Blog. スタジオジブリ 宮崎駿監督×久石譲 ディスコグラフィー紹介 まとめ

Posted on 2013/09/08

先日9月6日にスタジオジブリ 宮崎駿監督の引退会見がありました。その引退発表前後から最近ジブリ音楽をよく聴いています。改めて聴いていると「風の谷のナウシカ」から「風立ちぬ」まで本当にバラエティに富んだ名曲たちばかりです。

映画ももちろん名作ばかりですが、作品ごとに世界観が違うように、その音楽もすべて違う世界観。ジブリ作品だなあという統一感や品格はもちろん感じますが、宮崎駿監督の9作品すべての音楽を担当した久石譲さんの音楽も本当に素晴らしい音楽ばかりです。

なにか他の映画音楽と宮崎駿映画の音楽は格段に違うんですよね。もちろん力の入れ方や制作期間の長さもあるかもしれませんが、決して他の映画作品に手を抜いていることもないと思います。宮崎駿監督の才能と久石譲の才能の本気のぶつかり合い、相乗効果や化学反応を起こしているからこそ生まれてきた音楽たちなんだろうなあと思います。

相性がいいと言ってしまえば簡単ですが、やはり奇跡のコンビであり最強のコンビであった映画監督と音楽家の関係なんだと思います。これからもまた新しいかたちで再タッグなんてこともあるかもしれませんし。そういう楽しみは勝手に期待して抱いておきたいですね。

このサイト「響きはじめの部屋」ではディスコグラフィーメニューのなかでジブリ音楽をまとめています。

 

Studio Ghibli1

 

こういうふうに作品ごとのCDジャケットが並ぶと圧巻です。ちなみに気になったCDジャケットをクリックすると作品詳細をご覧いただけます。(ここではクリックできません)

また上のようなサウンドトラックなどをまとめたものの下にジブリ作品の音楽が収録されたソロアルバムなどもまとめています。こちらは劇中音楽やサウンドトラック盤とは違い、より音楽作品として昇華させたものたちばかりです。

 

Studio Ghibli2

 

そのさらに下のほうには、オムニバスやコンピレーション作品からジブリ音楽のカバーアルバムまで紹介しています。「風の谷のナウシカ」から「風立ちぬ」まで約30年の歴史です。ぜひご覧ください。

こちら ⇒ Discography スタジオジブリ作品

 

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Blog. 映画「福沢諭吉」と久石譲 DVD鑑賞

福沢諭吉 DVD

Posted on 2013/08/22

1991年公開 映画「福沢諭吉」
監督:澤井信一郎 音楽:久石譲 出演:柴田恭兵 他

たまたまDVD化されていたのを発見したので鑑賞しました。というのも、この作品サウンドトラックが発売されていないからです。映画もVHSでは当時発売されていたようですが、今となっては・・。時を経て2008年にDVD化されていたようです。

実はこの映画のメインテーマ曲だけは、「B+1 映画音楽集」という、久石譲が音楽を担当した映画のなかから未発表音源だけを集めたアルバムで聴くことができます。

 

久石譲 『B+1 映画音楽集』

 

本編でもそのメインテーマである「Dear Friends」と後半にかけての重要なシーンで流れる「The Fatal day」です。映画全体を通しては、メインテーマ「Dear Friends」とそのモチーフ曲が大きなウェイトを占め随所で聴くことができます。もちろんこの2曲以外にも劇中音楽はありますが、シーンごとに合わせた音楽が多いため、やはり主要な曲はこの2曲でした。

幕末から明治にかけての時代背景にも関わらず、いい意味でまったく時代劇音楽にはなっていません。それは、その時代を生きた福沢諭吉という人物、また同じようなこれから来るであろう新しい時代を切り拓いた人たち、未来への希望を胸に、世界や時代という大海原を航海していく人たち、そんな壮大なメインテーマ曲になっています。明るい光と希望、そして迫りくる波や風と立ち向かいながら冒険に向かう船、そんなイメージをかき立てられる曲です。

近年のフルオーケストラサウンドとは違って、この時代につくった久石譲の映画音楽はシンセサイザーがメインです。ピアノとシンセサイザーが絡み合う絶妙なアレンジ、リズムが前面に出たシンセサウンド、対照的な叙情的なメロディー、今聴いても、また今だからこそ、とても新鮮な響きがします。

上のような音楽的特徴は、「B+1 映画音楽集」に収録されている他の映画作品でも聴くことができる貴重なアルバムです。ぜひ気になった方は聴いてみてください。

こちら ⇒ Disc. 久石譲 『B+1 映画音楽集』

 

福沢諭吉 DVD

 

Blog. 久石譲 「The Wind of Life」 引越祝いに贈りたい曲

久石譲 『PIANO STORIES 2』

Posted on 2013/08/11

私の兄弟ファミリーが引っ越しをしました。子供の成長もあり将来も考えての夢のマイホーム。

今日はその引っ越し日でした。はじめて完成した家を拝見しましたが、いいですね。吹き抜けもあるし、大きなバルコニーも、窓もたくさんあって、昼間は電気を付けなくてもいいくらい、陽の光がいっぱい入ってきます。そして窓を開ければ涼しい風が家のなかを通ります。中学生に小学生2人とにぎやかな3人兄弟です。子供たちの成長とともに、家もどんなふうに育っていくのか楽しみです。

そして、引っ越し祝いにちなんだ曲ってなんだろうと思って。CDをめくり返していたら素敵な曲がありました。

The Wind of Life」ピアノソロ曲で、ほんと風が爽やかに流れてきそうなきれいな曲です。ソロアルバムに収録されているだけあって、ノンタイアップ曲。さらに曲から想像がふくらむ佳曲です。

「Piano Stories II ~The Wind of Life」に収録されています。このアルバムは、全体的に陽当りのよい昼下がりの午後にあいそうな温かい曲が多いです。ピアノとアコースティックなシンプルなサウンドが上品です。ぜひ聴いてみてください。

 

こちら ⇒ Disc. 久石譲 『PIANO STORIES II 』

久石譲 『PIANO STORIES 2』

 

Blog. 40年の時を超えたユーミン×スタジオジブリ 「ひこうき雲」

Posted on 2013/08/04

スタジオジブリ作品 宮崎駿監督 映画「風立ちぬ」音楽は久石譲ですが、主題歌に起用されたのが、「ひこうき雲 / 荒井由実」です。なんとこの曲、ユーミンこと松任谷由実の荒井由実時代、1973年11月20日に発売された ファースト・アルバム「ひこうき雲」に収録されていたんですね。40年の時を超えたユーミンとスタジオジブリの奇跡の出会いに特別企画盤として発売されたのがこれ。

 

映画『風立ちぬ』主題歌「ひこうき雲」収録
~宮崎 駿がユーミンに贈った18枚の絵~
LPサイズ絵本仕様

ひこうき雲 荒井由実

 

宮崎駿監督が送った18枚の絵は、映画「風立ちぬ」の世界から、風景や原画を切り取ったようなとてもきれいで美しい絵でした。この特別企画盤のジャケットに写っている飛行機も映画 「風立ちぬ」 に登場する 飛行機の絵です。

特典DVDには2つのコンテンツが収録されています。ひとつは、ミュージッククリップ。三鷹の森ジブリ美術館で撮影され、館内風景満載です。ユーミン(松任谷由実)が美術館を巡ります。そしてユーミン(荒井由実)の回想シーンも登場します。

もうひとつは、ミュージック+静止画による「ひこうき雲(RE-MIX) / 荒井由実×松任谷由実」どういう楽曲に仕上がってるんだろうと思ったら、40年の時を超えてふたつの時代のユーミンがコラボ。原曲の持ち味を生かしながら、目立ち過ぎない程度のストリングス・オーケストレーション(松任谷正隆)が加わっています。もちろんヴォーカルは荒井由実時代の歌声をそのままに、アディショナルヴォーカルとして松任谷由実によるサビのバックコーラスが加わっています。

映画「風立ちぬ」の影響というよりも、「ひこうき雲」という曲が昔から好きだったのもあるので、今回の荒井由実×松任谷由実 によるコラボレーションも、なにか感慨深いものがありました。当時の原曲よりも、大きく優しく包みこまれるような、そんなぬくもりのあるサウンドでした。色褪せない、変わらない名曲ながら、時を経て、今このときにしか表現できない彩りと響き。時代を超えて共鳴することって本当にあるんだなあと、名曲と名作のもつそれぞれの力に、ただただ感銘をうけます。

 

 

Blog. スタジオジブリ 宮崎駿監督 映画「風立ちぬ」 鑑賞 Part.2

風立ちぬポスター

Posted on 2013/7/21

7/20公開 スタジオジブリ作品 宮崎駿監督 映画『風立ちぬ』公開に先駆けて、ひと足お先に試写会にて鑑賞してきました。一言で言うと、大人な映画。あまりあらすじや感想は控えるとして。

1920-1930年代、世界恐慌による不景気、政治不信、関東大震災。2010年代、リーマンショックによる世界的不景気、各国での政治不信、東日本大震災。図らずもリンクしているんですね。時代が繰り返されているというか。そういう社会情勢のなか、「今、ファンタジーをつくる時期ではない」と近年言い続けてきたスタジオジブリだけに、すごくリアリズムな映画になっていました。

一人の青年の自伝的なストーリーをもとに時代背景や、そこから未来へ、そういったことをほんと真正面からまじめに描いた作品だと思います。飛行機づくりを通して戦争を美化するわけでも、かたや反対と言ってるわけでもなく、そんな表面的な社会的批判とは一線を画した、主人公の美しい夢を一貫して、その個人の生き方を清く表現している。そんな印象でした。

重くのしかかる鑑賞後の心境もありますが、個人的には「美しい映画」だなと思いました。夢も恋愛も挫折も、真正面から逃げずに対峙した主人公の姿が。この映画を、あの優等生で、子供に大人気で、ファンタジー感あるれる、スタジオジブリが、賛否両論受ける覚悟を決めて、今この時に世に送り出した作品、というところになにかしら尊厳を感じています。同様に夢や希望を与えている作品だとは思いますが、それも観る人次第、夢や希望は自らの意思、ということも痛感させられます。

「生きねば。」この映画のキャッチコピーです。決して、「生きてりゃなんとかなるさ」とは言っていない。なぜ生きねば? どんな未来に対して生きねば? そんなお題を突きつけられたような気がします。あまり触れないといいながら、所感が入りすぎました。それだけ、大人な映画である、と思います。

「あなたの人生や夢に、力を尽くしているか?」そう投げかけられたような気が個人的にはしています。未来へのエネルギーをたくさんもらった映画でした。

 

風立ちぬポスター

 

Blog. スタジオジブリ 宮崎駿監督 映画「風立ちぬ」 鑑賞

風立ちぬポスター

Posted on 2013/7/20

2013年7月20日公開 スタジオジブリ作品 映画「風立ちぬ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲 主題歌:荒井由実

「崖の上のポニョ」から5年、宮崎駿監督の最新作を公開日の少し前に試写会にて鑑賞してきました。大人な映画でした。個人的にはとても印象に残る好きな映画でした。

ここでは音楽のことを。予告編で少しだけ聴いていましたけど、やっぱりいいですね。本作ではジブリらしいところもあり、いつものジブリ音楽とは違うような、そんな印象を受けました。

壮大なフルオーケストラというよりは、小編成なオーケストラ。それぞれの楽器の持ち味を丁寧に生かした、シンプルなアレンジ。ギター、ピアノ、管楽器、ストリングスが品格のある音楽をつくりだしています。

映画「風立ちぬ」の音楽は、『旅』がテーマになっているようです。旅をテーマとした二郎のメインテーマとそのモチーフたち、菜穂子をテーマとしたもうひとつの主要テーマとそのモチーフたち、この2つが軸となっています。

その他、上品なバロック音楽・室内楽のようなクカシカルな楽曲、ミニマルミュージクの要素もシンプルに取り入れられています。ある意味、久石譲の新しい挑戦であり、傑作・名曲じゃないかな、と何回もサウンドトラックCDを聴きながら楽しんでいます。

宮崎駿監督が5年ぶりの新作ということは、同じように久石譲のジブリ音楽も5年ぶり。待ちに待った甲斐がありました!気が早いですが、早くコンサートで、どんな編成であっても聴いてみたいです、風立ちぬ組曲を。もちろんサントラCDは予約購入しましたが、先着特典CDも付いていたのでうれしさ倍増です。

 

作品詳細はこちら ⇒ Disc. 久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』

 

風立ちぬポスター