Posted on 2014/08/11
2014年9月29日に久石譲の最新コンサート久石譲プレゼンツ「ミュージック・フューチャー vol.1」が開催されます。
これまでの自身作品コンサートとも、クラシック企画コンサートとも一線を画した新しい試みの企画となっています。ズバリ、現代音楽中心の構成です。
現時点でのプレス情報です。
[公演期間]
2014/9/29
[公演回数]
1公演(東京・よみうり大手町ホール)
[編成]
指揮・ピアノ:久石譲
ヴァイオリン:近藤薫 / 森岡聡 ヴィオラ:中村洋乃理 チェロ:向井航
マリンバ:神谷百子 / 和田光世 他
[曲目] (予定)
久石譲:弦楽四重奏 第1番 “Escher” ※世界初演
久石譲:Shaking Anxiety and Dreamy Globe for 2Marimbas ※世界初演
アルヴォ・ペルト:鏡の中の鏡 (1978)
アルヴォ・ペルト:スンマ、弦楽四重奏のための (1977/1991)
ヘンリク・グレツキ:あるポーランド女性(ポルカ)のための小レクイエム (1993)
ニコ・ミューリー:Seeing is Believing (2007)
他
ミニマル、ポスト・クラシカルなど、最先端の現代の音楽を久石譲がセレクトし、“明日のために届けたい”音楽をナビゲートする、新たなコンサート・シリーズ〈久石譲プレゼンツ ミュージック・フューチャー Vol.1〉。クラシック音楽とテクノロジーを融合させた「ポストクラシカル」など、最先端の音楽を久石譲が選び、演奏していくコンサート。初演となる自身の曲をはじめ、エストニア出身の作曲家であるアルヴォ・ペルトや、アメリカの若手作曲家ニコ・ミューリーらの作品を演奏予定で、久石譲自らピアノと指揮をとり、濃密な空間で演奏することで“誰でも楽しめるコンサートにしたい!”とか。
聴いたことのない楽曲や作曲者が並んでいます。
また8月に入ってから、このコンサートに臨むインタビューが紹介されています。
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現代音楽の今を伝えるコンサートを始める作曲家・久石譲
「現代音楽は難解というイメージが先行し、日本では演奏される機会が少ない。でも本当に難解なのか。最先端の作曲家の魅力的な作品を紹介することで、先入観を打ち破るきっかけにしたい」
9月29日によみうり大手町ホールで開く「ミュージック・フューチャー」はそんな思いから企画された。巨匠ヘンリク・グレツキから30代の俊英のニコ・ミューリーまで。アルヴォ・ペルトの「鏡の中の鏡」では、久石がピアノを演奏する。
「柱となっているのはミニマル音楽。現代音楽が生んだスタイルの中では、ポピュラーを含めその後の音楽に最も大きな影響を与えた。今回の演目で、そのことが雄弁に伝わるはずだ」
久石自身、国立音大在学中に、最小限の音型を繰り返すこの様式に感化された。宮崎駿監督作品をはじめ、オーケストラによる壮麗な映画音楽で成功してからも、折に触れミニマルの作品を生み出してきた。今回、その様式を踏襲した自作の弦楽四重奏第1番「Escher」を初演する。「一回限りの公演ではなく、現代音楽に触れられる場としてシリーズ化する」と語る。
一方、新日本フィルと組む「ワールド・ドリーム・オーケストラ」は、8月9日に赤坂のサントリーホール、10日に錦糸町のすみだトリフォニーホールで公演する。こちらは自作の映画音楽を中心に構成。鎮魂をテーマに叙情味豊かな音を聴かせる。さらに9月20日公開の映画「柘榴ざくろ坂の仇討あだうち」の音楽を手がけるなど、創作の時間は切れ目なく続く。
(読売新聞 参考)
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同じように、久石譲が連載コラムも担当している、CD付きマガジン「クラシックプレミアム」でもこのように語っています。
「ちょっと大げさだが、僕の考えでは、まずクラシック音楽は古典芸能であってはならない。過去から現代に繋がって、未来に続いていく形が望ましい。そのためにはオーケストラをはじめ演奏家は「現代の音楽」をもっと積極的に取り上げたほうがいい。作曲家兼指揮者は特にこの問題に対しては最前線にいるのだから、誰よりも積極的に取り組むべきだと考える。未来に繋がる曲を見つけ、育てることが必要だと僕は考える。」
「これらのような「現代音楽」ではなく「現代の音楽」をできるだけ多く聴衆に届ける必要がある。文化は慰みものではない。文化は聴き手に媚びるのではなく、聴き手一人一人にもある程度の努力と忍耐を要求する。しかし知識として音楽を聴くのではないイノセントな彼らは、おもしろいものであれば、あるいは新しい体験をしておもしろいと思えば、それを素直に受け入れてくれると僕は信じている。そしてその体験が音楽的日乗を育てることになる。」
どんな新しい音楽アプローチを体感することができるのか。
シリーズ化されるというVol.2以降も楽しみな企画です。