Disc. 久石譲 『久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~』

2009年7月3日 DVD/Blu-ray発売
DVD VWDZ-8130
BD VWBS-1078

 

~ナウシカからポニョまで 宮崎アニメと共に歩んだ25年間~
久石譲×宮崎駿 25年の軌跡のコンサート
『久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~』

 

 

2008年8月4日,5日 日本武道館

作曲・指揮・ピアノ:久石譲
管弦楽:新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ
合唱:栗友会合唱団、東京少年少女合唱隊、一般公募コーラス隊
マーチングバンド:京華女子中学高等学校マーチングバンド部、中央区立日本橋中学校吹奏楽部、川崎市立橘高等学校吹奏楽部、川崎市立高津高等学校吹奏楽部
ゲストヴォーカリスト:藤岡藤巻と大橋のぞみ、林正子、平原綾香、麻衣

 

2008年夏、日本武道館で開催されたコンサート「久石譲 in 武道館」を全曲収録。久石譲が音楽を手がけた、宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』の名曲30曲余りを、アンコールまで含めて全曲収録。

200名の大オーケストラ、800人の大合唱団、160人のマーチングバンド、そして素晴らしいゲストヴォーカリストと、総勢1160人もの超大規模編成による演奏と、巨大スクリーンに映し出される宮崎アニメが織りなすスペクタクルな世界を完全収録。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

 

「武道館公演ではいろんなバランスについて悩みました。まずは『風の谷のナウシカ』から『崖の上のポニョ』まで、9作品もあるので、それをどうやって構成しようかということ。『ナウシカ』で始まって、『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』というふうに年代順というのが一番単純で安心感もあるんだろうけど、その通りにやっていたら、『もののけ姫』くらいのときに、”今、中ごろだな”って観客が予想できちゃうじゃないですか。そうではなく、観客の予測を裏切っていくために必要なのが”構成”です。映画を一本撮るのと同じように、構成することで感動が残るんですよ。映画の魅力って”サスペンデッド”なんです。”宙づり”っていう意味ですけど、観客を”どうなるの?”って引っ張っていくドキドキ感が必要だと思うんです。あとは映像と音楽のバランス。スクリーンが大き過ぎても駄目なんです。人間って映像の印象を強く受けるから、映像に音楽がくっついてるっていう感じになるんだったら、コンサートをやる意味がないんですよね。かといって、小さ過ぎると映像がオマケになっちゃうからそれも駄目。88メートル×約162メートル、巨大ですけどちょうどバランスのいい大きさのスクリーンだったと思いますよ」

「通常、僕のコンサートは、サントリーホールとかで行うときには一般的なクラシックコンサートと同じように年齢制限を設けているんですけど、今回は子ども連れ、赤ちゃん連れでも来てもらえるようにしました。今までやったことにない大規模なコンサートだし、その場に居合わせたことで、この体験がどこかに残ったりしたらいいなって思ったんです。このコンサートがきっかけで音楽をもっと好きになってくれる人がいたり、将来音楽家になりたいって思う人がいたらうれしいですからね。音楽っていいなって思ってくれただけでも、このコンサートを開催した意味があったと思うんです。出演者の中に、公募で選んだ合唱の人たちがいるんですけど、皆さん喜んでくれたみたいです。一般公募の合唱隊が参加することは、僕が”どうしても入れたい”ってこだわったことだったんですよ。終わった後、彼らが寄せ書きした冊子をもらったんですけど、それがうれしくてね。いやぁ、このコンサートをやってホントに良かったです」

Blog. 「別冊カドカワ 総力特集 崖の上のポニョ featuring スタジオジブリ」(2008) 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

2008年夏、1200人を超える出演者(オーケストラ、コーラス、マーチングバンド、歌手)を率い武道館3回公演を満席、大成功に収めたコンサートの話です。中でも印象的なマーチングバンドのシーンですが、これを2時間の合間に入れたことに関して、実は災い転じて福となった「ワザテン」パターンのひとつとのこと。アイディアの根底は企画当初からありましたが、鼓笛隊だけでやろうと構想していたそうです。でも鼓笛隊だけだと5、6分くらいしか場がもちそうもないと思い、プログラム構成もほぼ固まってきた頃、諸事情からオーケストラのために20分休憩が欲しいという話が急浮上しました。でも、武道館規模の会場で休憩時間を挟むとなると20分では自席に戻れないお客さんが出てきてしまう問題が伴います。しかしオーケストラは休ませなければならない…。それをどうまとめるか、というときに、久石はアイディアを膨らませて、吹奏楽のマーチングバンドだったら1コーナー15分程度をもたせることができる。そこに前後を付ければ20分!という発想に至り、この中間部が決まったそうです。コンサート終了後もこの「天空の城ラピュタ」のコーナーには沢山の方が感動し涙したとう声を聞いています。背景にこんな逸話があったとは。感動の「ワザテン」です。

Info. 2009/10/25 金沢工業大学「工大祭」公開講座 第83回創造学「JOE HISAISHI TALKS」開催 より抜粋)

 

 

 

 

 

2008年8月2日&3日、幕張メッセ展示ホールにてリハーサルが行われている。総勢1200名が一同に会してリハーサルできるスペースとして選ばれ、本番さながらのステージを組み、コンサートのために特注で作られた8.8m x 約16.2m の巨大スクリーンも用意されている。約6時間x2日間におよぶリハーサルが行われた。

このコンサートのために大規模な編成用に新たにスコアを書き、6管編成・弦24型という大編成オーケストラである。「風の谷のナウシカ」の冒頭ティンパニも2奏者によるダブル・ティンパニとなるなど、パーカッションも多彩な楽器(和太鼓・締め太鼓・チャンチキ等も)含め大所帯である。

開演前に会場BGMとして流れていた楽曲は、三鷹の森ジブリ美術館BGMとして使用されている「Musica del Museo」「Birthday 15+」「La neve è rimossa」の3曲。宮崎駿監督の誕生日にプレゼントされている楽曲で美術館オリジナルBGM、CD化などはされていない。

「帰らざる日々」(紅の豚)は、久石譲ピアノとサックス、トロンボーン、チューバというJazzyな編成。

「Cave of Mind」(ハウルの動く城)は、1階スタンド最前列からトロンボーンとトランペットのバンダによる演出。

 

 

久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ DVD

 

曲目

『風の谷のナウシカ』
オープニング「風の伝説」
ナウシカ・レクイエム
メーヴェとコルベットの戦い
ナウシカ・レクイエム(遠い日々)
鳥の人

『もののけ姫』
アシタカせっ記
タタリ神
もののけ姫

『魔女の宅急便』
海の見える街
傷心のキキ
かあさんのホウキ

『崖の上のポニョ』
深海牧場
海のおかあさん
波の魚のポニョ
フジモトのテーマ
ひまわりの家の輪舞曲(ロンド)
母の愛
いもうと達の活躍〜母と海の讃歌
崖の上のポニョ

『天空の城ラピュタ』
ハトと少年
君をのせて
大樹

『紅の豚』
帰らざる日々

『ハウルの動く城』
Symphonic Variation “Merry-go-round”(交響変奏曲「人生のメリーゴーランド」)
Cave of Mind
“Merry-go-round” (人生のメリーゴーランド)

『千と千尋の神隠し』
あの夏へ vocal version 「いのちの名前」
ふたたび

『となりのトトロ』
風のとおり道
さんぽ
となりのトトロ

—–アンコール—–
Madness (「紅の豚」より)
アシタカとサン (「もののけ姫」より)

 

構成・演出:久石譲

except アレンジ:
長生 淳 (「天空の城ラピュタ」「ふたたび」)
山下康介 (「崖の上のポニョ」)
宮野幸子 (「魔女の宅急便」)

作詞:
「あの夏へ」 覚和歌子
「ふたたび」 鈴木麻実子
「アシタカとサン」 麻衣

 

【特典映像】
●メイキング
コンサートの舞台裏にカメラが密着。リハーサル風景などを久石譲ほかのインタビューを交えて綴る。

●スクリーン・アニメ
武道館の巨大スクリーンに映し出された宮崎アニメの名シーン。その”スクリーン・アニメ”のうち5作品7曲分をコンサートの演奏に合わせてそのまま収録。

風の谷のナウシカ・・・メーヴェとコルベットの戦い~ナウシカ・レクイエム(遠い日々)
もののけ姫・・・タタリ神
魔女の宅急便・・・傷心のキキ~かあさんのホウキ
紅の豚・・・帰らざる日々
ハウルの動く城・・・Cave of Mind

 

制作:NHKエンタープライズ

 

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