Blog. NHK「ジブリのうた」 番組内容紹介 (関連本も紹介)

Posted on 2018/08/12

スタジオジブリの高畑勲監督と宮崎駿監督が、心をこめて創り上げてきた作品にスポットをあて、世代を越えて愛される音楽を主役にしたNHK音楽特番『ジブリのうた』が放送されました。

 

 

『ジブリのうた』
日時:8月9日(木)19:58~20:43 NHK総合

案内役:神木隆之介

出演アーティスト(五十音順):
新井美羽 / King & Prince / 五嶋龍 / 二階堂和美 / 久石譲 / Little Glee Monster / 横山だいすけ

ナレーション:入野自由

ことしは、映画、「となりのトトロ」と「火垂るの墓」が同時公開されてからちょうど30年。そして日本のアニメーションを牽引してきた巨匠・高畑勲監督が惜しまれつつ亡くなられた年です。そこで、高畑監督と宮崎駿監督が、心をこめて創り上げてきた、スタジオジブリの作品にスポットをあて、中でも世代を越えて愛される音楽を主役にした特番を放送します。

名作ぞろいの歌を歌うのは、人気者やジブリ縁のアーティストたち。作品の世界観を再現した空間で、楽しく、感動的なパフォーマンスを披露してくれます。もちろん、宮崎監督作品にまつわるエピソードや、高畑監督の偉大な足跡もたっぷりと紹介します。

番組案内の舞台は、多くの来場者が訪れる「ジブリの大博覧会」(広島県立美術館)会場。様々な作品の感動の名シーンも含め、ジブリの魅力が満載の45分間です。

(番組概要より)

 

 

番組内容をご紹介します。

 

♪ さんぽ / King & Prince
♪ 風のとおり道 / 久石譲、五嶋龍
♪となりのトトロ / King & Prince
♪ 崖の上のポニョ / 新井美羽、横山だいすけ
♪ ミミちゃんとパンダ・コパンダ / 新井美羽、横山だいすけ
♪ 君をのせて / Little Glee Monster
♪ いのちの記憶 / 二階堂和美
♪ 天人の音楽2018 / 久石譲(指揮)

 

 

風のとおり道 / 久石譲、五嶋龍

映画『となりのトトロ』から。主題歌「さんぽ」「となりのトトロ」に負けないくらいトトロ・スタンダードとして印象深い名曲です。久石譲のピアノと五嶋龍のヴァイオリンによる豪華デュオ。TV音楽番組「題名のない音楽会」テーマ曲「Untitled Music」(2015-2017)で初共演を果たし、久石譲海外公演でもステージ共演している華麗なコラボレーション。味わい深い熟成された二人の演奏に、ただただうっとりしてしまいます。久石譲ピアノソロ版もある、チェロ&ピアノ版もある、ピアノ&ストリングス版もある、もちろんオーケストラ版もある。そのなかで、今回のピアノ&ヴァイオリン版はこの番組のためだけ、一期一会の演奏です。ピアノ・パートも従来と変化あり、ヴァイオリンとのかけあいを際立たせる調べ。この夏とびっきりのプレゼントです!

 

 

【2018.9 追記】

「風のとおり道」は「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2018」コンサートツアーにて「The Path of the Wind 2018」としても披露されました。

The Path of the Wind 2018 【AB】
ピアノとヴァイオリンを基調に弦楽オーケストラが包みこむ「風のとおり道」。久石譲の弾き振り(ピアノを弾きながら指揮もする)も奏者たち音たちに緊張感と楽しさをリードしているようでした。映画『となりのトトロ』のもうひとつのテーマとして人気高いこの曲、こんなにも新しく生まれ変わるんだ!というほどの衝撃と新鮮さでした。とりわけストリングスのオーケストレーションがすばらしい。とても現代的でここまでくるともうそれは芸術の域。大きいくすの木が風に吹かれて揺れている音、そんなイメージが浮かびます。

高畑勲監督が絶賛していたこの曲を、W.D.O.2018でプログラムすることも、なにか想いがあったのかもしれません。ツアー期間中8月9日にTV NHK「ジブリのうた」でも五嶋龍さんとのピアノ&ヴァイオリン版をうっとりするくらいの極上デュオで聴かせてくれました。2018版は同じ構成をベースにしながらも、コンサートマスター豊嶋泰嗣さんとのかけあいに、新しいストリングスの調べ。決してデュオ版が物足りなくなるとかではないんですね。こんなにもとびきりプレゼントをふたつももらっていいんですか!そんな気持ちです。

Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2018」 コンサート・レポート より抜粋)

追記ここまで

 

 

「君をのせて」エピソード

「君をのせて」っていうのは、もともとイメージアルバムっていう本編の映画ではないアルバムを作っていたんですね。その時に、どんな曲が必要なのかっていうことで、宮崎さんが短いコメントを書かれるんですね。そのコメントと、たまたま僕が冒険映画にしてはしっとりしたメロディを書いちゃたんですね。それを高畑さんが非常に気に入られて、これをテーマにしたいと。それで、その時にイメージポエムから言葉をはめていったんですね。ですが、ちょっとやっぱり短いわけで入らないわけですよね。それを高畑さんと二人でいろんな言葉をメロディにあわせてはめていく作業。すごく楽しかったですけども。だから、作詞作曲が宮崎さんと僕ってなってるんですけど、あれを生み出す原動力になったのは高畑さんの力なんですよね。

久石譲

(エピソード・インタビュー 書き起こし)

 

 

天人の音楽2018 / 久石譲(指揮)

映画『かぐや姫の物語』から。印象的なストーリーに斬新な発想で観客を驚かせた「天人の音楽」。本番組で演奏されたのは冒頭で「なよたけのテーマ(久石譲作曲)」と「わらべ唄(高畑勲作曲)」の旋律が同時進行的に絡み合うパートを導入部に。弦楽合奏と篳篥・龍笛・太鼓などの邦楽器、さらにはサンプリングボイスまでが絶妙なブレンドで鳴り響く「天人の音楽」。楽器編成の和洋折衷を超えた別の世界の音楽。今年5月に開催された「高畑勲 お別れの会」でも会場で流れつづけた曲です。

 

 

 

 

関連書籍を少しご紹介します。

 

ジブリの教科書 19 かぐや姫の物語 (文春ジブリ文庫・2018刊)

映画『かぐや姫の物語』にまつわるエピソード満載の本です。久石譲による音楽制作も語り下ろし収載されています。そのなかには「天人の音楽」ができるまでのやりとりも鮮明に記されています。また鈴木敏夫プロデューサーによる語り下ろしは18ページにおよぶ長尺なもので、「高畑勲 お別れの会」を経て語られている内容です。今まで語られることのなかった高畑勲監督とのエピソード、壮絶なスタジオジブリ現場、そこから垣間見える高畑勲という人の強烈さ巨大さ。宮崎駿監督と高畑勲監督の距離感、鈴木プロデューサーだからこそ目撃できたエピソード。震えるほど読み応えあります。

 

この鈴木敏夫プロデューサーの語りは、同旨に近い内容で現在公開中です。

公式サイト:文春オンライン
「なぜ高畑勲さんともう映画を作りたくなかったか」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #1
http://bunshun.jp/articles/-/8406
「高畑勲監督解任を提言したあのころ」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #2
http://bunshun.jp/articles/-/8407
「緊張の糸は、高畑さんが亡くなってもほどけない」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #3
http://bunshun.jp/articles/-/8408

 

 

 

禅とジブリ / 鈴木敏夫 著 (淡交社・2018刊)

三人の禅僧との対談を収めたもので、禅の世界へわかりやすく誘ってくれます。それは『もののけ姫』『火垂るの墓』などジブリの名作から、死生観や人生哲学などを禅的に読みとき、宮崎駿・高畑勲両監督との映画制作の経験に照らして禅を語っているからでもあります。【スタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫氏が禅僧と奔放対談。ジブリの名作を禅的に読みとき、映画制作の経験から禅を語る。】というキャッチコピーのとおりです。

プロローグでは、宮崎駿監督新作映画のホットなエピソードが収められています。現在製作中の今、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの旬なやりとり・駆け引きです。また問答後談などでは、『となりのトトロ』や『風立ちぬ』など蔵出し秘話も。

『かぐや姫の物語』からは、「天人の音楽」シーンが対談話題にあがっています。

 

玄侑:
「~略~ あの月から使者が迎えに来るラストの光景と音楽はちょっと忘れられないですね」

鈴木:
「仏教の来迎図(らいごうず)がモデルです。高畑さんは、来迎図の菩薩たちが持っている楽器を全部調べて、それぞれの音色を再現して演奏してもらった。最後の曲はそういう曲ですね」

 

阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)
国宝 鎌倉時代 知恩院蔵

 

 

ジブリと禅からの勇気をもらえる一冊です。

 

【今、ここ】
目の前のことをコツコツやって拓けていく人生

【一日暮らし】
どんなつらいこともその日一日だと思えば耐えられるし、どんな楽しいこともその日一日だと思えば浮かれることはない

【日々是好日(にちにちこれこうじつ)】
いい日ばかりじゃないけど、いかにいい日にしていくかが大事なんだ

 

あとはゆっくり本をめくってみてください。

 

 

南の国のカンヤダ / 鈴木敏夫 著 (小学館・2018刊)

初のノンフィクション小説で、鈴木敏夫プロデューサーが都内のマンションのエレベーターで偶然知り合ったタイ人シングルマザー・カンヤダをめぐる物語です。この本のエピローグに高畑勲監督とのエピソードが記されています。「高畑勲 お別れ会」のこと、『となりのトトロ』で宮崎駿監督は当初、監督:高畑勲、作画:宮崎駿を希望したこと、加藤周一さんと『火垂るの墓』エピソード。これまでの回想を経ながらも、「宮さんにしてもぼくにしても、この先、ずっと「高畑勲とは何者か?」を考え続けるに違いない」という結びが印象的です。

 

 

 

Info. 2018/08/09 [TV] NHK総合 音楽特番「ジブリのうた」久石譲・二階堂和美・五嶋龍 他出演 【8/2 Update!!】

 

 

 

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