Overtone.第67回 「トップガン:マーヴェリック オリジナル・サウンドトラック」を聴く

Posted on 2022/06/04

ふらいすとーんです。

臨時号もとい勢いメモのようなものです。

大ヒット映画『トップガン』(1986年)の続編が36年の時を経て。世代を越えて知らない人はいない映画、あるいは知らない人のいない俳優トム・クルーズです。リアルタイム・ジェネレーションに関係なくおさえておきたいお祭りのような新作映画です。

スタジオジブリ作品でいうと『天空の城ラピュタ』の続編がなんとここにきて…みたいな。そんなことはないんですけれど。でも公開年は1986年と同じです。

 

僕はただただ観たくて楽しみにしていた映画です。前作の記憶もトリビアもほとんど持っていません。よくテレビでも放送されてたなくらい。そうジブリ映画のように。なので最新作も復習することなく未知の新しい映画を見る心持ちで手ぶらで映画館に行きました。そこには、音楽を大音量で浴びたかった、これはあります。

映画のストーリーに触れることなく音楽の話を進めたいと思います。きっかけは、たまたまサントラレビュー見てたら評価が低かったからです。ちょっとショック。それだけです。もっとインスト曲にも愛着をもってもらえたらいいなと願いを込めて。

 

 

まとめから言います。この映画音楽は3つの主要曲で出来上がっています。メインテーマ「Top Gun Anthem」、前作挿入歌「Danger Zone」、本作主題歌「Hold My Hand」です。歌もの2曲もインストゥルメンタルとしてスコアになっています。

たまたまチラ見したレビューは、ちょっと辛口でした。残念、期待ハズレ……。その理由を拡大すると歌曲とインスト曲のバランスのような印象を受けました。たしかに本盤全12曲は歌4・インスト8です。前作はというと、調べてみると日本盤全10曲は歌9・インスト1、海外盤全15曲は歌13・インスト2でした。

ジェネレーションギャップを乗り越えましょう。1980~1990年代はサウントドトラック全盛期でもありました。それは、ポップスを詰め込んだヒット狙いのコンピレーションです。人気アーティストの曲を集めたオムニバスです。

ポジションギャップを乗り越えましょう。本盤はスコアです。インストゥルメンタルによる正統なオリジナル・サウンドトラックへとウェイト占めています。だから、なにを期待するかで物足りなく思ってしまうのもすごくわかります。だから、インスト曲にも少しでも愛着をもってほしいという気持ちでいっぱいです。

 

 

トップガン マーヴェリック オリジナル・サウンドトラック
TOP GUN: MAVERICK

ハロルド・フォルターメイヤー & レディー・ガガ & ハンス・ジマー & ロアン・バルフェ

1.Main Titles (You’ve Been Called Back to Top Gun)
2.Danger Zone Kenny Loggins
3.Darkstar
4.Great Balls Of Fire (Live) Miles Teller
5.You’re Where You Belong / Give ‘Em Hell
6.I Ain’t Worried OneRepublic
7.Dagger One Is Hit / Time To Let Go
8.Tally Two / What’s The Plan / F-14
9.The Man, The Legend / Touchdown
10.Penny Returns (Interlude)
11.Hold My Hand Lady Gaga
12.Top Gun Anthem

日本盤CDボーナストラック
13.キャニオン・ドッグファイト Canyon Dogfight

 

(インスト曲を太字にしました)

 

 

[A] Top Gun Anthem

3つの主要曲で出来上がっているサントラです。そのひとつは、もちろん前作から引き継がれた永遠の曲です。メインテーマです。

 

Harold Faltermeyer, Lady Gaga, Hans Zimmer, & Lorne Balfe – Main Titles

from Interscope Records (Official Audio)

 

「1.Main Titles (You’ve Been Called Back to Top Gun)」「3.Darkstar」「7.Dagger One Is Hit / Time To Let Go」「8.Tally Two / What’s The Plan / F-14」「9.The Man, The Legend / Touchdown」「12.Top Gun Anthem」で使われています。

「1.Main Titles」は、まるで前作からカムバックした興奮と熱気冷めやらぬアンセム。この新しいリズムパターンは個人的に好みなのでさらにツボです。それ以外のところは1986年の「Top Gun Anthem」を純粋に継承しているようでした。エレキギターパートは大きくカットされています。あとはアレンジも変わっていないしキーも同じハ長調C(これは12.Top Gun Anthemで変化!の伏線です。あとで回収します。)になっています。

 

Harold Faltermeyer, Lady Gaga, Hans Zimmer, & Lorne Balfe – Darkstar

from Interscope Records (Official Audio)

「3.Darkstar」は、メロディこそハッキリ登場しませんが伴奏のコードワークはメインテーマのそれです。だから鳴っていなくても頭のなかではメインテーマ歌えます(01:10-01:25)。それからメインテーマの断片のようなものがたびたび登場しています(01:00-,01:25-,02:15-)。こじつけじゃないか!?そんなことはないですよ。「1.Main Title」(02:10-)で最後にちゃんと登場しているモチーフです。まるでこの物語のはじまりに、これからどんどん登場してくるモチーフだと暗示しているかのように。

 

「7.Dagger One Is Hit / Time To Let Go」は、曲名からわかるとおり2つの曲から構成されています。後半のほうに聴くことができます。ホルンの短調な旋律に変化しています(04:20-)。メインテーマのバリエーションと聴きました。

「8.Tally Two / What’s The Plan / F-14」は、3つの曲から構成されています。その中盤のほうに「3.Darkstar」と同じでメインテーマからのモチーフ(01:45-,02:05-)を聴くことができます。

「9.The Man, The Legend / Touchdown」は、2の曲から構成されています。前半のほうに思いっきりメインテーマ聴くことができます。

「12.Top Gun Anthem」は、メインテーマです。でも「1.Main Title」とはたしかに違う。これは一番最後にとっておきましょう。

 

もしTop Gun Anthemが好きなら。こんなにも映画全体を包むように押さえどころで登場している。もっとサントラ盤に愛着わいたならうれしいです。

 

 

[B] Danger Zone

3つの主要曲のひとつです。前作でも印象深い挿入歌は、本作でもそのまま使われています。

 

Kenny Loggins – Danger Zone (Official Video)

from Kenny Loggins Official

 

「2.Danger Zone」です。この歌は本作で巧妙にスコアになっています。3つの主要曲から料理しているなかで一番の魅せどころといってもいいほどです。職人技が光っています。

「3.Darkstar」「5.You’re Where You Belong / Give ‘Em Hell」「7.Dagger One Is Hit / Time To Let Go」「8.Tally Two / What’s The Plan / F-14」で使われています。

 

「3.Darkstar」は、[A]Top Gun Anthemのところでも紹介しています。「2.Danger Zone」の歌詞”Haiway to the Danger zone”と歌っている箇所は「ソ・ファ・ミ・ド・レ」です。そのモチーフを聴くことができます(00:30-)。低音ストリングスで何回も出てきます。ときに速いフレーズにもなって(00:50-,01:05-)。以降もこの8分音符と16分音符を入れ替えながら、まるで空中で機体たちが交錯するようにスリリングさと疾走感ましましです。

 

Harold Faltermeyer, Lady Gaga, Hans Zimmer, & Lorne Balfe – You’re Where You Belong / Give ‘Em Hell

from Interscope Records (Official Audio)

「5.You’re Where You Belong / Give ‘Em Hell」は、2つの曲から構成されています。後半のほうに聴くことができます。ここなんかわかりやすいですね(02:50-,03:05-,03:20-)。同じ曲想になっているので先に解説した「3.Darkstar」のモチーフが説得力をもってくると思います。モチーフの歌う長さを効果的に伸縮させて。そしてホルンで力強く歌われます(04:55-)。ハーモニーを変えること(Dm-B♭, F-C)でくり返しでも高揚感がどんどんアップします。

 

Harold Faltermeyer, Lady Gaga, Hans Zimmer, & Lorne Balfe – Dagger One Is Hit / Time To Let Go

from Interscope Records (Official Audio)

「7.Dagger One Is Hit / Time To Let Go」は、[A]Top Gun Anthemのところでも紹介しています。前半のほうで聴くことができます。…ここは少し飛躍して僕は聴くことができると思っています…。Danger Zoneモチーフのバリエーションとして(01:00-)。反転したというか逆方向へ流れているように。「ソ・ファ・ミ・ド・レ」と高い音から低い音へ降りてくるモチーフが、「ド・レ・ミ・ファ・ソ」と低い音から高い音へ昇っています。先の「3.」「5.」と同じ曲想なこと、さらに「5.」のホルンで力強く歌われる箇所と同じハーモニーの変化をしていること。たっぷりと繰り返されるので(-02:20)聴いてみてください。ここを現実と過去とのオーバーラップ、過去へのフラッシュバック、そんな時間軸の逆流とみるのもおもしろいです。

 

Harold Faltermeyer, Lady Gaga, Hans Zimmer, & Lorne Balfe – Tally Two / What’s The Plan / F-14

from Interscope Records (Official Audio)

「8.Tally Two / What’s The Plan / F-14」は3つの曲で構成されています。ハーモニーの変化(01:20-)、Danger Zoneモチーフ(01:35-)、その間を縫うように[A]Top Gun Anthemモチーフも登場(01:40-)とそんな感じで進んでいきます。ベースの踏み上がり(02:25-)は、「5.」(03:35-,05:25-)でも先に出てきていました。そしてホルンとストリングスで力強く歌われます(02:35-)。

こんな聴きかたもしました。緊張感に拍車をかける低音ストリングスもDanger Zoneモチーフのバリエーション(03:20-)じゃないのか。「レラ、ソラ、レファ、ミド」のくり返しです。「レラ、レファ、ミ」と太字の音符に注目すると「ラ・ソ・ファ・ド・レ」のDanger Zoneモチーフから散りばめられたものだと思えてきます。終結部あたりは聴こえやすいかもしれません(04:00-)。

 

もしDanger Zoneが好きなら。インスト曲たちがあの名曲をもとにして作られてる。もっとサントラ盤に愛着わいたならうれしいです。

 

 

[C] Hold My Hand

3つの主要曲のひとつです。本作主題歌として新たに書き下ろされた新曲です。

 

Lady Gaga – Hold My Hand (From “Top Gun: Maverick”) [Official Music Video]

from Lady Gaga Official YouTube

「5.You’re Where You Belong / Give ‘Em Hell」(前半)、「9.The Man, The Legend / Touchdown」(後半)、「10.Penny Returns (Interlude)」で使われています。聴けばそれと教えてくれるインストゥルメンタル・アレンジです。

映画のなかでたびたびメロディが登場し、「11.Hold My Hand」レディー・ガガによる歌が流れます。どのシーンに使われていたか、どの登場人物のときによく聴くことできたか。注目ポイントです。

 

もしHold My Handが好きなら。新作はこの曲なしじゃ語れない。もっとサントラ盤に愛着わいたならうれしいです。

 

 

[A] Top Gun Anthem + [B] Danger Zone + [C] Hold My Hand = New “Top Gun Anthem”

3つの主要曲から出来上がっているサントラと紹介してきました。だったら「12.Top Gun Anthem」は[A]に出てきています。違うんです。一味違うです。最後です!ロックオン!回収していきましょう!

 

Harold Faltermeyer, Lady Gaga, Hans Zimmer, & Lorne Balfe – Top Gun Anthem

from Interscope Records (Official Audio)

 

まず、聴いて思うのは「1.Main Title」の別アレンジね。っていうかほとんど一緒だけど…ということになります。そんなことはありません!よくよく聴いていくと、この曲は本作のためだけの曲にちゃんとなっています。

キーが違います。「1.Main Title」はハ長調Cでしたが「12.Top Gun Anthem」はニ長調Dです。たまたまかもしれません。でもそこにあえて意味づけをしてみましょう。カラオケでいうと原キー+2です。前作から旋回して物語をとおして上昇して。デンジャーゾーン(任務,人間関係,など)を克服してクリアして。そうです、そんなスケールアップ、ステップアップ、レベルアップを象徴したキーの垂直飛行と受けとることもできます。そして強く光が射しこめる。

 

[B] Danger Zone で解説したモチーフもストリングスで登場しだします(01:00-)。レの同音連打に続いて繰り出される16分音符のモチーフ。マッハの目盛りの刻みと速さを体感できるようです。ゾクゾク!間奏を挟んで2コーラス目にはよりハッキリと浮かび上がってきます。ゾクゾク!

 

[C] Hold My Hand は一見どこにもないように思います。でもどこかに隠れているような気もします。2コーラス目!レディー・ガガの歌のサビを重ねて鼻歌できませんか(01:30-01:40)。何言ってんだ?妄想??

「11.Hold My Hand」はト長調Gで歌われています。そのサビの部分のコード進行はG-D-Em-Cです。これを「12.Top Gun Anthem」のニ長調Dのキーに置き換えるとD-A-Bm-Gです。そして鼻歌してみてほしかった箇所のコード進行はD-A/E-Bm-Gです。同じコードの動きをしてるから重ねることができるんです。どうしてこんなに強く言うか、「1.Main Title」もふくめてトップガン・アンセムでこのコード進行が現れるのは唯一この曲だけだからです。もちろん1986年前作にもない。

小難しいことはさておき、鼻歌で歌えたなら、頭のなかでメロディ重ねることできたなら、たぶん回答としてはOKなんじゃないかと思っています。曲が進むにつれてコード進行は少し変化しているので、ずっとあわせてガガのサビは歌えません。

 

2022年公開されたこの新作トップガンは、「12.Top Gun Anthem」によってニュー・トップガン・アンセムとして結晶化しているんだ!という強い気持ちを押し通します。祝福のアンセム。

 

 

3つの主要曲 早見表

[A] Top Gun Anthem
Track-1,3,7,8,9,12
[B] Danger Zone
Track- (2:song),3,5,7,8,12
[C] Hold My Hand
Track-5,9,10,(11:song),12

 

見てびっくりです。こんなことになってたんだ。3つの主要曲からのメロディやモチーフが縦横無尽に各曲飛び交っています。だから、この曲が好き!とあったら、それにつながるほかのトラックもぜひ聴いてみてほしいです。そんなところでそんな鳴り方してたんだね、と出会いが待っています。

 

ダメ押しです。

本盤は、ボーカル曲(2,4,6,11:うち2,11は主要曲/うち4,6は本作スポット曲)はそのアーティスト名がクレジットされています。あとの全てのインスト曲は、アーティスト名が【ハロルド・フォルターメイヤー & レディー・ガガ & ハンス・ジマー & ロアン・バルフェ】とクレジットされています。

最初これ見たとき、え手抜き?と思ったんですけど、そうじゃないですね。ハロルド・フォルターメイヤーは「Top Gun Anthem」作曲者、レディー・ガガは本作主題歌「Hold My Hand」作曲者、そしてそれらの楽曲も素材として巧妙にスコアを作り上げているハンス・ジマーとロアン・バルフェの作曲家。すべてのインスト曲は3つの主要曲から各々の素材を選び抜いて料理しているから、アーティスト名は連名になっている。本当は曲ごとに中心になって制作している人いるのに。お互いへのリスペクトも表しているように感じます。もちろんそこには、主要曲の持ち主(作曲者)がはっきりしているからうやむや感なくできること、どのアングルから捉えてもトップ・クオリティなプロたちです。

 

 

おまけ

ハリウッド映画はサントラデータベースも盛んです。サウンドトラックには収録されていない、映画使用曲(エンドロールにクレジットされている)もすぐに情報コンプリートされます。『トップガン: マーヴェリック』のあのシーンのあの曲が知りたい、そんな生粋ファンの人はお目当ての曲を見つけられるかもしれません。

参考:Top Gun: Maverick Soundtrack Music – Complete Song List | Tunefind
https://www.tunefind.com/movie/top-gun-maverick-2022

 

サントラ日本盤CDボーナストラック「Canyon Dogfight」もあります。この曲は、クライマックスの空中線で使われた曲でマストトラックです。共通収録されていないのがなんとも惜しい。これを持っていれば、つづけて「9.The Man, The Legend / Touchdown」へと物語も音楽も最高のクライマックスなんだけどな。映画大ヒットでサントラ完全盤とか発売されたりして…そのときにはきっと入るでしょう。そのくらい必須な曲です。

 

 

オーケストラセクション レコーディング風景 (2022.06.29 追加)

オーケストラとシンセサイザーに分解したらこんなふうになってるんだ。新鮮です感動です。ロアン・バルフェはクレジット作曲家のひとりです。

 

Top Gun: Maverick | Top Gun Anthem (約2分)

 

Top Gun: Maverick | Darkstar (約3分)

from Lorne Balfe Official YouTube

 

 

映画の感想

映画館で見たい映画です。迫ってくる映像、体に響いてくる轟音、それはもうアトラクションのような体感ができます。前作を見ていなくても存分に楽しめます。もちろん見たほうがもっと楽しめます。でも、おいてけぼりにはしない丁寧なストーリーづくりです。本作を見る前見た後どちらでも。そうしてまた見たくなってくる旋回です。

 

 

 

編集後記 ~サントラの聴きかた~

まずはじめに。書いてきたことはすべて正解ではありません。僕はそう聴いた、そう聴こえた、それだけです。なんだそれ!総ツッコミ入りそう。僕なりに聴いたその理由を整理してみます。

1.仮説
このサントラは3つの主要曲から出来上がっていると最初に書きました。この仮説を前提条件にしているので、各曲に登場するメロディやハーモニーからちょっとしたフレーズまで、すべて3つの主要曲に紐づけられるのでは、という仮説で進めています。

2.必然性
作品を越えたところで、このメロディなにかに似てるよね、であればスルーします。でも、同じ作品のなかに似ているもの近しいものが登場した場合、それは見逃せなくなります。偶然性よりも必然性を論じなければならない、なんてね。曲想の共通性、どのシーンで使われているか、登場人物の共通性などなど、なんらかの方程式があるはずと考えます。なんとなくじゃなくて、使われる曲と使われる場面はしっかり音楽設計されている。その謎解きこそがサントラでしか味わえない楽しみ方です。

3.反復
一度じゃない、複数にわたって登場したとき、そのメロディやモチーフは意味をもってきます。同じことを2回3回と反復することで意味が生まれます。登場人物でもそうですね。一度登場するくらいならエキストラかもしれないし、そのシーンのスポット投入やアクセントだったりで、因果関係も生まれない。でも2回以上登場すれば、なにかしら必要な役割を与えられていることになります。だから、音楽的に一曲のなかで反復しているもの、あるいは曲をまたいで反復登場しているものって注目しなきゃとなります。

4.目と耳
人は同じものを見ていても同じようには見えていないとよく言いますね。耳もそうだと思います。同じものを聴いていてもきっと同じようには聴こえていない。だからおもしろい。お互いの聴こえかたを知りたいならすり合わせたいなら、自分はこう聴こえてると伝えられないと始まらない。そのコミュニケーションが実るとおもしろいですね。

一方では、人は自分の見たいように見るものなのかもしれません。耳もそうだと思います。自分の聴こえたいように聴いてしまう。もし、つまらないって思って聴けばそれはつまらなくしか聴こえないだろうし、ありきたり…どれも似てる…そう思って聴けばそうとしか聴こえないかもしれません。あるいは、独りよがりに突っ込みすぎて、なかなか周りから共感を得にくい個性的な聴きかたをしているってこともあるかもしれません。

 

おわりに。書いてきたことはすべて正解ではありません。僕はこう聴いた。そしてとても充実して楽しめるサウンドトラックでした。少しでも共感してもらえることがあったならうれしいです。もっとサントラに愛着わいてきて、今までとは聴こえかたが変わったり、新しい聴こえかたがしてきたのならとてもうれしいです。

 

 

 

一枚の絵も写真もどこを見てるか。トム・クルーズにしか目がいかない。機体マニア。はたまた色味、アングル、構図など。曲もそうです。メロディに耳がもっていかれる。音色マニア。はたまたリズム、曲順、構成など。聴く人によってフォーカスポイントが違うからおもしろい。それをわかち合いたいから話す。するともっとおもしろくなる。

いやあ、雰囲気?感覚?で見てるかな、直感?で好きな曲かな……。うん、その感覚が一番大切ですね。自分の目を、自分の耳を信じましょう!

 

それではまた。

 

reverb.
また映画館にリピりたい映画です!反復して鑑賞するということは僕のなかでなにか価値が生まれている映画なのかもしれません(^^)

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

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“Overtone.第67回 「トップガン:マーヴェリック オリジナル・サウンドトラック」を聴く” への2件の返信

  1. 初めてコメントさせていただきます。

    ワタクシは吹替、字幕、合わせて現在4回観ています。
    貴方様の考察、とても興味深く読ませていただきました。

    私もHarold Faltermeyerの曲をHans Zimmerが再構築したんだろうなぁと思っていました。
    “The Rock”のサントラに近いものが感じられますね。

    サントラに収録されていないロックやオールディーズナンバーも集めてプレイリストを作ると、なお豪華になります。
    中でも私は”Taps”という、あるシーンで演奏される曲が気にならないのも当たり前なんですが、これに近い(演奏者が違う)ソロの音源をiTunesで購入して、ちょうど真ん中くらいに橋渡し的に入れてみたら、すごく良くなりました。

    前半は歌もの、後半はスコア中心です。

    いろいろ聴き比べて、”Taps(1862)”という曲を購入しました。

    短い曲ですが、買うと外せない存在感があります。

    1. コメントありがとうございます。とてもお詳しいですね。充実したプレイリストで楽しそうです。”前半は歌もの、後半はスコア中心”、なるほどそうやって見えてくるものもあるんですね。楽しみかたが伝わってきます。ありがとうございます♪

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