Disc. 久石譲 『HANA-BI』

1998年1月1日 CD発売

1998年公開 映画「HANA-BI」
監督:北野武 音楽:久石譲 出演:ビートたけし 他

 

〈episode 4〉
この作品の、例えばタクシーをパトカーに作り変えていくシーンには、組曲のようなものすごく長い音楽がついていますが、久石さんがかなり悩まれた証のようにも思えますね。そのシーン以外にも、武さん自身が描いた絵を、映像の中に巧みにインサートしている場面があって…。「キッズ・リターン」でも自分で描いた絵をポスターに使ってましたけど、ここではかなりの数の絵をカットの一つとして使っている。あの世界と対決するのは大変だったと思いますよ。当然あそこには音をつけてくれというカットですからね。無音でしかも動きのない絵を、いろんなカメラワークを駆使して撮っていますから、それときっちり向き合える音楽をつけるとなると、結構思案しますよね。われわれ自身も両者のイメージをすり合わせるために、かなり大変な思いをした記憶があります。ただどんなに陰惨な場面でも、そこに流れる久石メロディの美しさがインパクトにつながっている気がします。

〈サウンドトラック制作進行ノート〉
1997年6月9日 ワンダーステーション代々木スタジオにてレコーディング開始。
1997年6月11日 調布にっかつ撮影所にて監督と打ち合わせ。
1997年6月12-19日 ワンダーステーション代々木スタジオにてレコーディング。
1997年6月22日 ポリグラムスタジオAst.にて弦のレコーディング。
1997年6月23-24日 ワンダーステーション代々木スタジオにて映画用のT/D。
1997年7月10-11日 ワンダーステーション六本木スタジオにてCD用のT/D。

(「joe hisaishi meets kitano films」CDライナーノーツより)

 

 

「生のストリングスなどを使って、アコースティックな音に仕上げたいと考えたんです。きれいな音をつけてあげたい。かわりに暴力シーンには音楽はいらない。主人公と奥さんの関係、そして銃で撃たれて車椅子生活をおくっている主人公の同僚、その2つの関係を中心に音楽をつくっていこうと。全体的にあまりムーディーにならないようには心がけました。本当のメインテーマは最後の方に出てくる。音を抜くときいは思いっきり抜くことで次第に、後半に行くに従って情感が増してくるんです。この作品に限らず、沈黙をつくるのも、映画音楽の大事な仕事です」

Blog. 「ゾラ ZOLA 1998年2月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「今までの3作はどちらかというと、シンセサイザーやサンプリング楽器を多用していましたが、今回、監督からは、ストリングスや何かを使った「アコースティックな世界で、きれいな音楽があるといいね」と事前にオファーされたんです。ただ、それだと情緒的に流れすぎる可能性があるので、そうならないために、どういうスタンスをとるかということを一番考えました。今回は北野作品ではいちばんメロディを前面に出したんですよ。今までの作品はミニマル的な、音型の繰り返しみたいなのが多かったんだけれども。ただ、画面に音楽が寄り添わないで、外して、どこでどう「すき間」をつくるか、どうやって抜くかということに気をつかいました。『もののけ姫』もそうですが、97年の僕のテーマだったんですよ。」

「全然ないんです。本当に、「今回、どうします?」って聞くと、「今までうまくいってるからいいんじゃない?」って答えしか返ってこないですから(笑)。逆に言うと、すごく怖い監督ですよね。こちらがよりどころにしておくことが欲しいなと思っても、ぽーんと「はい、映像は撮ったから、後は久石さんヨロシク!」みたいな感じであずけられるから、それはすごいプレッシャーですよね。」

Blog. 「キネマ旬報増刊 1998年2月3日号 No.1247」北野武映画 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

HANA-BI サウンドトラック

1. HANA-BI
2. Angel
3. Sea of Blue
4. …and Alone
5. Ever Love
6. Painters
7. Smile and Smile
8. Heaven’s Gate
9. Tenderness
10. Thank You,… for Everything
11. HANA-BI (reprise)

All music composed, arranged, produced and performed by Joe Hisaishi

Guest Musicians:
八木のぶお(Harmonica)
旭孝・篠原猛(Flute)
柴山洋(Oboe)
星野正(Clarinet)
前田信吉(Bassoon)
後藤勇一郎グループ(Strings)

コメントする/To Comment