2020年8月7日 開館
2020年8月7日グランドオープン
新都市型水族館『Xpark』(台湾・高鉄桃園駅前)
館内展示エリアの楽曲(全7曲)書き下ろし
曲名・分数・編成などは不明
“久石譲さんによる7曲の館内音楽は、コロナの影響でリモート会議による打ち合わせを行ったという。巨大水槽で行われる魚群ショーや各ゾーンのイメージを伝えて打ち合わせを重ね、コロナの影響でオーケストラでのレコーディングができないなどの困難を乗り越えで完成した。”
(台北経済新聞 より抜粋)
メディア・旅行代理店向けに行われた内覧会の様子を動画で見たかぎり、TV『Deep Ocean シリーズ』、プラネタリウム『ad Universum』、映画『海獣の子供』の音楽づくり線上にあるような、ミニマルベースの心地よい、時間軸や空間軸の無数の広がりを感じる音楽となっている。また、生楽器のレコーディングが難しい環境下だったからだろうか、シンセサイザーベースの音楽になっていて、ほとんど生楽器は使っていないように聴こえる。そのぶん、シンセサイザー構成ならではの音やフレーズが飛び交っていて、近年の久石譲音楽制作からすると、貴重な音源といえるかもしれない。生楽器ならば微細な質感や音感でニュアンスに広がりや表情をもたせられることに対して、今回のシンセサイザーベースの楽曲は、パート数・トラック数といった旋律の数を多くすることで、表情を豊かにカラフルにしているように聴こえた。
なお、公式CM動画公開(2020年9月28日)でも、少しだけ音楽を聴くことができる。
いつかオリジナル音源や、演奏会用の作品として聴いてみたい。
2021.7 追記
「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2021」コンサートにて「Xpark」が初演された。
”台湾の水族館のために作曲した。いわば環境音楽のように観に来ていただいた人々に寄り添う音楽を書いたが、この曲はExitの音楽として観客の皆さんが楽しい気分で帰って欲しい、と思い作曲した。”
(「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2021」コンサート・パンフレットより)
2021.11 追記
久石譲インタビュー動画が公開された。また11月11日からは新しいフルオーケストラ・バージョンが館内で公開されることになった。あわせて全7曲のタイトルも発表された。
1.entrance 『Xpark 〜introduction〜』
2.福爾摩沙 『Sea mystery』
3.銀鯧幻影之美『Rainbow in curved fishes』
4.暖海生機 『Fish around the sea』
5.癒見水母(前半) 『Floating the space』
6.癒見水母(後半) 『Kaleidoscope』
7.Xcafe~EXIT 『Xpark 〜ending〜』
2022.07追記
アルバム『Symphonic Suite “Princess Mononoke” 2021』に収録された。