Disc. 久石譲 『MARIA』 ※非売品 *Unreleased

1989年10月17日 EP NOOE-8 ※非売品

 

オリジナル・アルバム『PRETENDER』に収録されている楽曲だが、本盤は日本詞となっている。アレンジも一部異なる。シングル用に準備しながら発売には至らなかった幻の音源である。

 

 

写真情報などから考察したもの。

『PRETENDER』(1989.9.21)に収録された歌曲はすべて英詞で歌われている。久石譲は「MARIA」について「もともとシングル用に作った楽曲」と当時インタビューで語っている。

「MARIA」はシングル用に歌詞とアレンジを変えてリカット発売する予定だった。プロモーション盤にはジャケットに手書きで配布日(or受取日)が明記されている。平成元年(1989)10月17日、ここからみてもアルバムよりも後の順番になるのではないか。ジャケットの裏側の『PRETENDER』告知をみても「収録されている」とアルバム既発扱いの印象を受ける。

『PRETENDER』ライナーノーツには英詞と対訳(日本語)が掲載されている。シングル用は作詞者が異なり内容も新しく書かれている。シングル発売に先駆け、有線放送でプロモーションをかけるための音盤だと思われる。

また、本盤B面に収録されている「冬の旅人」はジャケット説明にもあるとおりシングル・バージョンとなっている。歌詞が一部異なる。

 

久石譲本人によるボーカル・ベストアルバム『PRIVATE プライベート』(2004)、「MARIA」は『PRETENDER』からのアルバム・バージョンが収録されている。この楽曲の歌ものとしてのポジションが垣間見える。

 

アレンジの違いについて。楽曲の雰囲気は大きく変わるものではない。サックスのフレーズ、エレクトリック・ピアノのミニマル音型の目立ち、ストリングスの細やかさ、ドラムのアタックや質感など。アルバム曲からシングル曲へと装いを少し引き立たせるように、ポイントポイントに聴かせどころを配置したリカットらしいアレンジの変更になっている。エンディングはフェードアウトから、ボーカルによる「マリア」アカペラに変わっている。サビの歌い出し「マリア」の部分だけをフェルマータするように余韻を伸ばして歌っている。

 

MARIA

ALBUM version
Lyric:BANDIT・KYSIA BOSTICK
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

SINGLE version *Unreleased
作詞:麻生圭子、久石譲
作曲・編曲:久石譲
歌:久石譲

 

 

(EPジャケット / EP盤)

 

 

(EPジャケット / EP盤)

 

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