Overtone.第85回 モチーフ「Honor of Kings」

Posted on 2022/11/27

ふらいすとーんです。

Overtone モチーフです。

きれいに考えをまとめること、きれいに書き上げることをゴールとしていない、メモのような雑文です。お題=モチーフとして出発点です。これから先モチーフが展開したり充実した響きとなって開けてくる日がくるといいのですが。

 

モチーフ「Honor of Kings」

2022年6月久石譲が新曲を提供したゲーム「王者栄耀 / Honor of Kings」です。主人公をテーマにした曲「The Road to Glory」を書き下ろしています。ニュース・インタビュー・楽曲・Music Videoなどについてはインフォメーションしています。

 

 

久石さんの話じゃないんです、ごめんなさい。この時に別のテーマ曲も発表されました。ほかの作曲家による書き下ろし曲です。同じタイミングでキャッチすることになったので一緒によく聴いていました。とても好きなテイストでぐっとくる、すっと入ってくる。なかなか紹介できる音源がなかったんですけどこれならいいかな。レコーディング風景MVみたいになっています。

「星垂平野」
「桑木為引」
「满山风起」
作曲・編曲:古川毅

Sang Qi – Theme Music 桑启 主题音乐 桑木为引/星垂平野 | 王者荣耀 Honor of Kings Original Game Soundtrack (約7分半)

from TiMi Audio Lab YouTube

 

3曲はひとつのモチーフからのバージョン違いです。うち2曲が紹介されています。1曲目「桑木為引」イントロから「タララ、ラーラー」のくり返しです。ずっと、ずっと、ずっと。静かに入ってくるコーラスパート(00:30-)も、膨らんでくるストリングスパートも(00:50-)。素材の一品盛りというかこれしか使ってない。どうしてなぜか惹き込まれる。

2小節たらずのモチーフは、言ったイントロも00:30-も00:50-も小節の頭から鳴っています。1拍目にメロディが始まる。それがどっこい間奏を挟んだ01:40-から位置がずれています。「タララ」が前の小節に引っかかって助走して「ラーラー」からが小節の頭になっています。この効果は絶大ですね。メロディの音符も「タララ」と駆け上がってきて「ラーラー」が一番高い音だから、山を描くように1拍目にピークを迎えて。(言葉にするとわかりにくいことも聴いたらわかりやすいと思います)…ホルンの高鳴るオブリガードもきれいです。

 

さて進んで。

2曲目「星垂平野」も同じモチーフからできています(03:40-)。メロディのずれについては1曲目と同じような展開をしていきます。調性も違うけど、1曲目とはコードワークが違うので、メロディに添えられているハーモニーががらっと変わっています。平たく言うと、1曲目のほうが強い2曲目のほうが優しい雰囲気に聴こえます。クロテイル(アンティークシンバル)も映っていましたね(04:50前後)。久石譲『THE EAST LAND SYMPHONY』2.Airにも登場するキラキラした音です。

メロディの位置がずれるだけで、それを支えるハーモニーの変化も誘導する。和声がずれることで雰囲気も変化する。曲想からの第一印象はとてもアジアな雰囲気かなと思います。選びぬかれた素材を使って料理するやり方はハリウッド音楽もそうです。ひとつのテーマ、ひとつのモチーフで、フルコース作ってみせる。この曲も聴けば聴くほどハリウッドサウンドというか、アジアを越えてファンタジーな広がりをもっています。とても職人技の光る一曲です。

 

 

さて変わって。

紐解いてみると、このゲーム音楽すごい布陣です。ハンス・ジマー&ロアン・バルフェが数曲参加していたり。そう『トップガン マーヴェリック』のコンビです。あとは映画音楽常連のハワード・ショアとか。すごいパワーです。すごいマネーです。こちらは日本でもデジタルリリースされていてサブスクもあります。

 

Honor of Kings Collector’s Edition (2020)

 

 

さて変わって。

2022年10月最新はアレクサンドル・デスプラさんです。久石譲とも親交のある作曲家です。映画『ハリー・ポッターと死の秘宝』の音楽担当もしています。そこで麻衣さんも歌っています。2曲書き下ろしていて、それをフルサイズつなげたレコーディング風景MVみたいになっています。

「千色云中 Alsahraa」
「瀚海图兰 Karaturam」
Music by Alexandre Desplat

Alexandre Desplat | 2022 Concept Theme Music Alsahraa & Karaturam|Honor of Kings Original Soundtrack (約7分)

from TiMi Audio Lab YouTube

 

1曲目もすごくいい、こっちがメインたぶん、だけど飛ばします。2曲目「瀚海图兰 Karaturam」(03:00-)です。デスプラさんは、映画サントラもたくさん手がけていますが、その繊細な音の組み立てが特徴です。この曲なんてもう聴いてアンテナにビビッとこなかったら久石譲ファンじゃない、ん?なにかおかしい。

序奏は木笛や独奏チェロを絡ませながら悠々とした大陸的なメインメロディから(03:00-)。勇壮なリズミックになって、はいイチ・ニンマリ(04:10-)。厳しい表情から一転して明るく開ける転調に、はいニ・ニンマリ(04:50-)。さらに二段構えの躍動転調に、はいサン・ニンマリ(05:00-)。一貫して同じメインメロディを繰り返しながら魅力的な伴奏音型に、はいヨン・ニンマリ(05:30-)。力強い管楽器のメロディユニゾンに、絶妙な不協和音のスパイスに、はいゴ・ニンマリ(05:45-)。和太鼓もうまく使って鼓動に、はいロク・ニンマリ(06:05-)。悠々としたメロディにかたときもリズムを忘れないオーケストレーション、最後はジャン!と終わって、はいナナ・ニンマリ。きっとそうなります。

 

メイキング(インタビュー)

Alexandre Desplat | Behind the Scenes of Alsahraa & Karaturam | Honor of Kings Original Soundtrack (約5分)

 

 

王者荣耀 游戏原声 2022 千色云中赛年 概念主题音乐 Alexandre Desplat

※Unreleased in Japan (Only in China)

 

 

さて追加になった。

2022年11月開催イベント「2022共創之夜」にて「久石譲:光之奇旅 (The Road to Glory)」がオーケストラパフォーマンスされました。このゲーム音楽から3曲演奏されたうちの1曲目です。テンポ速いなあ、ライブらしくていい、そんな思って楽しんでいました。そして、その3曲目に演奏されているのは、デスプラさんの1曲目「千色云中 Alsahraa」です。ぜひ紹介したMV動画とLIVE動画どちらも楽しんでみてください。

 

 

 

 

 

いろいろ聴くとおもしろいですね。

そんなモチーフでした。

それではまた。

 

reverb.
久石さんのお仕事のおかげで出会えた曲たち♪

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

このコーナーでは、もっと気軽にコメントやメッセージをお待ちしています。響きはじめの部屋 コンタクトフォーム または 下の”コメントする” からどうぞ♪

 

Info. 2022/11/23 舞台版「となりのトトロ」がイギリスで大ブレイクしているワケ(PRESIDENT onlineより)

Posted on 2022/11/23

ハムレット超えの劇場新記録…舞台版「となりのトトロ」がイギリスで大ブレイクしているワケ

ジブリの世界観を守ったミュージカル化が大成功

青葉 やまと
フリーライター・翻訳者 “Info. 2022/11/23 舞台版「となりのトトロ」がイギリスで大ブレイクしているワケ(PRESIDENT onlineより)” の続きを読む

Disc. 久石譲 『久石譲 presents MUSIC FUTURE VI』

2022年11月23日 CD発売 OVCL-00795

 

久石譲主宰 Wonder Land Records × クラシックのEXTONレーベル
夢のコラボレーション第6弾!未来へ発信するシリーズ!

久石譲が“明日のために届けたい”音楽をナビゲートするコンサート・シリーズ「ミュージック・フューチャー」より、アルバム第6弾が登場。”現代の音楽”を堪能する極上のプログラムと銘打たれた2021年のコンサートのライヴ録音です。北欧エストニアの作曲家レポ・スメラとアルヴォ・ペルト、アメリカの作曲家ブライス・デスナーとニコ・ミューリー、そして久石譲の作品から、多種多様な「リズム」の楽しさを発見することができることでしょう。日本を代表する名手たちが揃った「ミュージック・フューチャー・バンド」が奏でる音楽も、高い技術とアンサンブルで見事に芸術の高みへと昇華していきます。EXTONレーベルが誇る最新技術により、非常に高い音楽性と臨場感あふれるサウンドも必聴です。「明日のための音楽」がここにあります。

ホームページ&WEBSHOP
www.octavia.co.jp

(CD帯より)

 

 

アルバムに寄せて 松平 敬

「継続は力なり」という言葉がある。常套句と言ってもよいほどによく知られたこの言葉をいきなり投げかけられても、「何を今さら」と感じる人がいるかもしれない。しかし、実際に何かを長年続けてきた人こそが、この言葉の本当の重みを実感を込めて感じることができるだろう。その中には当然、本ディスクの主人公、久石譲も含まれるはずだ。

さてこのディスクは、久石譲がプロデュースするコンサート・シリーズ「MUSIC FUTURE」の最新のライヴ録音を収めたもので、本盤が6作目のアルバムとなる。コンサートそのものは、初回の2014年から年1度のペースで行われており、(少しややこしくなるが)ここに収められたのは2021年10月の8回目のコンサートになる。

何らかのコンサート企画を継続していくことは本当に大変だが、それがこのコンサート・シリーズのコンセプトである「世界の最先端の”現代の音楽”を紹介する」内容となると、そのハードルはさらに高くなる。例えばあるコンサートで5曲演奏するとして、その5曲を選ぶために、その何倍もの候補曲を検討しなくてはならないことは容易に想像できるだろう。そして、このようなプロセスを毎年続けなくてはならないのだ。企画のマンネリ化を避けつつ良い作品を見つけ出すためには、常に世界中にアンテナを張り巡らせておかなくてはならない。これらのことから逆算すれば、プロデューサーである久石譲の本企画にかける熱意が並々ならぬことも理解できるだろう。特に今回のコンサートは、コロナ禍の只中に行われ、それまで予想できなかった更なる制約がコンサート運営を困難にしたはずであるが、そうした状況にもかかわらずコンサート会場へ駆け付けた多くのファンに熱気に影響されてか、演奏そのものも、いつも以上に熱のこもったものとなっている。

今回のディスクで特徴的なのは、アルヴォ・ペルト、レポ・スメラというエストニア出身の二人の作曲家が取り上げられていることだ。MUSIC FUTUREではこれまで、ミニマル・ミュージックを切り口として数多くの作品が紹介されてきたが、そのプログラムの多くを占めるのは、ミニマル・ミュージックの開祖というべきライヒ、グラスなど、アメリカ人作曲家による作品である。そこから遠く離れた北欧のエストニアは、ミニマル・ミュージックと一見イメージが結びつきにくい。しかし、作品を実際に聴けばそのつながりは明らかである。特に、日本ではほとんど無名と言ってもよいスメラのピアノ曲『1981』における、さりげなく入り組んだリズム構造をノスタルジックな響きと交錯させるアイデアが興味深い。

エストニアの2作品での静謐な音調に対し、残りの収録曲では、作品ごとに異なるリズムへのアプローチが面白い。

ニコ・ミューリー作品では、頻繁に休符が挟まれることで生まれるリズムの不規則性が、独特なグルーヴ感を生み出す。ブライス・デスナー作品では、アメリカの古い大衆音楽から発想されたリズムが、その土臭さを保ったままカラフルなオーケストレーションによって展開される。そして、このコンサートが初演となった久石譲の『2 Dances for Large Ensemble』は、そのタイトルからリズムへのこだわりが明らかだ。第1楽章は、いきなり前のめりなリズムから始まるが、それに輪をかけるような超高速パッセージが頻出するなど、演奏者には極めて高度な演奏能力と集中力が求められる。ほとんど演奏不可能にも思える複雑なスコアを圧倒的なテンションえ演奏してしまうMusic Future Bandの超絶技巧は、本ディスク最大の聴きどころである。ところで、このような作品が生まれた背景には、奏者に対する作曲家からの絶対的な信頼がある。そしてその信頼感を培ったのは、このコンサート・シリーズでの長年の共演経験である。これこそまさに「継続は力なり」であろう。

(まつだいら・たかし)

(CDライナーノーツより)

 

 

曲目解説

久石譲:2 Dances for Large Ensemble

「2 Dances for Large Ensemble」は2020年12月9日から東京近郊の仕事場で作曲をスタートした。11月の後半にMUSIC FUTURE Vol.7が行われ好評を得た後である。その時の作曲ノートには「2楽章形式で約22分、Rhythm Main」と書いている。ほとんどその通りに作品はできたのだが、大きく違う点がある。元々のアイデアは2管編成約60人を想定していた楽曲だった。

2020年12月はまだ新型コロナ禍の真っ只中にいた。舞台上の蜜を避けるためオーケストラの3管編成、約90人の楽曲はほとんど演奏できない状況にあった。つまり、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスはできるが、マーラー、ブルックナーなどの後期ロマン派や20世紀前半の作品、例えばプロコフィエフ、ショスタコーヴィチなどは全く演奏できない状況にあった。「現代の音楽」を演奏したいと考えている僕としては、懸命にその編成でできる楽曲を探したのだが、ほとんどない有様だった。そこで2管編成で演奏できる楽曲、このようなパンデミックの状況でも演奏できる楽曲を作ろうというのがそもそもの発想だった。

僕は日記のように毎日作った楽曲を、あるいは途中経過をコンピューターに保存しているので、楽曲の成立過程を簡単に見ることができる。2 Dancesは12月はら翌2021年1月の中旬までかなり集中して作っていたのだが、その後飛び飛びで行った形跡はあるが、だいぶ飛んで8月の中旬からまた集中して作曲している。これは交響曲第2番と第3番を締切の関係で先に作らなければならなかったことやコンサートなど他のことをするため一時中断したということである。ちなみに2020年から2021年にかけて2つの交響曲を書いたことは本当に嬉しいことであり、ある意味奇跡的なことでもある。少なくとも僕にとって。MUSIC FUTUREに向けて仕上げることは春先に決めていたように思われるが、そういう曖昧に考えたことなどは残念ながらコンピューター上には残らない。

「2 Dances for Large Ensemble」はダンスなどで使用するリズムを基本モチーフのようにして構成している。そのため一見聴きやすそうだが、かなり交錯したリズム構造になっているため演奏は難しい。これはMFB(Music Future Band)の名手たちへの信頼があって初めて書けることである。また使用モチーフを最小限にとどめることでリズムの変化に耳の感覚が集中するように配慮したつもりである。またMov.2では19小節のかなりメロディックなフレーズが全体を牽引するが、実はそこにリズムやハーモニーのエッセンスが全て含まれている。その意味では単一モチーフ音楽=Single Musicといえる。

最後に2 Dancesはダンスのリズムを使用した楽曲であるが、これで踊るのはとても難しいと思う。もし踊る人がいたら、僕は、絶対観てみたい。

久石譲

 

レポ・スメラ:1981 from “Two pieces from the year 1981”

「1981」は、エストニアの作曲家レポ・スメラ(1950-2000)の最も有名なピアノ曲「1981年から2つの小品」の第1曲で、「The Piece from the Year 1981」と題されることもあります。世界初演は、1981年3月15日にエストニアのタリンで、ケルスティ・スメラによって演奏されました。第2曲は「Pardon, Fryderyk!」。このピアノ曲はこれまで2千回以上、世界中で演奏されている作品であり、トム・ティクヴァ監督のドイツ映画『プリンセス・アンド・ウォリアー(原題:Der Krieger und die Kaiserin)』のサウンドトラックとして起用されたことでも知られています。

 

ブライス・デスナー:Murder Ballades

ああ、私の話を聞いてください、嘘は言いません。
ジョン・ルイスがどのようにして可哀想なオミー・ワイズを殺したか。

マーダー・バラッドとは、ヨーロッパの伝承をルーツにした、血なまぐさい殺人事件を歌で語る曲のスタイルです。この伝承はのちにアメリカに伝わり、独自のものとして発展しました。デスナーはこれらのバラッドの魅惑的な旋律、暴力的なストーリー、演奏スタイルからインスピレーションを得て、オリジナルの作品を作りました。「Omie Wise」、「Young Emily」、「Pretty Polly」は、古典的な曲からヒントを得た曲。一方、「Dark Holler」は、デスナー自身によるメロディで、クローハンマー・バンジョーをイメージしたサウンドで描かれています。「Brushy Folk」は、南北戦争時代のマーダー・バラッドやフィドルをもとにした曲。「Wave the Sea」「Tears for Sister Polly」は、アメリカ音楽が持つ奇妙な側面、そしてその奥深さから紡ぎ出されたオリジナル作品です。

ブライス・デスナー(1976-)は、作曲家、エレクトリック・ギタリスト、芸術監督として活躍し、作品にはバロック音楽や民俗音楽、後期ロマン主義やモダニズム、ミニマリズム、ブルースなどを取り入れています。今回の「Murder Ballads」は、アメリカの室内楽アンサンブルのエイト・ブラックバード(eight blackbard)とルナパークから委嘱を受け、2013年4月5日にオランダのアイントホーフェン音楽堂で初演されました。

brycedessner.com

 

アルヴォ・ペルト:Fratres for Violin and Piano

「Fratres」(ラテン語で「兄弟」の意)は1977年に作曲され、ティンティナブリ様式の音楽が認められてから膨大に生み出された作品の一つです。この曲は当初、さまざまな楽器で演奏可能な、決まった楽器編成のない3パート構成の音楽として作曲され、1977年にペルトの同志である古楽器グループ、ホルトゥス・ムジクスによって初演されました。

「Fratres」はまた、ソロ楽器のためのバリエーションを加えた曲としても編曲されています。その中で最初となるのが、ザルツブルク音楽祭の委嘱を受け、ヴァイオリンとピアノのために書かれたもので、1980年の同音楽祭において初演されました。(今回演奏されるのはこのバージョンです。)

構造的には、繰り返される打楽器のモチーフで区切られた変奏曲となっています(打楽器のない編成の場合は、ドラムのような音を模倣します)。曲全体を通し、異なるオクターブから始まって繰り返されるテーマが聞こえてきます。徐々に動く2つのメロディラインと、短三和音の音符上を動くティンティナブリの主声部による3つの声部をはっきりと認識することができます。また、全体を通し、響くような低いドローンを伴っています。高度な技術を要する独奏楽器のパートが、繰り返される3部構成のテーマに新たなレイヤーを加え、変化する要素と不変の要素によるコントラストが強調されます。アルヴォ・ペルトの曲は一見シンプルに聞こえますが、声部の動き、メロディやフレーズの長さ、拍子の変化など、厳格な数学的な法則によって支配されています。

Arvo Pärt Center

 

ニコ・ミューリー:Step Team

ステッピング(Stepping)は、声だけでなく全身を使う軍隊を模したダンスです。高度な振り付けと正確さが必要とされますが、表現の自由度が高く、そのため多くのエネルギーを要します。

この曲はシカゴ交響楽団のMusicNOWのために作曲したものですが、あまり繊細にせず、点描画的な手法を避け、9人の奏者が一つのチームとして機能することで単一のリズムを刻みます。シカゴ交響楽団がニューヨークに来るたび、金管楽器によるステーキハウスのような重厚なサウンドに感銘を受けていたので、この曲ではバス・トロンボーンをハーモニーや叙情的な素材のガイド役として起用しています。

曲のある時点で、リズミカルなユニゾンが崩れ始め、個々の奏者やグループがパルスに対して遅くなったり、速くなったりします。一方、バス・トロンボーンは、セクション間の変化を告げる統一的な役割を担っています。散漫なパルスに続き、金管セクションは他の楽器を整列させるよう導きます。そして、バス・トロンボーンとピアノのデュエットは他のプレーヤーによる装飾を伴いながら幕を閉じます。

Nico Muhly

 

※曲目解説は、2021年10月8日 MUSIC FUTURE Vol.8プログラムノートより転載

(CDライナーノーツより)

 

 

補足)収載にあたりコンサートパンフレットから一部の添削・修正がされています。文章的なもの。それもふまえてここではCDライナーノーツのほうを掲載しています。

 

 

ミュージック・フューチャー・バンド
Music Future Band

2014年、久石譲のかけ声によりスタートしたコンサート・シリーズ「MUSIC FUTURE」から誕生した室内オーケストラ。現代的なサウンドと高い技術を要するプログラミングにあわせ、日本を代表する精鋭メンバーで構成される。

”現代に書かれた優れた音楽を紹介する”という野心的なコンセプトのもと、久石譲(1950-)の世界初演作のみならず、ミニマル・クラシックやポストクラシカルといった最先端の作品や、日本では演奏機会の少ない作曲家を取り上げるなど、他に類を見ない斬新なプログラムを披露している。これまでに、シェーンベルク(1874-1951)、ヘンリク・グレツキ(1933-2010)、アルヴォ・ペルト(1935-)、スティーヴ・ライヒ(1936-)、フィリップ・グラス(1937-)、ジョン・アダムズ(1947-)、デヴィット・ラング(1957-)、マックス・リヒター(1966-)、ガブリエル・プロコフィエフ(1975-)、ブライス・デスナー(1976-)、ニコ・ミューリー(1981-)などの作品を取り上げ、日本初演作も多数含む。”新しい音楽”を常に体験させてくれる先鋭的な室内オーケストラである。

(CDライナーノーツより)

 

 

 

本盤は、シリーズで初めてコンサート・プログラムの全作品が収録されている。

 

 

「久石譲:2 Dances」のことは、ふたつのレポートでわりとたっぷり語っている。この作品は本盤収録のアンサンブル版とのちに初披露されたオーケストラ版とがある。どちらも初演時コンサートライブ配信が叶い、時間をおいてプログラムから抜き出したこの作品のコンサート映像が久石譲公式チャンネルより公開されている。その案内も下記にまとめている。

ライブ配信の映像および音質のクオリティはすこぶる高い。それだけで満足にたる。が、やはり音源として仕上げられた本盤の録音品質には敵わない。ライブらしい臨場感とパフォーマンスに、精緻を極めた音の配置、バランス、生き生きとした鋭い音像。心ゆくまで堪能したい。

 

 

 

 

久石譲
Joe Hisaishi (1950-)
2 Dances for Large Ensemble (2021) [世界初演]
1. 1 How do you dance?
2. 2 Step to heaven

レポ・スメラ
Lepo Sumera (1950-2000)
3. 1981 from “Two pieces from the year 1981” (1981)

ブライス・デスナー
Bryce Dessner (1976-)
Murder Ballades for Chamber Ensemble (2013) [日本初演]
4. 1 Omie Wise
5. 2 Young Emily
6. 3 Dark Holler
7. 4 Wave the Sea
8. 5 Brushy Fork
9. 6 Pretty Polly
10. 7 Tears for Sister Polly

アルヴォ・ペルト
Arvo Pärt (1935-)
11. Fratres for Violin and Piano (1977/1980)

ニコ・ミューリー
Nico Muhly
12. Step Team (2007) [日本初演]

久石譲(指揮)
ミュージック・フューチャー・バンド
西江辰郎(バンドマスター、ソロ・ヴァイオリン 11)
鈴木慎崇(ソロ・ピアノ 11)

2021年10月8日 東京・紀尾井ホールにてライヴ収録

 

JOE HISAISHI presents MUSIC FUTURE VI

Conducted by Joe Hisaishi
Performed by Music Future Band
Live Recording at Kioi Hall, Tokyo, 8 Oct. 2021

Produced by Joe Hisaishi
Recording & Balance Engineer: Tomoyoshi Ezaki
Assistant Engineers: Takeshi Muramatsu, Masashi Minakawa
Mixed and Mastered at EXTON Studio, Tokyo

and more…

 

Info. 2022/11/21 特別対談企画【久石譲×西村朗】第2回:現代音楽とバッハとミニマル・ミュージック(全音楽譜出版社)動画公開

Posted on 2022/11/21

2022年12月9日開催「第28回 四人組とその仲間たち」コンサートです。今回のゲスト作曲家として久石譲出演予定です。その連動企画として貴重な作曲家対談が実現しています。その第2回(全3回予定)です。ぜひご覧ください。 “Info. 2022/11/21 特別対談企画【久石譲×西村朗】第2回:現代音楽とバッハとミニマル・ミュージック(全音楽譜出版社)動画公開” の続きを読む

Overtone.第84回 長編と短編と翻訳と。~村上春樹と久石譲~ Part.6

Posted on 2022/11/20

ふらいすとーんです。

怖いもの知らずに大胆に、大風呂敷を広げていくテーマのPart.6です。

今回題材にするのは『職業としての小説家/村上春樹』(2015)です。

 

 

村上春樹と久石譲  -共通序文-

現代を代表する、そして世界中にファンの多い、ひとりは小説家ひとりは作曲家。人気があるということ以外に、分野の異なるふたりに共通点はあるの? 村上春樹本を愛読し久石譲本(インタビュー記事含む)を愛読する生活をつづけるなか、ある時突然につながった線、一瞬にして結ばれてしまった線。もう僕のなかでは離すことができなくなってしまったふたつの糸。

結論です。村上春樹の長編小説と短編小説と翻訳本、それはそれぞれ、久石譲のオリジナル作品とエンターテインメント音楽とクラシック指揮に共通している。創作活動や作家性のフィールドとサイクル、とても巧みに循環させながら、螺旋上昇させながら、多くのものを取り込み巻き込み進化しつづけてきた人。

スタイルをもっている。スタイルとは、村上春樹でいえば文体、久石譲でいえば作風ということになるでしょうか。読めば聴けばそれとわかる強いオリジナリティをもっている。ここを磨いてきたものこそ《長編・短編・翻訳=オリジナル・エンタメ・指揮》というトライアングルです。三つを明確な立ち位置で発揮しながら、ときに前に後ろに膨らんだり縮んだり置き換えられたり、そして流入し混ざり合い、より一層の強い作品群をそ築き上げている。創作活動の自乗になっている。

そう思ったことをこれから進めていきます。

 

 

今回題材にするのは『職業としての小説家/村上春樹』(2015)です。

自伝的エッセイです。語られている内容は、これまでどこかで読んだことあるかも、と重複しているものも多いのです。でも、この本の文章はとても研ぎ澄まされていて、同じテーマもそのすべてを総括するように体系的に文章化されています。

なんでかなと思ったら「あとがき」でわかりました。”いつか語っておきたいことを、数年間かけて断片的に書きとめておいたもの”。つまり時間と推敲を重ねるなかで、文章と思考が磨かれてきたかたちとして収まっている。繰り返し語られるのは、それだけ大切であり本質であるということ。だから、とっても噛みごたえあるというか、しっかり噛んでゆっくり咀嚼したい、そんな本です。

 

自分が読んだあとなら、要約するようにチョイスチョイスな文章抜き出しでもいいのですが、初めて見る人には文脈わかりにくいですよね。段落ごとにほぼ抜き出すかたちでいくつかご紹介します。そして、すぐあとに ⇒⇒ で僕のコメントをはさむ形にしています。

 

 

”そういう作業を進めるにあたっては音楽が何より役に立ちました。ちょうど音楽を演奏するような要領で、僕は文章を作っていきました。主にジャズが役に立ちました。ご存じのように、ジャズにとっていちばん大事なのはリズムです。的確でソリッドなリズムを終始キープしなくてはなりません。そうしないことにはリスナーはついてきてくれません。その次にコード(和音)があります。ハーモニーと言い換えてもいいかもしれません。綺麗な和音、濁った和音、派生的な和音、基礎音を省いた和音。バド・パウエルの和音、セロニアス・モンクの和音、ビル・エヴァンズの和音、ハービー・ハンコックの和音。いろんな和音があります。みんな同じ88鍵のピアノを使って演奏しているのに、人によってこんなにも和音の響きが違ってくるのかとびっくりするくらいです。そしてその事実は、僕にひとつの重要な示唆を与えてくれます。限られたマテリアルで物語を作らなくてはならなかったとしても、それでもまだそこには無限の──あるいは無限に近い──可能性が存在しているということです。「鍵盤が88しかないんだから、ピアノではもう新しいことなんてできないよ」ということにはなりません。

それから最後にフリー・インプロビゼーションがやってきます。自由な即興演奏です。すなわちジャズという音楽の根幹をなすものです。しっかりとしたリズムとコード(あるいは和声的構造)の上に、自由に音を紡いでいく。

僕は楽器を演奏できません。少なくとも人に聞かせられるほどにはできません。でも音楽を演奏したいという気持ちだけは強くあります。だったら音楽を演奏するように文章を書けばいいんだというのが、僕の最初の考えでした。そしてその気持は今でもまだそのまま続いています。こうしてキーボードを叩きながら、僕はいつもそこに正しいリズムを求め、相応しい響きと音色を探っています。それは僕の文章にとって、変わることのない大事な要素になっています。”

~(中略)~

⇒⇒⇒

ん?これは小説を書くことじゃなくて音楽についてのことなの?というくらい音楽的にみてもとても説得力があります。作曲家や演奏家が強くうなずきそうです。逆に物書きで強く共感する人はいるのかな、というほうが気になってきます。いかに村上春樹さんが作家性としての特異なオリジナリティをもっているか、それもまた浮き立ってよくわかります。

 

 

”でも僕は基本的には、というか最終的には、自分のことを「長編小説作家」だと見なしています。短編小説や中編小説を書くのもそれぞれに好きですし、書くときはもちろん夢中になって書きますし、書き上げたものにもそれぞれ愛着を持っていますが、それでもなお、長編小説こそが僕の主戦場であるし、僕の作家としての特質、持ち味みたいなものはそこにいちばん明確に──おそらくは最も良いかたちで──現れているはずだと考えています(そうは思わないという方がおられても、それに反論するつもりは毛頭ありませんが)。僕はもともとが長距離ランナー的な体質なので、いろんなものごとがうまく総合的に、立体的に立ち上がってくるには、ある程度のかさの時間と距離が必要になります。本当にやりたいことをやろうとすると、飛行機にたとえれば、長い滑走路がなくてはならないわけです。

短編小説というのは、長編小説ではうまく捉えきれない細部をカバーするための、小回りのきく俊敏なヴィークルです。そこでは文章的にもプロット的にも、いろんな思い切った実験を行うことができますし、短編という形式でしか扱えない種類のマテリアルを取り上げることもできます。僕の心の中に存在する様々な側面を、まるで目の細かい網で微妙な影をすくい取るみたいに、そのまますっと形象化していくことも(うまくいけば)できます。書き上げるのにそれほど時間もかかりません。その気になれば準備も何もなく、一筆書きみたいにすらすらと数日で完成させてしまうことも可能です。ある時期には僕は、そういう身の軽い、融通の利くフォームを何より必要とします。しかし──これはあくまで僕にとってはという条件付きでの発言ですが──自分の持てるものを好きなだけ、オールアウトで注ぎ込めるスペースは、短編小説というフォームにはありません。

おそらく自分にとって重要な意味を持つであろう小説を書こうとするとき、言い換えれば「自分を変革することになるかもしれない可能性を有する総合的な物語」を立ち上げようとするとき、自由に制約なく使える広々としたスペースを僕は必要とします。まずそれだけのスペースが確保されていることを確認し、そのスペースを満たすだけのエネルギーが自分の中に蓄積されていることを見定めてから、言うなれば蛇口を全開にして、長丁場の仕事にとりかかります。そのときに感じる充実感は何ものにも代えがたいものです。それは長編小説を書き出すときにしか感じられない、特別な種類の気持ちです。

そう考えると、僕にとっては長編小説こそが生命線であり、短編小説や中編小説は極言すれば、長編小説を書くための大事な練習場であり、有効なステップであると言ってしまっていいのではないかと思います。一万メートルや五千メートルのトラック・レースでもそれなりの記録は残すけれど、軸足はあくまでフル・マラソンに置いている長距離ランナーと同じようなものかもしれない。”

~(中略)~

⇒⇒⇒

”長編小説こそ”という内容は村上春樹の根幹にあたることよく語られます。久石譲でいうと「今はクラシックに籍をおいている」という根幹に近いかもしれません。自分の創作活動のフィールドやポジショニング、常に位置を定め確認している。そして、周りを見渡しながら(作家・大衆・社会)時代のなかで共鳴できるポイントの距離感を測っている。

先頭のほうの文章に戻ります。”長編小説こそが僕の主戦場であるし、僕の作家としての特質、持ち味みたいなものはそこにいちばん明確に──おそらくは最も良いかたちで──現れているはずだと考えています(そうは思わないという方がおられても、それに反論するつもりは毛頭ありませんが)”、久石さんもそんなふうに思っているんじゃないかな、なんとなく。そう思っていてほしいなとも、なんとなく。

 

(「職業としての小説家/村上春樹」より 一部引用)

 

 

 

今回とりあげた、『職業としての小説家/村上春樹』。これまでにどこかで書いた語った散文的なものとは違います。小説家としての姿勢、大きく言えば小説家としての生き方のようなものが、作家自らによって思考をまとめあげるように、丁寧に濃密に記されています。とても価値のある稀有な種類の本だと思います。

今回はピックアップしたものがふたつ。自伝的エッセイらしい多彩なテーマについて記された本です。そのなかに、オリジナリティについてたっぷりと頁をさいた章もあります。オリジナリティとは何か、何をもってオリジナリティとするか、みたいなことが説得力たっぷりに記されています。ここはまたいつか、それだけでOvertoneしたいくらいの内容です。

今回はピックアップしたものがふたつ。いちばんロジカルにまとまっています。どちらもよく語られる内容で同旨あります。

 

 

-共通むすび-

”いい音というのはいい文章と同じで、人によっていい音は全然違うし、いい文章も違う。自分にとって何がいい音か見つけるのが一番大事で…それが結構難しいんですよね。人生観と同じで”

(「SWITCH 2019年12月号 Vol.37」村上春樹インタビュー より)

”積極的に常に新しい音楽を聴き続けるという努力をしていかないと、耳は確実に衰えます”

(『村上さんのところ/村上春樹』より)

 

 

それではまた。

 

reverb.
好きな小説とか、まったく触れていない、今さらながら。

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

このコーナーでは、もっと気軽にコメントやメッセージをお待ちしています。響きはじめの部屋 コンタクトフォーム または 下の”コメントする” からどうぞ♪

 

Blog. 「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」コンサート・レポート 【NY 11/15 Update!!】

Posted on 2022/11/02

10月26,27日開催「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」コンサートです。春の開催発表から7月には追加公演(10/26)決定、そして公演前日にライブ配信の発表、なんとも直前まで目が離せない。2日間を完売にできる現代音楽のコンサート。日本国内だけでなく世界各地からも視聴できるコンサート。シリーズを重ねるごとにリスナーの好奇心をつかみ、さらにその少し先をいってみせてくれるコンサートです。

 

 

久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9

[公演期間]  
2022/10/26,27 and 2022/11/05

[公演回数]
3公演
10/26,27 東京・紀尾井ホール
11/05 ニューヨーク・カーネギーホール(ザンケルホール)

[編成]
指揮:久石 譲
作曲・ピアノ:ニコ・ミューリー
ヴィオラ:ナディア・シロタ
室内楽:Music Future Band

[曲目]
久石譲:室内交響曲 for Electric Violin and Chamber Orchestra
ニコ・ミューリー:Selections from the Drones and Viola
久石譲:Viola Saga (世界初演)
ニコ・ミューリー:Roots, Pulses (世界初演)

 

New York

November 5, 2022
Zankel Hall

Performers
Joe Hisaishi, Conductor
Nico Muhly, Piano
Nadia Sirota, Viola
Bang On A Can Festival Ensemble

Program
JOE HISAISHI: 2 Dances for Large Ensemble
NICO MUHLY: Selections from Drones & Viola
NICO MUHLY: Roots, Pulses for Chamber Orchestra
JOE HISAISHI: Viola Saga

 

 

まずは会場で配られたコンサート・パンフレットからご紹介します。

 

 

Joe Hisaishi
室内交響曲 for Electric Violin and Chamber Orchestra

室内交響曲は2015年のMUSIC FUTURE Vol.2で初演した。その前年のVol.1でNico Muhlyの「Seeing is Believing」を演奏したいと考えたのだが、その曲で使用される6弦のエレクトリック ヴァイオリンは日本に無くて結果としてアメリカから買わざるを得なくなった。その時の演奏は東フィルのコンサートマスターである近藤薫氏によって素晴らしい演奏になった。と同時にそのサウンドに魅了された僕も翌年にエレクトリック ヴァイオリンを使用した室内交響曲を作曲した次第である。全3楽章で約28分の協奏曲として完成したが、タイトルはあえて室内交響曲とした。たぶんにアメリカンなムードが漂うのはエレクトリック ヴァイオリンの特性かもしれない。もちろんジョン・アダムズがこの楽器のために書いたようにエスニックな方向もあるのだが。

今回は初演と同じく、我がMusic Future Bandのバンドマスターであり新日フィルのコンサートマスターでもある西江辰郎氏が演奏する。

久石譲

 

Nico Muhly
Selection from the Drones and Viola
including
Drones and Piano
Drones and Viola

もう何年も前になるが、私の乗った飛行機がなかなか離陸できず滑走路で延々と待機させられたことがある。その時、私は飛行機のエンジン音や客室の空調の音をはじめとする、さまざまな機械が発する音がある一定の音符に相当する音を出していることに気づいた。真ん中のドの音より低いシの音だ。飛行機が少しずつ前へ進むたび、音程が徐々半音上がったり、下がったりする。飛行機が進んでは止まり、進んでは止まりを繰り返していたので、止まるたびにその音に合わせてメロディやパターンをメモに残した。この即興で作ったメモがきっかけとなり、「ドローンとピアノ」、「ドローンとヴィオラ」と題した連作の曲作りが始まったのだ。あの機内でのひらめきの可能性を探りたいと思った。ドローンはどんな楽器でも作ることができる。アコースティック楽器とエレキ楽器を組み合わせてもすばらしい効果を発揮する。このシリーズの楽曲は、それぞれ複数の楽章で構成されているが、楽章と楽章の間に小休止を置かず、ドローンの音程を変えることで楽章ごとの特徴づけがされている。

ニコ・ミューリー

 

Joe Hisaishi
Viola Sage

Viola SagaはMUSIC FUTURE Vol.9で初演するために作曲した。今回は世界で活躍している若手作曲家Nico Muhlyとのジョイントコンサートであるが、同時にニューヨークからヴィオラ奏者のNadia Sirota氏を招聘していて彼女のために書いた曲である。

タイトルのSagaは日本語の「性──さが」をローマ字書きしたもので意味は生まれつきの性質、もって生まれた性分、あるいはならわし、習慣などである。同時に英語読みのSagaは北欧中世の散文による英雄伝説とも言われている。あるいは長編冒険談などの意味もある。仮につけていた名前なのだが、他に思いつかず、これにした。

僕自身は今年から海外のコンサートが再開し、作曲依頼も溜まりに溜まっていたためこなしきれず、凄まじいカオスの中にいた、いやまだいるのだが、そのためSagaは8月ニューヨークのRadio City Music Hallでの5回公演の直前にやっとII.の基本モチーフが浮かんだ。初演するコンサートの2ヶ月前である。もちろん考えていたのは数年前に遡るし、そもそもNicoとNadiaは2020年のMFに来る予定だった。その時からCOVID-19のため何度も中断を余儀なくされ、今日に至った。Radio City Music Hallの楽屋でNadiaと一緒に約2分のDemoを聞いた。彼女のホッとした安堵の表情が忘れられない。その後いくつかのコンサートと、作曲をこなしつつ10月の初め、フランスツアーの直前にやっと完成した、、、と思う。

曲は2つの楽曲でできていて、I.は軽快なリズムによるディヴェルティメント、II.は分散和音によるややエモーショナルな曲になっている。特にII.はアンコールで演奏できるようなわかりやすい曲を目指して作曲した。この2~3年は前衛的なものより、わかりやすいものを書きたいと思っていた。つまり誰もが疲れている時に疲れる曲を聞いてもらおうとは思わなかった。その意味ではノンジャンル音楽ではある。が、リズムはかなり複雑で演奏は容易ではない。Music Future Bandへの信頼があってこその作曲である。

2022年10月
久石譲

 

Nico Muhly
Roots, Pulses

「Roots, Pulses」は今回の演奏会のために書き下ろされた楽曲。”快活vs抽象的”、”前景vs背景”の間の葛藤を模索する様を表現している。冒頭の2分半は、シンプルなハーモニーの牧歌的で楽しい活気のある曲調が続き、その後、ピアノ、鍵盤打楽器、弦楽器で空虚五度の和音が多用され、曲の雰囲気は窮屈なドローンに近い厳しく統制された様相へと変化していく。そして転換の範囲や変わり目を曖昧にしたまま、再度、快活でやや危険な様相へと移行する。曲の途中、快活な調べは鳴りを潜め、代わりに低音弦楽器、ピアノ、コントラバスーン、バスクラリネットのアンサンブルが最も低い音域と中低音の間の音域の主旋律を担うことで、より暗くて抽象的な曲調へと変化する。冒頭の長音でゆっくりと流れる連続したアンサンブルとは真逆の曲調だ。その後、長いオーボエソロを境に快活な曲調が復活するが、冒頭部よりもさらに拍車のかかった明るさでより一層の盛り上がりを見せる。

ニコ・ミューリー

(「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」コンサート・パンフレットより)

 

 

 

ここからはレビューになります。

 

 

第4回 Young Composer’s Competition

受賞者 山本哲也 Tetsuya Yamamoto
受賞作 「ギミックバッハ3(Gimmick Bach 3)」

「Young Composer’s Competition」とは?
若手作曲家に活動の場を与えたいという久石譲の思いから始まった若手作曲家の新作を募集する企画。毎回、世界各国から作品が寄せられ、久石をはじめとした評論家・アーティストによる厳正なる審査のもと、優秀作品が選ばれる。

(「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」コンサート・パンフレットより)

 

本演前に披露されました。冒頭で足本憲治さん、ニコ・ミューリーさん、久石譲さんが登壇され司会進行のもと講評がありました。口を揃えて評されていたのがユニークな作品だということ。久石さん談では、10年前に国立音楽大学で教えていた生徒だった(もちろん審査は番号でやるから名前はわからない)、ギミックバッハというタイトルに少し覚えがあった、BACH(バッハ)を音名にした「シ♭-ラ-ド-シ」を使った曲をという講義をしたことがある。そんなお話だったと思います。26日公演からです。5分ほどの講評の後、Music Future Band奏者によって演奏されました。ヴァイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーンによる6重奏作品です。

難しい悩ましい。開場18時ー受賞作披露18時半ー19時開演、このコーナーは開場時間中にやっています。だから演奏中照明は落としているものの出入り自由です。ロビーコンサートのようというかとても作品をしっかり聴く雰囲気にはない。始まるときは3割くらいだった客席が終わるころには8割まで埋まっていた、となればどれだけ演奏中に人が移動していたかわかると思います。作曲者も会場に来ているなか、、。(前からこんなに集まり悪かったかな?早めに密集することを避けたい心理が働いてるのかな?)

せっかく定着している企画なのにもったいない。本演と分ける必要はあるけれどしっかり聴きたい。聴く立場ではあるけれどちゃんと受賞作として聴きたい。じゃあ開場時間を早めるか、もっと告知するか、、難しい悩ましい。と閃いた!「受賞作演奏および久石譲によるプレトーク!本公演プログラムについて作品ごとに魅力を語ります!ぜひお早めにご来場ください!」これしかない。本気で、前向きに、そう思った次第です。

 

Joe Hisaishi
室内交響曲 for Electric Violin and Chamber Orchestra

久石譲解説にあるとおりです。もう初演から7年になるんですね。MFプログラムはMFならではの作品がのることを証明するかように今回で2度目の披露となりました。それだけ前衛性も楽器編成も尖った作品という現れです。エレクトリック・ヴァイオリンつながりでいうと、「天音 / EXILE ATSUSHI&久石譲」(2017)にもフィーチャーされています。そこでの演奏も西江辰郎さんです。また第3楽章は「The Border Concerto for 3 Horns and Orchestra」(2020)の同じく第3楽章「III. The Circles」として再構成されました。エレクトリック・ヴァイオリンからホルンとオーケストラのための作品へ。

今回改めて聴きながら、時間の経過とともに作品を線で感じれるところもあっておもしろかったです。第1楽章・第2楽章は「The End of the World for Vocalists and Orchestra」の「II. Grace of the St. Paul」、サックスが編成されている共通点もありますが、雰囲気として近いと感じる箇所がいくつかあります。エレキギターさながらのエレクトリック・ヴァイオリンだけがアメリカ色を作っているんじゃないんだ、みたいな印象です。

第3楽章は「2 Pieces for Strange Ensemble」(2016/2020)、アンビル(Anvil/鉄塊を打つ金属音)・大太鼓・シンバルといったパーカッションのスパイスが同じくよく効いています。2 Piecesで語られていた「NYのSOHO/ワイルドなサウンド」という音響的効果がつながってくるように感じました。

 

Nico Muhly
Selection from the Drones and Viola

楽器編成:ヴィオラ、ピアノ、エレクトロニカ (楽器編成はライブ配信の映像目視による、以下同)

約14分にセレクトされた作品。ニコ・ミューリー自らのピアノにナディア・シロタのヴィオラというデュオからなります。導入楽章は電子音源も背景に使われていました。楽曲解説に「複数の楽章で構成」とあるとおりアルバム『Drones』収録から選ばれています。アルバムは、ピアノ、ヴィオラ、ヴァイオリンをそれぞれフィーチャーしたEP盤をのちにまとめたもので全14曲です。うちシリーズ・ヴィオラの全4曲をベースにプラスアルファで、録音されたものとは異なる箇所もあったりと演奏会でしか聴けないパフォーマンスでした。瞑想的でただ身を任せていたいとも思います。暗示的で何かを仄めかしたり示唆したりとも思います。そして、僕が不思議と強く思ったのは歴史的だということ。いかなる現代社会にもフィットしてくる曲。今でいうと……。リアリズムをあぶり出してしまう。5年後10年後に聴いたときには、またその時の今が浮かび上がってきそうな作品です。この機会に見つけたアルバムもまたゆっくり聴いてみたいと思います。

 

Joe Hisaishi
Viola Sage

楽器編成:ソロ・ヴィオラ、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、ピアノ、パーカション (2奏者) 

約20分の作品。このかっこいいヴィオラの世界!この美しきヴィオラの世界!伝えたい感想はこれだけでいいかなと思います。これからつらつらと書いてしまいますけれど、それは記憶から消してしまっていい、あとはやっぱり聴いてみてほしい。

I.

ヴィオラの独奏から始まります。あなたのタイミングでどうぞ始めてください。ソリストも呼吸をつくることができる。久石譲のソリストへのリスペクトが見えてきそうです。久石譲のソロ楽器をフィーチャーした作品には、こういったスタイルの作品がいくつかあります。

冒頭「ドー、ソー、レー、ラー、シ♭ーラシ♭ソー」と始まります。2オクターブにまたがる広い音域のモチーフです。実はこの最初の「ド、ソ、レ、ラ」はヴィオラの開放弦です。4本張られた弦の指を押さえない状態で鳴る低音から高音の4つの音。そこへケルティック感のあるハーモニーの重奏になっています。はい、ここだけでももう久石譲楽曲解説にある「Saga、生まれつきの性質、北欧中世の」を見事にクリアしています。すごい!着想もそうだしそれを音楽として魅力的にかたちにしてしまう。

独奏のあと軽やかなアンサンブルが始まります。第一印象で「2 Dances」と並べたくなりました。それは5拍子の「タン、タタンタ、タン、タン」という音型やリズムがひとつの基調となっているからです。そしてこのモチーフが「2 Dances I.」の少し暗い雰囲気とは逆の少し明るい雰囲気なのもまた対称的です。かなり距離感の近い作品だと思います。このことはまた後で。

5拍子のリズムが中低音で支えていてワクワクしてきます。冒険ゲームのステージやダンジョンが変わっていくように曲想も変わっていく。そんなおもしろさあります。「冒険」というキーワードも楽曲解説にありましたね。主人公になった気分で楽しく進めたくなります。

6分あたりの静かになるところは、ヴィオラは冒頭や前半に奏でていた旋律のヴァリエーションです。そのあとまたボンゴなども加わりリズミックになります。「Variation 14 for MFB」楽器編成が近いこともありますが快活さもつながってきそうと感じます。「ならわし、習慣」というキーワードも楽曲解説に。聴けば聴くほど「2 Dances」と「Variation 14」のエッセンス入ってるってなるんですけど、僕の心の声を書き出したら止まらなくなるのでここはメモにしよう。

 

  • 2020.09 MF Vol.7 出演者とプログラム変更・ニューヨーク公演中止の案内
  • 2020.10 MF Vol.7 久石譲「新曲」→「2 Pieces for strange Ensemble (New version)」発表
  • 2020.11 MF Vol.7 久石譲「2 Pieces 2020 for Strange Ensemble」「Variation 14 for MFB」初演
  • 2021.10 MF Vol.8 久石譲「2 Dances for Large Ensemble」初演
  • 2022.10 MF Vol.9 久石譲「Viola Saga」初演(Vol.7予定出演者によるプログラム)

 

~(僕の心の声)~

  • 2020.09 MF Vol.7 出演者・プログラム変更・ニューヨーク公演中止の案内
    ~この時すでにViola Sagaの原型や基本構想はあった。
  • 2020.10 MF Vol.7 久石譲「新曲」→「2 Pieces for strange Ensemble (New version)」発表
  • 2020.11 MF Vol.7 久石譲「2 Pieces 2020 for Strange Ensemble」「Variation 14 for MFB」初演
    ~急遽の対応として2 Piecesをアップデートさせた。交響曲第2番 第2楽章をMF編成で先出しした。
  • 2021.10 MF Vol.8 久石譲「2 Dances for Large Ensemble」初演
    ~Viola Sagaの線上にある作品。
  • 2022.10 MF Vol.9 久石譲「Viola Saga」初演(Vol.7予定出演者によるプログラム)
    ~2020年時点で完成していたものではなく(完成していなかった?!)直前まで作曲されてお披露目。

 

II.

久石譲楽曲解説にあるとおり「分散和音によるややエモーショナルな曲」です。そして一貫しています。弦楽器のなかでヴィオラというのは、縁の下の力持ち的役割をすることが多いです。ヴァイオリンたちのメロディをハモったり、チェロたちのリズムを支えたりと。主役になることはないけれど、それだけメロディもリズムも曲のバランスに目を配っていないといけない、オーケストラの要とも言われることあります。

そんなヴィオラを主役にしようとしたときに、久石譲はありのままのヴィオラの役割をまっとうさせた。そう思うとじんわり熱くまります。言ってしまうと、ヴィオラが奏でる分散和音は伴奏音型としてもいいわけです。飛びますけれど、7分半あたりのクライマックスの盛り上がりなんて「Will be the wind」よろしく、ヴィオラの上に悠々と滞空時間の長い大きなメロディを奏でてもいいわけです。ヴィオラを脇役にして。でもそうはしていない。「2 Dances」第1楽章にもメロディらしいものは登場する。「Viola Saga」はI.II.ともにない。もしこの作品を聴いて、今ひとつ何か足りないと思ったなら、たぶんそれで合ってると思います。それこそこの作品の正しいあり方な気がしています。

飛びますけれど、2分あたりから1分間ほど、艶を消したような弦楽器アンサンブルになっていてトーンが変わる。まさに、いぶし銀。頭から終わりまでいつもより控えめで慎ましい他の弦楽器や管楽器たちとのアンサンブル。まさに、わびさび。

久石譲楽曲解説にあるとおり「もって生まれた性分」、オーケストラにおけるヴィオラの性分をまっとうさせた。だから僕はじんわり熱くなる。そして反対のことを言う。メロディを支えて歌えるヴィオラ、リズムセンスに長けたヴィオラだからこそできることがある。メロディ抜きの作品のように見えるけれど、分散和音からなるモチーフを、これだけエモーショナルにリズミックにメロディほど奏でてしまうヴィオラ。徹底してやりきり約20分を魅了してしまうヴィオラ。足りないことなんて何もない。ちゃんとヴィオラは主役を演じきっている。ああ、ヴィオラ弾きからみたらもっといろんな美味しいところが詰まってるんだろうな。ぜひ知りたい。とにもかくにも、あますところなくヴィオラ!ぜひご堪能ください。

 

Nico Muhly
Roots, Pulses

楽器編成:ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、ピッコロ (持替)、オーボエ、クラリネット、バスクラリネット (持替)、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、ピアノ、パーカション (2奏者) 

約15分の作品。ニコ・ミューリーによる楽曲解説がとても具体的です。手引きに聴くのが一番です。とてもくっきりした音像が印象的でした。それぞれの楽器が今なにをやっているかすごくよくわかる。改めて久石譲作品と並べられると、お互いのスタイルの違いもまたくっきりしてくるようです。久石さんの場合、旋律も楽器も絡ませることで生まれる魅力があります。ニコ・ミューリーさんの場合は、スコーンと抜けてる魅力があります。楽器の使い方の違いというよりは、旋律の作り方というか音符の動き方というか。まあわからないから墓穴もほどほどにして。

久石譲×ニコ・ミューリー。共演プログラムもすごい、来日したのもすごい、ニューヨークでやるのもすごい。このインパクトはもちろんあります。そんななかでやっぱりここに注目したい。現代音楽の間口を広げてきたふたりの現代作曲家によるコラボレーションだということ。世界中から引く手あまたの作曲家が現代作品で共演した。しかも新作をもちよった同時世界初演。この企画と実現はなかなかできることではありません。来年Vol.10あたりほんとうにテリー・ライリーさん、くるかもしれませんよ。

 

 

みんなの”MF9”コンサート・レポート、ぜひお楽しみください。

 

 

 

 

ニューヨーク公演

from Official Website | Carnegie Hall

 

日本プログラムとは一部異なり「2 Dances for Large Ensemble」が披露されます。また、Bang on a Can Festival EnsembleはMUSIC FUTURE Vo.5 ニューヨーク公演でも共演しています。スティーヴ・ライヒ、テリー・ライリー、ニコ・ミューリーなど現代作曲家の多くを録音しています。デヴィット・ラングさん達が始めた現代音楽グループです。この年は日本公演・NY公演ともにそのデヴィット・ラングとのジョイントコンサートでした。

 

 

 

 

 

Backstage

from 久石譲コンサート公式ツイッター
https://twitter.com/joehisaishi2019

 

 

ほか

リハーサル風景動画もあります

from 久石譲本人公式インスタグラム
https://www.instagram.com/joehisaishi_composer/

 

 

ほか

日本滞在中の食レポみたいで楽しいです。そばにうなぎに。

from ニコ・ミューリー公式インスタグラム
https://www.instagram.com/nicomuhly/

 

 

ほか

from 西江辰郎インスタグラム
https://www.instagram.com/tatsuo_music/

 

 

from テリー・ライリー公式ツイッター
https://twitter.com/TerryRiley_info

 

 

会場では、最新アルバム(前回Vol.8/2021を収録)の先行販売もありました。いち早く聴けることはうれしいです。こうやってMFコンサート毎に音源化してくれることはもっとうれしいです。

 

 

 

まだ間に合うライブ配信!

アーカイブ配信期間
配信終了後~11月3日(木)23:59

購入ページや視聴環境については公式サイトご覧ください。

公式サイト:久石譲プレゼンツ・ミュージック・フューチャー Vol.9|ライブ配信
https://joehisaishi-concert.com/mf-vol9-online/

Official web site for overseas:JOE HISAISHI presents MUSIC FUTURE VOL.8|LIVE STREAMING
https://joehisaishi-concert.com/mf-vol9-online-en/

 

 

 

2022.11.07 update
NY Photos

Joe Hisaishi, Autumn in New York !

ほか

 

リハーサル風景

ほか

 

公演風景

リハーサル風景動画もあります

 

公演後日

from 久石譲本人公式インスタグラム
https://www.instagram.com/joehisaishi_composer/

 

 

from フィリップ・グラス公式ツイッター

 

 

2022.11.15 update
NY公演風景& Young Composer’s Competition優秀作品音源公開

from 久石譲本人公式インスタグラム

 

 

 

 

MFシリーズ

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

Info. 2022/11/15 第4回 Young Composer’s Competition優秀作品 初演音源公開

Posted on 2022/11/15

10月26,27日開催「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」コンサートです。若手作曲家の新作を募集する「Young Composer’s Competition」、第4回を迎える今年も本演前に久石譲らの講評とMusic Future Bandメンバーによる披露となりました。 “Info. 2022/11/15 第4回 Young Composer’s Competition優秀作品 初演音源公開” の続きを読む

Info. 2022/11/15 舞台『千と千尋の神隠し』帝国劇場公演のネット配信が決定(SPICEより)

Posted on 2022/11/15

舞台『千と千尋の神隠し』帝国劇場公演のネット配信が決定 橋本環奈Ver.は初、上白石萌音Ver.は再編集版を初配信

東宝創立90周年の2022年3月に東京・帝国劇場にて幕を開け、大阪・福岡・北海道・名古屋と5大劇場計102回でいずれも即日完売を達成し、公演中の5月には、上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞に輝くなど、観る者の心に残る舞台として歴史を刻んだ、舞台『千と千尋の神隠し』(原作:宮﨑駿 演出:ジョン・ケアード 製作:東宝)。この度、帝国劇場公演のインターネット配信(TVOD(レンタル型配信))が決定した。 “Info. 2022/11/15 舞台『千と千尋の神隠し』帝国劇場公演のネット配信が決定(SPICEより)” の続きを読む

Info. 2022/11/14 対談 西村朗×久石譲 日本を代表する作曲家の“いま”を聴く(ぶらあぼONLINEより)

Posted on 2022/11/14

対談 西村朗 × 久石譲
日本を代表する作曲家の“いま”を聴く

 全音楽譜出版社が主催する「四人組とその仲間たち」の第28回目のコンサートが12月に開催される。「四人組」は、池辺晋一郎、新実徳英、西村朗、金子仁美という日本を代表する作曲家たち。今回はゲストで久石譲が加わる。そこで、同公演に因んで行われた西村朗、久石譲両氏の対談の席上でお二人に話をうかがった。(対談の模様は記事下の動画をご覧ください) “Info. 2022/11/14 対談 西村朗×久石譲 日本を代表する作曲家の“いま”を聴く(ぶらあぼONLINEより)” の続きを読む