Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ ハイテックシリーズ』

1989年10月25日 CD発売 30ATC-187
1989年10月25日 CT発売 26AGC-2070
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70134
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72719

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

「ナウシカ」のサウンドトラックを、エスニックポップ感覚で新たにレコーディング。

 

 

解説

アニメージュ・レーベル、ハイテック・シリーズは、名作アニメ映画等のサントラ音楽を新たに様々なハイテクノロジー、ハイシステム、ハイ感覚等を駆使し、作り上げた音楽である。アニメファン、サントラ音楽ファンのみならず、広く音楽ファンまでもが楽しめる作品である。

今回のコンセプトは、一つの楽器をどこまで追求できるか(音作り、音色作りと云う事において)を狙いに置いた。またアレンジの面では、今、世界で静かなブームを起こしているEsno Popの味つけをしつつ、オリジナル曲の持つ良さは失わない様作り上げた。

基本は、”YAMAHA TX 81Z”をシーケンサーとして、下記音源を鳴らした。
・YAMAHA RX5
・YAMAHA VII
・Oberheim Matrix
・AKAI S900
・KORG M1
それに
・CASIO FZ
・CASIO Guitar Synth
の2台をDrms以外のほぼ全音色に使用(単独の音ではなく、各楽器の音にCASIOの音を混ぜ合わせ使用)して、音作りに臨んだ。(フェアライトやシンクラビアの高額楽器を使用しなくてもHi-Techな音は可能である。)

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

SOUND MEMO

1.風の谷のナウシカ~オープニング~
この曲では、テーマを演奏しているソプラノサックスのみが唯一生楽器である。特に印象的な音は、・シタール(曲頭部)「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN III」”CHIKUZEN-BIWA” 「Guitar Synth PG RC-510G」”SITAR”の音を組み合せEQ処理して作った音である。・ピアノ(インプロビゼーション部)「FZ・FL-5 JAZZ PIANO」”JAZZ PIANO 1”を他楽器に混ぜ合わせて作った音である。・効果音(ピアノソロからテーマに戻る所)「Guitar Synth PG RC-510G」”WATER RING”の音を他音と加工して作った。

2.王蟲の暴走
曲頭からのアコースティック・ギターは生音である。サウンドホール部分に紙を張り付け共鳴を押さえ、シタールぽい響きを出している。・シロフォン(A・Gの後に聴こえる)「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 3”の音を足してある。・Dist・Sax(インプロビゼーション部)「FZ・FL-14 SOLO VIOLIN」”OCTAVE VIOLINS”「G SYnth PG RC-510G」”DIST DG 2”等を混ぜ合せEQ、EFで過激な音作りをした。・シタール Track-1と同様の音。

3.メーヴェとコルベットの戦い
・三味線「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN III」”TSUGARU-SHAMISEN”の音色をメインに加工した音。・和ダイコ「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN V」”JAPANESE PERCUSSION”の音をEQで厚みを出した。・フルート(テーマ部)「FZ・FL-2 FLUTE」”FLUTE 2”の音を加えてある。・シタール Track-1と同様の音作り。

4.戦闘
・ブラス「FZ・Fl-3 BRASS ENSEMBLE II」”BRASS ENSEMBLE 5”を足して作っている。・ソロブラス(インプロビゼーション部)「FZ・FL-13 ROXK BRASS」”FILTER BRASS”の音を加工して付け加えた音色。・バイオリン(インプロビゼーション部)「FZ・FL-14 SOLO VIOLIN」”SOLO VIOLIN”を加えている。

5.虫愛ずる姫
・シタール Track-1と同様。・ピッチカート、ハープ(テーマ部のメロとオブリガード)「FZ・FL-10 STUDIO STRINGS III」”VIOLA/VIOLIN PIZZ”「FZ・FL-11 SOUND OF JAPAN」”KOTO”「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 4”「FZ・FL-12 HARP」”CHORUS HARP”等の音色を作ってメロディアスなフレーズを演奏している。

6.ナウシカ・レクイエム
・バイオリン(テーマ部メロ)「FZ・FL-14 SOLO VIOLIN」”SOLO VIOLIN”を混ぜ合せEQで音を調整し使用した。・パンフルート(コーラス部メロ)「FZ・FL-12 PIPE ORGAN II」”FLUTE FAMILY 8”を加工し混ぜ合せ、音に厚みを持たせた。・マリンバ(オブリ・ソロ)「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 2”を加えてある。・タブラ「G・Synth PG RC-510G」”TUBULAR”を音色加工して混ぜ合せて作ってある。

7.ペジテの全滅
・マリンバ(曲頭部、左右にPAN)「FZ・FL-1 MARIMBA」”MARIMBA 2”の音を加えてある。・効果音(パーカシブルな効果音、ベースラインとユニゾン)「G・Synth PG RC-510G」”DIGI PIANO”を加えてある。曲中のソプラノサックス(インプロビゼーション)は、生楽器で演奏。

8.腐海にて
・ガムラン、タブラ「G・Synth PG RC-510G」”TUBLA””GAMELAN”を中心にEQで音を処理して作っている。・奇妙な効果音「FZ・FL-7 ANIMALS」”ANIMALS”の音を色々と加工して奇妙な効果音に仕上げている。曲中のアルトサックス(インプロビゼーション)は生楽器。

9.蘇える巨神兵
・ピアノ、ハプシコード(曲頭部)「FZ・FL-1 HARPSICHORD」”HARPSICHORD 3”「FZ・FL-JAZZ PIANO」”JAZZ PIANO 2”等を合せて作ってある。・ストリングス(ベースとユニゾンの重量感ある)「FZ・FL-1 CELLO/VIOLIN」”CELLO 1”「FZ・FL-10 STUDIO STRINGS III」”BASS/CELLO”等、弦の音をたくさん合せて作っている。

10.鳥の人~エンディング~
ギターの音はTrack-2と同様の音作りでEQで加工している。途中からサックスのソロは生楽器。・パーカッション(全編に入っているコンガ・ボンゴ・タブラetc…)「FZ・FL-6 PERCUSSION」「G・Synth PERCUSSION」を色々と混ぜ合せ使用してある。

一応、曲中でメインで聴こえる音色について具体的に使用器材を取り上げた。今回の試みは、CASIO FZ、CASIO Guitar Synthを使用してほぼ全部の音を表現しようとしたものであるが、諸々の状況からベーシックな音等は、前出の楽器とFZ等の音を混ぜ加工してある。尚、この試みにはCASIO音楽ソフト企画部の古谷仁氏に多大な協力をいただいた。

(SOUND MEMO ~CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 『風の谷のナウシカ ハイテックシリーズ』

1. 風の谷のナウシカ〜オープニング〜
2. 王蟲の暴走
3. メーヴェとコルベットの戦い
4. 戦闘
5. 虫愛ずる姫
6. ナウシカ・レクイエム
7. ペジテの全滅
8. 腐海にて
9. 蘇る巨神兵
10. 鳥の人〜エンディング〜

Produced by HIROYUKI KAMII
Arranged by KISHO YAMANAKA

ALL Song Composed by JOE HISAISHI

 

コメントする/To Comment