Disc. 久石譲 『天空の城ラピュタ ハイテックシリーズ』

久石譲 『天空の城ラピュタ ハイテックシリーズ』

1989年11月25日 CD発売 30ATC-188
1989年11月25日 CT発売 26AGC-2071
1993年12月21日 CD発売 TKCA-70229
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72723

 

1986年公開 スタジオジブリ作品 映画「天空の城ラピュタ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

「ラピュタ」サウンドを新たな音楽表現でアプローチしたハイテックシリーズ

 

 

解説

アニメージュ・ハイテック・シリーズ第2弾!宮崎駿監督作品’86年公開映画「天空の城ラピュタ」のサントラ音楽のハイテック化。宮崎映画において透明感、重厚感を持って映像をさらに拡げていく、久石譲の音楽の世界をここで新たな音楽表現でアプローチ。サントラ音楽とは、まったく異った新しい音楽観で「天空の城ラピュタ」を感じるでしょう。

今作品のハイテック化は、前作「ナウシカ」と同様の試みでレコーディングは行った。基本となるリズム楽器、ベーシックな音色以外は、全てCASIO楽器のサンプリング音を混ぜ合せて作り上げた音となっている。下記にベーシックな楽器とCASIOの機種を掲載しておくので参考にして聴いていただきたい。なお、曲中で印象的な音を拾って簡単な解説も書き加えた。

・ROLAND D-550
・ROLAND MKS-80
・ROLAND R-8
・Oberheim Matrix-1000
・Prophet-5
・AKAI S-900
・AKAI S-1000
※CASIO FZ-10M
※CASIO G・Synth PG-380

 

1.空から降ってきた少女
冒頭からシタール、タブラ、ガムランとEsnoぽい響きで始まる。(全体を通してこのEsnoぽさはずっと続くのだが…) ここで特に印象に残るサウンドは、曲の始まりで、ビー玉の落ちる様な音これは、・G・Synth WATER RINGの音を薄くつけている。シタールの音は・FZ FL-11CHIKUZEN-BIWA ・G・Synth SITARを混ぜ合せ作っている。メロディを弾くバイオリンは、・FZ FL-14SOLO VIOLINをEQ処理で美しくして仕上げている。

2.ゴンドアの思い出
左右のスピーカで聴こえるガムランのシーケンスフレーズは、・G・Synth GAMELANの音をほんの少し足して作っている。3拍子の所で聴こえる乾いた笛の音は、・FZ FL-11SHINOBUE.NOUKAN,HICHIRIKIなど合せてEf処理して作った。曲終りのアナログシンセぽい音は・G・Synth DIST PGで出している。ドラムのバスドラ、和太鼓の様な音も・G・Synth WADAIKOをEQ処理で大きく変えて使ったものである。

3.タイガーモス号にて
曲頭、沖縄っぽい音を出しているのは、・FZ FL-11SAMISEN ・FZ FL-11KOTO ・G・Synth SAMISENなどと混ぜ合せてある。メロをとるピッコロの音は、・G・Synth ANT RECORDERの音も混っている。曲中のリズムのなくなる所の打楽器は、・FZ FL-11TSUZUMI,JAPANESE PERCUSSIONなどで作った。スコットランドぽいバグパイプの音は、・G・Synth BAG PIPE ・FZ FL-13のブラス系の音を色々と加工して作り出している。バイオリンの響きによりいっそう哀愁を出す味つけとなっている。

4.ロボット兵
ハードロックプログレと云う感じに仕上っている曲、ここで、バイオリンの様な、歪んだ音を作っているのは、・G・Synth PG-380である。

5.失意のパズー
またまたシタールの音は前出の音である。メロを演くマリンバ、ピッチカートの様な音は、・FZ FL-1 MARIMBA, HARPSICHORD, PIZZICATO, ・G・Synth HARPSICHORDを混ぜ合せ・G・Synthが金属ぽい音色を足している。曲中のねばりのあるギターサウンドは、・G・Synth FUNKY BASSを中心に色々と音処理してある。

6.君をのせて
ジプシーキングス風にガットギターのリズムからおなじみの”君をのせて”のメロが聴こえて来る。哀愁のあるメロディーが、ちょっと野性味のあるリズム感でおもしろい仕上りになっている。メロを演奏するチャイムの音とフルートの音は、・FZ FL-5 VIBRAPHONE ・G・Synth CHIME HIGH, BELL STRINGS ・FZ FL-2FLUTE ・G・Synth ANT RECORDERなどを使用し美しい音色にEQで加工している。

7.スラッグ渓谷の朝
曲頭の渓谷の朝の感じを出している鳥たちの鳴き声は、・FZ FL-7ANIMALS, BIRDSなどから…、曲想が中国風から日本風になる所で出て来る琴、木魚、笛etcは、・FZ FL-11SOUND OF JAPANESEの音を変化つけて作っている。スコットランドぽくなる所のバグパイプ等の音は前出の音である。

8.破滅への予兆
イントロで後ろのほうでなっている尺八は、・FZ FL-11SHAKUHACHIの音を加工して作っている。ディストーションのかかったギターサウンドは、・G・Synth DIS PG, WILD PG,などのヘビーなギター音を使っている。曲想が変って左右にPANしているストリングスの音は、・FZ FL-14SECTION STRINGSの音にモジュレーションをかけ動かしている。最後の爆発音は、・FZ FL-8WEAPONS/STRANGE SOUND

9.シータの決意
物憂い感を出すボサノバ風に仕上った曲。リズムをきざむガットギターは生楽器である。メロを演奏するフルートの様な音、ベルの様な音、・FZ FL-2FLUTE ・FZ FL-5 JAZZ PIANO, VIBRAPHONE, ・FZ FL-10 PIZZICATO ・G・Synth GLOCKEN, BELL STRINGS, CHIMEなどの音色を使用し、各音にごらない様注意を払って音をEQして作り上げた。

10.天空の城ラピュタ
ほぼ全編になっているベルの音は、・G・Synth HARPSICHORD, BELL STRINGS,などの音足して加工してある。メロを演奏するストリングスの音は、・FZ FL-14SOLO VIOLIN ・FZ FL-11SHINOBUE ・FZ FL-13 JAZZY SAXなど混ぜ合せEQ処理して作り上げた。曲中のオブリガードのホルンの音は、・G・Synth FRENCH HORNも加えてある。バンプ部のピッチカートは、・FZ FL-10 SOFT PIZZ, ・FZ FL-12HARPを混ぜ重力感のあるピッチカートに仕上った。各音色、バランスとも美しく整った曲にまとまっている。

以上の様に特に印象的な音をいくつか取り出してみたが、基本は各音源にCASIOのサウンプリング音とギターシンセの音を重ねて新しい音を作り出そうと云う試みであった。前作(「風の谷のナウシカ」)よりEsno色が強くなり、色々な要素のあるアレンジとなっており、バラエティーにとんだアルバムに仕上った。映画「天空の城ラピュタ」のサントラを聴いた方も、始めてこのアルバムを聴く方も十分に楽しめる音楽に仕上っていると思う。

また、この企画にはCASIO音楽ソフト企画部の古谷仁氏に多大な協力をいただいた。

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 『天空の城ラピュタ ハイテックシリーズ』

1. 空から降ってきた少女
2. ゴンドアの想い出
3. タイガーモス号にて
4. ロボット兵
5. 失意のパズー
6. 君をのせて
7. スラッグ渓谷の朝
8. 破滅への予兆
9. シータの決意
10. 天空の城ラピュタ

Produced by HIROYUKI KAMII
Arranged by MICHIAKI KATO

All Songs Composed by JOE HISAISHI

 

Disc. 奥田瑛二 『BLACK VIRGIN ブラック・バージン』

1989年10月25日 CD発売 H30C-10008

 

久石譲が大きく参加した作品である。

ミュージック・プロデューサー
2楽曲の作曲
全曲の編曲
シンセサイザー参加

 

 

「イタイのそこが」はプロモーション用非売品EPなどもある。

奥田瑛二 イタイのそこが EP 1

奥田瑛二 イタイのそこが EP 2

(EPジャケット)

 

 

奥田瑛二 ブラックバージン sc

1.イタイのそこが
作詞:Touch 作曲:Touch
2.そりゃないぜ
作詞:平野肇 作曲:景家淳
3.夢にまみれて
作詞:門谷憲二 作曲:高橋研
4.乾いた朝
作詞:奥田瑛二 作曲:久石譲
5.エンド・マーク
作詞:奥田瑛二 作曲:Touch
6.待ち人小夜曲(セレナーデ)
作詞:平野肇 作曲:山沢雅明
7.夢から醒めれば BRAIN DEAD
作詞:奥田瑛二 作曲:久石譲
8.ブラック・バージン
作詞:奥田瑛二 作曲:山沢雅明
9.生命をかけて(Ip Ti Darò Di Più)
作詞:Albert Testa 作曲:Memo Remigi 日本語詞:岩谷時子

全編曲:久石譲

Produced by Eiji Okuda and Jun Takagi
Music producer:Joe Hisaishi

MUSICIANS:
Eiji Okuda:vocals and blues harp
Joe Hisaishi:synthesizers
Hideo Saito:guitars
Kosuke Kaneko:sequencing and synthesizer programming

Songs arranged by Joe Hisaishi except backing voices on “Yume Ni Mamirete” , “Kawaita Asa” , “Yume Kara Samereba Brain Dead” , and “Io Ti Darò Di Più” arranged by Fumikazu Miyashita

 

Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ ハイテックシリーズ』

久石譲 『風の谷のナウシカ ハイテックシリーズ』

1989年10月25日 CD発売 30ATC-187
1989年10月25日 CT発売 26AGC-2070
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70134
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72719

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

「ナウシカ」のサウンドトラックを、エスニックポップ感覚で新たにレコーディング。

 

 

解説

アニメージュ・レーベル、ハイテック・シリーズは、名作アニメ映画等のサントラ音楽を新たに様々なハイテクノロジー、ハイシステム、ハイ感覚等を駆使し、作り上げた音楽である。アニメファン、サントラ音楽ファンのみならず、広く音楽ファンまでもが楽しめる作品である。

今回のコンセプトは、一つの楽器をどこまで追求できるか(音作り、音色作りと云う事において)を狙いに置いた。またアレンジの面では、今、世界で静かなブームを起こしているEsno Popの味つけをしつつ、オリジナル曲の持つ良さは失わない様作り上げた。

基本は、”YAMAHA TX 81Z”をシーケンサーとして、下記音源を鳴らした。
・YAMAHA RX5
・YAMAHA VII
・Oberheim Matrix
・AKAI S900
・KORG M1
それに
・CASIO FZ
・CASIO Guitar Synth
の2台をDrms以外のほぼ全音色に使用(単独の音ではなく、各楽器の音にCASIOの音を混ぜ合わせ使用)して、音作りに臨んだ。(フェアライトやシンクラビアの高額楽器を使用しなくてもHi-Techな音は可能である。)

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

SOUND MEMO

1.風の谷のナウシカ~オープニング~
この曲では、テーマを演奏しているソプラノサックスのみが唯一生楽器である。特に印象的な音は、・シタール(曲頭部)「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN III」”CHIKUZEN-BIWA” 「Guitar Synth PG RC-510G」”SITAR”の音を組み合せEQ処理して作った音である。・ピアノ(インプロビゼーション部)「FZ・FL-5 JAZZ PIANO」”JAZZ PIANO 1”を他楽器に混ぜ合わせて作った音である。・効果音(ピアノソロからテーマに戻る所)「Guitar Synth PG RC-510G」”WATER RING”の音を他音と加工して作った。

2.王蟲の暴走
曲頭からのアコースティック・ギターは生音である。サウンドホール部分に紙を張り付け共鳴を押さえ、シタールぽい響きを出している。・シロフォン(A・Gの後に聴こえる)「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 3”の音を足してある。・Dist・Sax(インプロビゼーション部)「FZ・FL-14 SOLO VIOLIN」”OCTAVE VIOLINS”「G SYnth PG RC-510G」”DIST DG 2”等を混ぜ合せEQ、EFで過激な音作りをした。・シタール Track-1と同様の音。

3.メーヴェとコルベットの戦い
・三味線「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN III」”TSUGARU-SHAMISEN”の音色をメインに加工した音。・和ダイコ「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN V」”JAPANESE PERCUSSION”の音をEQで厚みを出した。・フルート(テーマ部)「FZ・FL-2 FLUTE」”FLUTE 2”の音を加えてある。・シタール Track-1と同様の音作り。

4.戦闘
・ブラス「FZ・Fl-3 BRASS ENSEMBLE II」”BRASS ENSEMBLE 5”を足して作っている。・ソロブラス(インプロビゼーション部)「FZ・FL-13 ROXK BRASS」”FILTER BRASS”の音を加工して付け加えた音色。・バイオリン(インプロビゼーション部)「FZ・FL-14 SOLO VIOLIN」”SOLO VIOLIN”を加えている。

5.虫愛ずる姫
・シタール Track-1と同様。・ピッチカート、ハープ(テーマ部のメロとオブリガード)「FZ・FL-10 STUDIO STRINGS III」”VIOLA/VIOLIN PIZZ”「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN」”KOTO”「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 4”「FZ・FL-12 HARP」”CHORUS HARP”等の音色を作ってメロディアスなフレーズを演奏している。

6.ナウシカ・レクイエム
・バイオリン(テーマ部メロ)「FZ・FL-14 SOLO VIOLIN」”SOLO VIOLIN”を混ぜ合せEQで音を調整し使用した。・パンフルート(コーラス部メロ)「FZ・FL-12 PIPE ORGAN II」”FLUTE FAMILY 8”を加工し混ぜ合せ、音に厚みを持たせた。・マリンバ(オブリ・ソロ)「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 2”を加えてある。・タブラ「G・Synth PG RC-510G」”TUBULAR”を音色加工して混ぜ合せて作ってある。

7.ペジテの全滅
・マリンバ(曲頭部、左右にPAN)「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 2”の音を加えてある。・効果音(パーカシブルな効果音、ベースラインとユニゾン)「G・Synth PG RC-510G」”DIGI PIANO”を加えてある。曲中のソプラノサックス(インプロビゼーション)は、生楽器で演奏。

8.腐海にて
・ガムラン、タブラ「G・Synth PG RC-510G」”TUBLA””GAMELAN”を中心にEQで音を処理して作っている。・奇妙な効果音「FZ・FL-7 ANIMALS」”ANIMALS”の音を色々と加工して奇妙な効果音に仕上げている。曲中のアルトサックス(インプロビゼーション)は生楽器。

9.蘇える巨神兵
・ピアノ、ハプシコード(曲頭部)「FZ・FL-1 HARPSICHORD」”HARPSICHORD 3”「FZ・FL-JAZZ PIANO」”JAZZ PIANO 2”等を合せて作ってある。・ストリングス(ベースとユニゾンの重量感ある)「FZ・FL-1 CELLO/VIOLIN」”CELLO 1”「FZ・FL-10 STUDIO STRINGS III」”BASS/CELLO”等、弦の音をたくさん合せて作っている。

10.鳥の人~エンディング~
ギターの音はTrack-2と同様の音作りでEQで加工している。途中からサックスのソロは生楽器。・パーカッション(全編に入っているコンガ・ボンゴ・タブラetc…)「FZ・FL-6 PERCUSSION」「G・Synth PERCUSSION」を色々と混ぜ合せ使用してある。

一応、曲中でメインで聴こえる音色について具体的に使用器材を取り上げた。今回の試みは、CASIO FZ、CASIO Guitar Synthを使用してほぼ全部の音を表現しようとしたものであるが、諸々の状況からベーシックな音等は、前出の楽器とFZ等の音を混ぜ加工してある。尚、この試みにはCASIO音楽ソフト企画部の古谷仁氏に多大な協力をいただいた。

(SOUND MEMO ~CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 『風の谷のナウシカ ハイテックシリーズ』

1. 風の谷のナウシカ〜オープニング〜
2. 王蟲の暴走
3. メーヴェとコルベットの戦い
4. 戦闘
5. 虫愛ずる姫
6. ナウシカ・レクイエム
7. ペジテの全滅
8. 腐海にて
9. 蘇る巨神兵
10. 鳥の人〜エンディング〜

Produced by HIROYUKI KAMII
Arranged by KISHO YAMANAKA

ALL Song Composed by JOE HISAISHI

 

Disc. 久石譲 『MARIA』 ※非売品 *Unreleased

1989年10月17日 EP NOOE-8 ※非売品

 

オリジナル・アルバム『PRETENDER』に収録されている楽曲だが、本盤は日本詞となっている。アレンジも一部異なる。シングル用に準備しながら発売には至らなかった幻の音源である。

 

 

写真情報などから考察したもの。

『PRETENDER』(1989.9.21)に収録された歌曲はすべて英詞で歌われている。久石譲は「MARIA」について「もともとシングル用に作った楽曲」と当時インタビューで語っている。

「MARIA」はシングル用に歌詞とアレンジを変えてリカット発売する予定だった。プロモーション盤にはジャケットに手書きで配布日(or受取日)が明記されている。平成元年(1989)10月17日、ここからみてもアルバムよりも後の順番になるのではないか。ジャケットの裏側の『PRETENDER』告知をみても「収録されている」とアルバム既発扱いの印象を受ける。

『PRETENDER』ライナーノーツには英詞と対訳(日本語)が掲載されている。シングル用は作詞者が異なり内容も新しく書かれている。シングル発売に先駆け、有線放送でプロモーションをかけるための音盤だと思われる。

また、本盤B面に収録されている「冬の旅人」はジャケット説明にもあるとおりシングル・バージョンとなっている。歌詞が一部異なる。

 

久石譲本人によるボーカル・ベストアルバム『PRIVATE プライベート』(2004)、「MARIA」は『PRETENDER』からのアルバム・バージョンが収録されている。この楽曲の歌ものとしてのポジションが垣間見える。

 

アレンジの違いについて。楽曲の雰囲気は大きく変わるものではない。サックスのフレーズ、エレクトリック・ピアノのミニマル音型の目立ち、ストリングスの細やかさ、ドラムのアタックや質感など。アルバム曲からシングル曲へと装いを少し引き立たせるように、ポイントポイントに聴かせどころを配置したリカットらしいアレンジの変更になっている。エンディングはフェードアウトから、ボーカルによる「マリア」アカペラに変わっている。サビの歌い出し「マリア」の部分だけをフェルマータするように余韻を伸ばして歌っている。

 

MARIA

ALBUM version
Lyric:BANDIT・KYSIA BOSTICK
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

SINGLE version *Unreleased
作詞:麻生圭子、久石譲
作曲・編曲:久石譲
歌:久石譲

 

 

(EPジャケット / EP盤)

 

 

(EPジャケット / EP盤)

 

Disc. 久石譲 『魔女の宅急便 ドラマ編』

1989年9月25日 CD発売 22ATC-185~6
1989年9月25日 CT発売 18AGC-2068~69
1996年11月21日 CD発売 TKCA-71032

 

1988年公開 スタジオジブリ作品 映画「魔女の宅急便」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

本作品は映画本編を映像なしの音声のみで聴く作品である。BGMはもちろんセリフや効果音などもそのまま収録されている。

 

 

ものがたり

キキは魔女の血を引く女の子。とてものどかな田園の村に育ち、今年13歳になりました。魔女は古くからのしきたりで、13歳になったら一年親元を離れ修行の旅にでかけなくてはなりません。キキはそれがうれしくてうれしくてしようがありませんでした。満月の昇った晩あこがれの大都会に向けて旅立ちます。かあさんのほうきにまたがって。

キキが見つけたのは、人や車がごったがえす大きな街でした。都会にあこがれる少女にとっては願ってもない場所です。しかし思ったようにはいきません。都会での風当たりはとかく厳しいもので、大きく膨らんでいた期待感はみるみるしぼんで、すっかりおちこんでしまいました。そんな時、キキはパン屋のオソノさんに出会います。オソノさんはキキを気に入ってくれて空き部屋を提供してくれました。こうしてキキの都会での暮らしが始まったのです。

キキはさっそく商売を始めます。それは唯一の魔法、空を飛ぶ力を利用した宅急便でした。いろいろ失敗しながらも老犬のやさしさにふれたり、きさくなお姉さんウルスラと友達になったり、あるいは老婦人の真心に心打たれたりしながらキキは少しずつ成長していきます。男の子の友達もできました。トンボというその少年の破天荒な明るさは、最初キキを戸惑わせましたが、大空を飛びたいと願う少年の純粋な心が徐々にキキをうちとけさせたのでした。

ある日、キキは魔法の力を失います。ジジの言葉がわかりません。大空も飛べません。自分の取柄を失ったキキは途方に暮れ、じたばたと辛い毎日を送るのでした。そんな時ウルスラが訪ねてきて、森のログハウスにキキを誘ってくれたのです。初め気もそぞろだったキキも、いつしか笑顔を取戻し楽しい時を過ごすのでした。心がなごみキキはウルスラに自分の気持ちを打ち明けます。ウルスラは、自分にも同じことがあったと語ります。自分も苦しんだのだと…。

キキは少し大人になりました。

翌日、街はパニックに陥りました。夏の突風が海岸に停泊していた飛行船を舞い上げ、一本のロープにトンボ少年をぶら下げたまま街の上空に流されてしまったのです。トンボの危機をニュースで知ったキキは、トンボを救いたい一心でデッキブラシにまたがり念じます。そして、再びキキは大空へ舞い上がったのでした。

 

◆ ◆ ◆

このCDに記録されているのは正真正銘、劇場公開された《魔女の宅急便》のサウンド・トラックである。こうしてサウンドだけを抽出して聞いてみようとなさる方は、きっと映画をご覧になって体感なさった音を存分に堪能してやろうと思っていらっしゃるのではあるまいか。

さて、ここに収められているサウンド・トラックの中身とは実は、我々録音作業に携わったスタッフ一人一人の血のにじむような努力と格闘の日々の全記録なのである。ああ、たれが知る、百尺下の水の心…。(大仰な…。)そう、何を隠そう我等こそ『魔女宅に彼等あり。』とうたわれた録音スタッフ軍団なのであ~る。(ホントかよ。)

今回のテーマは”ある普通の女の子の数週間の日常”である。宮崎監督はアニメーションでは御法度(?)とされている”普通”と”日常”というテーマに真っ向から取り組み勝負を挑まれた。勿論すべてうまく運んだわけではない。話を作っていく過程でさまざまな難問が飛びだし、ご苦労も多かったようだ。画が大変となれば音もそれに比例してしっかり大変になる。我々録音スタッフは、映像に、追従するサウンドの3つの要素、Voice、Sound Effect、Musicを、あーだこーだ混ぜ合わせて、映像に対してその表現が充分発揮されるよう蔭になり日向になりしてお助けする使命を与えられていると言っていい。勿論、宮崎監督は音作りの段階でも大変熱心にその過程にかかわり表現一つ一つに対してイメージ違いがあればビシバシ駄目だしをなさる。特に、役者の声の質や表現力についての注文は厳しく、おメガネにかなうキャラクターを見付け出すのは容易なことではない。「魔女宅」では、声に対してこれまで以上に難しい注文がだされ、我々録音スタッフは、配役を決定するまでにかなりの時間を費やし、いくつもの曲折を経なければならなかった。監督が求めるキャラクターは、果たしてこの世に存在し得るのだろうか? 我々はなかなか目指す人材と接触できず、監督もさぞ気をもまれたに違いない。だがついに、ついに我々録音スタッフは、数奇石を…。姓は高山、名はみなみ、人呼んで”誰も気付かなかった意外な人物”。そう、彼女がキキとウルスラの二役をあれほど見事に演じわけてくれるとは、まさに前代未聞の珍事、とても幸運な事だったと思う。

彼女はまだ若く、役者歴も浅い。2年程続いているTVアニメで主役の少年を演じているくらいで、女の子など一度もやったことがなかったそうだ。本人も、また両親や知人にいたるまで、この役が決まったことが信じられなかったと言う。とうとうARまで一カ月と迫ったある日、我々録音スタッフな何度目かのオーディションを行い、ウルスラ役で高山みなみを呼んだのだが、我々のほうでは彼女ならウルスラでいけるだろうとにらんでいた。案の定、監督をはじめ作画スタッフのみなさんにお聞かせしたところ、大変喜んでくださり、ウルスラは高山さんに満場一致で即決定したのだった。ではなぜキキ役に? キキというのは、限りなくヒロインに近いただの娘である。この”ただ”という部分に監督は一貫してこだわっていらした。だが”ただ”という前に”限りなくヒロインに近い”という修飾語がついている。この点が非常に難しかったと言えるだろう。ところが彼女は、その壁をいとも簡単にうち砕いてくれた。ウルスラのテープを監督と共に聞いたときはっとするものがあったのだ。監督も感じられたそうだが、それは”この子をキキにすれば”という直感であった。-ともあれ高山みなみの出現は「魔女宅」の仕上がりに大きな影響を与えたと言えるだろう。今後、彼女がどんな役者に成長していくか大いに期待したい。

ところで宮崎監督はSEに対しての要求も大変熱心で細かい。何よりも自然な音を求められる。ところがこれが実にやっかいなのだ。アニメーションではそもそも音がない。まったくの無から作りあげねばならない。これは効果音を担当する者にとってはまさに力のみせどころ、が同時に限られた時間の中で、膨大な量の音を用意し、決めなければならない苦しみが伴うのである。しかもそれが自然や日常の再現となると、些細な嘘も通用しない。現実の音などいくらでもころがっているように思いがちだが、あたりまえの音というのは決して目立ってはいけないものであり、さりげなく、それでいて空間に存在感を持たせる音でなくてはダメなのである。いわゆる背景音、あるいは環境音というのは、具体性がないだけにプランを立てにくく仕上がりを予測しにくい。これが効果泣かせの由縁でもある。また、自然な動きを再現するために効果さん自身がラッシュにあわせて人や動物を演じることも多々ある。ナチュラルなサウンド作りは大変地味であるが実は、どのような音作りよりも奥が深く、幾重にも塗り重ねる油彩画を描くがごとく、丹念な仕上げが求められるものなのだ。それゆえたくさんの苦労がつきまとう。今回の効果音を担当した佐藤氏の努力は並々ならぬものであったに違いない。本当によくやってくださったと思う。雷や雨の音、カモメたちの声、都会の喧そう、床のきしみ、etc……。そんなキキを取り巻く様々な音に是非耳を傾けて戴きたい。

(ものがたり/解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

魔女の宅急便 ドラマ編

DISC 1
1. 旅立ち〜海の見える街
ルージュの伝言
詩・曲・歌:荒井由実
(by the courtesy of ALFA RECORDS,INC)
2. 空とぶ宅急便

DISC 2
1. キキとトンボ
2. 元気になれそう
やさしさに包まれたなら
詩・曲・歌:荒井由実
(by the courtesy of ALFA RECORDS,INC.)

 

Disc. 久石譲 『PRETENDER』

久石譲 『PRETENDER』

1989年9月21日 CD発売 N29C-703
1989年9月21日 CT発売 N25K-703
1992年12月21日 CD発売 NACL-1506

 

鋭敏なエレクトリック・サウンドと生の声のミックス NY録音

 

 

INTERVIEW

Q.ニュー・アルバム『プリテンダー』のコンセプトの「原点」に戻る……ということについて、くわしく教えてください。

久石:
今回のコンセプトである「原点」に戻るということは、いわゆる本当の根本的な「原点」に戻るということではなく、自分が今ままでやってきた事で、例えば、『α-Bet-City』というアルバムをニューヨークでレコーディングした時、「フェアライトをこれだけ使うのはZTTかHisaishiだけだな」みたいな感じで、レコーディングしている最中にA&Mレコードやセルロイドから引き合いがきたり、自分が今までやってきた「インストゥルメンタル」、「音楽」、「世界レヴェルで通じるもの」を今回徹底して作ってみたいと思っていました。ヴォーカルものは英語詞で歌ったり、歌ってもらったし……。日本語だとどうしてもローカルになってしまうしね。「世界のフィールドで自分がどれだけ通用するか?」ということが一番根底にあったし、それがいわゆる「原点」ですね。

 

Q.海外のアーティストやミキサーと一緒に作り上げた今回のレコーディングのエピソード等がありましたら教えてください。

久石:
今回のレコーディングに参加してくれたミュージシャンを始め、ミキサーや各スタッフ達が日本発売とは思ってなくて、当然、世界発売……すくなくとも自分達の国の音楽だと思って、レコーディングに参加してくれたことが非常に嬉しかったことですね。

例えば、どのチャートを狙うのか、日本国内のチャートではなく、全米のブラコンやディスコ・チャートなのか、ポップス・チャートなのか。「どのチャートを狙うんだ」と、僕のところに親身になっていろいろと相談してくれて、「ブラコンやディスコ・チャートを狙うんだったら、良いミキサーを紹介するよ」って、いろいろ助言してくれたことが印象に残っています。

 

Q.国内とは違う環境でのレコーディングで何か変化や影響がありましたか? また、共演したアーティストやミキサーから触発されたものがありましたでしょうか?

久石:
一番は電話がかかってこないということですね。ふたつ目は、集中して音楽を創り上げられるということです。

基本的には国内でレコーディングしても同じだと思ってました。「海外でレコーディングをする」という意味は例えば、「海外でレコーディングした」ということは、もうアルバム・セールスにおいて「売りになる時代」にはならないし、それだけでインパクトがあるとも思っていないので、重要なファクターではないと思ってます。

今年(1989年)の3月にニューヨークに行って調べたミュージシャンやミキサーと知り合って、例えば、ドラムのノリ等の細かい点で、国内のドラマーが参加すると「こうなってしまう」とか、ある程度先が見えてしまう…海外のアーティストの場合、あるミュージシャンに参加してもらうと、その細かいリズムのノリや仕上がり具合がわかる。そういう意味では、海外でのレコーディングは必然的であったということだと思います。

根本的には海外でレコーディングしたから、今回のアルバムが出来たという気持ちはないけれど、それなりの+αはあったという感じはしています。

 

Q.『プリテンダー』で使用した主要なキーボード系、デジタル系(リズム・マシン、サンプラー、エフェクター等)の楽器を教えてください。

久石:
今回のアルバムでは、ほとんど生の楽器を多様しているし、生リズムで録ったのでシンセサイザーの使用頻度は少なめですが、使用した楽器はフェアライトIII、カーツェルやジュノー、DX7、S1000等の通常使用しているものです。

レコーディングに入る前にフェアライトIIIに全部のパートを打ち込んでおいて、本番ではそれを生の楽器に差し替えて録音しました。実際、レコードに収録されているフェアライトIIIの音や使用頻度は、全体の2~3割程度ですね。

曲のスケッチ段階で、ドラム・パートやベース・パート等すべてを打ち込んでおいて、それは、アルバムで聴けるフレーズや曲の感じの差はあまり変わってないということは、今回のフェアライトIIIの役目としては「縁の下の力持ち」になったということになります。

 

Q.最後に読者に対してコメントをお願いします。

久石:
今回の『プリテンダー』は、自分にとっても非常に大切なアルバムに仕上がりました。「日本」という独特な土壌の中で、日本の人々に受ける(日本人に受けるという言い方も変だけど)、つまり「国内向けに日本的なものを創る」というのではなくもっと乾いた「ウェットな部分ではない部分」を出したいというのがあって、そういう意味でいうと自分なりに納得するアルバム、「洋盤として納得するアルバム」に仕上がったと思ってます。

「聴き手」と「作者としての自分」の関係が「ベタベタ」したものではなく、むしろお互いに「対等」にあるような関係があって、自分の中ではとてもおもしろいチャレンジが出来たし、非常に納得したという部分があるので、その辺を感じながら聴いてもらえるとありがたいと思います。同時に、音楽的にもかなり高度な部分と、それを分かり易く噛み砕いてやている部分とがあるので、その辺がわかっていただけると幸いだし、また、本書を利用して演奏していただけると嬉しいと思います。

「ピアノ弾き語り 久石譲/プリテンダー +BEST」 楽譜所蔵インタビューより 抜粋)

 

 

【楽曲解説】 Music Commentary by Joe Hisaishi

Meet Me Tonight
この曲は古き良きアメリカ、或いはビートルズ・エイジの人々が非常に懐かしく感じるようなメロディ・ラインを意識して作りました。

都会というよりは、田舎のハイスクールの学生が彼女のことを思うというような、ノスタルジックな暖かさを含んだ楽曲です。ニューヨークでレコーディングをしている時にも、ミュージシャンが思わず口ずさんでしまうという感じで、自分達の国の音楽として受け入れられた曲です。サビのコーラスの部分が特に自分でも気に入っています。

True Somebody
これはブリティッシュ・ロック系の曲を意図して作った楽曲ですが、ベーシックなリズム・ラインにはモータウンのリズムを取り入れました。ヴォーカルに黒人のヴォーカリスト(N.David “Tigger” Whitworth)を起用しており、世界的なマーケットでも通用するような曲に仕上がっていると思います。

Wonder City
この楽曲は、7~8年前にリリースした僕のソロ・アルバムの中に収められていたものです。当時、自分でも納得いかなかった部分もありましたが、今回の再度のチャレンジでかなり納得のいく仕上がりとなりました。自分でも、とっても気に入っている曲です。今年(1989年)の2月に行ったコンサートでもこの曲は非常に評判が良かった曲です。

Maria
これはシングル用に作った楽曲で、バラードの路線を狙って作りました。僕の音楽の特徴は、メロディ・ラインが非常に器楽的だということがありますが、それを強調してみようということで、音域の広い曲になっています。『秋の夕日が落ちていく海辺……』そんなイメージ。

All Day Pretender
このアルバムのタイトル『PRETENDER』が象徴するように、この曲が全体のコンセプト曲になっています。「いつも”ふり”をしている人」という意味をもったこの曲は、出だしの”モード”っぽいところからサビにいくまで、自分の中でも非常に納得した仕上がりになっています。ある意味では自分の原点的な楽曲といえます。

Manhattan Story
これは、古い新しいということではなく、スタンダードできちんとしたメロディを書きたいと思って書いたものです。都会派のメロディ・ラインを意識して作りました。

Holly’s Island
この曲は、「東洋的なメロディ・ラインとラテン的なサウンドをドッキングさせたらどうなるか?」ということを考えて作った楽曲です。アイランド的といいますか、非常にほのぼのとした感じが出ているので、自分でもとても好きな曲です。タイトルの”Holly’s”というのは、ドラマーのスティーヴ・ホリーと、「Holly Night(聖なる夜)」からきています。

Midnight Cruising
これはインストゥルメンタルの曲で、メロディも非常にクールなハードボイルド・タッチを意識して作った楽曲です。曲の中間部では、ジャズ・ワルツのような部分もあって、演奏面からいっても非常に難しいものなのですが、共演のミュージシャン達もノリにノッて素晴らしい演奏をしてくれました。

View of Silence
これはピアノとストリングス(ニューヨーク・フィルのメンバーとの共演)の楽曲です。

アルバム『Piano Stories』以来、ピアニストとしての僕は、前作品の『illusion』に引き続き、必ず最後にピアノの作品を入れていこうという意図で作った楽曲です。いわゆる映画音楽をひくるめて作ってきた、「僕なりのメロディ」というものの延長線上にあるものです。

今回はストリングス・セクションもニューヨークで録るということで、特に力を入れてアレンジをしました。「内なる情熱」というようなエモーショナルな部分が引き出せたと思います。

(【楽曲解説】 「ピアノ弾き語り 久石譲/プリテンダー +BEST」楽譜より)

 

 

「今回は「節」になるメロディーはやめようという考えがあったんです。日本のメロディーってみんな「節」でしょ? AがあってA’がきてBメロ、サビのC……という具合に分かれてて、それをビルト・アップしていく感じ。『イリュージョン』ではそれをやったんですよね。いかにも日本風のやつをやってみようと思ったから。だけど、今回はもっとシンプルなことをやりたかったんですよ。要するにリフの繰り返しでいけるようなことをしたい。非常にモードっぽくいきたい、と。日本だと1つのパターンで全曲押し切るっていうのはなかなかできないじゃない? 一度、そういうところでのメロディーのチャレンジをしてみたかったということなんです。外国の曲では当たり前のことなのに、日本では一生懸命コード変えたりとかするでしょ? 簡単に言うと、今回はできるだけ情報を整理したかった。情報量を最小限にして、ゴテゴテさせないっていう考えはありましたね。」

「「オールデイ・プリテンダー」という曲は全曲を通して「ラミシミレミラミ」というシーケンスがずっと鳴ってるんです。これはどちらかというとAmモードっぽいですよね? ところが、ベースは出だしからDの音なんです。レミファソ……といって、ラはなかなか出てこない。でも、「ラミシミ……」と鳴ってベースがDだとDのモードにも聞こえる。ベースがEに行くと、Esus4にも聞こえる。Fに行くとF△7の変形にも聞こえるし、Gに行くとG6……。基本的に要素が少ないでしょ? 右手はずっと同じだから。ベースの音が1個変わるだけで世界がパッと変わる。そういうのがやりたかったんです。「ワンダー・シティ」は最初から最後までベースが同じですからね。音が1つも変わってない。省エネの極致だね(笑)。」

Blog. 「KB SPECiAL キーボード・スペシャル 1990年1月号」久石譲連載 第2回 ドからド。それだけで作れる音楽 より抜粋)

 

 

「今までは90%くらいは電気楽器、打ち込みものとかが多かったのですが、今回は逆に85%近くは生のピアノやドラム、ベースなどを前に出して非常にバンドっぽくあげたかったんです。打ち込みだとジャストでしょ。ジャストだとニュアンスがないからつらい部分があって…。そういう意味では今回はリズムのノリもいいし、かなり欲しいニュアンスが録れたなと感じますね。中には1曲めと5曲めのように部分的に打ち込みを使った曲もありますが、後は全部生です。その打ち込みの部分も、生の音との違いがほとんどわからないくらい精密に、フェアライトで作っていったんですよね。今回はバンドっぽいサウンドということをコンセプトにおきましたから、そういう意味でのカラーの統一をしたかったんです」

「1曲1曲、思いっきりパワーを持つように作ったんです。今回はインストとボーカルものを混ぜてしまったし、下手するとバラバラになっちゃうような非常に難しいアルバムだったんですよ。ただ正解だったのはバンドっぽい音ということで、リズム体を変にサンプリングで入れ替えたりして凝りすぎないで、全曲、素直に通したんです。曲の表わし方の個性をどうつけるかでジャジイなものがあったり、ピアノ曲があったりするけど、その上でもっと大きな個性で結実しないかなという思いはありました」

Blog. 「KEYBORD LAND キーボード・ランド 1989年10月号」久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「そうですね。今回一番思ったことは、確かに向こうの人はすごい体力もあるし音もすごいからハデな曲を持ってった方がいい、という発想はあったんだけど、逆にこういう「マンハッタン・ストーリー」とか遅い曲も彼らはすごくうまいんですよ。で、ワーッと思ってね、テンポが8つくらい、128ぐらいだったのを110いくつくらいにしたのかな、すごい量を落としたんです。中間のファンクっぽい部分が成立するギリギリのテンポまで落としました。

それで、ほとんどの曲が東京で組んだテンポのままなんですよ。せいぜいひと目盛り下がるかどうかという……。それに関してもかなりシビアにやってったから、ほとんど変わんなかった。唯一変わったのが「マンハッタン……」。それがドドド……って落ちたっていう……。この辺がやっぱりノリのすごさなんだなっていうことを思いましたね。」

 

「そう、最初にまずピアノを録って、それから弦のアレンジして弦を録ったんです。ピアノを録る前の日に曲ができましたからね……。

あの「ヴュー・オブ……」は今までの自分のメロディーらしいメロディーと、同時にちょっと踏み出してるんですよ。メロディーの中でのキーのチェンジが激しいですからね。一歩間違うと今回のコンセプトに合わない曲なんですよ。あの曲を外すかどうか迷いましたね。

で、アルバムに入れた中では唯一ミニマルっぽい扱いですね。途中からピアノが一つのフレーズの繰り返しで押し切って、それとは別に弦が動く。あそこらへんからモードっぽい進行に切り換えることによって、やっとアルバムに入ったんですよ。辻褄が合うようにした。それがすごい難しかったね。

コード進行にそった形でピアノのアルペジオを入れるといちばん僕らしくなるんだけど、今回それをやるとちょっと違うんじゃないかっていう感じがあって。それがちょっと苦しかったとこですね。「ヴュー……」は楽曲的には自分でも納得いってたから、今回入れるためには他の曲とのつなぎの接点でモードというのを使ったんです。そういう方法というのは全体にあるんです。」

Blog. 「KB SPECiAL キーボードスペシャル 1989年11月号」久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

「MARIA」は幻のシングル・バージョンが存在する。発売には至らなかった。

 

 

 

久石譲 『PRETENDER』

1. MEET ME TONIGHT
2. TRUE SOMEBODY
3. WONDER CITY
4. HOLLY’S ISLAND
5. MARIA
6. MIDNIGHT CRUISING
7. ALL DAY PRETENDER
8. MANHATTAN STORY
9. VIEW OF SILENCE

Lyric:宇多田照實 1. 2. 3. 7.

Musicians
Steve Holly(drums)
Brian Stanley(Bass)
Paul pesco(Guitars)
Steve Thornton(Percussions)
Steve Elson(Saxophone)

Recording:Sorcerer Sound,Sanctuary Recording,RCA Studio,Wonder Station
April 1989~June 1989

 

MEET ME TONIGHT

Keyboards: Joe Hisaishi
Piano: Joe Hisaishi
Guitars: Paul Pesco
Chorus: Kysia Bostick,
N.David “Tigger” Witworth
Vocal: Joe Hisaishi

TRUE SOMEBODY

Drums: Steve Holly
Bass: Brian Stanley
Keyboards: Joe Hisaishi
Guitars: Paul Pesco
Chorus: Kysia Bostick
N.David “Tigger” Whitworth
Joe Hisaishi
Vocal: N.David “Tigger” Whitworth

WONDER CITY

Drums: Steve Holly
Bass: Brian Stanley
Keyboards: Joe Hisaishi
Guitars: Paul Pesco
Percussions: Steve Thornton
Tabla: Adam Rudolph
Chorus: Kysia Bostick
N.David “Tigger” Whitworth
Joe Hisaishi
Vocal: Joe Hisaishi

HOLLY’S ISLAND

Drums: Steve Holly
Bass: Brian Stanley
Keyboards: Joe Hisaishi
Guitars: Paul Pesco
Saxophone: Steve Elson
Chorus: Kysia Bostick
N.David “Tigger” Whitworth

MARIA

Keyboards: Joe Hisaishi
Piano: Joe Hisaishi
Guitars: Paul Pesco
Percussions: Steve Thornton
Saxophone: Steve Elson
* String Section
Violin: David Nadian (Concertmaster), Marti.J.Sweet
Harry Lookofsky, Arnold Eidus
Richard Sortomme, Sol Greitzer
John Pintavalle, Charles Libove
Barry Finclair, Lamar Alsop
Viola: Elena Barer, Jan Mullen
Cello: Charles P.McCracken, Richard Locker
String Arrangement: Ed Bilous
Chorus: Kysia Bostick
N.David “Tigger” Whitworth
Vocal: Joe Hisaishi

MIDNIGHT CRUISING

Drums: Steve Holly
Bass: Brian Stanley
Keyboards: Joe Hisaishi
Guitars: Paul Pesco
Percussions: Steve Thornton
Piano: Joe Hisaishi
Saxophone: Steve Elson

ALL DAY PRETENDER

Drums: Steve Holly
Bass: Brian Stanley
Keyboards: Joe Hisaishi
Chorus: Kysia Bostick
N.David “Tigger” Whitworth
Vocal: Joe Hisaishi

MANHATTAN STORY

Drums: Steve Holly
Bass: Brian Stanley
Keyboards: Joe Hisaishi
Piano: Joe Hisaishi
Saxophone: Steve Elson
String Section: *
String Arrangement: Ed Bilous
Vocal: Kysia bostick

VIEW OF SILENSE

Piano: Joe Hisaishi
String Section: 
String Arrangement: Joe Hisaishi
Executive Producer: Masaharu Honjon
(NEC Avenue)
Mamoru Fujisawa
(WONDER CITY)
Producer: Joe Hisaishi
Co-Producer: Thomas Hiruta
(WONDER CITY)
Akira Shimabukuro
(NEC Avenue)
Ed Bilous
Recording Engineer: Roger Moutenot
Kennon Keating
Don Wershba
Suminobu Hamada
Mixing Engineer: Roger Moutenot
Mastering Engineer: Tony Dawsey
(Masterdisk)
Assistant Engineer: Jim Goatley
Judy Kirscher
(Sorcerer Sound)
Eric Hurtig(Sanctuary)
Anthony Sanders
Soundtrack)
Fairlight/Synth Programmer: Joe Hisaishi
Bill Seery
Steve Rimland
All songs composed and arranged
by Joe Hisaishi
Recording Studios: Sorcerer Sound
Sanctuary Recording
RCA Studio
Wonder Station
Mixing down Studio: Soundtrack
Mastering Studio: Masterdisk
Co-ordination: The MEDIUS Corporation, NY
Recorded on April 1989~June 1989

Object Manufacturer: Eisaku Kitoh
Photographer: Katsumi Takada
Design: Rieko Kanno (AC Project)
Art Co-ordinator: Yumi Horie(NEC Avenue)
Special Thanks: Jin Tamura (Inner Photo)
PARCO (Obje TOKYO-TEN 1989)

 

Disc. 久石譲 『魔女の宅急便 サントラ音楽集』

久石譲 『魔女の宅急便 サントラ音楽集』

1989年8月10日 CT発売 25AGC-2067
1989年8月25日 CD発売 32ATC-184
1989年8月25日 LP発売 35AGL-3067
1996年11月21日 CD発売 TKCA-71031
2004年9月29日 CD発売 TKCA-72742
2020年3月11日 LP発売 TJJA-10021

 

1989年公開 スタジオジブリ作品 映画「魔女の宅急便」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

映画本編で使用された全楽曲を収録したサントラ盤。高畑勲が本作では音楽演出を担当している。録音は1989年6~7月、ソロアルバムの作業で渡米していた久石の帰国直後に行われた。CDとLPのジャケットは同一。荒井由実の挿入歌2曲も収録。

 

 

 

「そうですね。架空の国ではあるけれどもヨーロッパ的な雰囲気ということで、いわゆるヨーロッパのエスニック、それも舞曲ふうのものを多用しようということは考えました」

「それはあまり意識しませんでしたけど、たとえばギリシャふうですとか、そういうニュアンスを出したというのはありましてダルシマ(ピアノの原型となった民族楽器)とかギター、アコーディオンというふうにヨーロッパの香りのする楽器をたくさん使ったりしました」

「ええ。さっきもいったように、今回は僕のほうのスケジュールがつまっていたものですから、高畑さんにはいろいろと助けていただきました。通常ですと、僕が自分で音楽監督も兼ねるわけですが、今回は時間的にむずかしかったので、高畑さんと宮崎さんが打ち合わせてどのシーンに音楽を入れるかというプランを立てて、それをもとにぼくが作曲するという形をとらせてもらったんです。宮崎さんはもちろんですけど、高畑さんも音楽にはたいへんくわしい方ですから、安心しておまかせしました」

「今回はシンセサイザーを使った曲をぐっと少なくしています。従来ですと半分くらいはシンセやほかの電気楽器を使ったりするのですが、この作品では内容もリアルなものになっていますから、全体に生の音に近づけてみました。あとはメロディーの部分で、地中海ふうのもの、それも三拍子を使った舞曲的なものが多いというのが今回の特徴でしょう。」

Blog. 久石譲 「魔女の宅急便」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

高畑
「ヨーロッパ的雰囲気をもった舞台にふさわしいローカルカラーをうちだそうということだったんです。それと、つらいところ悲しいところに音楽はつけない、とか、歌とは別にメインテーマの曲を設定して、あのワルツですが、あれをキキの気持ちがしだいにひろがっていくところにくりかえし使うとかが、音楽の扱いの上での特徴というえば特徴ではないでしょうか。はじめ、ホウキで空を飛ぶ、というのはスピード感もないし、変な効果音をつけるわけにはいかないので心配だったのですが、久石さんの音楽もユーミンの歌も、いまいったねらいにピッタリだったし、上機嫌な気分が出ていたのでホッとしているところです。」

Blog. 久石譲 「魔女の宅急便」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

 

 

2020.03 Update

2020年発売LP盤には、新しく書き下ろされたライナーノーツが封入された。時間を経てとても具体的かつ貴重な解説になっている。

 

 

 

 

久石譲 『魔女の宅急便 サントラ音楽集』

1. 晴れた日に…
2. 旅立ち
3. 海の見える街
4. 空とぶ宅急便
5. パン屋の手伝い
6. 仕事はじめ
7. 身代わりジジ
8. ジェフ
9. 大忙しのキキ
10. パーティーに間に合わない
11. オソノさんのたのみ事…
12. プロペラ自転車
13. とべない!
14. 傷心のキキ
15. ウルスラの小屋へ
16. 神秘なる絵
17. 暴飛行の自由の冒険号
18. おじいさんのデッキブラシ
19. デッキブラシでランデブー
BONUS TRACK
20. ルージュの伝言  歌:荒井由実 (作詞・作曲:荒井由実)
21. やさしさに包まれたなら  歌:荒井由実 (作詞・作曲:荒井由実)

 

Kiki’s Delivery Service (Original Soundtrack)

1.On a Clear Day
2.Departure
3.A Town with an Ocean View
4.Flying Delivery Service
5.The Baker’s Assistant
6.Starting the Job
7.Surrogate Jiji
8.Jeff
9.A Very Busy Kiki
10.Late for the Party
11.Osono’s Request
12.A Propeller Driven Bicycle
13.I Can’t Fly!
14.Heartbroken Kiki
15.To Ursula’s Cabin
16.An Unusual Painting
17.The Adventure of Freedom, Out of Control
18.The Old Man’s Push Broom
19.Rendezvous on the Push Broom

 

Kiki La Petite Sorcière
(Europe, 2012) 9102470

1.Un jour ensoleillé…
2.En voyage
3.Une ville avec vue sur l’océan
4.Service de livraison express aérien
5.Aide à la boulangerie
6.Premiers jours de travail
7.Jiji, le remplaçant
8.Jeff
9.Kiki, très affairée
10.En retard pour la fête
11.La demande d’Osono …
12.Le vélo à hélice
13.Je ne peux pas voler
14.Kiki, cœur brisé
15.A la cabane d’Ursula
16.Une peinture mystérieuse
17.« L’ Aventure de la Liberté » hors de contrôle
18.Le balai-brosse du vieil homme
19.Rendez-vous sur le balai-brosse
20.Un message en rouge
21.Enveloppée de tendresse

 

마녀배달부 키키 Original Soundtrack
(South Korea, 2013) PCKD-20216

1.맑은 날에 
2.여행
3.바다가 보이는 마을
4.하늘을 나는 배달부
5.빵집 도우미
6.일의 시작
7.대역 지지
8.제프
9.바쁜 키키
10.파티에 늦겠어
11.오소노씨가 부탁한 일
12.프로펠러 자전거
13.날 수 없어!
14.상심한 키키
15.우르술라의 오두막집으로
16.신비한 그림
17.폭주비행 자유 모험호
18.할아버지의 빗자루
19.빗자루로 랑데뷰
20.루즈의 전언
21.따스함에 안겨진다면

 

Disc. 久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体 サウンドトラック / THE UNIVERSE WITHIN 』

1989年5月21日 CD発売 N29C-27
1989年5月21日 CT発売 N25K-27
1992年11月21日 CD発売 NACL-1503

 

1989年放送 NHKスペシャル 「驚異の小宇宙 人体」
音楽:久石譲

~遙かなる時間(とき)の彼方へ~
久石譲が奏でる 内なる宇宙への航海!

 

 

1989年4月21日 CDS発売
「THE INNERS」は同作品からの先行シングルである。

1. THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Opnening Theme-Synthesizer Version)
2. THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Ending Theme-Orchestra Version)

 

 

『人体』そのヒューマンなるもの

『驚異の小宇宙・人体』の映像は、最新の技術を投入し、コンピュータ・グラフィックスをふんだんに駆使するなど、時代の最先端をいく要素が多分にあるのです。しかしその反面例えば精子と卵子の合体シーンなどは、卵巣に集団で飛び込んだ精子の中から一つだけが合体するわけで、まるで勝ち残りゲームを見ているようなかんじがしてとてもヒューマンな印象を受けたんです。実はこれら最新の技術が描いているのは”生命のドラマ”なのだなということに気が付き、そのような映像には、テクノロジーを駆使したコンピュータ・ミュージックだけでなく、むしろ、それに生オーケストラのサウンドや、詩情豊かなメロディラインを織り込むことによって、人体という宇宙の持つ計算されないダイナミズム、緻密さの中の壮大さというような様々な融合を表現できるのではないかと思いました。とにかくこのアルバムは、ヒューマンなイメージを頭に置きつつ作りました。

久石譲

(CDライナーノーツ より)

 

 

第1シリーズの「人体」はピアノとオーケストラを中心に構成した。実はCGが多いと聞いてテクノ系の音楽を考えていた。が、精子が卵子に飛び込む顕微鏡撮影の映像を見て考えを変えた。精子がいくつかのグループに分かれ、天の岩戸の前よろしくたむろしていた。何やら話し合っている風でもあるそれらは、どこにでもある学校のクラスを彷彿させた。そのうちに元気のいい、いわばガキ大将のような威勢のいい精子がその岩戸に突入する。が、次々に玉砕する。するとクラスによくいる眼鏡をかけたガリ勉型のひ弱な感じの精子が、するすると抜け出してすんなりと岩戸卵子の壁を突入して侵入に成功した。人間社会の縮図のような光景に感動した僕はヒューマンなアコースティックな方向に音楽を切り替えた。

Blog. 書籍「NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体3 遺伝子・DNA 6」久石譲 音楽制作ノート より抜粋)

 

 

1998年4月28日 CD発売 PCCR-00301

NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」サウンド・トラック THE UNIVERSE WITHIN Vol.1 & 2(2CD) として再発売された。

 

久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体 Vol.1』

(2CDジャケット)

 

 

1. THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Opening Theme-Synthesizer Version)
2. TOUR IN CELL ~ミクロの戦士たち~
3. FANTASY ~かくも壮大なる小宇宙~
4. MYSTERIOUS LOVE ~ひと・そして・愛~
5. TRANSIENT LIFE ~うたかたの夢~
6. MICROWORLD ~10数ミクロンの遠景~
7. BIRTH ~生命(いのち)の歓び~
8. THE ORIGIN OF SPECIES ~35億年の結晶~
9. INNER VOYAGE ~内なる宇宙への航海(たびだち)~
10. MIND SPACE ~永遠の亜空間旅~
11. SYSTEM OF LIFE ~細胞60兆のめくるめく世界~
12. THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Ending Theme-Orchestra Version)

COMPOSE & ARRANGEMENT:Joe Hisaishi
PIANO:Joe Hisaishi

Producer:Joe Hisaishi

 

Disc. V.A. 『運動会・体育祭のマスゲーム音楽集』

運動会・体育祭のマスゲーム音楽集

1989年5月1日 CD発売 CC-3394

 

久石譲が多数編曲を担当した楽曲が収録されている。「CLAPPING MARCH “SPACE”」は作・編曲をした楽曲である。

 

 

「こどものための新体操 エチュード曲集」のSIDE-Bに「クラッッピング・スペース・マーチ」が収録されたEPが発売されている。(82年4月 日本コロムビア EK-745)

 

マスゲーム 久石譲 クラッッピング・スペース・マーチ EP

 

「行進曲 地球へ…」(EP)にも「CLAPPING MARCH “SPACE”」は収録されている。(日本コロムビア 1980年4月1日発売 EP EK-645)

 

 

ほぼ同内容収録のLP盤2枚組もある。

「運動会・体育祭のマスゲーム音楽集」

1982年 LP発売 EZ7171-2

(LPジャケット / LP盤)

 

 

運動会・体育祭のマスゲーム音楽集

1. 若い力
作曲:高田信一 編曲:横山菁児
2. 片道航海
作曲:B.シルヴェッティ 編曲:久石譲
3. コパカバーナ
作曲:B.マニロウ、B.サスマン、J.フェルドマン 編曲:久石譲
4. CLAPPING MARCH “SPACE”
作曲・編曲:久石譲
5. 雨
作曲:G.アルケユイタ、D.パセ 編曲:若松正司
6. 草競馬
アメリカ民謡 編曲:横山菁児
7. 口笛のマーチ 白い雲
作曲・編曲:冬木透
8. ハンガリアン ダンス第5番
作曲:ブラームス 編曲:越部信義
9. エーデルワイス
作曲:R.ロジャーズ 編曲:早川正昭
10. 足音高く
作曲・編曲:越部信義
11. 喜びの歌
作曲:ベートーヴェン 編曲:横山菁児
12. 美と力のハーモニー
作曲・編曲:早川正昭
13. 春の日の花と輝く
スコットランド民謡 編曲:横山菁児
14. ドンキホーテ
作曲:P.L.ジェイコブ、G.ハット 編曲:久石譲
15. レッツ・ゴー UGM
作曲:木村昇 編曲:久石譲
16. 異邦人
作曲:久保田早紀 編曲:久石譲
17. 愛のオルゴール
作曲:F.ミルズ 編曲:久石譲
18. 秋の詩 ~「四季」より~
作曲:ビバルディ 編曲:若松正司

全曲/振付・指導案つき

演奏:コロムビア・オーケストラ

 

Disc. 久石譲 『THE INNERS ~遙かなる時間の彼方へ~』

1989年4月21日 CDS発売 N09C-29

 

1989年放送 NHKスペシャル 「驚異の小宇宙 人体」
音楽:久石譲

 

オープニングテーマとエンディングテーマを収録したシングルCD。アルバムにも同ヴァージョンで収録されている。

 

 

(CDジャケット)

 

1. THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Opnening Theme-Synthesizer Version)
2. THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Ending Theme-Orchestra Version)

Compose & Arrangement:JOE HISAISHI
Piano:JOE HISAISHI