2023年7月21日 初演
2023年7月21日~24日開催「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2023」にて交響組曲版の世界初演。
以降は再演されていない。
作品の変遷
2008年8月4,5日開催「久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~」にて演奏。
『崖の上のポニョ』
深海牧場〜海のおかあさん (Vo.林正子)
波の魚のポニョ〜フジモトのテーマ (Vo.藤岡藤巻)
ひまわりの家の輪舞曲 (Vo.麻衣)
母の愛〜いもうと達の活躍〜母と海の讃歌
崖の上のポニョ (Vo.大橋のぞみと藤岡藤巻)
2008年12月31日開催「久石譲 ジルベスターコンサート 2008」にて演奏。
[崖の上のポニョ組曲]
深海牧場
海のおかあさん
浦の町
波の魚のポニョ
発光信号
母と海の賛歌
崖の上のポニョ
2009年8月15日~9月3日開催「久石譲 Orchestra Concert 2009 ミニマリズムツアー」にて演奏。
Ponyo on the Cliff by the Sea (with Chorus)
Movement. 1
Movement. 2
Movement. 3
Movement. 4
2011年5月19日開催「第4回クラクフ映画音楽祭 (4th Film Music Festival in Krakow)」にて演奏。
20011年6月18日~7月9日開催「久石譲 3.11 チャリティーコンサート 〜ザ ベスト オブ シネマミュージック〜」にて演奏。
Ponyo on the Cliff by the Sea
(構成曲)
深海牧場
グランマンマーレ
母の愛
いもうと達の活躍
母と海の讃歌
崖の上のポニョ
2023年7月21,22,24日開催「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2023」にて交響組曲版の初演。
Symphonic Suite “Ponyo” / 交響組曲「崖の上のポニョ」
今年のWORLD DREAM ORCHESTRA(WDO)は”French”がテーマです。
クラシックではドビュッシーの交響詩「海」とラヴェルの「ラ・ヴァルス」、エンターテインメントとしては「Woman」と最新の交響組曲「崖の上のポニョ」を演奏します。また、今回は合唱も入ります。東京と名古屋では栗友会の皆さん、大阪では日本センチュリー合唱団の皆さんと共演します。
(久石譲)
(「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2023」コンサート・パンフレットより 抜粋)
レビュー
久石譲:交響組曲「崖の上のポニョ」
Symphonic Suite “Ponyo”
1.深海牧場
2.海のお母さん
3.出会い
4.浦の町
5.クミコちゃん
6.ポニョと宗介
7.からっぽのバケツ
8.波の魚のポニョ
9.ポニョと宗介 II
10.宗介のなみだ
11.母の愛
12.いもうと達の活躍
13.崖の上のポニョ
スタジオジブリ作品交響組曲化シリーズ、『崖の上のポニョ』もストーリーの流れに沿って組曲化されていました。おそらく曲順にも沿っていると思います。ポイントは、ポニョと宗介の二人に軸を置いた組曲化がされていることだと思います。だから、ポニョのメロディがたくさん、シンフォニック・ヴァリエーション「ハウルの動く城」のように、随所に登場してきます。変奏のように変化もするし、宗介のモチーフと掛け合ったりもしています。
印象に残った曲からいうと、オープニングの「深海牧場」はそのままたっぷりと、「海のおかあさん」はコーラスバージョンで、快活な「浦の町」も聴けてうれしい、「宗介のなみだ」は久石譲ピアノで、「崖の上のポニョ」は英詞で大合唱!このあたり強く残っています。今回はコンサートマスター豊嶋泰嗣さんのヴァイオリン・ソロをフィーチャーした楽曲はなかったですが、「海のおかあさん」でコーラスと繊細に絡み合った旋律を奏でていました。「崖の上のポニョ」は世界ツアー版がおなじみです。グラモフォン新譜『A Symphonic Celebration』にも待望の収録となりました。そうきたところ今回さらに上をいった交響組曲版は、曲尺も長めで転調もあって高く高く昇っていくコーラスとオーケストラの謳歌は圧巻でした。特にラストのキーがものすごく高くなる合唱は、まるでポニョからいもうと達への受け継ぎや広がりのように感じたほどです。
そういったわけで、サウンドトラック/イメージアルバムでも印象の強いほかの曲「いもうと達」「フジモトのテーマ」「ひまわりの家の輪舞曲」あたりは選ばれず、一貫してポニョと宗介の出会いから交流や成長といった二人の物語に集約されているようでした。そう思ってサントラを聴き返してみると、この曲やこの曲かなと絞れてくるところもあるかもしれません。早くまた聴きたい!
コーラスとてもよかったです。とてもきれいでした。オーケストラとのバランスも絶妙すぎました。会場でご一緒できたファンみんな口をそろえて「コーラスよかった」をこだましていました。思えば、明るい印象に終始したことも大きいかなとも思いました。久石譲作品の合唱付きというと「風の谷のナウシカ」「The End of the World」「Orbis」などがすぐに浮かびますが、どの作品も短調的だったり陰影のある合唱の響きをもっています。そこへきて「崖の上のポニョ」は深海牧場も主題歌もどちらかというと光を帯びた明るさを維持しています。「崖の上のポニョ」は、まるでベートーヴェン《第九》の大合唱のように、聴く人に力強いエネルギーと明るい希望を照らしてくれるような、そんな作品に育っていきそうな気がしてきました。育つ、そうですね、公式スコアが世の中に出てきたとき、この作品をプログラムしたいオーケストラ+合唱団はきっと多いと思います。「となりのトトロ」と同じように、演奏して聴いて広く大きく育っていきそうな作品です。子供の歌を超えたハイブリッド・スタンダードな曲になったなあと言いたいくらい。これはもう生命の讃歌です。
(Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2023」コンサート・レポート より)

