Posted on 2017/06/27
ふらいすとーんです。
4月チェコ首都プラハにて開催された「プラハ映画音楽フェスティバル2017(原題:Film Music Prague festival 2017)」、このなかで「THE WORLD OF JOE HISAISHI」コンサート公演が行われました。久石譲指揮によるジブリ作品から北野作品までスペシャルなコンサートです。
とりわけ海外公演というのはとても情報キャッチが難しく(いや日本公演もかわらないかな)公演数日前からひとりそわそわしています。もちろん一昔前に比べたらインターネット普及のおかげで、ありとあらゆる情報がほぼリアルタイムにポンッポンッと広いWeb空間に現れます。それはとてもありたがいことで、こちらに必要とされるのはその無作為に現れた情報たちを上手に見つけることができるか、上手に整理することができるか。久石さんの海外公演があるたびに、床いっぱいに散らかった資料を整理するように、ひとつひとつ吟味しながら地道な作業をしています φ( 〃 ‥)ノ ⌒ ゜
今回はそんな過程で出会った一期一会なお話をしたいと思います。
いつものようにあらゆる検索手段を駆使して、あらゆる検索用語を駆使して(これ結構大切です)、コンサート公演内容を調べていました。するとブログで日本語でコンサート感想を綴られているページを運良く見つけることができました。どんな楽曲が演奏されたとか会場の様子や写真もまじえた感想です。
普段はあまりしないのですが、ことプラハ公演に関してはこの時点で情報源がとても少なくいまひとつ全貌がわからない。思いきってブログを書かれた方に直接コンタクトをとることにしました。
♯全プログラムを教えていただくことはできますか?
♯アンコールはありましたか?
♯久石譲はどの楽曲でピアノ演奏しましたか?
♯もののけ姫は英語詞でしたか?
♯♯♯…
そのときに「なんだこの不審な人」と思われてはいけないので、いや思われるのは仕方ないとしてそんな印象を最小限にくいとめたく「実は久石さんのファンサイトをやっている者です」とカタチのない名刺をそえて送信しました。
こういった経験ありますか?実はこういうのってあまり返信を期待したらダメなんです。えぇっと、言い方をかえると返信がきて当たり前と思ってはいけません、タイミングや事情もあるでしょうしショックが大きくなりますよという変な教訓。返信もらえたらラッキー、なんて運がいいんだ、なんていい人なんだ!こんな心持ちです。
そして僕はとてもラッキーでした♪
メッセージを送った翌日、正確には24時間以内(時差もありますからね)にお返事をいただくことができました。おそらく平日だったのでお仕事もあったと思いますし、帰宅してから?すぐに書いてもらったことになります。正確な情報かつスピーディーにわかるという意味でこんなにありがたいことはありません。
そんな幸運にめぐまれた出会いと情報、海外主催やコンサート会場の公式Facebook情報、あとは自分で床に散らかしたいっぱいのかけらたち。そうしてようやく《速報》としてファンサイトで公開できているものがこちらです。海外公演速報ではありがちな【Update!!】も実はこういったやりとりの結果が後日追記されていたり、日々刻々ポンッポンッと現れてくる情報たちを随時キャッチし吟味し更新しているからなんです。
Info. 2017/04/24 《速報!》久石譲プラハコンサート「THE WORLD OF JOE HISAISHI」プログラム 【5/7 Update!!】
「サイト拝見しました。ほんとにファンなんですね。よかったらプログラムさしあげましょうか。」
こんなことまで言ってもらえて!想像を超えたところにある幸運です。もちろんファンサイトの存在はご存知なかったということで(精進します)、お仕事のかねあいもあってプラハでの生活、その土地で久石譲コンサートがあるならとチケットを買われたようです。いいですね、海外で聴く日本でおなじみの音楽。懐かしさや感動もひとしおなのかもしれませんね。僕がもし海外生活をしていてそこで久石さんのコンサートを聴くことになったら、もう懐かしさや感動を超えたところにある「日本に帰りたい!」衝動を抑えられなくなるでしょう。
お返事や情報をいただけでなくプログラムをもらえる?!そちらはプラハこちらは日本どうやって?!──そんなの国際郵送で送るしかないだろうと当たり前のツッコミなんですけれども。本当ですか?本当にいいんですか!という感動です。「そこまでしていただいてご迷惑じゃないでしょうか。お手間や送料のこともありますし。お気持ちだけでも本当にうれしいです。」とお伝えしたうえで、そう伝えたくせにもしもし送っていただけるならとちゃっかり届け先をメール末尾の署名のようにそっと差し出す。
1週間後にはプラハからコンサートパンフレットが届きました。署名をひかえめに差し出したあとお返事がなかったので、届く届かないふくめてそんな日が訪れたらいいなあと思っていたくらいです。送料もその方のご好意で僕は純粋にプラハからのお届けものを、プラハとは程遠い日常的光景のなか受け取ることができました。しかもこのパンフレット、久石譲コンサートとしてではなく映画音楽フェスティバルとしてのパンフレットになっていたので他公演もふくめてボリューム満点。これもちろん無料配布じゃないですよね、たぶんコンサートを聴かれたあの日会場で購入されたんだと思うんです。そんな大切な記念を海を渡ってちょうだいしました。
自分が行っていないコンサートのパンフレットが手元にある不思議、海外公演ものというプレミアムな不思議、にけやがとまりません (*´∇`*) 本当にありがとうございました。
これまでにも海外公演がなかったわけではない久石さんのコンサート活動ですが、2014年頃からとても精力的な展開をみせています。アジア圏は定着していますし直近のヨーロッパ公演もふくめ、これからますます音楽活動の軸のひとつとなっていく予感です。
2014年
Joe Hisaishi Beethoven Concert 台北NSOコンサート
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲「皇帝」や交響曲第5番「運命」。久石譲作品からは「5th Dimension」が改訂初演されました。
Joe Hisaishi Special Concert with Vienna State Opera Chorus(台北)
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」や、久石譲作品「Orbis」「風立ちぬ 組曲」など。この公演のことは当時CD付音楽マガジン「クラシックプレミアム」(小学館)のエッセイでも書かれていました。書籍化された「音楽する日乗」にも収載されていると思います。
上記2公演のプログラム詳細はこちらにて。
2015年
世紀音樂大師-久石譲 Maestro of the Century – Joe Hisaishi(台北)
「天空の城ラピュタ」「時雨の記」「Oriental Wind」などなど。ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、ショスタコーヴィチ作品についてもエッセイにあったと思います。作品についての解釈や久石さんがコンサートで演奏するに際してなど興味深くおもしろいです。
SPECIAL GALA CONCERT Far East Film Festival(イタリア)
第17回ウディネ・ファーイースト映画祭にて久石さんが特別功労賞を受賞、その記念で開催されたスペシャルコンサートです。「水の旅人」「おくりびと」「ハウルの動く城」「千と千尋の神隠し」から「MKWAJU」「LINKS」まで選曲も贅沢なオール久石譲プログラム。
2016年
久石譲&五嶋龍 シンフォニー・コンサート in 北京 / 上海
TV音楽番組「題名のない音楽会」新テーマ曲だった「Untitled Music」を五嶋龍さんとコラボレーション。日本公演ではまだお披露目されていないという豪華タッグはいつの日か実現するでしょうか☆彡
久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2016(台湾)
国内10公演に加えて初のW.D.O.海外公演です。2004年発足当時「名前のとおりいつか世界でも演奏したい」と言っていた悲願がついに実現した瞬間です。その流れは2017年も。
2017年
THE WORLD OF JOE HISAISHI(プラハ)
前半のお話でお伝えしました。
Joe Hisaishi and Mischa Maisky(台北)
世界的チェリスト、ミッシャ・マイスキーとのコラボレーション。ドヴォルザーク:チェロ協奏曲や映画「おくりびと」から「Departures for cello and piano」、そうチェロとピアノによる至極のデュオだったんですね。
くわしくはこちら♪
JOE HISAISHI SYMPHONIC CONCERT:
Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki(フランス)
巨大スクリーンによる映像と壮大なオーケストラによるジブリプログラムです。2008年「久石譲 in 武道館」コンサートを経てついに海外公演へと羽ばたきはじめました。
くわしくはこちら♪
このパリコンサートはとても人気や関心が高く、ファンサイトでも問い合わせを複数うけました。チケット入手方法についての質問がほとんどだったんですけれども…僕なんかにわかるはずもなく思いつく限りの知恵をふりしぼってそのつどお返事しました。お役に立てませんでしたが、そんなコンタクトから「チケットゲットできました!」という方もいました♪いろいろな幸運タイミングが重なってチケットを入手できたんですね。その時は喜びがこちらにも伝わってきて、僕も自分がフランスに行けることになったと錯覚するくらいうれしかったです。入手経緯やコンサートに行きたい想いも聞かせてもらって、こちらも幸せ気分な心躍る朗報でした。コンサートもきっと満喫されたことでしょう♪
なんと実は!このジブリコンサート、パリ公演だけで終わりそうにありません。今後も世界各国いろいろな都市で世界ツアーとして開催予定だそうです!!次はどこの都市でしょうか?ヨーロッパ圏かな?準備もふくめて年1回もしくは数回ほどの公演になるのかもしれませんが、アジアやアメリカでもと期待してしまいますね。巨大スクリーンもあるため会場環境や設備いつものコンサートとは違った準備の大変さもあるでしょう。また現地のアーティスト(オーケストラ・ソリスト・合唱・マーチング)で演奏することをポイントにしているのならば、これまた準備が大変になります。しかもソプラノや合唱は日本語詞で披露されていたようなのでこれまた大変。
現地のアーティストで…というのは僕の推測です。世界中で愛されるジブリ映画とジブリ音楽、スタジオジブリによるコンサートのための公式映像と久石譲による指揮・ピアノ、オフィシャルジブリコンサートは久石譲だからできるスペシャル・プログラム。世界中でその音楽を響かせることはもちろん、日本から箱ごと持ってきたよではない、その土地の音楽家たちと共演することで世界中に大きなジブリの根が広がっていく。合唱団やマーチングバンドには将来音楽をつないでいく子供たちもたくさん参加しますしね。そういう主旨もあるのかもしれません。となると毎年夏開催するW.D.O.ツアーのように新日本フィルと各地巡るスケジュールのようにはいかず、公演回数も限られてくるのかもしれませんね。昨今、ひとつのオーケストラと全国ツアーすることも、それはそれでとても難しいことです。全公演SOLD OUTは言わずもがなチケット発売同時に瞬殺なんて、それはそれでとてもありえないことです。すごいですね。
今後の予定も「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017(韓国・中国)」など海外公演はわかっているだけでもいくつかあります。
そろそろ結びにむかわないと。
プラハ公演をきっかけに一期一会な出会いと幸運なお届けもの。今回はその話とそこから近年の久石譲海外公演について紐解き思うまま指動くままに。ファンサイトの水面下での涙ぐましい?! 超アナログな作業もありますが楽しく久石さんを追っています。楽しく待っている人もいるかもしれないという錯覚も手伝って。
昔は久石譲公式ファンクラブの定期会報でわかったんですよー!つい数年前まではオフィシャルスタッフブログでわかったんですよー!最近ではエッセイや書籍でわかったんですよー!
ふぅ。僕は日本公演はもちろん海外公演もふくめてコンサートのたび床いっぱいに情報を散らかしています。そして無造作に光放つ原石のそれらに目を落としながら、もったいないなあ!と思うこともたくさんあります。きっといろんなドラマが起こっているんです、公演のたびにその場所でその人々と。その土地ならではのことであったり、プログラムのことだったり、リハーサルのことだったり、公演前後のアーティストとの交流やファンとの一瞬のふれあいだったり。
ファンサイトでも公開していいか否かもふくめて吟味したうえでセレクトしていますので、すべてはお伝えできていません。もちろん僕が知らない知るすべもないこともたくさんあると思います。それが会報でありスタッフブログであり、または久石さん自身による言葉(エッセイ・インタビューなど)から得られる貴重なドキュメントです。久石さんにしかわからないプログラムした作品のこと、コンサートで感じたこと。準備期間でこんな大変なことあったよ!日本にはない奏者や観客の歓迎ムードやリアクション!なんかもそうですね。
情報を書いてる人、情報を公開している人が言うことではない部分もありますけれど、表面的な情報だけではない運営サイドにしかわからない舞台裏やドラマってきっとあります。そういうのこそ価値がある、少しでも知ることができるならファンとしてはやっぱりうれしいです。コンサート回数と同じだけ、コンサート開催地と同じだけ、コンサート奏者や観客と同じだけ。同じ楽曲でもひとつとして同じ演奏がないように、各コンサートいろいろな音楽の種が芽吹いていると思います。逐一じゃなくてもリアルタイムじゃなくても、少しでも発信されひとつでも多くのエピソードが共感をよび記録されていくことを、ささやかなたしかな願望です☆彡
「インターネットで手軽に知識を得ることはできても、手軽に得られるのは手軽な知識でしかない」と言ったのは北野武さん。『新しい道徳』新書からです。「ひとつの知識を本物の知識にするためには、何冊も本を読まなくてはいけない」とも同章で言われています。とても胸に響いて印象に残っています。音楽も同じでやっぱりたくさん聴いて体感して時には知識も学んで培われていくもの、いつか自分の音楽がからだに染みこんでいくのかもしれません。もうひとつ、ファンサイトの情報もご多分に漏れず手軽な情報なのかもしれません。でも!そんな情報が積み重なって少しでも価値のあるものになっていけたらいいなと、これからも精進します。
あっ、そうだった!
プラハからのお届けもの、その他海外公演パンフレット、海外Web資料などをもとにミックス編集「久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋」久石譲プロフィールページも英語併記しました。もし身近に久石譲音楽を愛する海外の人、久石譲音楽をおすすめしたい海外の人いたら♪ ぜひ少しでも正確に詳細に久石譲が伝わりますように。
それではまた。
reverb.
イントネーション、アクセント、ビブラート、母国語じゃない日本語での歌唱ってほんとすごいことだと思うんです♪
*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
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