Posted on 2013/11/1
スタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫さんの著書。過去にも数冊出してますが、わりと新しい本なのかな。スタジオジブリの過去から今に至るエピソードも満載。宮崎駿監督とのやり取りや作品ごとの製作過程の話、プロデューサーとしての話や仕事に関してももちろん。
それにしても、相当な映画や本を読んでいるんだなあと。しかも、その考察がすごい。思ってもみないような解釈、それを迷いなく言い切るんですね。なんでこういう発想ができるんだろうと思って読むと面白い。この人の考え方のバックボーンが知りたくなる、というか。
そしたら、このエッセイ集にもたくさんの著名な文化人が登場します。異文化・異世代の人たちとの交流によって培われてきたものなんだなあと。
もともとは、ジブリ作品が好き → 宮崎駿 → 鈴木敏夫プロデューサーと紐解いているのですが、またそこから“自分のなかのひっかかりや興味”が広がるんですね。
ちょうどいろんな角度から本を読んでいるせいか、時代小説しかり、とある専門書しかり、『日本という国のかたち 時代性 流行 文化』そういうのを過去の偉人たちが、どう時代をつくり、どう時代を考えていたか、そして未来を、というのが気になってきたんですね。
ある種、ループしてると思うんですよ、普遍性・大衆性・社会性 etc いろいろなものが。まさに 【すでに起こった未来】です。違和感のある言葉ですよね、未来なのに過去形の表現。これはP.F.ドラッカーの言葉と著書です。ちょっと話がそれるのでこの辺はまた別の機会に。
何を見て、何を考え、どう生きていくか。時代をどう捉えつづけるか、過去も、現在も、未来も。ちょっと大それた雲をつかむような壮大なテーマのように聞こえますけど、そこは小さく自分なりに、です。でもそういうのって自分の血肉になって活きてくると思うんですよね。歳でしょうか?!
そういう本との出会いや広げ方もおもしろいと思う今日この頃です。本著でも、時代性が反映される様々な芸術界の方たちとの話もあり。映画にとどまらず、絵画、音楽、文学、放送、メディア、出版、野球などなど。
そんな中でも強烈に影響を受けたと何回もエピソードを交え語っていた 堀田善衛さん 加藤周一さん この方たちのそれぞれの小説や作品を、近いいつか読んでみたいなと思っています。名前は聞いたことあるかなあくらいの無知なので、それだけでもこの本を読んだ収穫でしたね。
自分が影響を受けやすい人が、「強烈な影響を受けた」とお墨付きをしているわけですから、そこから広がる本も、おもしろくないわけがないだろうと。そんな本の読み方してたら、「読みたい本がない」なんて言う日が来るのかな!?とか思っちゃいますね。苦笑楽しいブックサーフィン・アナログサーフィンを続けていこうと思います。