Disc. トロンボーン・クァルテット・ジパング 『EXPO in ZIPANG』

2010年10月27日 CD発売 OVCC-79

 

ジブリ映画の久石譲、吹奏楽の巨匠スパークの両氏による書き下ろし作品を含む ジパング的トロンボーン・クァルテット万国博覧会!!

日本を代表する管楽器アンサンブル、トロンボーン・クァルテット・ジパングの最新アルバムの登場です。今回の注目はなんといっても、日本を代表する作曲家で、ジブリ映画の音楽を担当し、今年はSMAPに楽曲提供し話題となった久石譲が、ジパングのために楽曲を提供しました! 久石らしい美しいメロディとミニマム・ミュージックが融合した大作となりました。このレパートリーの定番となってゆくでしょう。

また、吹奏楽界の巨匠、フィリップ・スパークの書き下ろしも収録。今回はミディアム・テンポの重厚でスパークらしい心地よいハーモニーを堪能できる作品となりました。

その日本とイギリスの作曲家の新作を中心に、フランスのバセット、ポーランドのセロツキ、イタリアのガブリエリ、ドイツのライヒェ、オーストリアのアルブレヒツベルガーと世界のトロンボーン四重奏の作品を集めました。世界各国を代表する楽曲を、トロンボーン・クァルテット・ジパングが見事に奏でます。まさにジパングによる世界万国博覧会!!

トロンボーン・クァルテットによる世界平和のハーモニーが高らかに響きます!

(メーカーインフォメーションより)

 

 

 

久石譲(1950-)
トロンボーンカルテットのための『4つのバガテル』
1:アレグロ・マルチャ・コン・アニマ
2:アレグロ・ヴィヴァーチェ
3:レント
4:アレグロ・コン・ブリオ

「4つのバガテル」は自分にとって、とても大切な作品になりましたが、4つの同じ楽器、それも低い低音のトロンボーンをどう聴かせるのか、実は作品に取り掛かるまでは不安でした。

しかし、ZIPANGのメンバーの方々の、僕の作品の出来上がりをじっくり待ってくださる姿勢と(笑)、彼らの心暖まるサウンドを聴きながら、自分なりに出来るものを作ろうと思ったのです。「バガテル」とは、作曲家がスケッチのように思いつくままに書いたり、手すさびとして書かれたもののことをいいます。そのタイトルのように、僕も、心に浮かぶ風景をできるだけそのまま音にしています。もちろん作曲家として構成など、随所に工夫を凝らしています。

彼らの音を聴くのを一番楽しみに待っているのは、きっと僕です。 (久石譲)

(CDライナーノーツより 久石譲メッセージ)

 

 

宮﨑駿監督によるアニメーション映画をはじめとする一連のフィルム・スコアで数々の受賞歴を誇り、広範な層にファンを獲得している作曲家…などと久石譲を改めて紹介するまでもあるまい。ミュージシャンへの楽曲提供やプロデュース活動のキャリアは国立音楽大学在学中に始まり、彼自身のグループによる演奏活動も恒常的に展開してきた。そのスタートラインといえるのが1970年代に一大潮流をなした”ミニマル・ミュージック”の分析と研究であり、1981年に発表されたファースト・アルバムのコンセプトにも集約的に示されている。当アルバムのために書き下ろされた「4つのバガテル」における反復音形や声部進行の書式には、”ミニマル”の語法を独自の感性を昇華してみせた作曲家の筆の冴えが感じられよう。

久石は2004年から、新日本フィルハーモニー交響楽団が新たにスタートさせた「新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ」(W.D.O.)の音楽監督の地位にあり、指揮者およびピアニストとして公演を率いてきた。それが契機となってジパングのメンバー(バス・トロンボーンの門脇賀智志が新日本フィル団員)との交流も始まり、この委嘱新作に結びつくこととなったわけである。  (こはた・いっせい)

(CDライナーノーツより 解説)

 

 

 

EXPO in ZIPANG

ノレ:
1. カトル・ア・カトル: 1 Fox-trot
2. カトル・ア・カトル: 2 Ballade
3. カトル・ア・カトル: 3 Blues
4. カトル・ア・カトル: 4 Vif
セロツキ:
5. 組曲 : 1 Intrada
6. 組曲 : 2 Kanon
7. 組曲 : 3 Interludium
8. 組曲 : 4 Choral
9. 組曲 : 5 Intermezzo
10. 組曲 : 6 Arietta
11. 組曲 : 7 Toccatina
バセット:
12. トロンボーン四重奏曲
スパーク:
13. リフレクション
ガブリエリ / ブラウン編
14. ソナタ
ライヒェ:
15. ソナチネ 第3番
アルブレヒツベルガー
16. ドッペルフーガ
久石譲:
17. トロンボーンカルテットのための「4つのバガテル」 1 Alla marcia con anima
18. トロンボーンカルテットのための「4つのバガテル」 2 Allegro vivace
19. トロンボーンカルテットのための「4つのバガテル」 3 Lento
20. トロンボーンカルテットのための「4つのバガテル」 4 Allegro con brio

演奏:トロンボーン・クァルテット・ジパング
メンバー:
吉川 武典(Takenori Yoshikawa)
桑田 晃(Akira Kuwata)
岸良 開城(Haruki Kishira)
門脇 賀智志(Kachishi Kadowaki)

収録:2010年6月7-9日 茨城・小美玉市四季文化館みのーれにて収録

 

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