Info. 2018/10/11 「ミュージック・フューチャー Vol.5」久石譲 インタビュー動画公開

「Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE VOL.5」より
第2弾、久石譲のインタビュー動画を久石譲YouTube公式チャンネルにアップいたしました。

久石譲のインタビューはこちら>>>
https://youtu.be/MJb4qlhcxaI

(久石譲オフィシャルサイト より)

 

Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE Vol.5 – Joe Hisaishi Interview 約14分

“Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE VOL.5”
Interview with Joe Hisaishi.

◆久石譲「Music Future Vol.5」インタビュー
「MUSIC FUTURE Vol.5」への想い、自身の新作について、ミニマル・ミュージックの本拠地であるニューヨーク公演への意気込みなど、久石譲のインタビューをお届けします。

■Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE in NY
November 11, 2018 19:30 at Carnegie, Zankel Hall, New York

■Joe Hisaishi presents MUSIC FUTURE Vol.5
November 21-22, 2018 18:30 at Yomiuri Otemachi Hall, Tokyo

出典:久石譲公式YouTubeチャンネルより

 

 

Music Futureについて

僕はミニマル・ミュージックというパターン化した音楽ですね繰り返す音楽、をベースに作曲を今やってるんですが、それの”現代の音楽”というのがなかなか日本では演奏される機会がすごく少ない。一番最先端の音楽を演奏する場所、それを日本でつくろうと。

演奏する曲を選ぶ基準

日本の作曲界というのは基本的にヨーロッパの伝統的な流れの現代音楽をやってきたわけです。ですから、シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン、特にウェーベルン以降の点描主義といいますかね、そういうスタイルの、セリーというある種十二の音を組み替えたところ、それから現代に来る流れ、リゲティとかクセナキスとか、そういう流れをくんだ音楽は比較的に演奏されるんですね。ところがミニマル系の音楽というのはアメリカで生まれて、なかなかこういう音楽というのはある時期演奏されたんですが、最近はほとんど演奏されなくなった。現実ミニマル・ミュージックというのは純粋にやっていたのは初期のフィリップ・グラスさんとかスティーヴ・ライヒさんとか、そういう4人ぐらいなので、それ以降の人はみんなその手法をベースに新たな音楽を書いてきている。それがなかなかやられない。なので、自分も今そのスタイルをとっているから、そういう音楽を中心に紹介しようと、そういうふうに思っています。

「Music Future」が支持されている理由

知的な好奇心、それを満足させるコンサートっていうのは比較的少ないんですね。難しすぎて頭抱えて出ていっちゃうようなものが多くなってしまう。ところが、ミニマル・ミュージックをベースにしたものには、基本的にはある種ハーモニーもありリズムもあり、そういう意味では実はお客さんとの垣根は少ないと言いますか、とっつきやすい部分があると思うんですね。僕のいつも思っていることなんですが、音楽には良い音楽と悪い音楽、おもしろいのとおもしろくないのと、これしかないと。そういう意味でいうと、最先端であろうときちんとしたいい音楽で、なにかきちんとした内容があるものを届ければきっと通じるんじゃないかと。そういう想いで選んできてて、そのところで今お客さんがついてきてくれてると思います。

デヴィット・ラングさんとのコラボレーションについて

非常に論理的で、しかもエモーショナルもあり、大変優れた作曲のレベルと言いますか、それがものすごく高くて、僕が今一番尊敬しているというか。彼のやってる音楽のスタイルが最先端だと僕は思っているので。彼から学んでいることもすごく多いですしね。なおかつ自分が今やってるスタイルというのは、あまりたくさん和音を多用しない、構造自体をできるだけシンプルにする。そういう方法をとってるんですが、そういう点でもすごく共通項があるというふうに思っています。今回ラングさんとやることで、一番今コンテンポラリーなものを出せるんじゃないか、そう思ってお願いしたわけです。「Increase」は一管編成、ちょうどMusic Futureと同じサイズの各楽器が1本ずつの17~18人編成の曲なんですね。それがFuture Orchestraのサイズと非常に合っていて。内容も大変きれいで、しかも後半エネルギッシュで。この曲をやりたいねってラングさんと相談したら、ぜひやってほしいということでこれを選んだわけですね。

コンサートで演奏するほかの楽曲について

2018年度の自分のスタイルを全面に出すことにして。1曲はフィリップ・グラスさんの「Two Pages」、これはもうほんとにミニマル・ミュージックのバイブルのような、ミニマル系のことに興味のある人は誰でも知ってる古典中の古典の作品なんですね。ずっと”ソドレミ、ソドレミファ、ソドレミファ”ってずっと繰り返しだんだん音が増えて減っていく曲なんです。自分が今やっているスタイルにとても近いので、自分のやり方でリコンポーズしました。この曲と全く同じスタイルをとっている「The Black Fireworks」、去年バンドネオンでMusic Futureで発表した曲、それを今度は完全にチェロに置き換えて、かなり直しまして改訂初演ということになりますかね「The Black Fireworks 2018」この2曲で臨みます。この2曲の特徴は、”single track music”という今自分がとっているスタイルで書いているんですね。”Single track”というのは鉄道でいう”単線”の意味。一本の線なんですね、完全に和音もなにもなく最初から最後まで基本的に単音のメロディで作られている。それはなぜかっていうと、ハーモニーっていうのはどうしてもエモーショナルになる。和音をくっつけていると音楽は豊かにするんだが論理的な構成はすごく弱くなるというか、今の段階の僕にはちょっと過剰に感じるんですね。それで外している。そういう意味で言うと、多面的な自分を見てもらうんではなくて、2018年度の自分を見てくれと、そういう感じの2曲の提出になります。

「The Black Fireworks」が生まれたきっかけ

去年、東日本大震災で被害をうけた家を失った子供たちの特別授業をやったんですよ。その時に、家を流されちゃった子供が詞を書いてみんなで曲をつくる。「夏の思い出」印象に残ったものを書いてくれって黒板に書き出したら、”黒い花火”って書いたのがあるんですね。これどういう意味?ってその子に聞いたんだけれども、その子が言ったのは「白い花火のあとに黒い花火が上がって火を消してるんです」って言うわけです。つまり彼は、花火が自然に上がって消えていくんではなくて、その後に黒い花火が上がってそれを消してるんだ、と言ってるわけです。あるいは精神的な問題かもしれません。なんかね、彼は確信的に黒い花火が上がってるって言うわけですね。その時に、僕にとっては生と死の境、それを見た気がしたんですね。彼の話のなかに非常にまだ中学生で若いのに、たぶん体験をしたときに、それは想像でしかないですけれども、生と死の境を見たんじゃないかとか。その時の印象が”黒い花火”という言葉に主要された。要するに”Black Fireworks”ですよね。その時その言葉を聞いてて、ずっとその言葉がひっかかって、新曲を書くっていう時に、なにかその人間が生きるっていうのと死後の世界、そこの境っていうのを表現したい。去年はバンドネオンでやったんですけれども、今年はそれをマヤ・バイザーさんというすごいチェリスト、大変世界的に人気があってソロコンサートも世界中で開催されています。多重録音したチェロ何台かのテープと本人、それから映像、これは当然クリエイターがいて作っている、というソロコンサートを中心にたくさんの活動をされてる人です。デヴィット・ラングさん達が始めたBang on a Canという老舗の”現代の音楽”を演奏するグループなんですが、そこの初期のメンバーでもあるんですね。ですから、現代のものもとても弾くのは上手な方だし。非常に独特の世界観持ってるんですね。チェロはやっぱりある種非常にダイナミックな楽器なんですね。そのダイナミックさが、去年のバンドネオンとは全く違う世界で、ある種別物になっていくようなそういう印象があるので、それをチェロでできるとほんとにいいなと思っています。

ミニマル・ミュージックについて

構成する、全体をする、単に繰り返しするだけだったら思いつきで誰でもできます。だが、それを5分、10分、30分の曲にするってなると、そこには徹底した論理的なシステムを導入しないと難しい。それをある意味では思想と言ってる。まあ考え方ですよね。それがないと単なるファッションになってしまう。ラングさんもそうですけどね、ミニマルやってる人ってやっぱりある種の決意がすごいあります。ほんとにやってる人はね。つまり誰でも使えそうな題材を扱いながら、それを一つの楽曲に仕上げていくわけですから。それは、不協和音だ特殊奏法だと羅列していくいわゆる普通の現代音楽よりは、よっぽど逆に様にならないんですよ。僕は、ヨーロッパから来て今多くの作曲家がやっている不協和音の、あるいは特殊奏法をいっぱい使ったやつ、これは”現代音楽(contemporary music)”と命名しています。ですが、ラングさんとか僕がやってるスタイル、こういうのを僕は今”現代の音楽(modern music)”って言っています。完全に分けて考えてて。Music Futureでは”現代の音楽”しかやらない。

Music Futureのニューヨーク公演に向けて

11月11日にカーネギーのザンケル・ホールでやるんですね。僕の現代の曲って海外でやったこと一度もないんですね。ですからそれだけでもドキドキするんですけど、実はその1週間前って、今ジブリのフィルムを使ったフィルム・コンサートを全世界でやっているんですが、それが11月2日・3日に同じくカーネギーの大ホールでやるんですよ。いわゆるエンターテインメントの方の大オーケストラのコンサートと、こういう現代の音楽のコンサートを一週間間隔で一挙にやるっていうことで。ニューヨークでそういうエンターテインメントのコンサートをやるのも初めてなんですね。だからね、とんでもなく大きいのをボンボンとやるんで、どうなるのかなあと思って、非常に緊張しています。ある種恒例化してくれると非常にうれしいですけどね。まあ今年がうまくいったらということですね。

(インタビュー動画 書き起こし)

 

 

 

 

◆久石譲プレゼンツ ミュージック・フューチャー Vol.5

ついにニューヨークに進出!
“初来日”デヴィット・ラングと久石譲による夢の競演!

濃密な空間で体感する“現代の音楽”
ミニマル、ポストクラシカルなど最先端の“現代の音楽”を久石譲がセレクトするシリーズ
5回目となる今年はニューヨーク公演が実現する
デヴィット・ラングとの競演で書き下ろし曲も披露するスペシャルプログラム

 

<出演>  
久石譲
デヴィット・ラング ほか
※当日トークセッションあり

<プログラム>
デヴィット・ラング:increase
デヴィット・ラング:Prayers for Night and Sleep(世界初演)
フィリップ・グラス / Recomposed by 久石 譲:Two Pages
久石譲:The Black Fireworks 2018 (改訂初演)

※曲目は変更になる可能性がありますのでご了承ください。

 

<ニューヨーク公演>
11月11日(日)ニューヨーク・カーネギーホール(ザンケルホール)
※ニューヨーク公演のチケット発売情報は後日発表します。

<東京公演日程>
11月21日(水)18:30 東京・よみうり大手町ホール
11月22日(木)18:30 東京・よみうり大手町ホール
※両日とも18:30-19:00までの間に「Young Composer’s Competition」の受賞作の講評と演奏を予定

公演詳細・チケット情報はコンサート公式サイトをご覧ください。

コンサート公式サイト
https://joehisaishi-concert.com/

 

全席指定:7,000円(税込)
※未就学児入場不可

お問い合わせ:【サンライズプロモーション東京】0570-00-3337(平日:10時~18時)

企画:ワンダーシティ
主催:日本テレビ / 読売新聞社 / イープラス / ローソンチケット / 第一通信社
制作:プロマックス

 

 

 

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