Disc. 久石譲 『川の流れのように オリジナル・サウンドトラック』

久石譲 『川の流れのように』

2000年4月29日 CD発売 COCP-30887
2000年4月29日 CT発売

 

2000年公開 映画「川の流れのように」
監督:秋元康 音楽:久石譲 出演:森光子 田中邦衛 他

 

 

「川の流れのように 2000」美空ひばり

2000年3月1日 CDS発売 CODA-1816
2000年3月1日 CTS発売 COSA-1434

川の流れのように 2000

1. 川の流れのように 2000
作詩:秋元康 作曲:見岳章 編曲:久石譲
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団 ピアノ:久石譲
2. 川の流れのように
作詩:秋元康 作曲:見岳章 編曲:宇崎孝路
3. 川の流れのように 2000 (オリジナル・カラオケ)
4. 川の流れのように (オリジナル・カラオケ)

封入特典:「川の流れのように」オリジナル版メロディー譜

 

シングル発売されたこちらの楽曲では、オリジナル・サウンドトラック収録盤とは異なるアレンジで、プログラミングされたリズムパートがある。本編エンドクレジットで流れた劇場版(サントラ盤)は、このリズムパーカッションを抜いたものであり、その他オーケストラによる伴奏は同一である。なおカップリングには、原曲オリジナル版が収録されている。

 

 

映画「川の流れのように」音楽制作を終えて

この映画音楽では制作にあたって注意したことが2つあります。美空ひばりさんというたいへんな天才と共演すること。もうひとつは秋元康監督が表現したいであろう老人達の世界観をどうだすか、この2つの点に最も注意をはらいました。最初の点については、すでにお亡くなりになった人と自分がどう関わるのか、それが大きなポイントでした。その時に閃いたのは、10年くらい前だとマルチ録音をしているはずだと、美空ひばりさんのボーカル・パートを抜き出して、それとこの映画の世界観に合う新しいアレンジをする。現在、美空ひばりさんと共演する新しい美空ひばりの「川の流れのように」を作ることが浮かんだわけです。もうひとつは、秋元監督が表現しようとした老人達の世界観について。海辺の小さな漁港で、もう必要とされない老人達が、実は最も知恵をもっていて生き生きと生きている。年齢が若い、あるいは年をとっているというところに問題があるのではない。長い間生きてきて、そこにはいつでも青春があるわけで、その時空を越えて人々は生きていく。そんな人間の根元的な声にしたいという思いをこめて、ブルガリアン・ボイスを起用しました。青春の時間というのが一瞬ではなく永遠であるということを音楽的に表現しようと思いました。

久石譲

(CDライナーノーツより)

 

 

久石さんを見ててプロだなと思うのは、音のこぼし方ですね。カットが変わった時の音のこぼし方。普通は、一つのシーンで音楽を入れるとすると、そのシーンとともに音楽は終わるじゃないですか。例えば次は外に出て車に乗るシーンだとしたら、そこには別の音楽が、あるいは車の騒音を入れるとか。でも久石さんはそこへ微妙に前の音楽を落とす。そうすることによって、絵がなめらかになるし、言葉は終わっているんだけど音楽が続いているから余韻が残るんですよね。またはせつなさが残ったり。(秋元康)

例えば秋元監督と『川の流れのように』という映画をやる。これは確かにいい話で、老人たちももっと元気が出る。そこでいい話だからいい音楽を書こうと普通は思いますよね。いいメロディーを書いて心温まる音楽を作ろうと。でもそうすると監督の視線と一緒になりすぎてしまって、単になぞるだけじゃないかと考えてしまうんです。例えば映画の冒頭のシーン、主人公が伊豆に何十年ぶりかに帰ってきた。そこに、いかにも帰ってきましたという美しくせつない音楽をつけてしまうと、全体のトーンがベタベタになってしまうんじゃないかと思うんです。台本を読んだ時から考えていたんですが、ブルガリアン・ヴォイスを使ってみたらどうだろうかというアイデアが浮かんだ。いったいどこの国の音楽だろうと観た人が不思議に思うような。ただそのまま使うと、よくありがちな奇を衒ったものになってしまう。それでオーケストラとブルガリアン・ヴォイスをミックスした。ある種のミスマッチなものは絶対ダイナミックに広がっていくし、もう一カ所ポイントになるものを使えば全体の音楽的な筋は通るんじゃないかと思った。まあ秋元さんとやらせてもらってるからこそ、そういうアイデアが出てくるんですけどね。(久石譲)

いや、それはプロの技ですよ。ブルガリアン・ヴォイスから嵐のシーンのオーケストレーションまで幅が広い。ブルガリアン・ヴォイスだけのアイデアを出せる人はブルガリアン・ヴォイスのテイストで最後までいっちゃうんですね。そうすると今度は映像と音楽が分離してしまう。それにしてもラッシュの音がない時に比べて数百倍良かったです。(秋元康)

日本映画としては本当にお金を出してもらったんですよ。ホールでオーケストラをきっちり録れるなんてまずないですから。これだけの規模でできたからこそなんです。(久石譲)

オーケストラというと、それだけの人数と楽器を集めて、ホールまで借りるのは、すごくお金がかかる。だから大抵みんな打ち込みでやるんですけど、久石さんがホールでモニータに映像を流して同時に録ろうとおっしゃった。すごく贅沢ですよ。アメリカではそういうシステムが整っているけど、日本ではなかなかできない。(秋元康)

設備が整ったところで録るわけではないので、レコーディング機材を全部運び込まなくてはいけなくて、ものすごく大変なんです。しかもいろいろトラブルがあるし。(久石譲)

我々も、いつもああいうことができると思ってはいけないんですね。(秋元康)

でもこの先デジタルになったら、もっとああいうやり方の重要性が出てきますよ。ホールのアンビエントがそのまま再現されるから、とても奥行きが深くなる。(久石譲)

迷ってたのは、ラストまで「川の流れのように」の曲を出していないんですよね。途中で一回インストで流して前振りを作ったほうがいいのかとずっと考えていた。でも結局やめた理由は、曲が始まった瞬間に観客が「川の流れのように」だと気づいて予定調和になってしまうから。ラッシュを観た時、出さなくて良かったと思いました。その分、森光子さんのツーハーフ、そしてラストのひばりさんの歌が生きた。(久石譲)

Blog. 「秋元康大全 97%」(SWITCH/2000)秋元康×久石譲 対談内容 より抜粋)

 

 

 

久石譲 『川の流れのように』

1. Village Song(ブルガリアン・ソング)
2. Memories
3. ふれあい・I
4. 記憶の扉
5. ときめき
6. Old Fishermans
7. グラフィティ
8. ふれあい・II
9. 残された時間
10. Memories ~refrain~
11. The River
12. A Storm
13. Voice of the Sea(ブルガリアン・ソング)
14. 時は流れて
15. The River ~別れ~
16. 川の流れのように2000 (エンディング) 歌:美空ひばり

音楽:久石譲
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
収録ホール:大田区民ホール・アプリコ 大ホール

ゲスト・ミュージシャン
Vocal:おおたか静流 Ikuko

 

Disc. 久石譲 『小さな駅で降りる』 *Unreleased

2000年4月12日 TV放送

 

テレビ東京開局記念番組 山田太一ドラマスペシャル「小さな駅で降りる」
音楽:久石譲 上田聡 出演:中村雅俊 樋口可南子 堤真一 他

 

 

単発放送ドラマで、その後TV再放送された機会はあったが、DVD化およびサウンドトラック盤などは発売されていない。また久石譲作品においても、どのアルバムにもオリジナル版およびリアレンジ版含め収録されていない幻の作品となっている。

 

以下は、音楽制作当時の久石譲オフィシャルサイト日記より、参照することができる貴重な情報である。

 

 

  • メインテーマはアコースティックピアノのシンプルなメロディが基本になり、オーボエやリズムが入ることによりバリエーションが創られる。
  • 「小さな駅で降りる」制作2日目。今日はサスペンス風のテーマとそのバリエーションが創られる。
  • 「小さな駅で降りる」トラックダウン。テレビ東京のスタッフも駆けつけ、26曲に及ぶトラックダウンが行われる。基本的にはテーマとバリエーションなので、テーマのバランスがとれれば後はスムーズにいくはずだったのだが…。気が付けば夜中の2時になっていた。

(2000.3月)

 

 

山田太一 小さな駅で降りる

 

Disc. 久石譲 『はつ恋 オリジナル・サウンドトラック』

はつ恋 オリジナル・サウンドトラック

2000年3月23日 CD発売 POCH-1918
2005年10月5日 CD発売 UPCY-9007

 

2000年公開 映画「はつ恋」
監督:篠原哲雄 音楽:久石譲 出演:田中麗奈 他

 

 

「はい。でも、いろいろ話をお聞きしているうちにとてもいい内容だったので、楽曲一曲だけ提供するより、スタンスとして映画全体に関わりたいと思うようになった。僕は仕事を音楽監督という立場でお引き受けするようにしてるんです。どうしても、このご時世だと、いろいろなタイアップがついたりして、なぜかわからないけれどエンディングになると変な歌が流れたりする(笑)。でも、それはテレビに任せておけばいい。映画を作品として完成させるためには僕はそういうことは望まない。だから、『はつ恋』でも映画の中で流れる音楽は全て責任を持つという音楽監督という立場でお引き受けしました。」

「主人公が17~18歳という設定だと2つの方向性が考えられるんです。一つは北野(武)監督の『キッズ・リターン』のような動的な感じ。そういう映画だとリズムを強調する。もう一つは『はつ恋』のような優しいイメージ。17~18歳の女の子の揺れる気持ちを出したかった。それで篠原(哲雄)監督と話し合ってシンプルな感じで行こうと。『はつ恋』って小粒だけどキラリとしたいい映画ですから、最初からピアノと分厚くない弦の世界で作るのが一番いいなと思ったんです。そういったイメージはとても作りやすい映画でした。」

「あのシーン、トータルで6分あるんです。「ここは全部音楽入れて下さい」っていわれた時はちょっとめげましたが、あそこはもう、一番力をいれました。もちろん全部力いれてるんですけどね(笑)。あの6分の中で麗奈さんが真田さんの部屋から外に出て、ふっと見上げるシーン。あの麗奈さんの顔はベストショットだと思います。僕は女優さんの演技を見ていて、一番気になるのが目の強さなんです。俳優の存在感ってつまるところ目じゃないかなと思う。あのシーンの麗奈さんの目、存在感がとても強い。」

Blog. 「Title タイトル 創刊 2000年5月号」 久石譲 × 田中麗奈 対談内容 より抜粋)

 

 

 

はつ恋 オリジナル・サウンドトラック

1. Prologue〜Spring Rain
2. 手紙
3. Challenge
4. 桜の木の下で
5. 時は流れて
6. Spring Rain
7. 秘密
8. Mother’s love
9. おもいで
10. 時は流れて II
11. はつ恋
12. 再会
13. 願い桜
14. Portrait of Family
15. Epilogue〜はつ恋

All Music composed, arranged and produced by Joe Hisaishi

Pf:Joe Hisaishi
Strings:Yuichiro Goto Group
Fl:Takashi Asahi
Ob:Masakazu Ishibashi
Cla:Masashi Togame
Fag:Johsuke Ohata

Recording Studios:Kawaguchiko Studio , Wonder City

 

Score. 『久石譲 サウンドトラック「人体」ベスト・セレクション』

1999年12月30日 発行

久石譲監修によるピアノ曲集。編曲は他者によるもの。久石譲が手がけた「NHK 驚異の小宇宙・人体」シリーズ I ~ III からセレクトされたピアノ・ソロ譜。

 

【補足】

当時は公式スコア[オリジナル・エディション]という位置づけがまだなかった。久石譲監修ではあるが他者の編曲による(当時はそれが主流だった)。ただし、CD作品のマッチングとして同時期に楽譜出版されたもの、また楽譜表紙(装丁)がCDジャケットデザインに準ずるもの、制作協力クレジットされ公式コンサートパンフレットや媒体でも紹介されていたもの、これらを監修・公認(準公式)楽譜として紹介している。

 

 

久石譲 サウンドトラック「人体」ベスト・セレクション

■『驚異の小宇宙・人体』サウンドトラック vol.1~2より
THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Opening Theme-Synthesizer Version)
TOUR IN CELL ~ミクロの戦士たち~
FANTASY ~かくも壮大なる小宇宙~
MYSTERIOUS LOVE ~ひと・そして・愛~
TRANSIENT LIFE ~うたかたの夢~
BIRTH ~生命(いのち)の歓び~
THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Ending Theme-Orchestra Version)
THE ORIGIN OF SPECIES ~35億年の結晶~
STRANGER ~かくも果てしなき未知の世界へ~
DÉJÀVU ~わればかりかく思うにや~
ONE NIGHT DREAM ~千億光年の夢物語~
THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Violin Version) [ヴァイオリン・ソロ&ピアノ伴奏]

■『驚異の小宇宙・人体II/脳と心』サウンドトラック vol.1~2より
PRINCIPLE OF LOVE ~やさしさの芽生え~
IMAGINATION FACTORY ~魔術師たちの部屋~
BRAIN&MIND ~未知の秘境へのいざない~ [ピアノ弾き語り]
EMOTION ~永遠の春~
COMPASSION ~はぐくまれた命~
DREAM OF GAEA ~懐かしき時夢~
FLASHOVER ~この一瞬にこめた想い~
PROCESS OF EVOLUTION ~運命の万華鏡~

■『驚異の小宇宙・人体III/遺伝子・DNA』サウンドトラック vol.1~2より
History
Wonderful Life
A Gift From Parents
Gene (Piano)
遥かなる時を超えて (Another Version)

監修:久石譲
協力:株式会社ワンダーシティ/NHK/ポリドール株式会社
編曲・採譜:青山しおり
定価:1,400円+税
発行:株式会社ドレミ楽譜出版社

 

Disc. 久石譲 『JOE HISAISHI Best Selection』

久石譲 JOE HISAISHI Best Selection

1999年12月22日 CD発売 PICL-1194
2006年3月22日 CD発売 GNCL-1053

 

久石譲がパイオニア在籍時に発表したアルバム4枚からのベスト・セレクション

 

 

久石譲 JOE HISAISHI Best Selection

1. Piano
2. 「魔女の宅急便」~Hush~木洩れ陽の路地
3. 「紅の豚」~Rosso Adriatico~真紅の翼
4. MIRAGE~1994 Paradise
5. 「はるか、ノスタルジィ」~I Stand Alone~追憶のX.T.C.
6. 「水の旅人」~I Believe In You~あなたになら
7. Girl (時をかける少女・メインテーマ)
8. GRANADA
9. ぴあの (English Version)
10. 「ふたり」~Two Of Us~草の想い
11. 「女ざかり」~THE WALTZ~For World’s End (メインテーマ)
12. 「青春デンデケデケデケ」~Here We Are~青春のモニュメント
13. Labyrinth of Eden
14. 「ぴあの」~ぴあの (純名里沙&JOE’S PROJECT)

 

Disc. V.A. 『スタジオジブリ・ソングズ+1 ~オルゴール・メロディーズ2000~』

1999年12月22日 CD発売 TKCA-71826

 

「STUDIO GHIBLI SONGS + ONE ~オルゴール・メロディーズ 2000~」

「風の谷のナウシカ」から「ホーホケキョ となりの山田くん」まで、スタジオジブリ13作品の主題歌・挿入歌17曲を収録したオルゴール集。

 

 

スタジオジブリ ソングズ +1 オルゴール

1. 風の谷のナウシカ
2. 君をのせて
3. さんぽ
4. となりのトトロ
5. はにゅうの宿
6. ルージュの伝言
7. やさしさに包まれたなら
8. 愛は花,君はその種子
9. さくらんぼの実る頃
10. 時には昔の話を
11. 海になれたら
12. アジアのこの街で
13. いつでも誰かが
14. カントリ・ロード
15. On Your Mark
16. もののけ姫
17. ひとりぼっちはやめた

 

Disc. V.A. 『となりのトトロ ソング&カラオケ』

1999年12月1日 CD発売 TKCA-71780

 

「いっしょに歌おう!大きな声で となりのトトロ ソング&カラオケ」

イメージソング集&カラオケ&オルゴール1曲含む全21曲
40ページ・ブックレット(全曲メロディ譜面付き)

 

公開から数年が経とうとも『となりのトトロ』の人気は不滅。そんな名作アニメで使われたヴォーカル曲を、カラオケとともに収録したのがコレ。幼稚園児の定番合唱曲「さんぽ」をはじめ楽しい曲の数々は、子供たちに聴かせ、一緒に歌って楽しみたいものばかり。

 

 

Track1-10が「となりのトトロ イメージ・ソング集」と同一内容であるが、「イメージ・ソング集」収録11曲目「風のとおり道(インストゥルメンタル)」は本作品には収録されていない。Track11-20が上記楽曲のカラオケ・バージョン。Track.21が本作品に追加収録されたオルゴール・ヴァージョン。

 

 

となりのトトロ BOX~イメージソング集・オリジナルカラオケ集

1994年7月25日 CD発売 TKCA-70340

 

 

なお、CD作品「となりのトトロBOX」(1994.7.25)と収録楽曲(ソング&カラオケは同一である。こちらの作品はCD+となりのトトロ オリジナルグッズ付きBOXセットである。Track.21「さんぽ(オルゴール)」は収録されていない。

 

 

 

となりのトトロ ソング&カラオケ

1. となりのトトロ 歌:井上あずみ
2. 風のとおり道 歌:杉並児童合唱団
3. さんぽ 歌:井上あずみ・杉並児童合唱団
4. まいご 歌:井上あずみ
5. すすわたり 歌:杉並児童合唱団
6. ねこバス 歌:北原拓
7. ふしぎしりとりうた 歌:森公美子
8. おかあさん 歌:井上あずみ
9. 小さな写真 歌:久石譲
10. ドンドコまつり 歌:井上あずみ
11. となりのトトロ
12. 風のとおり道
13. さんぽ
14. まいご
15. すすわたり
16. ねこバス
17. ふしぎしりとりうた
18. おかあさん
19. 小さな写真
20. ドンドコまつり
21. さんぽ (オルゴール)

 

Disc. 久石譲 『WORKS II Orchestra Nights』

久石譲 『WORKS2』

1999年9月22日 CD発売 POCH-1830

 

コンサートツアー「Piano Stories ’98 Orchestra Night」での名演を収録した7年振りの貴重なオーケストラ・ライブ録音

24bitデジタル・レコーディングによるナチュラルなサウンドで臨場感を余さず収録

 

 

寄稿

いい音楽には永遠の生命力がある。

時代とか流行、様式とか国籍…そうしたものすべてを超えて存在する音楽。「WORKS」と名づけられたシリーズは久石譲という稀有な才能を持った音楽家の”仕事”を数々の映画音楽の曲を中心にオーケストラとの共演という形で再構築していくものだが、新たに録音された曲を聞くと、改めてその音楽性の高さとオリジンルな魅力を実感することができる。一度聞いただけで記憶の奥底に刻みつけられてしまう美しいメロディと卓抜したアレンジ、それにピアニストとしての力量。今回の「WORKS II」は7年ぶりのオーケストラ・コンサートのライブ録音という形になっているが、ひとつひとつの音符の鳴り方、そこから紡ぎ出されたハーモニーの美しさは、驚くほどに完成度が高い。

だから、僕は出来ることなら可能な限りの音量でこのアルバムを聞いて欲しいと思う。収録された13曲は、インストゥルメンタルでありながら大量生産、大量遺棄されるヒット曲とは一線を画す本物の”唄”というのはどんなものかを教えてくれるし、ロマンティシズムとダイナミズムが完璧な形で同居し、輝ける結晶体になっていることがわかる。

そして、次にはそこに自分自身の記憶や思いを重ね合わせていくといい。映像は形になって残っているが、いい音楽というのはそこから離れて空間の中で旋回し始めるのである。「WORKS」はいい仕事の理屈抜きの証拠品である。

立川直樹

(寄稿 ~CDライナーノーツより)

 

 

 

久石譲 『WORKS2』

交響組曲「もののけ姫」より
1. アシタカせっ記
2. もののけ姫
3. TA・TA・RI・GAMI
4. アシタカとサン
5. Nostalgia (サントリー山崎CF曲)
6. Cinema Nostalgia (日本テレビ系列「金曜ロードショー」オープニングテーマ)
7. la pioggia (映画「時雨の記」メインテーマ)
8. HANA-BI (映画「HANA-BI」メインテーマ)
9. Sonatine (映画「Sonatine」より)
10. Tango X.T.C (映画「はるか、ノスタルジィ」より)
11. Madness (映画「紅の豚」より)
12. Friends
13. Asian Dream Song (長野パラリンピック冬季競技大会テーマ曲)

ピアノ:久石譲
指揮:曽我大介
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団 (東京)
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団 (大阪)
録音:1998年10月19日 東京芸術劇場
録音:1998年10月27日 ザ・シンフォニーホール

 

WORKS II Orchestra Nights

1.The Legend of Ashitaka (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
2.Princess Mononoke (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
3.TA-TA-RI-GAMI (The Demon God) (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
4.Ashitaka and San (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
5.Nostalgia
6.Cinema Nostalgia
7.la pioggia
8.HANA-BI
9.Sonatine
10.Tango X.T.C.
11.Madness
12.Friends
13.Asian Dream Song

 

Disc. 久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体III~遺伝子・DNA サウンドトラック Vol.2 Gene-遺伝子-』

1999年8月4日 CD発売 PCCR-00308

 

1999年放送 NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体III 遺伝子DNA」
音楽:久石譲

 

 

コメント

3シリーズ目になる驚異の小宇宙・人体「遺伝子」はミクロの世界に入りこんでいった。遺伝子はこれからの我々の日常にはとても大事なものになると思うが、遺伝子というのは実態が非常につかみづらい。それがこの作品を作曲するときにたいへん苦しんだところだ。

ある時、遺伝子に関するいろいろな本を読んでいて「Selfsih Gene(利己的な遺伝子)」という言葉を見つけた。それから遺伝子に関してとても強い興味を持つようになった。

この本では、”人間は遺伝子の乗り物でしかない。”という大胆な発想をもとに書かれたものだったが僕にはそれが非常に新鮮に映った。

例えば神が人間を創造するとき、実はあらかじめなにかがプログラムされていたとすると、それが遺伝子だったのえはないかと。そのあたりからイメージを広げて曲を書いた。この考えでは太古からそして未来へ永遠と続くであろう、そのすべてをじっと見つめているのが遺伝子であると。

そんな観点から遺伝子を見たときにたいへんロマンを感じ、それを表現したいと強く思った。

久石譲

(CDライナーノーツ より)

 

 

 

NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体III ~遺伝子・DNA サウンドトラック Vol.2 Gene 2

1. History (Remix)
2. Gene
3. Eternal Mind
4. Desire
5. Gene (Wood Winds)
6. Choral For Gene (Another Version)
7. Pandora’s Box
8. Ophelia
9. Gene (Piano)
10. Telomere
11. 遥かなる時を超えて (Another Version)
12. Gene (Violin+Cello)
13. A Gift From Parents (Remix)

Producer:Joe Hisaishi
Compose & Arrangement:Joe Hisaishi

Recording Studio:Wonder Station, AVACO CREATIVE STUDIO

 

Gene – Idenshi, Vol.2

1.History (Remix)
2.Gene
3.Eternal Mind
4.Desire
5.Gene (Wood Winds)
6.Choral For Gene (Another Version)
7.Pandora’s Box
8.Ophelia
9.Gene (Piano Ver.)
10.Telomere
11.Harukanaru Toki wo Koete (Another Version)
12. Gene (Violin + Cello Ver.)
13. A Gift From Parents (Remix)

 

Disc. 久石譲 『機甲創世記モスピーダ Vol.1-3』

久石譲 機甲創世記モスピーダ 1-3

1999年6月23日 CD発売 VICL-60415~6

 

1983年 フジテレビ系アニメ放送 「機甲創世記モスピーダ」
音楽:久石譲

放送期間:1983年10月2日~1984年3月25日
放送時間:毎週日曜日9時30分~10時(関東地区)
放送局:フジテレビ系
放送話数:全25話

 

 

機甲創世記モスピーダ LP 2

(LPジャケット, 1983)

 

 

ビクター・アニメ『殿堂ツイン』シリーズ 8
可変式バイクが唸る!イエローの歌声が響く!!
初CD化のライブ版を含むモスピーダ・ミュージックの全て!

●お断り
このCD作品の収録内容は、DISC-1(1~16):”殿堂”シリーズ 7 「機甲創世記モスピーダ」〈CD〉、DISC-1(17~23)& DISC-2(1~5):「機甲創世記モスピーダ VOL.II」〈CD〉と同一のものです。

 

 

 

 

久石譲 機甲創世記モスピーダ 1-3

DISC-1
フジテレビ系「機甲創世記モスピーダ」
モスピーダ(音楽篇)
1. 失われた伝説(ゆめ)を求めて
2. ヴィーナス・オブ・ザ・スペース
3. エグゾーステッド・シティー
4. やっつけろ!
5. ダッシュ・アンド・ダッシュ
6. ヤング・スピリッツ
7. フーケのブルース
8. ふたりでいたい
9. 飛翔の儀式
10. インビット
11. DREAM EATERS
12. プリティー・キューピッド
13. 青春への手紙
14. 愛の小石
15. 伝説の河
16. ブルー・レイン
フジテレビ系「機甲創世記モスピーダ」
モスピーダ Vol.II (音楽篇 side-1)
17. ザ・ベストレイヤー
18. 若き戦士
19. 大地の風
20. 荒れ野へ
21. ドリーミー・シティー
22. SASURAI
23. 愛の涙

作詩:売野雅勇 (1,16) 阿佐茜 (4,8,11,14,20)
作曲:タケカワユキヒデ (1,16) 久石譲 (2~7,9,10,12~15,17~19,21~23) 小笠原寛 (8,11,20)
編曲:久石譲
歌:アンディ (1,16) 松本美音 (4,8,11,14,16,20)
演奏:WHILE ROCK BAND (2,3,5~7,9,10,12,13,15,17~19.21~23)

 

DISC-2
フジテレビ系「機甲創世記モスピーダ」
モスピーダ Vol.II (音楽篇 side-2)
1. フレンズ
2. ロンリー・エラント
3. エンジェル
4. モスパダの歌
5. 軍靴の響
フジテレビ系「機甲創世記モスピーダ」
モスピーダ Vol.III ライブ・アット・ピットイン
[ライブ・アット・ピットイン I]
6. めざめ
7. MC1
8. Love Tonight
9. MC2
10. 荒れ野へ
11. MC3
12. 愛の小石
13. MC4
14. 虹の彼方に
[ライブ・アット・ピットイン II]
15. MC5
16. ロンリー・エラント
17. MC6
18. スターダスト
19. MC7
20. DREAM EATERS
21. MC8
22. プリテンド
23. MC9
24. ブルー・レイン

作詩:
阿佐茜 (4,10,12,16,20)
売野雅勇 (24)
シンディ山本 (6,8)

作曲:
久石譲 (1~5,12,16)
タケカワユキヒデ (24)
小笠原寛 (10,20)
三井誠 (6)
周防義和 (8)

作詩・作曲:
E.Y.Harburg & Harold Arlen (14)
Hoagy Carmichael-Mitchell Parish (18)
Lew Douglas-Dan Belloc-Frank Lavere-Cliff Parman (22)

編曲:久石譲

歌:
松本美音 (4,6,8,16,24)
アンディ (10,22)
土井美和 (12)
松本美音・鈴置洋孝 (14)
室井深雪 (20)

演奏:WHILE ROCK BAND (1~3,5,6~24)

(6~24)
構成・脚本:富田祐弘
出演:鈴置洋孝・土井美和・室井深雪・堀内賢雄・松本美音・アンディ
演奏:WHILE ROCK BAND
※1984年4月23日 六本木ピットインにて収録