Disc. 久石譲 『DUNLOP』 *Unreleased

2017年1月21日 TVCM放送

 

ダンロップ(DUNLOP)新CMに久石譲が音楽を書きおろしている。

出演:福山雅治
音楽:久石譲  曲名:DUNLOP

 

テレビCM
・LE MANS V(ル・マン ファイブ)「誕生」篇 15秒
・ダンロップ低燃費タイヤシリーズ「選べるダンロップ」篇 15秒

ラジオCM
・「我が子のための発明」篇 80秒
・「我が子のための発明」篇 60秒
・LE MANS V(ル・マン ファイブ)「誕生」篇 20秒
・選べるダンロップ「ひとりひとりに一番合ったタイヤを」篇 20秒

ダンロップCMギャラリーにてCM動画視聴可能 (※2017年1月現在)

公式サイト:ダンロップタイヤ | ダンロップCMギャラリー

 

 

「音と沈黙」による、今もっとも旬な久石譲ミニマル・ミュージックのかたち。2016年「ミュージック・フューチャー Vol.3」コンサートで世界初演された新作 『2 Pieces for Strange Ensemble』の流れを彷彿とさせる、斬新な楽曲である。

室内アンサンブルの編成ではあるけれど、その響きはクラシックというよりもロックのようなワイルドさ。これもまた上述新作にて追求したサウンドが活かされているように思う。「音と沈黙、躍動と静止、継続と断絶」によっても曲のリズムやグルーヴ感は失われておらず、時間軸としての凹凸感がみえておもしろい。

あえて言うならば、台詞やナレーションも必然的に「音と沈黙」があるわけで、互いの「音と沈黙」で意識が散漫になる危険性はあるのかもしれない。一般的に音楽が通音で鳴っている上に台詞や言葉がのっかる、というものとの違いのことである。そんな事象も折り込み済みで、狙っているのなら、意見するところではない。

一般的にCM音楽に不可欠とも思われるキャッチーなメロディはそこにはない。がしかし、聴こえた瞬間に耳に意識を集中させてしまうほどの、手を止めてしまうほどの強烈なインパクトのある楽曲。一瞬にして日常生活にはない違和感のあるサウンドで、強く印象に刻まれることはもちろん、ヴィンテージ感や高級感といった品格の佇まいすら感じる。

近年、CM音楽においても、メロディー系ではなく本格的なミニマル・ミュージックを投じることがふえた傾向にある。そのなかでも、久石譲が今もなお進化していることを証明する、アヴァンギャルドな楽曲である。

最長80秒を視聴することのできる楽曲。その先の展開や着地も気になる、ぜひフルサイズで聴いてみたい作品である。

 

 

2019.11.1 Update

「Variation 57 for Two Pianos and Chamber Orchestra」(「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.6」コンサート)の第3曲に組み込まれる。

 

 

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