY』にて「TANGO X.T.C.」という楽曲へと完成版をみた作品。オリジナル版では久石譲がこだわったというバンドネオンによるノスタルジックな響きが印象的であった。

ここではバンドネオンを排除しフルオーケストラ作品へと試みている。テンポもややゆっくりになり艶やかさがましている。後半にはドラムやウッドベースも加わり、実験的なオーケストレーションのなか大人なJAZZYな世界を漂わせている。

 

(5) 「TWO OF US」

映画『ふたり』の主題歌として大林宣彦監督×久石譲によるデュエットソングという伝説的楽曲。「草の想い -ふたり・愛のテーマ」というタイトルにてシングル化もされている。また「TANGO X.T.C.」同様にオリジナル・アルバム『MY LOST CITY』にて自身のレパートリーとなるインストゥルメンタル作品へと昇華させている。

 

(6) 「MADNESS」

映画『紅の豚』本編にも使用され、コンサートやアンコールでも定番曲。この作品実はオリジナル・アルバム『MY LOST CITY』に収録されるものとして先につくられている。映画製作中であった宮崎駿監督が先に完成していた『MY LOST CITY』を聴いて気に入り使用されることになった。その逸話は有名である。

 

(7) 「SILENT LOVE」

映画『あの夏、いちばん静かな海。』にて印象的なメインテーマ曲。シンプルなメロディーの繰り返し。寄せては返す波のような冒頭の旋律から静かにそして煌めくようなオーケストレーション。オリジナル版のコーラスとシンセサイザーによる切なさを、ひときわ彩り豊かにドラマティックに昇華している。後半の転調もあいまって感情の高まりはおさえることができない。繊細で美しいメロディー、涙腺を刺激する。

久石譲の巧みなオーケストレーションによって、シンプルなモチーフであっても聴き飽きさせることのない技はさすがだが、「SONATINE」しかり、そのカギとなる数小節のシンプルなメロディーの力があってこそでもある。本作品のクライマックスにふさわしい、至極の名曲である。

 

 

本作品「WORKS I」は、久石譲が満を持して過去の映画作品として送り出した名曲たちをフルオーケストラへと昇華させた「WORKS」シリーズの記念すべき第1作目である。この作品の前に、フルオーケストラ作品をつくりあげるという新境地に挑み、久石譲音楽活動における大きな分岐点となった映画『もののけ姫』。この作品を経て1年後に実ったのがこの『WORKS I』である。

「WORKS」シリーズはこの後つづいていく。その時折の映画作品やCM音楽などを、オーケストラを主体とした音楽作品に再構築したものとして。大衆性(エンターテイメント)と芸術性(アーティスト)を両立させた久石譲の真骨頂として。「WORKS」シリーズは、久石譲によるシンフォニーの結晶である。

 

 

 

 

 

久石譲 『WOKKS1』

『風の谷のナウシカ』(宮崎駿監督 1984)より
1. Symphonic Poem “NAUSICAÄ”
-1 Part I
-2 Part II
-3 Part III
『水の旅人-侍Kids』(大林宣彦監督 1993)より
2. FOR YOU
『Sonatine』(北野武監督 1993)より
3. SONATINE
『はるか、ノスタルジィ』(大林宣彦監督 1992)より
4. TANGO X.T.C.
『ふたり』(大林宣彦監督 1992)より
5. TWO OF US
『紅の豚』(宮崎駿監督 1992)より
6. MADNESS
『あの夏、いちばん静かな海。』(北野武監督 1991)より
7. SILENT LOVE

久石譲 (ピアノ)
ニック・イングマン指揮
ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
リアム・オッケーン(ボーイ・ソプラノ) - 1.

All composed and arranged by JOE  HISAISHI

Produced by JOE HISAISHI

recorded at Air Studios (LONDON) and Wonder Station (TOKYO)
recorded at August 1997

 

WORKS I

1.Symphonic Poem“NAUSICAÄ” (from “NAUSICAÄ of the Valley of the Wind”)
2.FOR YOU (from “Water Traveler – Samurai Kids”)
3.SONATINE (from “Sonatine”)
4.TANGO X.T.C. (from “Haruka, Nostalgia”)
5.TWO OF US (from “Futari”)
6.MADNESS (from “Porco Rosso”)
7.SILENT LOVE (from “A Scene at the Sea”)

 

Disc. 久石譲 『もののけ姫 サウンドトラック』

久石譲 『もののけ姫 サウンドトラック』

1997年7月2日 CD発売 TKCA-71168
2020年7月22日 LP発売 TJJA-10025

 

1997年公開 スタジオジブリ作品 映画「もののけ姫」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のフルオーケストラによるサントラ盤。録音は1997年5月。映画本編の楽曲を米良美一の主題歌も含め完全収録。本作の主題歌で久石は日本レコード大賞作曲賞を受賞、アルバム自体も企画賞を受賞している。

 

 

寄稿

雑誌の編集者という自分の仕事のテリトリーに則した比喩で恐縮であるが、エディトリアル・デザインと久石さんが仕事の中心にしているサウンド・トラックは似ているような気がしている。日本には優秀なデザイナーがたくさん居るが、エディトリアル・デザイン、つまり本や雑誌などの編集デザインをする人は少ない。理由は簡単で、報われる事の少ない仕事だからだ。広告デザインをやれば大きなお金になるし評価をする賞もたくさんある。しかしエディトリアル・デザインはお金にならないし、評価される場もない。仕事が簡単ならばいいが、ある意味で広告よりも才能と労力を要求される場合が多い。サウンド・トラックも同じだ。大きな才能と労力を要求されながら、報われる事の少ない仕事である。それこそ久石さんほどの才能があれば、それをお金に変える方法はポップ・ミュージックのフィールドにたくさんある。しかし久石譲はサウンド・トラックの仕事にこだわり続け、僕達はそのおかげで数多くの幸福な映像体験を持つことができた。

サウンド・トラックとエディトリアル・デザインの似ているところは他にもある。欧米における地位の高さだ。ジョン・ウィリアムズやエンニオ・モリコーネ、あるいはヘンリー・マンシーニなど巨人として知られている人は無論の事、若手にも優秀な才能が続々と現れている。そして、そういう才能はすぐに引っぱりダコになる。エディトリアル・デザインの世界もそうだ。例えば、イタリアン・ヴォーグやローリング・ストーンといった雑誌のAD(アート・ディレクター)が変わったりすると、編集長交替以上に話題になる。実際、ADが交替して売り上げが激減なんて事もあったりするのだから、当然だろう。同じ事がサウンド・トラックにも言える。ジョン・ウィリアムズの音楽なしの”スター・ウォーズ”は考えられないし、久石譲のない”風の谷のナウシカ”は考えられない。だから、もっともっと久石譲は評価されていい。僕も音楽評論家なんだから、余り客観的な事ばかり言っていてはいけないのだけれど。

では、何故にそういう貧しいエディトリアル・デザイン状況と、サウンド・トラック状況が生まれてしまったのか。理由は簡単だ。編集者と演出家が駄目だからだ。金がないの、余裕がないの、といった言い訳はいくらでもできるが、結局はそういう事だと思う。そんな中でも久石譲が存在する事ができたのは、宮崎駿を筆頭に優れた演出家が彼の仕事を理解したからだ。澤井信一郎、北野武、という日本映画のトップとの仕事がほとんどなのは、偶然ではなく、必然である。ゲーム業界の広井王子から宮崎駿まで、久石譲がいかにコラボレーションの対象を慎重に選んでいるかがよく分かる。

久石譲と宮崎駿の最新作は”もののけ姫”である。まだ作品は観ていないが、サウンド・トラックの出来は素晴らしい。いつも久石さんの仕事で感心するのは、テーマに相当するメロディーの許容量の大きさだ。サウンド・トラックの場合、ただ単にメロディーがポップ・ミュージックとしてキャッチーであればいい、というものではない。このCDを聞いても分かるように、このテーマのメロディーはいろいろなシチュエーションで反復される。ある一定の情緒しか呼び起こさないメロディーだと、状況変化の反復に耐えられないのだ。悲しいだけのメロディー、楽しいだけのメロディー、といったものでは駄目なのである。その点、この”もののけ姫”のテーマは、実に広いレンジの情緒に対応する力を持っている。まさにサウンド・トラックとして理想的だ。こうした点だけを考えても、いかにサウンド・トラックを作りあげていく作業が大変であるか分かると思う。

僕は演出家、宮崎駿も大好きだし、音楽家、久石譲も大好きである。この2人の共同作業を体験できる限り、日本映画も捨てたもんではないという気がして来る。そして僕も編集者としていい仕事をしなくちゃ、と改めて襟を正す気持ちになってくる。

渋谷陽一

(CDライナーノーツより)

 

 

「この映画の件で、初めて宮崎さんとお話した時に、直感的に今回、一番ベースになるのはオーケストラだろうと感じました。ですから二管編成の、六十六人によるオーケストラに、ほとんど全ての曲に入ってもらい、そこにエスニックな民族楽器と、隠し味的な電気楽器系をプラスするという形で作っていきました。こんなに大編成でやったのは、宮崎作品では初めてですよ。つまり非常に骨太の世界を望んだんです」

「自分にとって日本は非常に大切な要素だったので、もちろん積極的に取り入れました。ただ琵琶や尺八のように、その音がした瞬間に侍が出てきそうな音は極力引っ込めて、本当に音楽の骨格の中での日本的なものを相当意識して、五音音階と言いますか、西洋的なコード進行よりは、むしろアイルランド民謡に近い感じのものをベースに置きました」

「極力『これが戦闘シーンだ』というようなものは避けましたね。戦闘シーンの後で、そうならざるを得ないんだというような心境を歌うというような方向に考えて、レクイエムのように心情を表現するために音楽があるという考えを基本に作りました」

「イメージアルバムの1曲目の『アシタカせっ記』という曲です。『幸せは来ないかもしれないけど、自分から生きろ』というような、のたうちまわっている登場人物たちを俯瞰して見ているような音楽として、映画の冒頭とラストに流れています。そうなると、この曲の方が本当のメインテーマとしての重みを持っていると僕は思いますね」

Blog. 久石譲 「もののけ姫」 インタビュー 劇場用パンフレット(1997)より 抜粋)

 

 

「今までの作品は、イメージアルバムの段階で既に、作品のテーマが出ていたと思うんです。でも、今回は全然別ですね。イメージアルバムから残っている曲は、重要なやつを数曲…メインテーマの『もののけ姫』と『アシタカせっ記』、エンディングシーンに使う『アシタカとサン』。それ以外はほとんど変わりました。イメージアルバムというのは、絵がない状態で作品の世界を表現しようとしますよね。『もののけ姫』は、ストーリーがあまりにも劇的で強烈じゃないですか。だから、それを音楽で表現してしまったところがある。大作映画の力感のようなものを主眼において作ったわけです。ところが、実際に映画のなかで使う音楽を作ろうとしたときに、そういう部分は映像で十分表現されているから、登場人物の気持ちや宮崎さんの精神世界を表現しようと思ったんです」

Blog. 久石譲 「もののけ姫」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

「すごいでしょ? あれね、映画館だともっとすごいですよ。椅子とかビリビリいってますから。こんなにいい音で録れるとは思わなかったというのが、正直なところなんですけど。

あの音は、自分のサンプリングで持っている、すごいいちばん重低音の出る「グランカッサ」という西洋的な大太鼓、それからエスニックのモノと、それから実際の東京シティ・フィルの大太鼓と、ティンパニなどをミックスして作った音なんです。でも、結局ティンパニは、芯が出ちゃうから極力抜きました。生の音とサンプリングと全部混ぜた音ですね。大太鼓を録る時にも相当苦労した。叩く場所なども、「この辺を叩いて、それをこっちから録って」とか、相当細かくやって録った音ですからね。出だしで「ドーン、ドーン」って二発鳴った時に、「あ、勝った」って思いましたね。」

 

「最後の部分のメロディーでしょ。あれを考案した段階で「勝った」と思いましたね。「いただき!」という感じです(笑)。結局歌の曲のメロディーをそのまま1コーラス使ってアルバムの中に歩かせると、すごくダサイんですよ。「いかにもテーマ曲ですね」みたいな感じというか。だから、いちばん最後のリフレインのところを使って、インスト・バージョンをもう1個作った。それを映画の旅立ちの場面のところから、順番に要所要所、サン(もののけ姫)と出会うシーンなどにその曲をつけていって、それがだんだんメロディーが伸びてきたら、「もののけ姫」の歌になるという。その設計が自分でも相当気に入ってます。」

 

「”間”というのか、わりと沈黙をどう作るかというか、それは、いちばん気を使った部分ですね。なにか、沈黙を作るって、音楽家は恐いんですよ。次々とメロディーを出したくなるから。だけど、あえてそういうのをずいぶん作っている。『レクイエム』なんかはそうですよね。だから、その作りが相当うまく、自分の中では新しく、「こういう表現も成り立つんだよな」って。その辺は自分でもすごく嬉しいところですね。」

Blog. 「KB SPECiAL キーボードスペシャル 1997年9月号 No.152」『もののけ姫』久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「もののけ姫」に関しては、宮崎監督から「覚悟を決めた映画を作るから」ということを聞いていました。「人がたくさん死ぬような映画だけど、この時代はこういうものを作らなくてはならない」という決意表明があったんです。そんな話をしていて、今回はフル・オーケストラで行こうということになりました。

宮崎さんの仕事は、とにかく丁寧さが別格です。この作品でも、最初にイメージ・アルバムを作って、そのアルバムを元にして綿密な打ち合わせを行った上でサウンドトラックを作っていったんです。映像を見て、映像のために本当に細かく作っている、まさにサウンドトラックといえる音楽ですよ。どれくらい細かい作業をしているかというと、例えば2分半とか3分程度の曲の中でも、その中で20箇所くらい絵と音楽をシンクロさせたりしているんです。それも1/30秒などの単位で。ですから、曲中でテンポもどんどん変わりますし、そのテンポも80,28とか、そこまで細かく設定しています。

ただし、あとで編集して合わせ込むなんてことは絶対にしません。テンポ・チェンジがプログラムされたクリックに合わせて生で演奏するんです。もちろん、演奏する人間にテクニックと能力がないと合いません。こういう手法に関しては「もののけ姫」がひとつのピークと言えるんじゃないでしょうか。

Blog. 「キーボードマガジン Keyboard Magazine 1999年8月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

下記インタビュー記事でも、抜粋できないほどたっぷりと語られている。

 

 

書籍「折り返し点 1997~2008」/宮崎駿・著に、詩が収載されている。これは監督から久石譲へ作品イメージを伝えるために書いた音楽メモのようなもの。「もののけ姫」「アシタカせっ記」「失われた民」「タタリ神」「犬神モロの君」「エボシ御前」「コダマ達」「ヤックル」「シシ神の森」。イメージアルバムのほとんどの曲がそろっていることがわかる。

*初出:『THE ART OF The Princess MONONOKE もののけ姫』徳間書店

 

 

 

 

音楽は今回も久石譲が担当した。久石の作業は、恒例のイメージ アルバム作りから始まった。まずは、いつもの宮崎のキーワードとそれにまつわる詩が手渡された。宮崎は「ひとつのメロディで、 猛々しくもあり、優しくもあり、象徴的なメロディを」と困難な注文を出し、しかも自身も物語に頭を痛めていたためか、「早く音を聞きたい」と要請した。

96年7月、異例の早さで全10曲で構成されたイメージアルバムが発売された。久石はこのアルバムで、大作にふさわしいスケール感を追求し、同時に琵琶・二胡・能管・龍笛などを駆使し、雅楽や中国音楽を意識した音作りを試みている。

しかし、本番で採用された楽曲はヴォーカル曲「もののけ姫」、メインテーマ「アシタカせっ記」、ラストのピアノ曲「アシタカとサン」 の3曲だけで、残り7曲はほとんど使われなかった。久石が映像の凄まじいまでの緊張感にそぐわないと判断し、もっと深い精神性を重視した楽曲がふさわしいと判断したためである。久石は一から新譜をおこし、66人・二管編成のフルオーケストラを使用、そこに篳篥・龍笛・和太鼓などをさり気なく挿入させ、シンセサイザーも併用した。前二曲は様々に変奏され、全編で使用されている。

当初挿入歌の予定はなかったが、モロの棲む洞窟の静かなシーンに歌が入ることになり、イメージアルバムの「もののけ姫」が採用となった。歌手は、宮崎がラジオで歌声を聞いて惚れ込んだというカウンター・テナーの米良美一に決定。特異の澄んだ声量で圧倒的な存在感を示し、主題歌としてラストのタイトルロールで再使用されることとなった。宮崎が久石に渡した短い詩がそのまま歌詞となっているため、歌は一番しかなく、二番はスキャットのみの変わった構成。レコーディングの際、米良は「感憤を抑制して」との指示により、誰の立場の歌か分からずに困惑したが、宮崎の「この歌は、アシタカがサンへの気持ちを歌ったもの」というアドバイスを基に歌い上げ、OKとなった。また、タタラ場の女たちが踏み糖を踏むシーンにもヴォーカル曲「エボシタタラうた」が作られた。こちら も宮崎の詩に久石が曲をつけたものだ。

主題歌のシングルCDは60万枚の大ヒット、「サウンドトラック」も過去最高の50万枚を売り上げた。97年11月に発表された「第39回日本レコード大賞」では、久石譲が「もののけ姫」で作曲賞を受賞。また、アルバム企画賞も「もののけ姫サウンドトラック」が受賞した。

大ヒットが一段落すると、「「アシタカせっ記」をスラブ色の強い一流オーケストラで聴いてみたい」という久石の発案で、交響組曲に仕立て直した楽曲が作られた。演奏は、歴史あるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団、指揮はマリオ・クレメンスが担当した。録音は 98年6月6日から8日まで、プラハのドヴオルザーク・ホールで行われ、アルバムは「交響組曲もののけ姫」として98年7月に発売された。これも前例のない快挙であった。

(書籍「宮崎駿全書」より 抜粋)

 

 

 

2020.07 Update

2020年発売LP盤には、新しく書き下ろされたライナーノーツが封入された。時を経てとても具体的で貴重な解説になっている。

 

 

 

 

久石譲 『もののけ姫 サウンドトラック』

1.アシタカせっ記
2.タタリ神
3.旅立ち -西へ-
4.呪われた力
5.穢士(えど)
6.出会い
7.コダマ達
8.神の森
9.夕暮れのタタラ場
10.タタリ神 II -うばわれた山-
11.エボシ御前
12.タタラ踏む女達 -エボシ タタラうた-
13.修羅(しゅら)
14.東から来た少年
15.レクイエム
16.生きろ
17.シシ神の森の二人
18.もののけ姫 インストゥルメンタルバージョン
19.レクイエム II
20.もののけ姫 ヴォーカル
21.戦いの太鼓
22.タタラ場前の戦い
23.呪われた力 II
24.レクイエム III
25.敗走
26.タタリ神 III
27.死と生のアダージョ
28.黄泉の世界
29.黄泉の世界 II
30.死と生のアダージョ II
31.アシタカとサン
32.もののけ姫 ヴォーカル エンディング
33.アシタカせっ記 エンディング

映画「もののけ姫」主題歌
もののけ姫
歌:米良美一 作詞:宮崎駿 作編曲:久石譲

エボシ タタラうた
作詞:宮崎駿 作編曲:久石譲

 

演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮:熊谷 弘

作曲・編曲・演奏:久石譲
プロデュース:久石譲

録音:1997年5月17日、18日
アバコクリエイティブスタジオ (早稲田)
ワンダーステーション

ミュージシャン:
ヴォーカル:新倉芳美/木村真紀/下成佐登子
ケーナ:旭孝
和太鼓:梯郁夫
龍笛:竹井誠
篳篥:西原祐二

 

Princess Mononoke (Original Soundtrack)

1.The Legend of Ashitaka
2.The Demon God
3.The Journey to the West
4.The Demon Power
5.The Land of the Impure
6.The Encounter
7.Kodamas
8.The Forest of the Gods
9.Evening at the Ironworks
10.The Demon God II – The Lost Mountains
11.Lady Eboshi
12.Tatara Women’s Song
13.The Furies
14.The Young Man from the East
15.Requiem
16.Will to Live
17.San and Ashitaka in the Forest of the Deer God
18.Princess Mononoke (Instrumental Version)
19.Requiem II
20.Princess Mononoke (With Vocal)
21.The Battle Drums
22.The Battle in front of the Ironworks
23.The Demon Power II
24.Requiem III
25.The Retreat
26.The Demon God III
27.Adagio of Life and Death
28.The World of the Dead
29.The World of the Dead II
30.Adagio of Life and Death II
31.Ashitaka and San
32.Princess Mononoke – Ending Theme Song with Vocal
33.The Legend of Ashitaka – Ending

 

Disc. 久石譲 『もののけ姫』

久石譲 もののけ姫 シングル

1997年6月25日 CDS発売 TKDA-71167

 

1997年公開 スタジオジブリ作品 映画「もののけ姫」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

サウンドトラック盤に先がけて主題歌が先行リリースされた。

なお、カップリング(c/w)に収録された「もののけ姫 インストゥルメンタル」は、いわゆるメロディの旋律を除いたものが1番、笛によるメロディや旋律を加えた2番で構成されている。また使われている楽器も聴き分けるとイントロから異なっており、オリジナル・カラオケと明記していない、すなわち単独のインストゥルメンタル版。

サウンドトラックには未収録ヴァージョンとなることから、このシングルでしか聴くことのできない貴重な音源である。

 

シングル盤には歌詞とメロディ譜(一段譜/コード)も掲載されている。

 

 

2004年10月27日 CDS発売 TKCA-72759

なお、2004年にマキシシングル盤として再発売されている。収録内容同一。

(CDジャケット / CD盤)

 

 

久石譲 もののけ姫 シングル

1.もののけ姫 歌:米良美一
2.もののけ姫 インストゥルメンタル

 

Disc. V.A. 『スタジオジブリ サントラ全集』

1996年12月21日 CD発売 TKCA-71100

 

ジブリがいっぱい
―スタジオジブリ作品 サントラ全集―

 

スタジオジブリ作品のスペシャルBOX
●「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「火垂るの墓」「魔女の宅急便」「おもひでぽろぽろ」「紅の豚」「海がきこえる」「平成狸合戦ぽんぽこ」「耳をすませば」のサウンドトラック10枚
●24金ゴールドディスクCD
●24bitリマスタリング
●ポスター原画コレクション(A4サイズ)
●スタッフリスト・作品データ
●新柄オリジナル・ジャケット
●ボーナスCDS

 

スタジオジブリ サントラ全集

Disc 1
「風の谷のナウシカ サウンドトラック ~はるかな地へ~」
Disc 2
「天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎」
Disc 3
「となりのトトロ サウンドトラック集」
Disc 4
「火垂るの墓 サウンドトラック集」
Disc 5
「魔女の宅急便 サントラ音楽集」
Disc 6
「おもひでぽろぽろ オリジナル・サウンド・トラック」
Disc 7
「紅の豚 サウンドトラック」
Disc 8
「海がきこえる」
Disc 9
「平成狸合戦ぽんぽこ サウンドトラック」
Disc 10
「耳をすませば サウンドトラック」

Disc 11 -Bonus CDS-
1.LE TEMPS DES CERISES
2.「魔女の宅急便」より ドラマ元気になれたら
3.なんだろう
4.そらいろのたね

 

Disc. 久石譲 『もののけ姫 イメージアルバム』

久石譲 『もののけ姫 イメージアルバム』

1996年7月22日 CD発売 TKCA-70946
2004年9月29日 CD発売 TKCA-72747
2020年7月22日 LP発売 TJJA-10024

 

1997年公開 スタジオジブリ作品 映画「もののけ姫」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

本イメージアルバムはいつも通りサントラに先がけて制作されたが、作品の制作期間が長期に及んだこともあり、映画公開の1年前に制作・発表された。宮崎監督の音楽メモを歌詞にして作曲された歌「もののけ姫」を、本アルバムでは麻衣が歌っている。

 

 

豪速球のキャッチボール

サウンドトラック音楽を作る前にまず、イメージアルバムを作り、宮崎監督と意見のキャッチボールをしながら、最終的な音楽の完成を目指す。その方法論は基本的に今回も変わるところはない。が、その緊張感といえば、前にも増して高まっている。イメージアルバムでは、通常映画の内容にあわせると言うよりも、意外な可能性を見つけだすこと、イメージが広がるものを提示していくことが重要だ。そしてそれを最終的に絞り込んでサウンドトラックに活かす。だからいつもイメージアルバムはもっとリラックスして作っていた。しかし、今回の「もののけ姫」では、最初の打ち合わせからかなり明確な、かつ圧倒的な作品世界の提示があった。まだ動く絵がほとんどないにも関わらず。キャッチボールで言えば、最初から豪速球がきたという感じなのだ。だからこちらもはじめから全力投球。

「もののけ姫」は日本にとどまらず、これから世紀末を迎える、世界中のすべての人々に向けて作られるものだと思う。その音楽を手がけることになって、いま一番考えていることは、日本人としてのアイデンティティーをどう保ち、どう表現するか。非常に深いところでのドメスティックさ、日本人であるということが、かえって世界共通語になるんじゃないかと思う。ではどうすればいいか。映画の公開まで、宮崎監督との豪速球のキャッチボールが続きそうだ。  (音楽/久石譲・談)

(CDライナーノーツより)

 

 

もののけ姫
詩・宮崎駿 曲・久石譲

はりつめた弓の ふるえる弦(つる)よ
月の光にざわめく そなたの心

とぎすまされた刃の美しい
そのきっさきによく似た おまえの横顔の
悲しみと怒りにひそむ まことの心を知るは
森の精 もののけ達だけ もののけ達だけ

(歌詞 CDライナーノーツより)

※劇場公開時の主題歌は歌詞が一部修正されている

 

 

「作るのに6ヶ月もかかっちゃったんだよね。予算は飛び出すわ、ソロアルバムより時間がかかるわで(笑)。でもあれって、たった一人に聴いてもらうために作ったんですよ。だからCDなんて出なくてよかったんだよね。」

「そう。宮崎さんが聴くこと以外は何一つ考えなかった。宮崎さんが早く聴きたいって望んだ、じゃあ作りますっていう非常にシンプルな関係なわけ。それと半年という期間は、『ナウシカ』以来の良い面もあるけどそうじゃない部分も含めたいろんなものを洗い流す意味で必要な時間だったんだよね。ただ、僕が宮崎作品のために書いてきた音楽を聴いてきた人からすると、何か不満みたいね。」

「愛とか感動とかロマンとか一切感じないでしょう。だから宮崎さんもすごく戸惑われたと思う。ただ、よく分かってる人達からは「ついに新しいところへ行ったね」と言われましたね。『もののけ姫』のイメージアルバムは僕にとってかなり大きかった。自分という人間をすごく考えましたね。」

「途中でかなり悩んだんです。「間違ったかな」と思うこともあった。だけど「僕はこれで作る」と宣言したんだから変えなかったんです。その作家としての姿勢を貫けるかどうかで半年かかった気がしますね。」

Blog. 「キネマ旬報 1996年11月上旬特別号 No.1205」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

書籍「折り返し点 1997~2008」/宮崎駿・著に、詩が収載されている。これは監督から久石譲へ作品イメージを伝えるために書いた音楽メモのようなもの。「もののけ姫」「アシタカせっ記」「失われた民」「タタリ神」「犬神モロの君」「エボシ御前」「コダマ達」「ヤックル」「シシ神の森」。イメージアルバムのほとんどの曲がそろっていることがわかる。

*初出:『THE ART OF The Princess MONONOKE もののけ姫』徳間書店

 

 

 

映画本編には使用されなかったが、「犬神モロの公」は映画『もののけ姫』予告編で強い印象を残している。

 

 

久石譲 『もののけ姫 イメージアルバム』

1. アシタカせっき
2. タタリ神
3. 失われた民
4. もののけ姫
5. ヤックル
6. シシ神の森
7. エボシ御前
8. コダマ達
9. 犬神モロの公
10. アシタカとサン

ゲスト・ミュージシャン
梯郁夫(パーカッション)
坂田美子(琵琶)
賈鵬芳(二胡)
竹井誠(能管・竜笛)
藤沢麻衣(ヴォーカル)
矢島富雄(チェロ)
小池弘之 ストリングス

 

Princess Mononoke Image Album

1.The Legend of Ashitaka
2.The Cursed God
3.The Lost People
4.Princess Mononoke
5.Yakkle
6.The Forest of the Shishi God
7.Lady Eboshi
8.The Kodamas
9.The Dog God Moro
10.Ashitaka and San

 

Disc. 久石譲 『MELODY Blvd.』

久石譲 『MELODY BLVD』

1995年1月25日 CD発売 PICL-1088

 

久石譲の代表作を自らのプロデュースでセルフ・カバー
L.A.のトップ・ミュージシャンのサポートによるベスト・テイク・コレクション
歌詞がすべて英語に差し替えられたAOR的サウンド

参加ミュージシャン:
マイケル・ランドウ(Gu)/ブランドン・フィールズ(Sax)/トミー・ファンダーバーク(Vo)
ウォーレン・ウェイブ(Vo)/ジョーゼフ・ウィリアムズ(BGVo) …etc

 

 

「このアルバムの前に「地上の楽園」というアルバムを作ったんですが、これが2、3年もかかった労作でして。もう一枚今年中に作らなきゃならないといったときに、とにかく軽いものにしおう、気が楽なものにしようと思って(笑)。で、今年はすごくボーカルに興味があったんですね。「地上…」もボーカル曲が多かったし、じゃこれまたボーカルでいこうと。ただ映画音楽をリアレンジした程度だと面白くない。映画で作ったメロディだけど全く違うものになるような、つまりインストゥルメンタルである映画音楽に英語の詞を付けることによって全く別の曲に仕上げるという……。映画のシーンが思い浮かばない、それでいてメロディだけが際立つような、そんなボーカル・アルバムに仕上げたかったんです。」

「これは後付けというか、結果論的な言い方になっちゃうんだけどね。94年というのは「風の谷のナウシカ」が公開されてちょうど11年目になるわけです。84年以前の僕は前衛的なことをやってまして、メロディ作家と言われたのはその後なんですね。そのメロディメイカーと言われた10年分の区切りを付けるというか……。作るべくして作ったアルバムですね。あとはやっぱり1994年スタイル。アップ・トゥ・デイトなものをやりたかったんです。単なる企画ものでなく、ソロ・アルバムの中に組み込みたかった94年の音がしていないと意味がない。それにはこだわりましたね。」

Blog. 「キネマ旬報 1995年2月下旬号 No.1154」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「今回は自分のピアノをフィーチャーしていないし、自分で歌っているわけでもないでしょ?そういう意味で言うと、スタンスとしてはクインシー・ジョーンズとかデヴィッド・フォスター、アラン・パーソンズ・プロジェクトみたいな、そういうプロデュース・ワーク…つまりサウンドからコンセプトとか全部を含めたプロデュース・ワークがメインになって、なおかつそれで自分の個性をどこまで出せるんだろうかというのを、ちょっと実験したかったんです。今までの自分のソロ・アルバムの中では、とてもめずらしい形態ですよね。」

「要するに「久石譲とは何か?」という時、やっぱり「メロディ」だっていう部分があるわけですよね。だあら、そのメロディを1回きちんと切り取ってみて提出したらどうなるかな、みたいなところがあって…。現にLAでも、圧倒的にみんな「メロディがすごく好きだ」と言ってくれたので、僕はすごくうれしかったんですけどね。…誰も日本発売だって思っていなかったということも、笑えるんだけども(笑)。」

Blog. 「キーボードスペシャル 1995年3月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

久石譲 『MELODY BLVD』

1. I Believe In You (映画「水の旅人」より / あたなになら)
2. Hush (映画「魔女の宅急便」より / 木洩れ陽の路地)
3. Lonely Dreamer (映画「この愛の物語」より / 鳥のように)
4. Two of Us (映画「ふたり」より / 草の想い)
5. I Stand Alone (映画「はるか、ノスタルジィ」より / 追憶のX.T.C.)
6. Girl (CX系ドラマ「時をかける少女」より / メインテーマ)
7. Rosso Adriatico (映画「紅の豚」より / 真紅の翼)
8. Piano(Re-Mix) (NHK連続テレビ小説「ぴあの」より / ぴあの)
9. Here We Are (映画「青春デンデケデケデケ」より / 青春のモニュメント)

Produced by Joe Hisaishi

All Composed & Arranged by Joe Hisaishi

Musicians:
Curt Bisquera , Marilyn Droman , Sally Dworsky , Brandon Fields
Tommy Funderburk , Joe Hisaishi , Bunny Hull , Eri Kawai , Tom Keane
Michael Landau , Kevin McCormick , Tollak Ollestad , Lou Pardini
Vonda Shepard , Jackie Sheridan , Kenji Takamizu , Terry Trotter
Warren Weibe , Joseph Williams , Jai Winding

Recorded at Westlake Studios (L.A.), Comway Studios (L.A.)
Light house Studios (L.A.), Pacifique Studios (L.A.), Wonder Station (Tokyo)
Pre-produced at Jai Winding’s Studio, Tom Keane’s Studio
Mixing & Recording Engineers:
Daren Klein, Alan Abrahamson, Suminobu Hamada (Wonder Station)
Tohru Okitsu (Wonder Station), Eiichi Tanaka (Wonder Station)
Kazuyuki Masumoto (Humble Heart Music)
Mastering Engineer: Bobby Hata for DISC LAB (at ON AIR Azabu Studio)
Assistant Engineers:
Doug Michael (Conway Studio), Eddie Sexton (Light house Studio)
Chris Brooke (Westlake Studio)
Tomonori Yamada (Wonder Station), Tomoyuki Morikawa (Humble Heart Music)
Production Co-ordinator (L.A.): Chie Masumoto & SUsanne Marie Edgren
For Humble Heart Music, Hitomi Takemori (Assistant to Chie Masumoto)

 

Disc. 上野の森ブラス 『ブラス ファンタジア II ~宮崎アニメ作品集~』

ブラスファンタジア2

1994年2月25日 CD発売 TKCA-70299
2006年7月12日 CD発売 TKCA-73079
2022年12月3日 LP発売 TJJA-10054

 

スタジオジブリ作品 「風の谷のナウシカ」から「紅の豚」まで
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

お馴染みのジブリ名曲たちを金管アンサンブル(トランペット/チューバ/ホルン/トランペット/トロンボーン)にて奏でる、第2弾。

友情出演として、パーカッションが追加された編成での楽曲もある。全楽曲の編曲は織田英子、上野の森ブラス結成以来ほとんどのレパートリーのアレンジを手掛けている。ハイセンスな響きとテンポ感は定評がある。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

本作品の楽曲名はすべて各映画イメージアルバムの収録曲名に準じている。ただし楽曲解説にもあるとおり、「ふしぎしりとりうた」以外は、すべて映画本編でも流れていたお馴染みのメロディーである。

 

 

【楽曲解説】

1.ふしぎしりとりうた (となりのトトロ)
イメージアルバムの中の一曲。映画には使わせませんでしたが、オペラ歌手の森公美子さんが、パワフルにリズミカルに歌い上げた、言葉遊びの楽しい曲です。ロックをブラスでやるとどうなるか?といったことに挑戦しました。

2.はるかな地へ… (風の谷のナウシカ)
今でこそ、エコロジーという言葉がもてはやされ、誰もが自然を守らなければならないと考えています。その守るべき自然すら無くなってしまった時代に、たったひとりで地球を救おうとしたナウシカ。原曲は少女の歌声で始まる、ナウシカの遥かな想いを感じさせる美しいメロディです。フォルクローレ風にアレンジ。フォルクローレの太鼓も入ります。

3.天空の城ラピュタ (天空の城ラピュタ)
映画に先駆けて作られるイメージアルバムで、メインテーマとなったこの曲は、映画では井上あずみの歌う、主題歌「君をのせて」のメロディとしても使用され、映画のヒットと共にいつまでも歌い継がれる名曲となりました。原曲のイメージをくずさずにブラスにアレンジしました。

4.ゴンドアの思い出 (天空の城ラピュタ)
追手の海賊たちから危機一髪、飛行石の力で廃坑の深い洞窟に逃れたパズーとシータ。つかの間の休息の中でシータは、故郷のゴンドアの思い出を語ります。古代オリンポスの丘でニンフが踊るようなイメージで書きました。

5.遠い日々 (風の谷のナウシカ)
原曲は少女のハミングが印象的な曲。主題歌と呼べる曲のないナウシカにおいて、それに変わる形で口ずさまれ、親しまれてきた曲です。映画では幼年時代のナウシカのシーンで使われました。ナウシカの有名な少女の歌をテーマにバッハのオルガン曲を思わせるようなアレンジをしました。

6.リリーとジジ (魔女の宅急便)
キキと共に都会に出てきたジジは、誇り高くも用心深い、皮肉屋の黒猫。そんな彼に恋人ができたのです。かわいらしい猫のカップルをイメージした曲。ホンキートンクピアノの原曲の雰囲気を生かし、全員ミュートをつけて演奏します。

7.風のとおり道 (となりのトトロ)
メイとサツキの姉妹と、おとうさんの三人が引っ越してきた田舎の一軒家の裏には、森とひときわ大きな楠の木が生えていました。そこを渡る初夏の涼やかな風を想わせる曲。イントロにすこし日本情緒をただよわせ、中間部分にトロンボーンのアドリブソロを織り込みました。

8.フライングホートメン~セリビア行進曲 (紅の豚)
空の海賊と恐れられる「空賊」たちだが、決して楽な稼業ではない。オンボロの飛行艇を乗り回し、今日もポルコロッソから無念の一撃。が、飛行艇乗りの誇りだけは失っていない。たくましくもユーモラスな彼らの曲。チューバソロを原曲そのままに再現したフライングボートメン、そのあとにスネアドラム入りでセリビア行進曲が続きます。

9.時代の風 (紅の豚)
空賊に襲われている旅客船から突然のSOS。彼らを駆散らす為に、凄腕の賞金稼ぎパイロットのポルコ・ロッソが、真紅の飛行艇で出撃します。胸踊る、映画の冒頭のシーンで使われた曲。原曲のスピード感あふれる曲に、勇壮なファンファーレをつけ足しました。

10.かあさんのホウキ (魔女の宅急便)
都会にひとりぼっちで暮らしながら自立しようとする、見習い魔女のキキ。彼女の心の支えは、黒猫の相棒ジジと、おかあさんから譲り受けた、良く使い込まれたホウキでした。優しく包み込むような母の想いをかんじさせるメロディ。トランペットソロをフィーチャー。やさしくなつかしい曲に仕立てました。

(楽曲解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

2022年 LP発売

 

 

2006年CD再発売

 

 

 

ブラスファンタジア2

1. ふしぎしりとりうた (となりのトトロ)
2. はるかな地へ… (風の谷のナウシカ)
3. 天空の城ラピュタ (天空の城ラピュタ)
4. ゴンドアの思い出 (天空の城ラピュタ)
5. 遠い日々 (風の谷のナウシカ)
6. リリーとジジ (魔女の宅急便)
7. 風のとおり道 (となりのトトロ)
8. フライングボートメン~セリビア行進曲 (紅の豚)
9. 時代の風 (紅の豚)
10. かあさんのホウキ (魔女の宅急便)

 

Disc. 上野の森ブラス 『ブラス ファンタジア I ~宮崎アニメ作品集~』

ブラスファンタジア1

1994年1月25日 CD発売 TKCA-70292
2006年7月12日 CD発売 TKCA-73078
2022年12月3日 LP発売 TJJA-10053

 

スタジオジブリ作品 「風の谷のナウシカ」から「紅の豚」まで
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

お馴染みのジブリ名曲たちを金管アンサンブル(トランペット/チューバ/ホルン/トランペット/トロンボーン)で奏でる。

友情出演として、トロンボーン、パーカッションが追加された編成での楽曲もある。全楽曲の編曲は織田英子、上野の森ブラス結成以来ほとんどのレパートリーのアレンジを手掛けている。ハイセンスな響きとテンポ感は定評がある。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

本作品の楽曲名はすべて各映画イメージアルバムの収録曲名に準じている。ただし楽曲解説にもあるとおり、「谷への道」以外は、すべて映画本編でも流れていたお馴染みのメロディーである。

 

 

【楽曲解説】

1.ハトと少年 (天空の城ラピュタ)
ある朝、少年は飼っているハトを逃がしてやり、得意のトランペットを響かせて、少女と冒険へと旅立ちます。ルネッサンス期のブラスの味わいをそっくり持ってきました。

2.ねこバス (となりのトトロ)
トトロと並ぶ、子どもの人気者のねこバスですが、最初は突風の音とともに、不気味に登場しました。この曲はサツキが妹のメイを救いに、ねこバスに乗っていく時に流れる、打って変わって軽快な曲。原曲はロックですが、ブギウギに仕立てました。

3.ピッコロ社 (紅の豚)
戦争で男手の無くなった飛行艇工場のピッコロ社。しかし後を守る女達はそれ以上に働き、ポルコロッソがたじろぐほど、活気に満ちている。コンチネンタルタンゴのリズムに乗せて優雅に演奏されます。

4.ナンパ通り (魔女の宅急便)
イメージアルバムの中から1曲。映画では初めて大都会に出てきた見習い魔女のキキが、町の喧騒に翻弄されるシーンに使われました。原曲のスピード感あふれる感じをそのままブラスで。

5.町の夜~世界って広いわ (魔女の宅急便)
「町の夜」は、なぜか魔法が使えなくなったキキの傷心を、「世界って広いわ」は、映画の冒頭で出発を決意するキキの心を、それぞれ表しています。3拍子のワルツ2曲を組み合わせて、シャンソン風にアレンジしました。

6.谷への道 (風の谷のナウシカ)
映画のサウンドトラックミュージックが、作られる前に製作されたイメージアルバムの中から1曲。ホルンをフィーチャーし、イージーリスニングの静かな曲にしました。

7.となりのトトロ~さんぽ (となりのトトロ)
エンディングテーマの「となりのトトロ」と、オープニングテーマの「さんぽ」のメドレー。「さんぽ」のメロディとともに、小さなメイがテクテク歩くオープニングシーンは、今や日本中の子どもたちに親しまれています。一番有名な曲なのでアレンジに苦労。ちょっと違ったトトロです。

8.オープニングテーマ (風の谷のナウシカ)
巨大産業文明が崩壊して1000年。人類は腐海と呼ばれる巨大な有毒の菌の森に呑み込まれようとしていた。壮大な物語の始まりを予感させる曲。トランペットソロをナウシカのメロディーにのせて。ストレートな響きを大切にしました。

9.鉱夫 (天空の城ラピュタ)
苦しい労働が続いても陽気さを失わない鉱夫たちをイメージした曲。映画ではエンディングテーマの「君をのせて」のイントロ部分に使用されました。器楽的な曲なので”いかにもブラス”の魅力が出るようなアレンジを心がけました。

10.真紅の翼 (紅の豚)
アドリア海に夕日が落ちる頃、ポルコロッソはその真紅の翼をホテルアドリアーノに向ける。かけがえの無いあの女の居るところへと。トロンボーンをフィーチャーした大人っぽいバラードです。

(楽曲解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

2022年 LP発売

 

 

2006年CD再発売

 

 

ブラスファンタジア1

1. ハトと少年 (天空の城ラピュタ)
2. ねこバス (となりのトトロ)
3. ピッコロ社 (紅の豚)
4. ナンパ通り (魔女の宅急便)
5. 町の夜~世界って広いわ (魔女の宅急便)
6. 谷への道 (風の谷のナウシカ)
7. となりのトトロ~さんぽ (となりのトトロ)
8. オープニングテーマ (風の谷のナウシカ)
9. 鉱夫 (天空の城ラピュタ)
10. 真紅の翼 (紅の豚)