Disc. 久石譲 『効果音楽ライブラリー 7 アクションと表現』

1978年6月 EP発売 GH-47
1992年10月1日 CDS発売 CODG-87

 

効果音楽シリーズ 全10作品
LP盤:効果音楽ライブラリー (1-10)
CD盤:ミュージック・エフェクト・コレクション (1-10)

ステレオ新録音
名場面を演出する コロムビア効果音楽ライブラリー
監修・構成:羽仁進 音楽:久石譲

 

「効果音楽ライブラリー 7 アクションと表現」

 

8ミリでも、演劇でも、あるいはVTRでも、一つの作品に生命が吹き込まれるキメ手は、仕上げです。どんなによい素材にめぐまれ、製作の過程が順調でも、最後の仕上げがうまくいかないと、観客にはなにも伝わらないで終ってしまいます。自分では力一杯やったと思うのに、さっぱり反響がない。そんな場合に、まず検討して見る必要のあるのも仕上げの方法です。

音楽はそのなかでも、特に大切なものです。音楽の使い方ひとつで、同じ作品がまるで違ってしまったという体験は、アマでもプロでもみんな持っている筈です。

舞台上の演出でも、映像作品でも、観客の心に働きかけないと成功しません。いくら説明が巧みでも、それだけでは、頭にしか通じない。心に働きかけ、感情を動かすことが必要です。音楽は、なによりもその点に、強い力をもっているのです。

テーマ音楽とよばれるものがあります。作品の中心になる人物、出来事、主張、象徴などを表現する音楽です。観客の心と、作品の官女を一つにする、その中心として働く音楽です。みなさん方は、このレコード集の中から、めいめいの作品に一番ぴったり合ったものを見つけ出して下さい。音楽を探していく作業は、いろんな意味で興味深いものがあります。この曲が適当だろうか、あの曲が良いか、と考えることは、台本や計画をもう一度考え直すことにもなるので、演出プランを作る全体の作業にも大変役に立ちます。不世出の喜劇役者チャップリンが、出演する作品の演出は、すべて自分でやったというのはよく知られていますが、音楽の作曲から編曲まで、すべて自分でやったことは御存知でしょうか?

あなたも、チャップリンのようなつもりで、このレコードの中から、気に入る音楽をえらび出し、それを自分の手で構成してみて下さい。音楽はそれ自体の美しさもさりながら、配置によってまるでふんい気が変わります。また、タイミングが大切です。

どのキッカケで音楽を出し、どこから音楽をおさえてセリフに入るか。つきない楽しみが生まれてくるのです。

(EPライナーノーツより)

 

 

アクションと表現

●A面●

1.アクションのテーマ
痛快なテンポ、迫るリズム、広々とした空間を感じさせるメロディー。壮麗なテーマ曲である。

2.アクションのブリッジ
テーマをドラマティックに解釈している。どこかに憂愁のこめられた変奏曲である。

3.アクションのコード
激しい予感。対決か闘争か!

4.アクションのエンディング
ブリッジとは対照的である。テーマは明るく歌い上げられて、壮快に終わる。

5.追跡
マラカスの誘惑的なリズムに引き出されるかのように金管が応え、緊迫した中でテーマが奏される。文字通りアクションもの、刑事ものなどの追跡シーンの他、競馬やスポーツなどの場面にも合いそうだ。

6.対決
低音部で連打されるリズムが不気味な世界をかもし出す。静かさがかえって緊迫感を盛り上げていく。

●B面●

1.西部劇のテーマ
口琴のような素朴な導入部から、懐かしいウエスタンのメロディーが響きわたる。もちろん西部劇風な荒野のシーンにぴったりだが、案外現状の風景に使ってみても面白い。風刺やユーモアを生み出すこともできるだろう。

2. 3.西部劇のコード A・B
いずれも明るく響きわたるコードだ。

4.西部劇のエンディング
西部のロマンスと哀愁を歌いあげるような終結部である。

5.ファンファーレA
まさにオーソドックスなファンファーレ。儀式の開始に、行進の先頭に、選手の入場にぴったりである。

6.ファンファーレB
ラッパの吹奏が朗々と轟いて、ドラマティックな味をもつファンファーレ。

7.不安、おや!、あれ?
8.絶体絶命、警鐘、迫りくる恐怖
9.不気味に、おどろき、コミック
いずれも題名通り非常にはっきりした特色をもったコードである。コードは作品の句読点のようなものという事もできるだろう。しかし、文章の句読点と映像やドラマ、そして音楽の句読点とは違っている所に注意して欲しい。何か驚くような事が起こってから驚くコードを後に使う。警鐘を鳴らすような事が起こってから警鐘のコードを使う。コードがいつも事件の後を追っていたのではつまらない。文章の句読点はいつも終わりについているかもしれないが、ドラマの句読点としてコードを使う場合には、時には観客の感情を先取りして刺激を与えるように使うのも効果的である。特にこのレコードに集められているコードは、いずれも激しく強いものだから、使い方もきっぱりとテンポを持って使う方が効果的である。

(EPライナーノーツ より)

 

 

 

 

 

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 7 アクションと表現 3

(EP盤)

 

(EPジャケット)

 

1.アクションのテーマ
2.アクションのブリッジ
3.アクションのコード
4.アクションのエンディング
5.追跡 BGM
6.対決 BGM
7.西部劇のテーマ
8.西部劇のコードA
9.西部劇のコードB
10.西部劇のエンディング
11.ファンファーレA
12.ファンファーレB
13.不安、おや!、あれ? C
14.絶対絶命、警鐘、迫りくる恐怖 C
15.不気味に、おどろき、コミック C

*BGM(バックグラウンドミュージック)、C(コード)

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 7 アクションと表現

(CDSジャケット)

 

1.アクションのテーマ
2.アクションのブリッジ
3.アクションのコード
4.アクションのエンディング
5.追跡
6.対決
7.西部劇のテーマ
8.西部劇のコードA
9.西部劇のコードB
10.西部劇のエンディング
11.ファンファーレA
12.ファンファーレB
13.不安
14.おや!
15.あれ?
16.絶体絶命
17.警鐘
18.迫りくる恐怖
19.不気味に
20.おどろき
21.コミック

 

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