Disc. 久石譲 『ADZIDA』 *Unreleased

2000年12月2日 TV放送

 

TBS・BS-i
ドキュメンタリー番組「大アフリカ」(各話2時間)
語り:緒形拳
音楽:久石譲「ADZIDA」

12月2日 第1回「大地」出演:養老孟司
12月3日 第2回「生命(いのち)」出演:養老孟司
12月4日 第3回「ヒト」出演:小林薫
12月5日 第4回「王国」出演:久石譲
12月6日 第5回「力(パワー)」出演:山田詠美

 

 

大アフリカ 4 王国

本格ドキュメンタリー。久石譲が西アフリカへ。目指すのは、久石音楽の原点アフリカ音楽。近代以前に繁栄した文化の足跡をたどる調査行です。

番組のみどころ

久石音楽の原点を目指して、西アフリカへ。そこにはかつて、黄金とサハラ砂漠の塩の交易で栄えた王国がありました。土で作られた巨大なモスクが建つ賑やかな都市、過酷なラクダのキャラバン。アフリカの広大な地に繁栄した知られざる王国文化の足跡を辿ります。アフリカの突出した文化と現代音楽の源流となるリズムを訪ねる旅です。

撮影地 : ニジェール マリ ガーナ ほか

(BS-TBS公式サイトより)

 

2001年3月、2010年10月に再放送されている。

 

大型ドキュメンタリー「大アフリカ」シリーズの第4弾。

かつてアフリカの地には、いくつかの王国があった。その繁栄を支えていたのが「塩と金」。16世紀に大航海時代を迎えると、ヨーロッパ人がアフリカに進出し、アフリカの地に銃を持ち込み、奴隷貿易へと繋がり、王国は消えた。アフリカの民は、世界中に散らばり、彼らの音楽もまた、ともに広がった。

西アフリカ・ガーナの音楽のカギを握るのが「12/8・3/16」。ガーナの人びとは、この2つのリズムを組み合わせて演奏するという。そして、作曲家・久石譲は、そこにジャズの源があるのではないかと考え、西アフリカ・ガーナを訪れる。

(2010年再放送時 番組紹介内容より)

 

 

西アフリカに向かう久石さんが目指すものは、長年求めてきた”アフリカ音楽”の源流。学生時代に出会った1枚の楽譜「ADZIDA DANCE(アジダ・ダンス)」を見てみたい、という思いから、この番組出演の話が現実のものとなりました。久石さんがアフリカで訪れるマリ王国やガーナでは、”黄金”と”サハラの塩”を巡る塩金交易によって華やかな黒人王国が形成されていました。それらの人々の生活に密着してきた音楽の存在を、実際に訪れ触れることで、久石さんにとっての『音楽の源』に迫ります。ふだん見ることができない久石さんの素顔が覗けそうです。

出来上がったテーマ曲がまたすばらしい…!「ADZIDA DANCE」をベースに作曲されたこのテーマ曲、とても聴きやすく、つい口ずさんでしまいそうなメロディ。雄大なアフリカの大地を想像させます。

(久石譲ファンクラブ会報 NEWS WONDER2 No.37 より抜粋)

 

 

メインテーマは様々なパーカッションで始まり、民族音楽をベースとしたメロディが民族音楽的女性の声で歌われる。ミニマルではなく盛り上がりふくめてしっかりとしたメロディと展開をもった躍動感のある楽曲。シンセサイザー音源によって活き活きと鼓動する。番組オープニングとエンディングでフルサイズ流れ、本編中には少しアレンジを変えた(おそらくリズムだけを外すなど)いくつかのバリエーションも流れる。

本編音楽も、ミニマルと民族音楽をうまくミックスさせたような音楽が多い。リズム系はっきりとしたものから、幻想的な緩やかなものまで。すべてシンセサイザーによるもので、マリンバ系、オルガン系、シンセストリングス系、シンセヴォイス系、ラテンパーカッション系など、久石譲の得意とする音作りによるもの。1~2分尺の楽曲が多い。『人体』シリーズや『RAKUEN』のような世界観や音作りをイメージする。

ただし、JASRACデータベースではBGMとして他作曲家も登録されており(吉野裕司、三宅一徳)、番組のための音楽すべてが久石譲によるものではないかもしれない。「ADZIDA」と名付けらたメインテーマは間違いなく久石譲によるものであり、本編音楽の多くは久石譲を思わせる楽曲を聴くことができる。

 

 

 

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