Disc. 久石譲 『Welcome to Dongmakgol』

久石譲 『トンマッコルへようこそ オリジナル・サウンドトラック』

2005年9月14日 CD発売 DK0471 ※輸入盤

 

2005年公開 映画「Welcome to Dongmakgol」
(邦題:トンマッコルへようこそ)
監督:PARK Kwang-hyun パク・クァンヒョン 音楽:久石譲

 

日本国内盤サウンドトラック「トンマッコルへようこそ」と一部選曲および曲数が異なる

 

 

確かに、韓国にて発売された『Welcome to Dongmakgol』のサントラよりも、10月4日にユニバーサルより発売される『トンマッコルへようこそ』のサントラの方が3曲少なくなっています。この理由は、映画に使用されているすべての楽曲からサントラにいれるにふさわしい楽曲を厳選した結果です。曲目、曲順等を含め一枚のサントラアルバムとして、よりまとまりのあるものになっていると思います。

韓国にて発売された『Welcome to Dongmakgol』のサウンドトラックは当事務所の許諾無くして韓国側が発売し、音質に問題のあるものでした。しかし、日本で発売する『トンマッコルへようこそ』のサウンドトラックは日本でリマスタリングをし、音質には全く問題ありません。

・韓国映画のサントラの評判について
韓国と日本の技術、文化に対する意識の差や制作過程のシステムの違いなどから、こういった事態に至ってしまいました。もちろんこの件に関しましては、昨年中に韓国と話し合いを行い、韓国国内のサントラを回収することで双方合意しております。ただし、韓国から既に輸入されてしまったものに関しては、回収等の手段をとることが非常に困難な状況で、私どもといたしましても大変遺憾に思っております。秋に映画が公開される際にユニバーサルレコードからサントラが発売されますが、新たにマスタリングを行い、良質の音を必ずお届け致します。

(Wonder City 公式発表)

 

 

 

久石譲 『トンマッコルへようこそ オリジナル・サウンドトラック』

1.a waltz of sleigh
2.welcome to Dongmakgol
3.Opening
4.The battle
5.American Army
6.a wild boar
7.N.Korea
8.no title
9.N.Korea vs S.Korea
10.Love and Grenage
11.Leaving Dongmakgol for the battle
12.falls of the popcorn
13.Dongmakgol Village
14.to the village
15.paradise
16.friendship song
17.after the battle
18.an old lady
19.Death of Yeoil
20.buried past
21.Confrontation
22.Butterfly
23.attack of butterflies
24.Resolution of Hyunchul

 

Info. 2005/08/19 平原綾香 with 久石譲の「いのちの名前」、着うたで急遽先行配信決定

8/5に放送されたテレビ番組『TBSテレビ放送50周年~戦後60年特別企画~「“ヒロシマ”…あの時、原爆投下は止められた…いま、明らかになる悲劇の真実』。このテーマ曲「いのちの名前」が着うたで急遽、先行配信されることが決定した。 “Info. 2005/08/19 平原綾香 with 久石譲の「いのちの名前」、着うたで急遽先行配信決定” の続きを読む

Disc. 久石譲 『WORKS III』

久石譲 『WORKS3』

2005年7月27日 CD発売 UPCI-1027

 

 

世紀をまたいで終結を迎えたDEAD

今回のコンサートのために書いた組曲「DEAD Suite」は、僕がクラシック、現代音楽の世界から離れて19年ぶりに書き上げた楽曲だ。DEAD-英語音名で言う「レ・ミ・ラ・レ」をモティーフにして作曲された楽曲だ。いささかポップスのフィールドを逸脱したかもしれないが、20代後半にポップスの世界に転向して以来、初めての本格的な現代音楽作品になる。リズムが変わり、不協和音ぎりぎりのところで構成されたこの楽曲は、なぜ今まで自分が音楽をやってきたのか? を問い詰めながら、今世紀末のひとつの区切りとして僕にとって通らなくてはいけない道、なくてはならない楽曲となった。最終的には4曲から成り立つ組曲を考えているが、今回のコンサートで披露できるのはその内2曲までになる。後は、来年書き足そうと思っている。

久石譲 (PIANO STORIES ’99 ツアーパンフレットより)

 

 

夜中に、ふと思う。自分がなぜ今まで音楽をやってきたのか?
20世紀末にも確かにこの疑問にたどり着いた。
「DEAD」。あの未完成な組曲を完成させなくては・・・・
そんな思いに掻き立てられ、一気に書き上げた。
なぜ今DEADなのか・・・・
このツアー中に僕自身が「深淵」を臨くことになるのだろうか。

 

Deadのモティーフは「死」だ。
誰にも訪れる「死」を考えることは「生」を考えることでもある。
「生きる」ことの基本は「愛」だ。
幸福を求めるその先には「愛」がある。
だからこの作品は「愛」を唄った音楽でもある。

久石譲

 

 

「WORKS III」解説より

DEAD-英語音名で言う「レ・ミ・ラ・レ」をモティーフにして作曲された楽曲。初映画監督作品「カルテット」の前に撮る予定だった映画のために書いた曲でもある。第一楽章、第四楽章は、99年「PIANO STORIES ’99」ツアーで、弦楽四重奏Balanescu Quartetと共演し、アルバム「Shoot The Violist~ヴィオリストを撃て~」にも収録されている。今年7月に発売された「WORKS III」にて、第二楽章、第三楽章を書き足し弦楽オーケストラ組曲として完成した。

第一楽章 「D.e.a.d」
普遍的なテーマへの旅立ちに対する不安や恐怖、期待が入り混じった壮大なオーケストレーションによる刺激的な音楽。

第二楽章 「The Abyss~深淵を臨く者は・・・・~」
ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」に代表される哲学的なバックグラウンドを持つこの組曲にふさわしいタイトルで、官能的な響きが大きなキーワードになった。

第三楽章 「死の巡礼」
一貫してミニマル・ミュージックにこだわってきた久石譲ならではのミニマル色が強く打ち出されている。

第四楽章 「復活~愛の歌~」
ぎりぎりの不協和音と協和音の間で揺れるメロディに至っては、心地よい疲労感にも近い感動すら覚えるほどだ。

今回第二、第三楽章が加えられたことで、クリエイティヴなテーマがさらにディープに進化しているし、底知れぬイマジネーションの世界は映像的でもある。いつか映画が完成する可能性もあるはずで、この組曲の次のアプローチに注目したい。

村岡裕司

(「久石譲 Symphonic Special 2005」コンサート・パンフレット より)

 

 

CD解説

映画音楽家として活動する時の久石譲は、つねに映像と真剣勝負をするストイックなクリエーターとしての姿勢を崩さないが、一人の音楽家としてレコーディングやコンサートに臨む際の氏は、映画をきっかけにした曲にしてもオリジナル曲にしても、アーティストとしての底知れぬ可能性を謳歌するように新しい創造に立ち向かう。きっとその創造の裏側には、生みの苦しみがあるのだろうが、幸運にも彼の作品を聴く側にいる我々は、音楽を聴いて楽しみ笑い泣き、時には勇気付けられたりして、久石ミュージックと旅に出ることが出来る。これまで久石譲が発表してきた数々のソロ作品が支持されてきたのは、マルチなキャリアを積んでいる氏の音楽が、妥協を許さない創作姿勢を貫いているからだろう。

久石ワールドを伝える『WORKS』シリーズの第3弾となるこの新作は、現在の彼の音楽を満喫するには十分すぎるほどの魅力を凝縮させた豪華な内容となった。CMでおなじみの「Oriental Wind」にメガ・ヒット作『ハウルの動く城』から生まれた名曲「人生のメリーゴーランド/Merry-go-round」、久石譲の大きなテーマを包含した組曲「DEAD」、バスター・キートンのハリウッド・クラシックに新たに音楽を加えるというユニークな手法による「THE GENERAL」という、4つの異なるアプローチから生まれた音楽で構成されている。現在の久石譲の多面的な創作を知る上でも非常に興味深いコンセプトだ。

アルバムのハイライトとなるのは、組曲として全貌を明らかにした「DEAD」である。

元々は『Quartet』(2001)に先駆けて氏の監督第一作に予定されていた映画のために、第1楽章と第4楽章は書かれたもので、5年前にバラネスクカルテットと共に弦楽四重奏&ピアノの編成で全国ツアーをまわった。『Shoot The Violist ~ヴィオリストを撃て~』(2000)にも収録されたが、組曲としては未完だった。それが2005年に入って、新たに第1楽章「D.e.a.d」第2楽章「The Abyss 〜深淵を臨く者は・・・・〜」と第3楽章「死の巡礼」第4楽章「復活~愛の歌~」という形で組曲として完成したものである。タイトルの「DEAD」は英語の階名”レ、ミ、ラ、レ”を示していて、このユニゾンのフレーズの提示に従って音楽も構成されている。後期ロマン派から近代にかけてのスタイルを取り入れ、ミニマル・ミュージック的な表現を行うなど、久石譲の幅広い音楽的なバックグラウンドが投影された。もちろん、モチーフは”人間の死”であるが、”人間はどこから来てどこにいくのか、いつか死ぬことは決まっているが、生きている間に感ずる人間に対する愛”についても重要なモチーフになっている。

既に発表されている「D.e.a.d」と「復活~愛の歌~」は、今回初の試みとしてストリングス・オーケストラ用にアレンジが行われ、組曲としての一貫性が強調された。「D.e.a.d」は普遍的なテーマへの旅立ちに対する不安や恐怖、期待が入り混じった壮大なオーケストレーションによる刺激的な音楽。続く「The Abyss 〜深淵を臨く者は・・・・〜」は、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」に代表される哲学的なバックグラウンドを持つこの組曲にふさわしいタイトルで、官能的な響きが大きなキーワードになった。「死の巡礼」は一貫してミニマル・ミュージックにこだわってきた久石譲ならではのミニマル色が強く打ち出されている。ぎりぎりの不協和音と協和音の間で揺れるメロディによる第4楽章の「復活~愛の歌~」に至っては、心地よい疲労感にも近い感動すら覚えるほどだ。今回第2と第3楽章が加えられたことで、クリエイティヴなテーマがさらにディープに進化しているし、底知れぬイマジネーションの世界は映像的でもある。いつか映画が完成する可能性もあるはずで、この組曲の次のアプローチに注目したい。

他の曲もこのアルバムのコンセプトに欠かせない重要な作品ばかり。オープニングの「Oriental Wind」は記録的なセールスになったサントリー緑茶「伊右衛門」のCMソングとして親しまれているナンバーである。メロディメーカーとしての氏の才能が発揮された。CFの映像やタイトルが示しているように、日本人のテイストを触発するエモーショナルなメロディラインが強烈な印象を与えた。先に発表された『FREEDOM PIANO STORIES 4』では、ピアノによるアコースティック・ヴァージョンが収録されていたが、ここではオーケストラによる重厚なシンフォニーになっている。瑞々しいメロディを基調とした演奏は、何度聴いても感情移入出来る。続く「人生のメリーゴーランド」は宮崎駿監督の『ハウルの動く城』の核をなす名曲である。これも『FREEDOM PIANO STORIES 4』に収録されているが、ここでは、おなじみのメロディを様々なアレンジでリフレインさせて、曲の魅力を堪能させてくれる。様々なプロセスを持つ人生のようでもあるし、四季折々の変化でもあるように、これまたイマジネーションを触発させる作品だ。カーニヴァルやサーカスの世界を彷彿させる音楽は、一連のフェリーニ作品でおなじみのニーノ・ロータや、アカデミー賞の音楽賞に輝いた『リリー』(1953)のプロニスロウ・ケイパーが有名だが、久石譲は彼らとはひと味ちがうカーニヴァルやサーカスの世界を創り上げている。

ラストを飾る組曲「THE GENERAL」は、喜劇王バスター・キートンのサイレント映画の傑作『大列車強盗(キートン将軍)/The General』(1927)に、久石譲が新たに付けたスコアを組曲にしたものだ。昨年カンヌ映画祭で日本人としては初となる氏本人の指揮によって初演された。

サイレント映画に音楽を加える試みは、フランシス・フォード・コッポラの父親のカーマイン・コッポラによる『ナポレオン』(1927)や、ジョルジオ・モロダーによる元祖SF映画『メトロポリス』(1927)など、これまでにもしばしば行われているが、久石譲と「大列車強盗(キートン将軍)」の出会いは、フランスの映画会社のオファーによって実現した。すなわち、アメリカの歴史的な名画が、フランスの会社を介して、日本の音楽家によって音楽を加えられるという、国際的な連係で可能になったプロダクツから生まれた音楽なのだ。

サイレント・エラの喜劇王というと、どうしても警官やビーチの水着美人たちが登場する一連のキーストン社のドタバタ・コメディをイメージしてしまうが、キートンの映画は単純なお笑いではなく、彼の人生観や世界観が投影されたドラマとしても素晴らしく、アーティストや表現者としての彼は、本国よりもフランスで再評価されたという経緯もある。その流れが今回の試みにも継承されているのは言うまでもない。実際作品を観てみると、久石譲のスコアが古典的な名作が包含する永遠のテーマを浮き彫りにしているし、ステレオ・タイプになりがちなサイレント映画のスコアに世界を、久石流に表現することにも成功している。ここでも映像に向き合う氏の姿勢が色濃く投影された組曲に仕上がっている。

なお、このアルバム・リリースと時を同じくして行われるコンサートでは、『ハウルの動く城』や『THE GENERAL』がメイン・プログラムで演奏される他、注目の「DEAD」も演奏される予定だ。それだけにこの作品の発表の意義は大きいと思う。

2005年6月16日 村岡裕司/YUJI MURAOKA

(CD解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

 

ーやはり『WORKS III』で特筆すべきは、組曲「DEAD」だと思うのですが。これは数年前にご自分がメガホンを取る予定だった映画のために書いた曲だそうですね。

久石:
「そう。4、5年前ですね。でもその映画の内容が、人が死んだりとか、ちょっときついものだったので、時期をみようということになって、先に『カルテット』を撮ったんです。でもテーマ曲はできていて、そのときは2曲だけだったけど、僕の頭の中では4楽章の組曲にしようと思っていまして。今年こそは完成させたくてね。やっと発表できました。今回のアルバムはこの曲のために作った、といっても過言じゃないくらい(笑)」

ーDEADのスペルD,E,A,Dを音名に置き換えた、レ、ミ、ラ、レを主に使った作りになってるんですね、どの楽章も。おもしろい。

久石:
「映画の内容を考えながら、最初に思いついたアイデアだったんだけど、明快でしょう。明快だから音のインパクトも強い。だからどうしても弦楽オーケストラでやりたかったんです。フルだといろんな音色がありすぎちゃって派手になっちゃうから。弦だけの方がきっと深い世界が表現できるなあと思ってね」

ー元々久石さんがやってらっしゃった、現代音楽的なアプローチの作品ですよね。特に3楽章なんか、バリバリ、ミニマルですね。

久石:
「やっぱりそれは僕の本籍地みたいなものだから。すごく真剣になるとスタンスがそこに戻っちゃうんだよね、どうしても。でもね、もう一歩踏み込んじゃうと、ほんとうに現代音楽の作品になっちゃうんだけど、僕がいまやってるフィールドで考えると、それをポップスという世界の中に留める、ということが大事になってくるんです。僕は特別な人たち相手に音楽を作る芸術家じゃないからね。宮崎映画とか北野映画から僕の音楽を知ってくれたような多くの人たちと、コミュニケーションできる音楽でなくちゃいけないんです。今回はそのギリギリ(笑)。だいぶ挑戦的なことはしたなと思いますけどね」

Blog. 「月刊ピアノ 2005年9月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「そうですね。作られた目的が映画でもCMでも構わないんですけど、それを独立した楽曲として成立させるということは音楽家としてやらなきゃいけないことなんです。どうしても映像と対になってしか存在しないという映画音楽やCM音楽が、実はしっかり作られているというのを確認してもらうには、こういうシリーズが必要なんですね。」

「全体的にサウンドを少し厚くゴージャスにしています。映画の場合、音楽にいろいろな要素を入れ過ぎてしまうとセリフとぶつかってしまうんです。オリジナルでは主旋律だけしかない曲に、オブリガートのメロディを足すなどの作業はしていますね。」

「「人生のメリーゴーランド」のメロディなど、ソロの部分はだいたい僕が弾いてますね。それ以外はオーケストラのピアニストに弾いてもらっています。」

「すみだトリフォニーホールのスタインウェイです。響きを大事にしたかったので、スタジオではなくホールで録音しました。」

「指揮しながらピアノを弾いていると、そこが難しいんですよね。まず、オーケストラを録って、リズムがちゃんと感じられる部分はあとでピアノをかぶせようと思うんですが、なかなかニュアンスが一緒にならない。相手が出す音に対してこっちが反応し、こっちが出した音に相手が反応するのが音楽なのに、ダビングするとその双方向のコミュニケーションがなくなってしまう。「DEAD」の第4楽章は最初にオーケストラと録ったときにうまくいかなかったので、”すみません”って言って、翌日もう1回オケと一緒に録り直しました。自分で指揮をしているから分かってるつもりなんですけど、実際に自分が弾いた音にオケが反応するのと、別々で録音するのでは全然違いますね。クリックを使っていないので、オーバーダビングするにしても簡単じゃないですし。本当は同時録音がいいんですが、指揮とピアノを両方やっているとどちらも中途半端になりがちなんです。その辺をいつもレコーディングの直前までどうするか悩んでいるんですよ。」

Blog. 「キーボード・マガジン 2005年10月号 No.329」 久石譲 インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

久石譲 『WORKS3』

1. Oriental Wind 〜for Orchestra〜
2. Symphonic Variation 「Merry-go-round」 (映画「ハウルの動く城」より)

DEAD for Strings,Perc.,Harpe and Piano
3. 01. D.e.a.d
4. 02. The Abyss 〜深淵を臨く者は・・・・〜
5. 03. 死の巡礼
6. 04. 復活 〜愛の歌〜

Keaton’s 「THE GENERAL」
7. Movement 1
8. Movement 2
9. Movement 3
10. Movement 4
11. Movement 5

初回限定:「Oriental Wind」
(サントリー緑茶 伊右衛門CM曲)ピアノ譜封入

All Composed , Arranged , Conducted and Produced by Joe Hisaishi
Piano:Joe Hisaishi (excep Keaton’s “THE GENERAL”)

演奏:新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ
録音:すみだトリフォニーホール

 

Co-produced by Eiichi Fujimoto
Directed by Akira Watanabe (FujiPacific Music Inc.)
Recorded by Suminobu Hamada, Hiroyuki Akita (Wonder Station)
Mixed by Suminobu Hamada (Wonder Station)
Mastered by Hiroyuki Hosaka (Hitokuchizaka Studios)
Piano Technician: Masanori Hanaoka (YAMAHA Corporation)
Music Sheet Preparation: Kenji Ashimoto
Technical Support: Ken Muramatsu (Octavia Records)

Recorded at Sumida Triphony Hall
Edited & Mixed at Wonder Station

 

WORKS III

1.Oriental Wind (For Orchestra)
2.Symphonic Variation “Merry-Go-Round”
3.DEAD for Strings, Percussion, Harp and Piano: 1. D.e.a.d
4.DEAD for Strings, Percussion, Harp and Piano: 2. The Abyss
5.DEAD for Strings, Percussion, Harp and Piano: 3. Death Pilgrimage
6.DEAD for Strings, Percussion, Harp and Piano: 4. Rebirth – Love Song
7.Keaton’s “THE GENERAL”: Movement 1
8.Keaton’s “THE GENERAL”: Movement 2
9.Keaton’s “THE GENERAL”: Movement 3
10.Keaton’s “THE GENERAL”: Movement 4
11.Keaton’s “THE GENERAL”: Movement 5

 

インタビュー:「ベスト盤」では納得できなかった新アルバム

連載 ハウルの動く城 久石譲

連載 久石譲が挑む「ハウル」の動く音 (読売新聞)
インタビュー:「ベスト盤」では納得できなかった新アルバム

作曲家でピアニストの久石譲が新アルバム「WORKSIII」を、7月27日に発売する。節目ごとに代表曲を集めたシリーズで、3枚目となる今作は、映画「ハウルの動く城」のテーマ曲の変奏曲や、5年かけて作ったという組曲「DEAD」などをオーケストラで録音した。アルバムを完成させたばかりの久石に聞いた。(依田謙一)

「いつか実現しなかった『DEAD』の映画を作りたいね」語る久石

—ベスト盤かと思いきや、実は新曲「DEAD」のためのアルバムではありませんか。

久石 結果的にそうなったんだ。というのも、最初は過去2作と同じように、現時点でのベスト盤を作ろうと思っていた。「ハウル」があって、「Oriental Wind」(サントリー緑茶「伊右衛門」CM曲)があってというようにね。でも、いざ始めてみたら、それだけじゃ納得できなくなってしまった。やっぱり、自分は演奏家じゃなくて作曲家。新しいものがほしくなるんだよね。

—「DEAD」が生まれたきっかけは。

久石 僕には未完の曲がいくつかあって、「DEAD」はその一つだった。第1楽章と第4楽章は、初監督した「カルテット」の前に撮影予定だったサスペンス映画のために作った曲なんだ。映画は実現しなかったけど、弦楽四重奏とピアノのアレンジで「Shoot The Violist」というアルバムに収録した。以来、何度か残りの部分を作ろうと試みたけど、なかなかうまくいかなかった。それが、今年の春にスタジオに入った時に、第2楽章と第3楽章ができたんだ。

—タイトルにこめた思いは。

久石 いつか死ぬと決まっているからこそ、生きている間に感じる愛を大切にしたい。実は「DEAD」というのは、そのまま音階名(レ、ミ、ラ、レ)でもある。この音階を繰り返し提示することで、「人間はどこからきてどこに行くのか」を考えたかった。

—前アルバム「FREEDOM」は、「過渡期のもの」だということでしたが、「DEAD」はそういう悩みから抜け出し、作曲家としてある到達点に達した作品では?

久石 オーケストラが古典ばかり演奏している現状に対して、自分なりに答えを出したかった。かつてやっていたミニマル・ミュージックや現代音楽に、もう一度真正面から取り組むことができたのは嬉しいね。去年は一言で言えば「ハウル」のテーマ曲「人生のメリーゴーランド」を作った年だけど、今年は、同じ意味で「DEAD」を作った年になると思う。それだけ大事な曲になった。

—今後もこの方向を極めていく?

久石 「この方向だけ」という意味ならノーだね。確かにここ最近、指揮を本格的に始めたこともあって、オーケストラや現代音楽的なものに力を入れてきたけど、シンセサイザーや民族音楽など、様々なジャンルのものも積極的に取り入れていきたい。実際、今作っているある映画の音楽には、その傾向が出ているよ。

—8月3日からは全国ツアーですね。

久石 会場によって違う2種類のプログラムを用意した。Aプログラムでは、昨年1月に出したアルバム「イメージ交響組曲 ハウルの動く城」を全曲演奏する。宮崎駿監督のメッセージをもとに作った組曲で、サウンドトラックでは難しい音楽の完成度を追求した作品。Bプログラムでは、アルバムに収録した「ハウル」のテーマ曲の変奏曲と、オリジナル音楽を付けたバスター・キートンの無声映画「The General」(邦題「キートン将軍」)を、映像に合わせてライブ演奏する。共通でやるのは「DEAD」だけなので、ぜひ両方に足を運んでほしいね。

—「The General」をライブ演奏するのは、大胆なアイデアですね。

久石 昨年のカンヌ映画祭で一度だけ挑戦した際には、「成功したのが奇跡的」というくらい苦労した。キートンは動きがせわしないから、合わせていくのは至難の業なんだ。でも、共演する新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラには、画面を見ず演奏に専念してもらおうと思っている。そうじゃないとライブの醍醐味がないからね。代わりに、責任はすべて指揮棒を握った自分が背負うことになる。どんなことになるか楽しみだよ。大変だけど(笑)。

(2005年7月5日  読売新聞)

 

連載 ハウルの動く城 久石譲

 

Info. 2005/07/01 メディア情報 [TV・ラジオ・新聞・雑誌]

[TV]
・日本テレビ 「THEワイド」
7月27日出演予定

・テーマ音楽を担当している
NHK 「シリーズ世界遺産100」が放送中です。
NHK総合  月曜~金曜  10:55~  15:55~(再)
土曜 20:40~ (野球中継の場合中止)
日曜 19:55~ “Info. 2005/07/01 メディア情報 [TV・ラジオ・新聞・雑誌]” の続きを読む

Disc. V.A.『愛してナイト ヒット曲集 ~Yakko, I Love You~』

2005年4月27日 CD発売 COCX-33169

 

「愛してナイト ヒット曲集」
完全限定生産 デジタルリマスタリング 初CD化

 

ロック・グループ”ビーハイブ”のヴォーカル・剛とお好み焼き屋の看板娘やっこのハートときめくラヴ・ストーリー

80’sアイドル・ポップのヒット・メーカー小田裕一郎をメインに、全曲のアレンジ(2曲提供)に久石譲という豪華スタッフ!主演の堀江美都子を中心とした歌手陣による全10曲、単独盤初CD化!

 

 

AMIMEX1300 Song Collection シリーズ
コロムビア発売のキャラクター・アルバムのトレード・マーク[ANIMEX]から産まれた名盤の数々を、限定でリーズナブルな価格によってお届けする[ANIMEX1300シリーズ]。LPレコードとして発売された収録内容と同一での初CD化作品も、多数ラインナップしていきます。
※解説は当時の内容とは異なります。

 

 

■番組データ■
放送期間:1983年3月1日~1984年1月24日 全42話
キー局・放送時間帯:テレビ朝日系 毎週火曜日夜7時
制作:東映動画(現・東映アニメーション)
原作:多田かおる

■オリジナル・レコード・データ■
発売日:1983年7月1日 LP番号:CQ-7080

 

 

解説

『別冊マーガレット』(集英社)にて連載された故多田かおるのコミックをアニメ化。お好み焼き屋の娘・八重子(通称やっこ)と、”ビーハイブ”というロック・バンドのヴォーカルである大学生の剛とのラヴ・ストーリー。剛の声は佐々木功(ささきいさお)が演じたが、”ビーハイブ”の歌唱シーンは、GSグループ”カーナ・ビーツ”でデビュー、”ゴールデン・カップス”、そして”クリエーション”とグループを変遷したアイ高野が歌った。この楽曲は『愛してナイト デビュー☆ビーハイブ』と『ROCK TRIP ビーハイブ・パーティ』という2枚のアルバムで発売。このヒット曲集は、正副主題歌「恋は突然」「ぼくのジュリアーノ」を含む、やっこ役の堀江美都子がメイン。当時は自身のアルバムやライヴが中心の活動だった堀江美都子のオリジナルとしても聴ける楽曲がラインナップされている。「裸足の季節」「青い珊瑚礁」「風は秋色」といった松田聖子の初期ヒット曲などのアイドル・ポップや、堀江美都子のオリジナル・アルバム第一弾『EMOTION』(1980)の作曲も手がけた小田裕一郎が参加。全ての楽曲を、後にスタジオジブリ・アニメや「あの夏、いちばん静かな海」(1991)以降、北野武監督作品の殆どの音楽を手がける久石譲がアレンジャーをつとめた豪華アルバム。

高島幹雄

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

 

 

 

愛してナイト ヒット曲集

1.恋は突然
作詞:藤公之介 作曲:小田裕一郎 編曲:久石譲 歌:堀江美都子
2.なぜなぜナゾナゾ
作詞:藤公之介 作曲:小田裕一郎 編曲:久石譲 歌:平塚たかあき(森の木児童合唱団)、こおろぎ’73
3.あなたの似顔絵
作詞:藤公之介 作曲:久石譲 編曲:久石譲 歌:堀江美都子
4.ドーベルマンのように
作詞:藤公之介 作曲:久石譲 編曲:久石譲 歌:堀江美都子、こおろぎ’73
5.愛は光の中で
作詞:藤公之介 作曲:久石譲 編曲:久石譲 歌:堀江美都子、Woo
6.Oh!Yeah!ジュリアーノ
作詞:竹内真樹 補作詞:藤公之介 作曲:小田裕一郎 編曲:久石 譲 歌:Woo
7.あなたが消えない
作詞:藤公之介 作曲:小田裕一郎 編曲:久石譲 歌:堀江美都子
8.雨のララバイ
作詞:藤公之介 作曲:久石譲 編曲:久石譲 歌:堀江美都子、平塚たかあき(森の木児童合唱団)
9.純白のジューン・ブライド
作詞:藤公之介 作曲:田中公平 編曲:田中公平 歌:堀江美都子
10.ぼくのジュリアーノ
作詞:藤公之介 作曲:小田裕一郎 編曲:久石 譲 歌:平塚たかあき(森の木児童合唱団)

 

Disc. 久石譲 『神奈川県立厚木清南高等学校 校歌 SEINAN』 *Unreleased

2005年4月1日 開校

 

神奈川県立厚木清南高等学校の開校にあわせて校歌を久石譲が作曲している。

 

校歌制作経緯

歌詞は、公募に応じてくださった大阪市の方の作品を土台として、生徒やPTAの方も入った会議で決まったものです。曲は久石譲氏によるもので、初代校長が久石氏のファンクラブにメールで歌詞を送ったところ、作曲を快諾してくださり、お願いしたものです。

出典:神奈川県ホームページ|厚木清南高等学校 より抜粋

 

 

なお、神奈川県立厚木清南高等学校ホームページにて、メロディ譜と歌唱(ピアノ伴奏付き)が閲覧・試聴・ダウンロードできる。

*2019年3月現在

公式サイト:神奈川県立厚木清南高等学校
https://www.pen-kanagawa.ed.jp/atsugiseinan-h/gaiyou/index.html

 

「SEINAN」
作詞:光源弘、佐竹久典
作曲:久石譲

 

上記URLページ内
校歌「SEINAN」PDF (メロディ譜)
https://www.pen-kanagawa.ed.jp/atsugiseinan-h/gaiyou/documents/kouka_seinan.pdf
歌唱(ピアノ伴奏)mp3
https://www.pen-kanagawa.ed.jp/atsugiseinan-h/gaiyou/documents/seinan_vocal.mp3

 

 

 

Disc. 久木田薫 『ジブリ・ザ・クラシックス』

久木田薫 ジブリ・ザ・クラシックス

2005年3月24日 CD発売 SVWC-7241

 

スタジオジブリ作品 「風の谷のナウシカ」から「ハウルの動く城」まで
監督:宮崎駿 他 音楽:久石譲 他

チェリスト久木田薫による上品なアコースティックカバー。
夢と希望と感動がいっぱいのライトクラシック・アルバム。

 

 

コメント

皆さん初めまして。久木田薫です。私はスタジオジブリの映画が大好きで、小さい頃から、何度も何度も観てきました。皆さんの心の中にも、きっと想い出深いシーンやメロディがある事と思います。そのスタジオジブリ映画の主題歌、挿入曲を、チェロの演奏をメインにクラシック風、タンゴ風などにアレンジして出来上がったのが、このアルバム「GHIBLI the Classics」です。スタジオジブリの作品は、女の子が主人公の作品が多く、映画を観るたびに彼女たちを応援していました。そして、冒険し、成長する彼女たちから勇気をもらってきた気がします。ナウシカやシータ、さつきとめいちゃん…。今回、映画を優しく包んでいた音楽を、幅広いジャンルのミュージシャンの方々と共演させて頂きました。ギター、バンドネオン、ハーモニカ…。刺激的で楽しかったです!!たくさんの方々と一緒に作ったこのアルバムに、私の愛するクラシック音楽、そして、ジャンルを問わない音楽そのものの楽しさをこめられたと思います。スタジオジブリ映画のように、あらゆる世代の方に、チェロという楽器の奥深い音色を聴いて頂き、喜んで頂けたらと思います。

2005年1月5日 久木田薫

(CDライナーノーツより)

 

 

 

久木田薫 ジブリ・ザ・クラシックス

1.さくらんぼの実る頃 (「紅の豚」より)
2. 君をのせて (「天空の城ラピュタ」より)
3. アドリアの海へ~マルコとジーナのテーマ~ (「紅の豚」より)
4. 風の谷のナウシカ (「風の谷のナウシカ」より)
5. ナウシカ・メドレー (ナウシカ・レクイエム~鳥の人~風の谷のナウシカ・オープニング)
6. 天空の城ラピュタ (「天空の城ラピュタ」より)
7. もののけ姫 (「もののけ姫」より)
8. やさしさに包まれたなら (「魔女の宅急便」より)
9. 風のとおり道 (「となりのトトロ」より)
10. となりのトトロ (「となりのトトロ」より)
11. いつも何度でも (「千と千尋の神隠し」より)
12. 千と千尋の神隠し・メドレー (あの夏へ~湯屋の朝~ふたたび)
13. はにゅうの宿 (「火垂るの墓」より)
14. 世界の約束 (「ハウルの動く城」より)