Disc. 久石譲 『効果音楽ライブラリー 1 季節の詩』

1978年6月 EP発売 GH-41
1992年10月1日 CDS発売 CODG-81

 

効果音楽シリーズ 全10作品
EP盤:効果音楽ライブラリー (1-10)
CD盤:ミュージック・エフェクト・コレクション (1-10)

ステレオ新録音
名場面を演出する コロムビア効果音楽ライブラリー
監修・構成:羽仁進 音楽:久石譲

 

「効果音楽ライブラリー 1 季節の詩」

 

8ミリでも、演劇でも、あるいはVTRでも、一つの作品に生命が吹き込まれるキメ手は、仕上げです。どんなによい素材にめぐまれ、製作の過程が順調でも、最後の仕上げがうまくいかないと、観客にはなにも伝わらないで終ってしまいます。自分では力一杯やったと思うのに、さっぱり反響がない。そんな場合に、まず検討して見る必要のあるのも仕上げの方法です。

音楽はそのなかでも、特に大切なものです。音楽の使い方ひとつで、同じ作品がまるで違ってしまったという体験は、アマでもプロでもみんな持っている筈です。

舞台上の演出でも、映像作品でも、観客の心に働きかけないと成功しません。いくら説明が巧みでも、それだけでは、頭にしか通じない。心に働きかけ、感情を動かすことが必要です。音楽は、なによりもその点に、強い力をもっているのです。

テーマ音楽とよばれるものがあります。作品の中心になる人物、出来事、主張、象徴などを表現する音楽です。観客の心と、作品の官女を一つにする、その中心として働く音楽です。みなさん方は、このレコード集の中から、めいめいの作品に一番ぴったり合ったものを見つけ出して下さい。音楽を探していく作業は、いろんな意味で興味深いものがあります。この曲が適当だろうか、あの曲が良いか、と考えることは、台本や計画をもう一度考え直すことにもなるので、演出プランを作る全体の作業にも大変役に立ちます。不世出の喜劇役者チャップリンが、出演する作品の演出は、すべて自分でやったというのはよく知られていますが、音楽の作曲から編曲まで、すべて自分でやったことは御存知でしょうか?

あなたも、チャップリンのようなつもりで、このレコードの中から、気に入る音楽をえらび出し、それを自分の手で構成してみて下さい。音楽はそれ自体の美しさもさりながら、配置によってまるでふんい気が変わります。また、タイミングが大切です。

どのキッカケで音楽を出し、どこから音楽をおさえてセリフに入るか。つきない楽しみが生まれてくるのです。

(EPライナーノーツより)

 

 

季節の詩

両面合せて、9曲収められています。曲を象徴する題名がつけられていますが、音楽はコトバとは違って、特定の対象を描写しているわけではありません。題名はあくまでも参考です。自由に使いこなして下さい。

●A面●

1.花のワルツ
透明な響き、おだやかで楽しい曲。

2.春の風
まだ肌寒さののこるなかに、鳥の声がひびき、花が匂う空への憧れをこめたような曲。キラキラと光る音色が特徴的。

3.青い空
季節なら、花の春から新緑へ。晴れあがった空に、暖かい陽光。人間の心理なら、さわやかに明るく。ドラマなら事件がみごとに解決されて、生きる希望が楽しく語られる。

4.初夏
ユーモラスな調子、抒情的な曲想。洗練されたなかに、かいぎゃくが愉しい対話。

5.暑い夏
暑いというより、熱い!。むせかえるような若さ。爆発するエネルギー。軽快なリズムが支配する。夏の海辺。ビヤホール。若者達の遊び。にぎやかさが一杯のイメージを連想させるような音楽。

●B面●

1.秋の曲
美しく、心にしみいるような調べ。秋の林が黄金色に染まる頃、明るい木立ちが落葉の近いのを予感させる。想い出の情感として、友情のドラマのいち場面などの伴奏としても使えそうな曲だ。

2.枯葉
端正で、クラシックな香り。晩秋。渋さ。8ミリなどの旅行記に使えば、ヨーロッパの風物などによく合いそうである。

3.冬
冬の大地の歌。情感ゆたかに、厳しい環境に耐える者の姿を浮き彫りにする。ドラマにも使えそうな場面が、幾つか考えられる重厚な曲。

4.銀世界
颯爽と、スポーティに。冬をたのしむマーチ風の曲。新雪にシュプールの跡をつけて滑降するスキーヤー。銀盤の上で踊るスケーター。クリスマスなら楽しいそりが行く。氷柱や吹雪にも負けない人々の活動力。明るい空に眩しく光る雪景色。にぎやかな情景にも合わせていろいろと使いこなせそうな曲。

A-2、3、4、B-2などは、いずれもあまり長い曲ではない。ある場景、一つのドラマの山をしめくくるために使えば、効果的だろう。さらに、物語が次の場景へ、盛り上がっていく場合には、長いブリッヂ(音楽の橋)をかけるような気持ちで演出も出来る。

A-1、5、B-1、3、4は、やや長目の曲である。長いままヴォリューム一杯に使ってもよいが、或る程度きかせてから、B・G(バック・グラウンド、背景)に押えて、台詞や説明を下から支える役を果たせることも出来る。

(EPライナーノーツ より)

 

 

 

 

 

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 1 季節の詩 sc

(EPジャケット)

 

(CDSジャケット)

 

1.花のワルツ BGM
2.春の風 BGM
3.青い空 BGM
4.初夏 BGM 、E
5.暑い夏 BGM
6.秋の曲 BGM
7.枯葉 BGM
8.冬 BGM
9.銀世界 BGM

*BGM(バックグラウンドミュージック)、E(エンディング)

 

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