Disc. 久石譲 『Ni No Kuni: Wrath of the White Witch - Original Soundtrack』

2013年2月1日 CD発売 WAYO-003~4 ※輸入盤

 

DS版『二ノ国 漆黒の魔導師』につづき、PS3版『二ノ国 白い聖灰の女王』の音楽担当。

 

メインテーマ、シズクのテーマ、バトルなど、DS版サウンドトラックに収められていた主要曲も、スケールアップしたフルオーケストラサウンドで楽しめる。

また本作品用の新録曲は、(5)~(11)となっている。(5)The Horror of Manna に象徴されるように、ミニマル色の強い、シリアスでスリリングな楽曲が並んでいる。

ゲーム世界の様々な場面を彩った、バラエティーに富んだDS版の音楽に比べ、より緊迫感のあるひきしまった冒険サウンドとなっている。とりわけ終盤を迎える(10)The Final Battle Against the White Witch は圧巻である。女王を彷彿とさせるコーラスは麻衣が担当。

ゲームではシンセ曲や本作品未収録曲も使用されているが、あくまでも久石譲作曲およびオーケストラサウンドによるサウンドトラックとなっている。

ゲーム用販促プロモーション映像(PV)にて使用されていたPS3版音楽は、本作品にすべて収録されている。輸入盤のみ2枚組CDで発売され、1枚目収録楽曲は、『二ノ国 漆黒の魔導師 サウンドトラック』と同一。

 

本作品未収録のシンセサイザー楽曲解説については下記参照。

 

 

二ノ国 ninokuni 2 

二ノ国 ninokuni 3

 

二ノ国 ninokuni 4 

二ノ国 ninokuni 5

 

 

二ノ国ninokuni

Disc 1

01. Ni no Kuni: Dominion of the Dark Djinn — Main Theme
02. One Fine Morning
03. Motorville
04. The Accident
05. In Loving Memory of Allie
06. Drippy
07. Magic with Oomph
08. World Map
09. Ding Dong Dell – The Cat King’s Castle
10. Al Mamoon – Court of the Cowlipha
11. Imperial March
12. Crisis
13. Tension
14. Battle
15. Shadar, the Dark Djinn
16. A Battle with Creatures
17. Labyrinth
18. The Lead-Up to the Decisive Battle
19. The Showdown with Shadar
20. Miracle – Reunion
21. Kokoro no Kakera (Japanese Version)

Disc 2

01. Ni no Kuni – Wrath of the White Witch (Main Theme)
02. The Fairyground
03. Mummy’s Tummy
04. Battle II
05. The Horror of Manna
06. Unrest
07. Blithe
08. Sorrow
09. The Zodiarchs
10. The Final Battle Against the White Witch
11. The Wrath of the White Witch
12. Kokoro no Kakera – Pieces of a Broken Heart (English)

Performed by the Tokyo Philharmonic Orchestra
Composed by Joe Hisaishi
Japanese vocals by Mai
English vocals by Archie Buchanan

33 tracks, 2 discs, 20-page booklet

その他ゲスト演奏者/録音はDS版記載に準ずる

 

Info. 2013/01/25 山田洋次監督×久石譲 スペシャルトークセッション

2013年1月25日 国立音楽大学(久石譲:招聘教授)にて映画「東京家族」で初タッグを組んだ山田洋次監督と久石譲のスペシャルトークセッションが開催された。

250名の学生を前に、映画や音楽を巡る現状について熱く語り合い、久石譲によるピアノ演奏なども披露された。

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Disc. 久石譲 『東京家族 オリジナル・サウンドトラック』

久石譲 『東京家族 オリジナル・サウンドトラック』

2013年1月16日 CD発売 UMCK-1442

 

2013年公開 映画「東京家族」
山田洋次監督50周年記念作品
監督:山田洋次 音楽:久石譲 出演:橋爪功 吉行和子 他

 

 

インタビュー

-これまでの久石さんの映画音楽のアプローチは音と画を拮抗させ、そのぶつかり合いのなかから某かのものを醸し出す方法論が多かったと思いますが、今回は驚くほど奥に引いています。それはある意味、挑戦だったのではないでしょうか?

久石:
そうですね。まず台本を読んだ段階で、今回はあまり音楽を前に出さず、包み込むようなものが良いだろうとは思ったんです。山田監督とお話させていただいた時も「空気のように、劇を邪魔しないものを」という注文がありました。現にラッシュ(撮影済みで未編集のフィルムや映像)を観ても音楽が入る余地が全然ない(笑)。これはもう劇を受け止めるような音楽を書かなければ駄目だなと。

-しかし、少ないながらも入る箇所は的確で、音楽が流れるごとにあの老夫婦の心情と呼応し支え合い、じわじわと相乗効果がもたらされていくのがわかります。

久石:
最終的にはお母さんが亡くなり、お父さんが独り残される。そのことをメインに据えて、そこに至るまでをどう行くかというのが、今回はプランとして非常に大事でした。例えば病院の屋上でお父さんが次男に「母さん、死んだぞ」と言うところまでは、ピアノを一切使ってないんですよ。逆にその後からは、ピアノを自分で弾いています。音楽が少ないからこそ、そのなかで効果的な変化をつけたかったんですね。

-『東京物語』(53)が「人生は無である」と説いた映画だとすれば、『東京家族』は「人生は決して無ではない」と説いている映画だと思います。だからあのお父さんが独りになって終わるラストも、厳しくはあれどこか明るい感触を受けますし、エンドタイトルの高らかな音楽はその後押しとして、観る者まで前向きな気分にさせてくれます。

久石:
そういう風に捉えていただけると嬉しいですね。僕も『東京物語』は大好きな映画なのですが、『東京家族』はそれと同じストーリーラインではありながら、やはり山田監督独自の世界観でしたので、こちらも特に意識することはなかった…と言いますか、先ほど申しましたように意識するどころではないほど大変だったわけです。今回は本当にオーケストラを薄く書いているんですけど、痩せないように書く方法とでもいいますか、その作業も難しかったし、40秒の曲を書くのに普段の3分以上の曲を書くのと同じ労働量を必要としました。でもその代わり、新しい技もいくつか開発しましたので、もう次からは何が来ても怖くない(笑)。何よりも今回は憧れの山田作品に自分の音楽を入れさせていただくことができたわけですから、本当に光栄でした。

Blog. 映画『東京家族』(2013) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより 抜粋)

 

 

今回、監督作品81作目にして初めて久石譲に音楽を依頼したが「もちろん(久石が担当した)作品は拝見していましたし、ぜひ一度、お仕事させていただきたいと思ってました。映画音楽は映画が好きな人じゃないとダメなんです」と念願かなってのタッグ実現を嬉しそうに振り返った。だが映画監督にとっては音楽家との仕事はなかなか気疲れするもののようで「最終的なイメージは作曲家の中にあるんでね。とても気を使うんです。お見合いのようにドキドキします」と語る。

一方の久石譲は今回の仕事について「苦労しましたよ!」と告白。「普通、2時間の映画にだいたい50分から60分くらい音楽が付くんですが、今回は2時間半くらいの映画で音楽は25分くらい。平均して40秒から50秒くらいの曲が多いんです。短い音楽を書くのは難しいんです」と述懐する。しかも監督からは「空気のような音楽」というリクエストがあったとか。「芝居の邪魔にならずにそれでもどこかで共存するものとして考えました。いかに薄く書くか? でも痩せちゃいけない…。工夫する中で新たな発見がありました」と明かす。

Info. 2013/01/25 山田洋次監督 × 久石譲 スペシャルトークセッション より抜粋)

 

 

「空気のような音楽、雰囲気を邪魔しないような音楽と言われていました。今回はあまりたくさんの音楽を必要としない、芝居を邪魔しないで共存出来る音楽なんだと思いました。」

「今回は2時間半ぐらいの映画なんだけど、曲は全部で25分ぐらいしかないんです。いかにうすく書くか、でもやせすぎちゃいけない…そんな色々な工夫をしていくうちに、こんな技があるんだと、3つぐらい新しい技を発見しました。」

Blog. 映画「東京家族」 山田洋次監督 × 久石譲 スペシャルトークセッション より抜粋)

 

 

 

シンプルで素朴なメロディーのメインテーマ。オーケストレーションも小編成。曲も1-3分程度の短いものが多く、そっと映像に寄り添うような音楽。

メインテーマ(15)、メインテーマをモチーフに編曲した(1) (2) (3) (7) (10) (13)、メインテーマ以外だと(4) (5) (11)など、管楽器、とりわけオーボエやファゴットをうまくメロディーラインに取り込み、それにより、素朴な、温かみのある、空気感を演出している。

特に邦画作品を手がけるときにはよく見られる。音をつめすぎない、余白のある音楽。これにより映像やストーリー、風景、俳優さんの感情や観る人の感情に寄り添うかたちで、かつ、印象的に際立つのかもしれない。

また近年の作品に多いが、変拍子のメロディが増えている。でも、なぜか不思議と変拍子としての違和感がない。そのままきれいにメロディとしてリズムとして流れているので不思議。曲構成として映像のいわゆる細かい尺に合わせるために、タイミングやタイムを要所要所で合わせることはあってもメロディラインとしてここまで変拍子がきれいに成立しているのはすごい。特に今作品のようなシンプルな主題曲だと、シンプル=簡単のように思ってしまうが、いざ譜面を見たら、おそらく聴いた印象よりも標記の多い楽譜になっているはず。

メインテーマをピアノにメロディラインを配置しているあたりがこの作品を象徴しているのかもしれない。しかも、メロディの冒頭は、まさに片手で、数本の指で弾けるくらいの、メロディ旋律のみを大胆にもってきているアレンジ。メロディが凛と立っているからこそ、できる業なのかもしれない。

春に聴けば桜が舞い、夏は木漏れ日、秋は紅葉と秋桜、冬は暖を囲む居間、そんな四季折々の日本家族や日常生活を表現した音楽。

 

 

久石譲 『東京家族 オリジナル・サウンドトラック』

1. プロローグ
2. 初めての東京
3. 夫婦
4. 丘の公園
5. 東京観光
6. うなぎ屋の親子
7. ホテル
8. 観覧車
9. 孤独
10. 若者たちへ
11. 約束
12. 母さんの死
13. 病院の屋上で
14. 紀子へ
15. 東京家族

All Music Compose, Arranged and Produced by Joe Hisaishi

Piano by Joe Hisaishi

Conducted by Joe Hisaishi
Performed by Tokyo New City Orchestra

Recorded at Victor Studio
Mixed at Bunkamura Studio, ABS Recording

Recording & Mixing Engineer: Hiroyuki Akita
Manipulator: Yasuhiro Maeda (Wonder City Inc.)

and more

 

Info. 2013/01/11 [ラジオ]『LIFE IS MUSIC Season II ~音楽の行方~』

久石譲がパーソナリティーを務めるラジオ番組『ズバリ!ラジオ 久石 譲のLIFE is MUSIC』
今回のテーマは“classic”です。
久石と相棒:前島氏二人の独自の視点からクラシックというジャンルを紹介していきます!初心者から上級者まで楽しめる充実の50分です。
放送日 2013年1月11日(金)21:00-21:50
放送局 ニッポン放送 (AM1242)

 

Score. 『久石譲 風の谷のナウシカより組曲 5つのメロディー』

1998年12月10日 発売
2012年12月28日 発売

全音弦楽ピース ZES-001
久石譲「風の谷のナウシカ」より 組曲 5つのメロディー

 

 

チェリスト藤原真理のオリジナルアルバム『風 -Winds ~ナウシカの思い出に捧げる』に収録された作品。チェロとピアノのデュオ編成で、上品な室内楽として構成されている。アルバムのプロデュースおよび編曲も久石譲が担当している。本ピースはそのマッチング・スコアになる。

なお、チェリスト近藤浩志オリジナルアルバム『ARCANTO』に改訂版として収録された。アルバムのプロデュースも同じく久石譲が手がけている。

 

 

組曲 5つのメロディー 「風の伝説」
組曲 5つのメロディー 「はるかな地へ」
組曲 5つのメロディー 「レクイエム」
組曲 5つのメロディー 「遠い日々」
組曲 5つのメロディー 「谷への道」

出版社:全音楽譜出版社
サイズ:菊倍
ページ:32
定価:1,500円+税

 

 

2024.4 追記

 

Disc. 久石譲 『ふるさとの空』 *Unreleased

富山県ふるさとの空

2012年 発表

 

富山ふるさとの歌づくり実行委員会によって制作。「誰もが口ずさめ、富山への誇りをもてるように」と公募で選ばれた作詞に、補作詞されたものに、作曲された『ふるさとの空』。「富山の自然をこの歌とともに継承し、大切にしてほしい」という久石譲からのメッセージも寄せられている。

 

 

富山県ふるさとの歌
『ふるさとの空』
原詞:布村勝志 補作詞:須藤晃 作曲:久石譲 編曲:山下康介

公式ホームページにおいて
1.管弦楽
2.独唱(ソプラノ)
3.同声二部合唱
4.女声三部合唱
5.混声四部合唱
6.独唱(バリトン)
7.吹奏楽

同曲をそれぞれ編曲した7タイプのアレンジを視聴できる。 (2013年5月現在)
歌詞や楽譜のPDFファイルも閲覧できる。

ふるさとの空 – 富山県ふるさとの歌

 

 

 

メロディーも歌いやすい、童謡のような、懐かしみのある温かい旋律になっているが全4番という構成のなか、3番だけメロディーが少し展開しているのがおもしろい。

(1) (7)の管弦楽も吹奏楽も、市民たちが演奏できるようになのか、あまり難易度を高くせず、かつ楽曲としてまとめているアレンジもすばらしい。(2) ~ (6)の歌もそれぞれに趣があり、伴奏はすべてピアノのみとなっている。

ふるさとの市民が、これからも、いろんなかたちでこの曲を歌い続けていけるように、いろんなかたちで演奏できるように、7つものヴァージョンを制作しているのだろう、と思う。

 

 

ふるさとの空 非売品 2

CD応募プレゼント(非売品)

 

[CD情報]

ふるさとの空
1.管弦楽
演奏:富山シティフィルハーモニー管弦楽団 指揮:土居浩
録音:2012.6.2 富山市民芸術創造センター
2.独唱(ソプラノ)
歌唱:高野百合絵 伴奏:福田あき子
録音:2012.6.10 BS&T STUDIO
3.同声二部合唱
歌唱:南砺市立井波小学校・福野小学校合同合唱団 指揮:山田和美 伴奏:富永則子
録音:2012.6.16 南砺市井波総合文化センター
4.女声三部合唱
歌唱:富山県立呉羽高等学校音楽部 指揮:黒崎隆憲 伴奏:余川槙菊
録音:2012.6.16 富山市婦中ふれあい館
5.混声四部合唱
歌唱:合唱団「樂音樹」 指揮:重松秀子 伴奏:齋藤功子
録音:2012.6.3 富山市民芸術創造センター
6.独唱(バリトン)
歌唱:大畑理博 伴奏:福田あき子
録音:2012.6.10 BS&T STUDIO
7.吹奏楽
演奏:富山ミナミ吹奏楽団 指揮:牧野誠
録音:2012.6.17 富山市民芸術創造センター

8.富山県民の歌
歌唱・演奏:コロムビア合唱団、原信夫とシャープス・アンド・フラッツ(昭和33年収録)

Producer:須藤晃
制作:富山県ふるさとの歌づくり実行委員会

 

 

富山県ふるさとの空

 

 

2015.5 追記

2015年5月9日開催「久石譲&新日本フィルハーモニー交響楽団 富山特別公演」、管弦楽+混声合唱団という特別な編成でのお披露目となりました。

ふるさとの空 (富山県ふるさとの歌)
「ふるさとの空」は、県民や県出身者が、ふるさとを思い、ふるさとへの愛着を育みながら、みんなで一緒に歌い、心を一つにできる歌を作って欲しいという県内外の多くの方々の声を受け、平成23年8月から「富山県ふるさとの歌づくり実行委員会」で歌づくりが進められました。歌詞については、公募で選ばれた布村勝志さんの原詞を、富山県出身の音楽プロデューサー須藤晃さんが補作、久石譲さんが作曲を担当して、平成24年7月に富山県教育文化会館において発表されました。ふるさと富山の素晴らしさや魅力が盛り込まれた「ふるさとの空」は、子供から大人まで広く歌われています。今回の公演は、大編成の管弦楽と合唱により、久石譲さん本人の指揮で演奏される貴重な公演となります。

(久石譲&新日本フィルハーモニー交響楽団 富山特別公演 コンサート・プログラム より)

 

 

 

2017.1 追記

2017年3月末をめどに、富山市内の駅と高岡駅の到着メロディーに使われることが決まりました。

 

 

2017.3 追記