Posted on 2020/02/13
久石譲のコンサートシリーズ「久石譲&FOC」の第3弾から第5弾と「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.7」の開催が決定いたしました。
チケット先行予約などの詳細はコンサート公式サイトをご覧ください>>> “Info. 2021/02/04,05 「久石譲 フューチャー・オーケストラ・クラシックス Vol.4」開催決定!! 【中止 6/11 Update!!】” の続きを読む
Posted on 2020/02/13
久石譲のコンサートシリーズ「久石譲&FOC」の第3弾から第5弾と「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.7」の開催が決定いたしました。
チケット先行予約などの詳細はコンサート公式サイトをご覧ください>>> “Info. 2021/02/04,05 「久石譲 フューチャー・オーケストラ・クラシックス Vol.4」開催決定!! 【中止 6/11 Update!!】” の続きを読む
Posted on 2020/02/13
久石譲のコンサートシリーズ「久石譲&FOC」の第3弾から第5弾と「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.7」の開催が決定いたしました。
チケット先行予約などの詳細はコンサート公式サイトをご覧ください>>> “Info. 2020/07/11,13 「久石譲 フューチャー・オーケストラ・クラシックス Vol.3」開催決定!! 【中止 6/11 Update!!】” の続きを読む
Posted on 2020/06/05
久石譲オフィシャルYouTubeチャンネルに、新しいミュージックビデオ「My Neighbour TOTORO」が公開されました。
ぜひご覧ください。 “Info. 2020/06/05 久石譲「My Neighbour TOTORO」Music Video公開” の続きを読む
Posted on 2020/06/05
「久石譲 in パリ」の再放送が決定いたしました。
2017年6月にパリで開催された「Joe Hisaishi Symphonic Concert:Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki」コンサートの再放送。
久石譲 in パリ -「風の谷のナウシカ」から「風立ちぬ」まで 宮崎駿監督作品演奏会-
放送局:NHK総合
放送日:2020年6月21日(日)深夜 =22日(月) 0:45-2:14 “Info. 2020/06/21 [TV] NHK総合「久石譲 in パリ」再放送決定!!” の続きを読む
Posted on 2020/05/26
久石譲オフィシャルYouTubeチャンネルに、新しいミュージックビデオ「Joe Hisaishi : Studio Ghibli Experience, Part 1」が公開されました。
珠玉のジブリ音楽たちをコンパイルした約1時間プレイリストになっています。ぜひご覧ください。 “Info. 2020/05/26 久石譲「Joe Hisaishi : Studio Ghibli Experience, Part 1」Music Video公開” の続きを読む
Posted on 2020/05/21
久石譲と麻衣によるライブ動画「草の想い」(映画『ふたり』より)が動画公開されました。
Posted on 2020/05/21
雑誌「ダカーポ 1998年2月18日 NO.391」に掲載された久石譲インタビュー内容です。『もののけ姫』『HANA-BI』そして『パラリンピック』の話題になっています。
インタビュー
久石譲
宮崎、北野作品で鍛えられた成果を長野パラリンピックで表現したい
宮崎駿作品、北野武作品などの音楽監督として知られる久石氏は、3月5日から始まる長野パラリンピックの総合プロデュースも手がけている。その一環として、ドリアン助川、猿岩石、池田聡、米良美一といった、20人以上の人気アーティストがボランティアで参加した、パラリンピック支援(トリビュート)アルバム『HOPE』を2月25日にリリースする。
ーアルバムの企画はどのような経緯で出てきたんだですか?
久石:
「パラリンピックの文化イベントの総合プロデューサーをやっていて、それなりに自分では十分やってたと思っていたんですけど、10月に、たまたまテレビでドキュメンタリーで清水さんという、パラリンピックの選手を20年間ボランティアで追い続けている人のドキュメンタリーを見て、感動しましてね。オレはまだ音楽家として、ちゃんとやることをやっていないかもしれないと、急に思い立って。それが去年の暮れ。でもどう見ても時間がないわけですよ。仕事っぽくなるのも嫌だったから、事務所を通さずに一人一人電話して、こういう趣旨でというのを説明して口説いて、それで始まったんですけどね」
ー反応はどうでしたか?
久石:
「もちろん事情でできない人もいましたけど、話をして、直接お会いして意図を説明したら、ほとんどの人がOKだったんです。印税も、何%とか面倒くさいこといわず、諸経費を除いた全額寄付する。この辺が潔いというか、そう決めたらみんな分かってくれて、とても協力的でした」
ーパラリンピックテーマ曲でコンビを組んだドリアン助川さんの作詞も2曲入っていますね。
久石:
「そのテーマ曲『旅立ちの時』を彼が朗読して、僕がピアノを弾く予定だったんですよ。そのつもりでスタジオに入ったら『旅立ちの時』のイントロともいえる、まったく新しい詩を書いた詞で臨んできたんです。気合が入ってるなーと思って、ドリアンさんの朗読と僕のピアノだけの、ほかは一切使わない一騎打ち勝負の『鮮やか』という新曲を2人で録りました」
ー猿岩石はどうでしたか?
久石:
「これがうまかった。猿岩石の『上を向いて歩こう』がすごくいい。4PMとか長渕さんとか、いろんな『上を向いて歩こう』があるけど、それとはまったく違う素朴さがあって、ストレートな青春ソングというか、すごくいい上がりでしたね。今まで聞いた『上を向いて歩こう』の中では一番好きですね」
ーアルバムのプロデュースに関して、統一したイメージはありましたか?
久石:
「イギリスの画家でフレデリック・ワッツという人に『ホープ』という、僕が昔から大好きな絵があるんですよ。目に包帯を巻いた女性が地球に座って、竪琴を弾いているんですね。小さな竪琴で、全部糸が切れているんです。それで1本だけ細い線が張ってあって、それに耳を近付けて聴いている。この絵をコンセプトにして、全員に送って見てもらったんですよ。
要するに、何も縛らない、ただ、この絵が持っているイメージだけ。見ようによってはすごい絶望的な絵なわけです。だけど同時に、これ以上ないような絶望の中でも希望は捨てないという、前向きな絵にも見えるわけですね。
この絵を見て、曲を書いてもらったり、パフォーマンスしてもらったんです。そうしたら、まったく違うそれぞれの個性が生きながら、全員で同じ風景を見ているような、そういう統一感のようなものが、このアルバムにはできたんです。それがすごくうれしかった」
ーそもそもパラリンピックの総合プロデュースをすることになったいきさつを教えてください。
久石:
「一番大きかったのは、僕も長野県出身であることだと思うんです。最初にパラリンピックのテーマ曲を書いてくれと依頼されたときに、僕は福祉を一生懸命やってきたりとか、そういうボランティアをやってきた人間ではないもので、ちょっといいメロディーを書くというだけでは、どうも重く感じてしまったんですよ。
それでしばらく待ってもらって、出た結論は、やるからにはすべて自分もかかわるということで、一スタッフとして参加しますと言ったら、今度はこういうプロデューサーをやっていただきたいと言われて。それもまたすごいヘビーでしょう。
どうしようかと思ったんですけど、その時の自然の流れで、やろうかなと。僕自身、宮崎駿さんとか北野武さんとか、いい監督と映画中心に仕事をして、ビジュアルに関しては分からない方ではないと思うので、開会式の演出を引き受けたんですよ。自分の新しい可能性も出るかもしれないし」
ー開会式のプランは?
久石:
「メーンが火ですからね。普通ああいう室内でやるときは火なんてそんなに使えないんですけど、盛大な火が出ますね。あと、空中戦で。いろんなバンジージャンプはあるわ、空から人は降ってくるわ。大スペクタクルですよ。
いろんな出し物をつなげるだけや、ストーリーに縛られてしまって、みんながイメージが広がらないのは嫌だから、バックストーリーを作って、それを前面に出さないで、そのストーリーから組み立てた4つのシーンという感じで構成します。イベントとしては一番手間暇かかる方法らしいですけど」
ー実際の競技も、見た人は一様に”半端じゃなくすごい”と言います。ドリアン助川さんも、選手たちを「超人」と評していました。
久石:
「本当に、彼らの持っている力というのは、見ているだけでわれわれも勇気づけられちゃいますよ。今の時代で、一番21世紀に近いことを考えやすいんじゃないかな」
ーといいますと?
久石:
「つまり、今のオリンピックは、どうしても経済性が前面に出てしまうじゃないですか。お金とかいろんなもので幸せになる環境があるなら、それもいいんですね。
だけど、どう見ても経済は破綻しているし、そういうことで幸せになることがないとしたら、逆に自分と隣の人とのかかわりとか、家族とのかかわりとか、そういうところを考え直した方がいいんじゃないかと、パラリンピックを担当したことによって、僕はものすごくそういうことを考えました。
でっかいビルを建てるよりは、車イスの人のスロープを緩やかに作ってあげるとか、きめ細かい配慮をしていることというのが、僕たちにとってもすごく幸せになるような。つまり生活環境がよくなるわけですよね。そういうことの方がいいような気がする」
『HANA-BI』の音楽は、大胆なアプローチで成功
ー昨年の『もののけ姫』、今年の『HANA-BI』。映画音楽監督としても話題作が続きました。
久石:
「『もののけ姫』はそれこそ足かけ3年間、イメージアルバム、サウンドトラックとかかわっていて、宮崎さんのすさまじい情熱に、こちらも負けてはいけないわけですから、こっちもパワー全開で、音楽的にも全部シンセで作ったのを、オーケストラでやり直したりとかいろいろして、やれる限りのことを尽くした。これでダメだったらごめんなさいというところまでやり切れたという満足があります」
ー公開中の『HANA-BI』に関しては?
久石:
「これも北野さんの映画の中では、今までの集大成みたいな部分と、新しく歩みだそうという姿勢が結実していて、ある意味で分かりやすくて、本当に人に語りかける映画ですから、完成度がすごく高かったんですね。その音楽に関して自分は、アプローチは相当大胆にやったんですよ。
あの映画には3つの要素があると思うんです。主人公の刑事と、犯人に撃たれて下半身不随になる同僚との友情。夫婦の愛。それからバイオレンス。ぼくはこのバイオレンスのシーンに、音楽を一切付けなかったんです。通常はそういうシーンにも必要になるんですけれど、これはいりませんと言い切って。同僚が画家になっていくシーンと、夫婦のシーンにしか付けなかったんです。
そのことによって、非常に徹底した音楽を書いたという思いがある。それでも0号試写を見るまで、本当にそれで良かったのか悩んでいたんですが、すごくうまくいっていた。無難な路線を選ばない、徹底したアプローチが、映画として成功したのが、自分としてはものすごく満足しましたね」
ー北野監督は何か?
久石:
「監督と僕というのは、そんなにああだこうだと話さないんですよ。この前一緒にテレビに出たときに言ってましたけど、自分が映像を撮って『はいどうぞ、お好きに』とぽーんと投げかける。僕はそれを『分かりました』というだけで作らなくちゃいけないから、やり方としてはしんどい」
ーそれだけ信頼されている?
久石:
「北野さんと宮崎さんに共通して言えるのは、すごく音楽的な感性がしっかりしている。理論的じゃなくても、感覚的にこの映像と違っているということには、あの2人は徹底的に言いますから。そうならないように僕も努力してますけど、その辺のやりとりというのは、表面は静かですけれど、壮絶な闘いというのはあるんです」
ー久石さんにとって宮崎さんはどういう人なんですか?
久石:
「人生の師匠ですね。よく一般の人が誤解するのは、もう何本もやっているから慣れてるでしょう、と言われるんだけど、そういうことは一切なくて、僕は一本一本が勝負で、もし一回でも期待に沿えないものができたら、次はないです。そのスタンスはお互いにすごく明確。
そういうところで仕事してきて、ふっと前を見ると、宮崎さんという人が、一映画監督という域を超えて、時代のオピニオンリーダーのようになっている。その宮崎さんと、音楽家としていいメロディーを書くということではなくて、互角に渡り合わなくてはいけない。そう思ったときに、宮崎さんが読んでいた本、影響を受けた作家、堀田善衞さんとか司馬遼太郎さんとか、全部読み直しました。それで、何でこのシーンがここにあるのかということなんかを、すごい徹底的に考えることによって、もう一度もっと偉大な宮崎さんを発見しました。僕にとって、生きていく上での座標ですね」
ー北野さんのすばらしさはどういうところに感じていますか?
久石:
「口で言うのはものすごく難しいんですけど、すごくシャイな人ですよね。自分という世界を本当にしっかり持っている。なおかつ、大半の日本人がなってしまっている、人頼みのところがない。達観しているところがありますよね。ある種の哲学的な深さ。口では何も言わないんだけど、いるだけでそういうものを感じさせる人です。会うと、次の映画の話ばかりしてますよ」
(「ダカーポ 1998年2月18日号 NO.391」より)
Posted on 2020/05/17
ふらいすとーんです。
今回テーマはありません。
メモのように、ひとり言のように。
今思っていることを、サクッと、ポンッと、ランダムに。
コメント、Twitter・Facebookでも、
なにかご意見ありましたらお気軽にお待ちしています♪
WDO
2019年夏に書いたこと。
”今後の久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラについて。
久石さんはパンフレットで「第2期の区切り」と語っています。2004年~2011年の第1期、2014年~2019年の第2期。ここからは個人の推測です。来年はTOKYO2020オリンピック開催です。交通機関や宿泊施設などの影響も大きく都心でのイベント規制などもあるのかもしれません。ちょうど例年のW.D.O.開催時期とも重なります。2022年公開目指して製作が進められている宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』。(同年には愛知県『ジブリパーク』開業予定もある。)そんな外的要因と、久石さんのこれから先に向けて思うところ、、来年はおそらく、数年の小休止になるのかもしれませんね。”
(Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサート・レポート より抜粋)
2020年WDOは開催されないだろうと思っていました。上に書いたとおりです。開催期間のイベント自粛要請は文化・スポーツ・学校など各方面事前に出されていました。人の集中と移動、交通の混雑、宿泊施設の混雑、会場の確保など。五輪中は五輪イベントに集中したい。そんな思惑が見え隠れしていました。少なくとも例年のように夏WDO開催はないだろうと。がんばって東京以外ではコンサート・ツアーできるかもしれない。でも、東京公演のないWDOって、ちょっと想像できませんよね。
新型コロナウイルスの影響で五輪は2021年夏開催予定されています。オリンピック・パラリンピックに向けていろいろな準備調整がまた始まります。そして、同じようにまた、あらゆるイベントの同時期自粛要請が出ることになるんだろうと思います。
もちろん、久石さんは2019年に語った時点で、もっとほかの理由や思うところもあって、1年?数年?WDO休止することを決めているのかもしれない。
2020年春から夏にかけての久石譲コンサートは、国内公演も海外公演もほぼ延期、来年に日程調整されています。オーケストラのスケジュールもあるので、音楽イベントは1~2年先まで予定をみます。単発ならフットワーク軽く運良くすべりこめるかもですが、ツアーや海外公演はまた別の事情も発生します。
さて、次のWDOはいつ?
冬ツアーもいいですね。
(新型コロナウイルスの継続的影響や五輪開催には…ふれません)
こんなとき
コンサート開催できない。じゃあ、レコーディングでもしますか! とはいかないですね。3密です。各オーケストラ団体も公演はおろか、リハーサルすらできない。3密です。会場にお客さんが集まる以前に、オーケストラはステージであれスタジオであれ、密閉空間・密集状態・密接状態での演奏です。演奏にあわせて呼吸も深く大きくなるし、管楽器は息を吹き込む楽器です。人数が減った室内楽やアンサンブルでも状況は同じです。まいった。
こんなとき
新しいレコーディングはできませんが、過去の未発売音源、CD化されていない曲たちを発表しよう! そんな企画をすすめることはできますね。新しい書籍化の企画とか、新しいスコア化の企画とか。どうでしょう。第2弾の世界ベスト盤の企画もすすんでいるかもですね。どうでしょう。
エンタメ界からの仕事はあったのかな?新しい映画音楽やTV・CM音楽とか。それもまた、撮影スケジュールなんかに影響も出てくる話でしょうし。どうでしょう。
久石さんは、オリジナル新作を書き下ろしたりしているでしょうか。どうでしょう。
今発表したい作品があったとしてもレコーディングできない、今聴かせたい作品があったとしても演奏会を開けない。でも、僕らはいつかのそのときを信じて希望をもって待つ!
ジブリコンサート
世界ツアー中のコンサートも、来年へ持ち越された公演たち。ヨーロッパ・アメリカを廻り、アジアを廻り、日本凱旋公演。きっとそんな数年越しの大プロジェクトなんだろうと楽しみに信じています。日本凱旋のときには、2008年武道館コンサートからさらにパワーアップ! 宮崎駿監督最新作もプログラムされるのかもしれない!
会場規模を考えると、都心のみ公演かもしれない。そんな予定かもしれない。なんとかがんばって、1~2万人動員規模の各地方公演まで広げてほしい。2020年2月のメルボルン公演のように野外コンサートだったら、日本でもたくさんの人が集まれるかもしれない。元気に楽しみに待ちたい!
ネクスト・ジブリコンサート
新型コロナウイルスに世界が打ち勝った日には。スタジオジブリ交響組曲シリーズでツアーを廻るのはどうでしょう。関東は「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」、東北は「となりのトトロ」「魔女の宅急便」、関西は「紅の豚」「もののけ姫」のように。順番に当てはめただけでも、なかなかの充実度です。久石譲オリジナル作品も組み込める時間枠もありますね。
本家本元、WDOコンサートで新日本フィルと廻るのもいいですね。はたまた、全国津々浦々、その地域をくまなく廻れるように、地方オーケストラと廻るのもいいですね。地域ごとのオーケストラと地域ごとのプログラムなら、オーケストラの負担もぐっと減る。久石さんの負担はぐっと数倍にもなるけれど。。そうやって、全国のオーケストラ団体や会場施設が活き活きするなら、音楽がつくりだすパワーは無限です。
質問箱
最近ツイッターの質問箱なるものが気になっています。ファンサイトのアカウントで質問箱開設しようかなあ。ここに久石譲にまつわる質問を受け付けて、答える。答えるんだけど、僕じゃわからないこともたくさんあるから、「誰か答えてー」と投げる。誰かが答えてくれる。
Yahoo知恵袋のようなものですね。でも、それと違うのは、いい塩梅で匿名性が希薄になる。ツイッターのやりとりだから、相互にアカウント(ツイッター上の人となり)がわかっている。無責任な、強い口調で吐き捨てるような、攻撃的な回答をする人はいないでしょ? ファン同士の親切心で交流できるんじゃないかなあ。
あっ、質問者は匿名、誰かわからないのか。でも、ファンサイトのアカウントで回答、もしくは回答を投げたものに、親切な人がリプライで回答したらいいですよね?ちがうのかな?
ファンサイトのフォロワー数は1500くらい。だから、そんなに活発な質問回答のキャッチボールはないんじゃないかあ、緩やかなペースと環境でできるんじゃないかなあ、と思っています。そして、どこかのタイミングでQ&Aとしてたまったものを、ファンサイトによいしょと置いてしまう。カテゴライズできるなら整理する。そうすれば、未来の質問者のためにも、いい道案内になるんじゃないかなあ。
どんな質問があるのは想像できないですけれど。たとえば「最近久石さんのファンになりました。どのCDから聴いたらいいですか?」とその回答。たとえば「この曲がすごく好きです。そこからほかのおすすめはありますか?」とその回答。「コンサートに行くときの服装は?」とその回答。「ミニマルってなんですか?」とその回答。「この曲の、久石さんがコンサートで弾いてるの同じ楽譜はありますか?」とその回答。あんまり思いつかない。軽いものも、コアなものも、いろんなことが飛び交うと、楽しいし気づくこともあるのかなあ。
ファンひとりひとりにファンとしての歴史があります。歩んできたなかで、当たり前になってしまっていること、空気のように知っていること。誰かから質問されて、知らない人もいるんだ(知らなかった過去の自分をはっと思い出す)、そういうのってどんどん増えていきますよね。
いらないかな? あってうれしい人いるかな? ファンサイトにBBSや掲示板は常設しないです。気軽になんでも書きこめるコミュニケーションツールというよりも、目的がはっきりした(質問と回答)コミュニケーションになって、それぞれのファン交流も広がるかもしれないし、いいんじゃないかなあと、楽観的に思っています。
質問があるまる場所、質問に答えてくれる場所、それが響きはじめの部屋のなかのスペースにある。そんなイメージです。
どう思いますか?
アンケート
『メロディフォニー』久石譲ベストアルバム発売当時、事前に曲のファン投票企画がありました。そういうイメージ。『メロディフォニー2』があるならこの曲をオーケストラ・レコーディングしてほしい! そんなファン投票ページがあってもいいなあ、と思っています。
期限のない常設、ファンによる人気曲アンケート。新しい曲が発表されれば、候補も追加されていく。集計結果(途中集計)もいつでも見れるもの。あの曲そんなに人気あるんだあ、これ聴いたことなかったから聴いてみようかなあ、とか誰が見ても楽しめますよね。
ファンの意思とかリアクションがかたちとなったものだし、伝えることができるし、なんか風通しよくていいなあ。
ただ、このアンケート企画はずっと思っているんですけど、思っているだけ。いかんせん、どういうツールを使ったらいいのか、ウェブのプログラミングを依頼するとか、まったくわからんのです。簡単に使えそうで、イメージにかなうツールがなかなか見つからない。
もしこんなファンの人気曲が、巡り巡って久石さんサイドに伝わったとしたら。WOW! コンサートの演目に影響したり、CD収録曲に影響したり、もしかすると『メロディフォニー2』の発売きっかけになったりでもしたら! ファンたちで動かした歴史だ。そんなことにもなるかもしれません。なんてね。
どう思いますか?
上の画像は、当時オフィシャルサイトで募っていたリクエストページです。3つまでチェック入れて投票できる。リストにない場合は枠内に書きこめる。シンプルでわかりやすいですよね。
こういうのでいいんです。ただ、これは送信するタイプです。リクエストを送って、その集計結果は後日開示してもらわないとわからない。
僕が希望しているやり方は、投票して、かつ集計結果もリアルタイムで見れるもの。投票しなくても、集計状況が誰でも見れるもの。オープンなアンケートページです。
いや…
そこにこだわらなくてもいいかあ。リアルタイムで見れることに。ここにこだわるとツールが見つからない。もしできないなら、同じようにリクエストを送信して、吸いこまれる一般的なタイプでもいいです。その場合、アンケートの途中経過(集計結果)の更新は、月1くらいになるとは思いますけれど。今こんな感じですよと。それでもいいかあ。…
どう思いますか?
おわりに
とりとめもなく記しました。読みづらさ、お許しください。僕の目標として、Overtoneしたいことや特集としてまとめたいことなんかも宿題で抱えながら。だいたいがとろい人、だから、なんでもかんでも手をつけられないし、ゆっくりコツコツしかできない。
質問箱もアンケートも、空想でおわるほう可能性のほうが高い。今は強くそう思っています。胸張って言うことじゃないですね。期待しないでください。期待するような話じゃなかったかもしれないですね。
ただ、なんか反応があるとうれしいなあ!
なにかのきっかけになるかもしれないと、
今思っていることを、サクッと、ポンッと、ランダムに。
それではまた。
reverb.
Overtoneの画像に使っている下の3つの波形は、ある3つの楽器の倍音波形です♪
*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
このコーナーでは、もっと気軽にコメントやメッセージをお待ちしています。響きはじめの部屋 コンタクトフォーム または 下の”コメントする” からどうぞ♪
Posted on 2020/05/08
久石譲オフィシャルYouTubeチャンネルに、新しいミュージックビデオ「World Dreams」が公開されました。
これまでワールドベスト盤『Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi』(2020.2)に収録されている楽曲からのNew Music Videoでしたが、この曲は違います。”いま”を象徴しているようです。ぜひご覧ください。 “Info. 2020/05/08 久石譲「World Dreams」Music Video公開” の続きを読む
Posted on 2020/04/27
ふらいすとーんです。
このたび「Texts」ページができました。久石譲があらゆる媒体で発信したインタビューを一覧リスト化したものです。雑誌・新聞・Webなどで「久石譲が語ったこと Joe Hisaishi Interview」。
ファンサイトを運営するにあたり、ある時期からこれまでの雑誌インタビューを整理したり、切り抜きファイリングしたり、持っていなかったものを入手したり、知らなかった掲載情報を調べなおしたり。手元のコレクションを整理整頓するのと並行して、ファンサイト内でも内容紹介してきたものたくさんあります。
数年かかりました。ここでようやくひと区切り、まとめてきたものをインデックスしてご紹介しようと「Texts」です。
一覧リストにするにあたってどう並べようか。スタジオジブリ作品など映画ごとにまとめたほうがいいのか、CD作品ごとにまとめたほうがいいのか。そのほうが見る人も目的をもって探しやすいかもしれない。でも、ひとつの雑誌インタビューのなかで語られていることは、そのときの映画のことCDのこと重層的です。だったらと、シンプルに年代順に並べることにしました。そして、大見出しも載せることで、どういう内容について語られているのか、内容を開く前に目安にしてもらえるかもしれないと。
年代順に並べるメリットはあります。音楽担当したあの映画、リリースされたCDやその他音楽活動。いつの出来事なのか年表はわかっている、その年あたりに照準を絞って探してもらったなら、何か語っていることがあるかもしれない、ないかもしれない。わかりやすいものさしになります。
なぜやるのか?
ぜひこちらをご覧いただけたら幸いです。
雑文集ノススメ
あらゆる時期に、あらゆる媒体に、あらゆる分野のことを語っている久石譲。これら色とりどりのインタビューたちが、いつの日か一冊の本にまとめられたらいいなあと思っています。これまでの久石譲著書の特色は、ある時期の音楽活動に深く切りこんで記録したエッセイのようなもの、雑誌連載から書籍化されたもの、対談、これらが中心です。つまりそこには、時間軸や内容軸としてテーマがあります。それは局所的な狭義的な範囲でもって凝縮されている、本にもまとめやすい。
ある作家や作曲家のなかには、点として雑誌や新聞で発表してきた掲載物を、無造作にまとめたようなインタビュー集、いわば雑文集のようなかたちで出版されたものがあります。僕は、久石譲著書のなかにも、こういった性格のものがあってもいいんじゃないか、いやむしろ、あってしかりじゃないかくらい思っています。
思っている理由をすすめていきます。
◇インタビューのよさ
なんといっても、その時々の濃く深い内容が語られています。それが映画の音楽制作なのか、オリジナルアルバムなのか、コンサートなのか。いずれも、そのときの旬な話題について非常に高い鮮度で語られています。ホット=記憶が新しい、時間をおいて振り返ったときには語らないようなこと忘れてしまうようなことも、リアルタイムの濃密さがそこにはあります。
インタビュアーをおかずに久石譲だけが語っているタイプもあります。インタビュアーの質問に答えるタイプもあります。前者が語りたいことを語るなら、後者は聞きたいことを語らせる。また、インタビュアーが聞き手に徹していたとしても、必要な合いの手や質問を得ることによって、よりわかりやすく読者に届くようにかみくだかれる、インタビューという空間の魅力です。
そこで語られるテーマも、発信元メディアの特性を生かしたものもあります。音楽話はもちろんビジネスに置き換えれることだったり、切り口のバリエーション豊富です。
少しだけ選んだものをご紹介します。
「感性に頼って書く人間はダメですね。2~3年は書けるかもしれないけれど、何十年もそれで走っていくわけにはいきません。自分が感覚だと思っているものの95%くらいは、言葉で解明できるものなんです。最後の5%に行き着いたら、はじめて感覚や感性を使っていい。しかし、いまは多くの人が出だしから感覚や感性が大事だという。それだけでやっているのは、僕に言わせると甘い。ムードでつくるのでなく、極力自分が生みだすものを客観視するために、物事を論理的に見る必要があります。」
(Blog. 久石譲 『WORKS IV』 発売記念インタビュー リアルサウンドより 抜粋)
「例えば、2時間の映画を手がける場合、1本につき30数曲、ややシリアスな作品で曲数を減らしても15~16曲を書かなければなりません。それらの曲を本編のどの部分に付けるのか。いわば、音楽が流れない沈黙の部分も含めた、2時間の交響曲を書くようなものです。メインテーマがひとつ、サブテーマが複数あるとして、それらのテーマをどのように配置していくか。同じテーマを悲劇的に使ったり、軽く流したりする場合も、画面と呼吸を合わせていかなければならない。それらをすべて構成し、組み立て、全体のスコアをどう設計していくか。その95パーセントは、テクニックで決まります」
(Blog. 「オールタイム・ベスト 映画遺産 映画音楽篇 」(キネ旬ムック) 久石譲 インタビュー内容 より抜粋)
「でも、そのことが良い音楽を作る決定的な要素になったんですね。全部で8トラックしかないということは、ハイハットとキックとスネアを使って、ベースを入れて、キーボードが4声だったらもう終わり。すると、そこで工夫が必要になってくるんです。当時、FAIRLIGHTのシーケンサーを使わせたら、僕は絶対に世界一うまかったと思いますよ(笑)。壮大な音を8つの音だけで、いかに作り上げるかということを考えることが、ものすごい訓練になり、その感覚は現在に至るまでずっと続いています。今のように、1チャンネルだけで幾らでも音が出るような環境でやっていると、90%以上は無駄な音を入れてしまっていると思いますよ。ああいうふうに音楽を作っていては、感性は育たない。必要なのは、いかに無駄な音を使わず、しかも色彩豊かに作り上げるかという訓練だと思います」
(Blog. 「キーボードマガジン Keyboard Magazine 1999年8月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
↑
これ、好きな話です。当時読んだときよりも今のほうがよく響いてくる。1980年代初期シンセサイザーでの作曲活動がメインだった久石譲です。8つの音(チャンネル)だけで音楽を成立させるという訓練は、つきつめれば、フルオーケストラ作品を弦楽合奏や弦楽四重奏という限られた声部に置き換えることができるということ。フルオーケストラが30~40チャンネルあるとしたら、弦楽四重奏は4チャンネル(ヴァイオリン×2,ヴィオラ,チェロ)です。音楽編成を変幻自在に拡大・縮小して再構成する久石譲の技は、こういった時代の経験のなかで磨かれてきた。もっとさかのぼれば、源流にクラシック音楽の教養があったからこそです。なかなかに深いお話だと思います。
「難しかったんだよね。それまでガッチリとコンセプトを組んできたんだけれど、最後の最後で自分を信じた感覚的な決断をしたということです。あの弦の書き方って異常に特殊なんです。普通は例えば8・6・4・4・2とだんだん小さくなりますね。それを8・6・6・6・2と低域が大きい形にしてある。なおかつディヴィージで全部デパートに分けたりして……。チェロなんかまともにユニゾンしているところなんて一箇所もないですよ。ここまで徹底的に書いたことは今までない。結果として想像以上のものになってしまって、ピアノより弦が主張してる……ヤバイ……と(笑)。」
(Blog. 「キネマ旬報 1996年11月上旬特別号 No.1205」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
↑
これは『Piano Stories II』のお話です。ちょっと聴き方が変わりますよね。ほかにも、たくさんのインタビューのなかには音楽制作の貴重な過程、録音や収録に使われた専門的な機材のことも話題にのぼったりします。手元にあるインタビューをすべて読み返し、各CD作品ページで必要な情報(インタビュー内容)はあわせて紹介しています。気が向いたら、好きなCD、気になるCDの”Disc.”ページものぞいてみてください。今まで知らなかったエピソードが、そこにあるかもしれない、ないかもしれない。
「コントラバス・コンチェルトやエレクトリック・ヴァイオリンなどのソロ楽器を持つ曲を書くときは、いつも楽器を買うんですよ。コントラバスのときも買って、響きを体感するために毎日作曲の前に15分くらい弾いていましたね。だから今回もバンドネオンを買おうとしたけど、売ってないんです!もう作ってないですし。それで三浦くんに相談したら、お持ちの楽器の中の一つを貸していただくことになって。それを毎日弾いてたんですけどね、弾いたって言ってもまあ、びっくりしました。こうやって引っ張ってレ~って鳴ってるのに、押したらミになっちゃうんだよ!違うんだよね。往復で違うんだ音!みたいな! キーの配列もまるで規則性がない。これじゃ覚えられない……。でも逆に、このバンドネオンだからこそ(配列のおかげで)音の跳躍ができるというのがわかってきた。裏技を使えばなんとかなるんじゃないかみたいな。ということがあって、あとは信頼して書くしかなかった。」
(Blog. 「LATINA ラティーナ 2018年1月号」 久石譲×三浦一馬 対談内容 より抜粋)
「小学校の音楽の授業で習うことですけど、音楽の中には”メロディー”と”ハーモニー”と”リズム”という三要素があるんです。僕らが音楽を作る上でも重要なのはこの三要素なんですよ。今回、メインテーマの”メロディー”が非常にシンプルで分かりやすいので、”リズム”や”ハーモニー”が相当複雑な構成になっても成立するんです。そこは良かったところですね。この曲の良さは、”ポ~ニョポ~ニョポニョさかなのこ”という最初の部分のメロディーですべて分かってしまうところ。そのメロディーを認識させるために4小節とか8小節とか必要としないですから。1フレーズだけで分かるので、どんな場面でも使えるんです。すごく悲しい感じにもできるし、すごく快活にもできるから、いくつでもバリエーションが作れるんです。メインテーマのアレンジを変えて使うという方法は、前作の『ハウルの動く城』の経験が生きましたね。今回、『崖の上のポニョ』でも徹底的にアレンジを変えました。使い回しは一つもありませんよ」
「音楽を入れるのに楽なところは一つもありません。その中でも悩んだところは、宗介が”リサ!リサ!”って叫ぶ場面と、その後のおばあちゃんたちがいる”ひまわりの家”が水没している場面ですね。ひまわりの家の場面には音楽が必要だと思ったんですが、そうすると宗介のシーンには音楽が入れられないなって。2つの連続する場面のどちらにも音楽が入っていたら”音楽ベッタリ”な感じになってしまいますからね。僕も宮崎さんも悩んだんですけど、宗介のシーンには音楽は要らないという話になりました。ところが、作っていくうちに、”やっぱりこれだとおかしい”っていうふうに思えてきたので、宗介のところにも音楽を入れることにしたんです。でも、ひまわりの家の部分がフルオーケストラなので、違いが出せるように宗介のところはピアノ一本で入れることに。いやぁ、うまくいきましたね。惜しいのは、僕のピアノがちょっと強かったことかな。オケの録音の後にとったので、ちょっと力が入り過ぎたみたいです(笑)」
(Blog. 「別冊カドカワ 総力特集 崖の上のポニョ featuring スタジオジブリ」(2008) 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
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ジブリ音楽に関しては、一番インタビューの質量ともに豊富かもしれません。映画ごとにたくさんのエピソードがあります。こういうのを読むだけでも、ファンはワクワクうれしいですよね。どれどれ「28.宗介のなみだ」聴きなおしてみようか、なるほど言われてみれば、愛着ますなあ、なんてことも。
「そうなんです。音楽としてつまらなくて、それが実は「劇伴」というやつなんですが、そんな単体で聴いたらつまらないものを何となく流しておくみたいな、そんな音楽なんてつけちゃマズイですよ。映画の音楽をやったことがある作曲家にね、「久石さん、映画の音楽って安いでしょう」って言いにくる人がいるんです。そのとき「あ、ごめん、俺、恐らく日本の映画の4、5本くらいの音楽予算がないとやらないから、決して安くないよ」って、はっきり言いますよね。「これはぜひ久石さんの音楽が欲しい。でも予算がなくて」なんてさ、それで役者の衣装に費用をかけたりするとさ、「こらっ」って、思うじゃないですか。だったら衣装の一つや二つ削って、音楽予算を作ればいいじゃないかと。例えば「内容さえよければ、どんなに低予算でも私はやります」っていえば、それは70点の回答なんだけれど、それって逃げてる言葉なんです。自分をカヴァーしているだけ。「安いものは基本的にやりません」って言う方が誠意があると思う。」
-それは久石さんを追い込み発言ではありますが、映画音楽ってお金が必要なんだという認識にもつながりますし、当然いい音楽を作るにはお金がいる。
久石:
「いります。シンセで後ろにちょこっと流しておこうという話でなければ、やはりちゃんとお金をかけなければいけない。もし僕が安いギャラで引き受けてしまったら、後に続く連中がもっと安くなってしまう。だれかが突っ張って言っていかないと、ほかの連中がもっとかわいそうになってしまう。自分が置かれた立場を考えると、責任感というものが少しは芽生えましたね。そういう意味では発言の場を作って、機会のあるごとに言っていかないと、日本の映画が豊かにならない気がするんですよ。自分自身がやりやすくなるためにも環境を作っていかなければいけないんです。」
(Blog. 「キネマ旬報 2000年7月上旬 夏の特別号 No.1311」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
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こんな久石さんも好きです。そしてちゃんと芯がある。
「この次は絶対にクリアーにしようと、絶えず線になって反省して、さらに理想的な高い完成度の…、ここが難しいんですけどね。完成度が高ければいい音楽になるかというと、ものすごく立派な譜面を書いたからってそうはならない。むしろちょっと粗っぽく書いて、なんだかなあっていうときのほうが、人々に与えるインパクトが大きいケースもありますからね。実のところ、音楽がまだわからない。だからたぶん、10年後もそういうことに悩みながら、『いい音楽をどう創ろうか』と考えていくんじゃないかと思います」
(Blog. 「MUSICA NOVA ムジカノーヴァ 2007年3月号」久石譲インタビュー内容 より抜粋)
「結局、クオリティを上げるのは努力しかないんですよ。一にも努力、二にも努力。自分が納得するまで、これでいいと思うまでやり続けるしかない。それだけです。だから絶えず不安です。書けなくなるんじゃなうかとか、今回は本当にできるのかとか、いつも不安を抱えている。でも、そうするとどこかでアドレナリンがぶわっと出て、意欲が湧き上がってくれる。それで仕事をなんとか乗り切ってる。かっこいいことなんか何もない。いつもギリギリ。でも仕事って、そういうものじゃないですか。のた打ち回れば、のた打ち回っただけ少しはよくなるだろう。そう信じて、最後の最後まで粘り続けられるかどうか。それで作品の質は決まるのだと思う」
(Blog. 「GOETHE ゲーテ 2013年7月号」映画『奇跡のリンゴ』久石譲インタビュー内容 より抜粋)
「久石さんとは同じ時代を生きてきたと思う」。宮崎が語る。「作るに値する映画はいつの時代にもあるだろうという仮説のもとにやってきました。そのたんびにいっしょにやろうと。ここまで来たら最後までいっしょにやると思う。彼の音楽はぼくの通俗性と合っているんですよ。彼の音楽の持ち味は”少年のペーソス”です。それは彼のミニマルの底流にもあるし、『ナウシカ』のときからあった。映画によって隠したり、ちょっと出したり、うんと乾いて見せたり。手を替え品を替えやりながら生き残ってきた人だから、そう簡単に手札を見せるわけがない。でも”少年のペーソス”はずっと変わっていない。そこがたぶんぼくと共通している」
(Blog. 久石譲 雑誌「AERA」(2010.11.1号 No.48) インタビュー より抜粋)
◇対談のよさ
これまでに各界著名人と対談しています。その魅力をひと言でいえば、対談で起こる化学反応な話題の広がりです。プロのインタビュアー(音楽や各業界に精通している人)であれば、こんなことは聞かないよなあ、でも!読者としては聞いてくれてありがとう!な話。思いもよらない切り口や質問がとんでくる。キャッチボールが豪球になっていったり、あるいはラフなゆるい空気になったからこそ生まれる会話。積極的には語ったことないんだけど、聞くなら答えるよ、そんなナイストス!の応酬も対談の面白さです。
インタビューに答えるための、もちろんプロモーションの側面も担った、準備された回答はぐっと減ります。その場、その時、空気、一期一会。これらの貴重な話は、この相手だから聞けたこと、このタイミングだから語られたこと、会話が生きもののように躍動感あるものになっています。
少しだけ選んだものをご紹介します。
秋元:
僕らはよくいろんな方とコラボレーションをするじゃないですか。ドラマでも映画でも悲しいメロディーというと、普通の音楽監督というのは聴いただけで悲しい曲を書いてきてくれる。でも驚かないんですよ。脚本でも音楽監督でも役者でも、やっぱり一緒にやった人が自分が投げたアイデア以上ものもを返してくれて、お互い驚きあいながら作っていかないとダメなんですよね。今回はそこが非常におもしろかった。日活の会議室で初めてブルガリアン・ヴォイスを聴いた日、久石さんが曲を流す前に「いっちゃっていいですか?」と訊ねられて、曲を聴いたら本当にいっちゃってた(笑)。すごくいいなあと思った。作詞でもそうなんですけど、どこまで奇を衒っていいかを判断するのは難しいんですよ。ただ奇を衒ってるだけだと単なる企画もの、イロモノになっちゃう。だから微妙に奇を衒っている新しさ、そこが一番難しいんですよね。
久石:
単に奇を衒うというのはできるんだけど、それがどう主題に関わってくるかですね。それができたのはやはり秋元さんに対する信頼です。受け止めてもらえるというのがあったので。こちらが窮屈にならずに持っているアイデアをぶつけられたんです。
秋元:
いや、それはプロの技ですよ。ブルガリアン・ヴォイスから嵐のシーンのオーケストレーションまで幅が広い。ブルガリアン・ヴォイスだけのアイデアを出せる人はブルガリアン・ヴォイスのテイストで最後までいっちゃうんですね。そうすると今度は映像と音楽が分離してしまう。それにしてもラッシュの音がない時に比べて数百倍良かったです。
久石:
日本映画としては本当にお金を出してもらったんですよ。ホールでオーケストラをきっちり録れるなんてまずないですから。これだけの規模でできたからこそなんです。
秋元:
オーケストラというと、それだけの人数と楽器を集めて、ホールまで借りるのは、すごくお金がかかる。だから大抵みんな打ち込みでやるんですけど、久石さんがホールでモニータに映像を流して同時に録ろうとおっしゃった。すごく贅沢ですよ。アメリカではそういうシステムが整っているけど、日本ではなかなかできない。
久石:
設備が整ったところで録るわけではないので、レコーディング機材を全部運び込まなくてはいけなくて、ものすごく大変なんです。しかもいろいろトラブルがあるし。
秋元:
我々も、いつもああいうことができると思ってはいけないんですね。
久石:
でもこの先デジタルになったら、もっとああいうやり方の重要性が出てきますよ。ホールのアンビエントがそのまま再現されるから、とても奥行きが深くなる。
(Blog. 「秋元康大全 97%」(SWITCH/2000)秋元康×久石譲 対談内容 より抜粋)
久石:
ものをつくる場所というのはこだわりますよね。雰囲気的にものをつくれる環境を選びます。レコーディングスタジオに入るとミュージシャンやスタッフなど人も大勢いますし、作業場ですね。今日もこの取材後にスタジオに移動してCM音楽のレコーディングをするのですが、完成させた譜面を持ってスタジオに入ります。やはり曲づくりの場所とは分けています。演奏しないことにはレコーディングにならないので、レコーディングする場所としてそこはきちんと分けています。
稲越:
その場でアレンジとかして違ってきたりするのですか?
久石:
僕はスタジオに入ってしまったらもうまったく変えません。
稲越:
えっ、変えないんだ……
久石:
レコーディングは誰よりも早いと驚かれます。二日間のレコーディングを予定していても、たいてい一日目で半分以上の曲数を録ってしまいますから。一日の場合も、二一時までスタジオを借りていたとしても、一八時、一八時半には終わってしまうことが多いです。このあいだ久しぶりにスケジュールの組み方の問題もあり、遅くなることがありましたけど、これなんかは例外です。
(Blog. 「CUE+ 穹+ (きゅうぷらす) Vol.12」(2007) 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
冨田:
「いや、ほんとうにぼくらの仕事は肉体労働だよ。やっとこの頃、どうにか自分でコントロールできるようになってきたけど。久石さんなんか、いまが死ぬほど忙しいでしょう? 仕事がいろいろな方向へ拡がっているものね。すごく興味を持って見させていただいているんですよ」
久石:
「いやいや、ボクにとっては、一瞬のうちに響きやサウンドが聴き手の耳を惹きつけてしまうという冨田さんの仕事がいつも一番気になってきたものなんです」
(Blog. 「CDジャーナル 2002年4月号」 冨田勲 vs 久石譲 対談内容 より抜粋)
林:
「坂の上の雲」のテーマ音楽が聞こえると、意味もなく悲しくなるんですけど、雲の向こうに壮大な世界が広がっていくような気がして。あの音楽を聴いただけで、みんな胸がキュッとなるんじゃないですかね。
久石:
それはすごく嬉しいです。ああいう大型のドラマになると、大河ドラマのオープニングみたいに、「ジャジャジャ~ン!」という派手な音楽で出るのがふつうなんでしょうけれども、僕、そうはしたくなかったんです。あれだけの大作なんだから、その精神を受け止めるような、バラード的なもののほうがあの世界観が出るんじゃないかと思ったんです。
~中略~
久石:
映画の音楽だとかをしばらくやってると、飽きちゃうんです。「これでいいのかな」と思うと、逆に完全に作品風に振っちゃって。そうすると今度は独りよがりになりがちなんです。あっちでぶつかり、こっちでぶつかり、の繰り返しですね。
林:
團伊玖磨さんみたい。團さんは大作を書く一方で、シンプルで、みんなが好きな「ぞうさん」もお書きになっていて、懐の深さが似てますね。
久石:
「ぞうさん」は、まど・みちおさん作詞で、あれは名曲ですね。ああいうシンプルな曲ほど難しいんです。「♪ぞーうさん ぞーうさん おーはながながいのね……」って、言葉のカーブとメロディーカーブが一致してるんですよ。
林:
ほおー、そこまで考えたことなかったです。「♪歩こう 歩こう……」(「となりのトトロ」の主題歌)もカーブが合ってますよね。
久石:
合わせてます。ポニョ(「崖の上のポニョ」)もそうですね。
(Blog. 「週刊朝日 5000号記念 2010年3月26日増大号」久石譲×林真理子 対談内容 より抜粋)
淳:
僕は宮崎監督が久石さんの楽曲に合わせて物語を作ってる部分もあるんじゃないかって思ってるんですが、その辺はどうですか? 「その曲ができたなら、こういう演出にしていこう」って。だって音楽があまりにも作品にマッチしてますもん!
久石:
それはたぶんないと思います。確かに早い時期にイメージアルバムを作って、それを宮崎さんがお聴きになってるっていうのは聞きますけど、非常にピュアに絵コンテをしっかり描かれる方だから。
(Blog. 「月刊サーカス CIRCUS 2012年4月号」FACTORY_A 久石譲×田村淳 対談内容 より抜粋)
ほかにも、鈴木光司さん、飯島愛さん、そして対談本もある養老孟司さんとは、共著以後に2~3回ほど雑誌をとおして対談しています。
◇本としてまとめることが大切
スタジオジブリ関連本はたくさんあります。そのなかに、宮崎駿監督・高畑勲監督のインタビューをあつめたものも、きっちり歴史をのこすように出版されています。
鈴木敏夫プロデューサーは、こう語っています。
”以前、高畑勲・宮崎駿がいろんな媒体で書き散らかした文章、話したインタビューを、年代順にまとめた本があると便利だと思い、それぞれ一冊にまとめました。文庫も複数の出版社からばらばらに出ているんじゃなくて、一社でやってもらえないかなと”
Overtone.第27回 「映像から音を削る 武満徹 映画エッセイ集/武満徹 著」を読む ~ウソとマコト I~ で題材にしたこの本も、巻末に《初出一覧》がぎっしり掲載されています。○○○○年○月○日○○新聞、○○○○年○○雑誌○○月号というように。もしこういった編集作業をへた書籍化がなければ、今読むことはできなかったでしょう。
◇久石譲論 本ノススメ
宮崎駿も、高畑勲も、北野武も、武満徹も、ほかにもたくさんのプロフェッショナル。映画界、音楽界、スポーツ界。自らのの著書とならんで、そこには研究本があります。”宮崎駿論”は国内にとどまらず海外専門家によっても多数執筆されています。解説・分析・批評・論考・攻略・研究・専門・特集、どんな言葉を使ってもいいです、そういった類の書物。深く切りこんだタイプのものは、そんな視点や考察もあるのかと楽しく驚かされますし、クロノジカルにまとめたタイプのものは、まさに年代記、歴史の足跡を紐解く充実度があります。
でも、久石譲の音楽活動について、
そういった本はない。
ずっと不思議だったんです。
なんでないんだろう?
あるとき、ひとつの答えを得た。
それは、歴史的資料の絶対数が少ないからじゃないか。歴史的資料を本という単語に置き換えてもいいです。研究したいにも、分析したいにも、資料が少なければできません。どういう制作過程だったのか、当時の環境や志向性は、その時にどんなことを語っていたのか。可能なかぎり集めて広げて、自分なりの論考にまとめていく。
音楽という特性についても。音楽を聴いただけで語るなら、それは解説こそできても、深く鋭い研究はできません。もし仮に、音楽という素材だけで扱うにしても、そこには必ずスコアが必要になります。いくらプロの音楽評論家といえど、聴いたものだけで分析して語れというのは、とても難しい。
宮崎駿監督の著書は11冊あります(対談・インタビュー・共著も含む)。さらに、「ジブリの教科書 シリーズ」のように、各作品で本をまとめたものにも、製作当時のインタビューは収録されています。付随する製作スタッフ(原画・動画・色彩・声優・プロデューサーなど)の話から、浮かび上がってくることもあります。そして「イメージボード集」や「絵コンテ集」、これが映画をつくるための設計図になります。このような重層的な歴史的資料の充実と提示こそ、今なお論考を活発化させ深めさせている要因のひとつだとしたら。
スコアは音楽をつくるための設計図です。ベートーヴェンの音楽を専門的に分析するなら、そこには片手にスコア、片手に資料を準備して臨みますよね、たぶん。音楽評論家は、そこから新しい見方や解釈を得て、議論を深め、音楽と一緒に歴史的価値を引き継いでいく。ここは大切! それが指揮者や演奏者だったらどうでしょう。そこには片手にスコア、片手に資料を準備して臨みますよね、たぶん。深い理解を求め、新しい視点を模索し、”今”という時代に照らし合わせて表現豊かに奏でられる。長く演奏され聴きつがれる音楽になる。
僕は、ひとつの答えとしてそう導きました。
すべてを包括できてはいないけれど、ひとつの要因として、少しは当たっているような気がしています。つまるところ、僕が強く希求しているのは、「新しい聴き方」のサンプルの提示です。こういう聴き方もある、こういう背景がわかるともっとおもしろく聴けるよ。個性豊かな解釈の集合体が、よりその音楽を重層的に魅力あるものにするように。自分にはない音楽の聴き方、うけとり方を、もっともっと浴びたい。すごいな久石譲!と唸りたい。
日本映画音楽界のひとつの時代を築いてきた久石譲、日本現代作曲家として作品を発表しつづけてきた久石譲。次世代の音楽家たちに影響をあたえ、その血肉や遺伝子のようなものは、確実に音にも方法論にも見受けられることもあります。久石譲ファンであること、久石譲音楽を聴いて育ったこと、そう公言する作曲家は日本ではもちろん、海外作曲家からのリスペストを耳にすることも。
そんな輝かしい久石譲の軌跡をまとめた本が、バラエティ豊かな”久石譲論”書物たちが、久石譲著書と久石譲楽譜の横に並んで置かれている光景。ちっとも不思議なことじゃないですよね。
それではまた。
reverb.
久石譲インタビュー集と久石譲論の2タイプの書籍化希望のお話でした。
*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
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