Disc. 久石譲 『Metaphysica(交響曲第3番)』 *Unreleased

2021年9月11日 世界初演

 

2021年9月11,12日開催「新日本フィルハーモニー交響楽団 第637回 定期演奏会」にて世界初演。

2023年以降も日本公演や海外公演にてたびたびプログラムされる最新交響曲。

 

 

Metaphysica(交響曲 第3番)

Metaphysica(交響曲第3番)は新日本フィル創立50周年を記念して委嘱された作品。新作は2021年4月末から6月にかけて大方のスケッチを終え、8月中旬にはオーケストレーションも終了し完成した。前作の交響曲第2番が2020年4月から2021年4月と1年かかったのに比べると約4ヶ月での完成は楽曲の規模からしても僕自身にとっても異例の速さだった。

楽曲は4管編成(約100名)で全3楽章からなる約35分の長さで、この編成はマーラーの交響曲第1番とほぼ同じであり、それと一緒に演奏することを想定して書いた楽曲でもある。

Metaphysicaはラテン語で形而上学という意味だが、ケンブリッジ大学が出している形而上学の解説を訳すと「存在と知識を理解することについての哲学の一つ」ということになる。要は感覚や経験を超えた論理性を重視するということで、僕の場合は音の運動性のみで構成されている楽曲を目指した。

I. existence は休符を含む16分音符3つ分のリズムが全てを支配し、その上にメロディー的な動きが変容していく。

II. where are we going? は26小節のフレーズが構成要素の全て。それが圧縮されたり伸びたりしながらリズムと共に大きく変奏していく。

III. substance は ド,ソ,レ,ファ,シ♭,ミ♭の6つの音が時間と空間軸の両方に配置され、そこから派生する音のみで構成されている。ちなみにこれはナンバープレースという数字のクイズのようなゲームからヒントを得た。

(「Joe Hisaishi Royal Philharmonic Orchestra Special Tour 2025 Orchestra Concert」パンフレットより)

 

 

「最終的なオーケストレーションの段階です。曲は交響曲第3番(仮)で、全3楽章約35分の作品。第2番と姉妹作ですが、自然をテーマにしたような第2番に比べると内面的で激しく、リズムはより複雑になっています。加えてミニマル的な構造の中にもう一度メロディを取り戻したいとも考えました。編成は後半のマーラーに合わせた4管編成でホルンは1本少ない6本。自分だけ見劣りしたくないというのは作曲家の性ですね。また作曲家は皆そうですが、大編成になると逆に弦の細分化など細部にこだわるようになります。あと50周年は意識しながらも、現況から祝典風ではなく力強さを織り込んだつもりです」

Info. 2021/08/18 久石譲 現代曲同様のアプローチでクラシックを活性化したい (ぶらあぼ より) より抜粋)

 

 

初演より第2楽章は特別公開されている。

 

 

 

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