1978年6月 EP発売 GH-42
1992年10月1日 CDS発売 COGD-82
効果音楽シリーズ 全10作品
EP盤:効果音楽ライブラリー (1-10)
CD盤:ミュージック・エフェクト・コレクション (1-10)
ステレオ新録音
名場面を演出する コロムビア効果音楽ライブラリー
監修・構成:羽仁進 音楽:久石譲
「効果音楽ライブラリー 2 レジャーと活動」
8ミリでも、演劇でも、あるいはVTRでも、一つの作品に生命が吹き込まれるキメ手は、仕上げです。どんなによい素材にめぐまれ、製作の過程が順調でも、最後の仕上げがうまくいかないと、観客にはなにも伝わらないで終ってしまいます。自分では力一杯やったと思うのに、さっぱり反響がない。そんな場合に、まず検討して見る必要のあるのも仕上げの方法です。
音楽はそのなかでも、特に大切なものです。音楽の使い方ひとつで、同じ作品がまるで違ってしまったという体験は、アマでもプロでもみんな持っている筈です。
舞台上の演出でも、映像作品でも、観客の心に働きかけないと成功しません。いくら説明が巧みでも、それだけでは、頭にしか通じない。心に働きかけ、感情を動かすことが必要です。音楽は、なによりもその点に、強い力をもっているのです。
テーマ音楽とよばれるものがあります。作品の中心になる人物、出来事、主張、象徴などを表現する音楽です。観客の心と、作品の官女を一つにする、その中心として働く音楽です。みなさん方は、このレコード集の中から、めいめいの作品に一番ぴったり合ったものを見つけ出して下さい。音楽を探していく作業は、いろんな意味で興味深いものがあります。この曲が適当だろうか、あの曲が良いか、と考えることは、台本や計画をもう一度考え直すことにもなるので、演出プランを作る全体の作業にも大変役に立ちます。不世出の喜劇役者チャップリンが、出演する作品の演出は、すべて自分でやったというのはよく知られていますが、音楽の作曲から編曲まで、すべて自分でやったことは御存知でしょうか?
あなたも、チャップリンのようなつもりで、このレコードの中から、気に入る音楽をえらび出し、それを自分の手で構成してみて下さい。音楽はそれ自体の美しさもさりながら、配置によってまるでふんい気が変わります。また、タイミングが大切です。
どのキッカケで音楽を出し、どこから音楽をおさえてセリフに入るか。つきない楽しみが生まれてくるのです。
(CDSライナーノーツより)
レジャーと活動
1.旅のアルバム
優しく、伸び伸びとしたサウンドだけれど、どこかに内省的な感じがある。旅にこれから出かけようというムードではない。家にもどって、しみじみと旅を回想している。そんなふんい気の曲である。
2.楽しい集い
明るい、仲の良い連中の楽しい語らい。さまざまなヴァリエーションが奏でられるのが、次々に話の中心になる人が代わっていくような印象をあたえる。しかも、それぞれ性格のちがう友人が、代る代る登場してくるような感じだ。かなり長い曲だけれど、構造はそんなに入りくんではいないから、適当な部分を、適当な長さ、演出の意図に合せて使うことができる。
3.野山を行く
野山を行くとしても、大冒険ではない。気軽なピクニック。花にひかれて寄り道したり、鳥の声に耳を傾けたり、廻り道したり、かくれんぼをしたり、いろいろ余計なことが起って、そこが又楽しい。別に野外の場面でなくても、子供達が遊んでいるような場景などにも合いそうだ。これも長いが、適当に使うのは容易である。
4.旧友再会
ふだんは、心の表面にまるで意識していなかった人、存在、物。しかし、心の奥底では片時も忘れてはいなかった。そんな懐かしさが、ジワジワとこみあげてくるような曲。短かいが、印象的に使えるだろう。
5.家族団らん
気取らない、ごく日常的な親しみにあふれた、にぎやかな曲。8ミリの家族生活の記録、舞台劇なら、親しい者同志のくつろいでいる場面。そんなものにピッタリの感じだ。
6.祝福
明るい曲。しかし、ただ底抜けに明るいだけではない。ノンビリした感じでもいい。奥底に真剣なものがキラリと光っている。希望は感じられる。前に進もうとしている。しかし、目標はすぐ近くにはある感じではない。具体的なものという感じもしない。目にみえない世界、理想、夢。そんなものに向っていく。人生の旅路への門出、といった場面に使ったら、なかなか効果的ではないだろうか。ドラマはもちろん、結婚式や卒業式の記録などにも良さそうだ。
7.スポーツの喜び
遊びというよりは、一心に打込むスポーツの感じ。緊張して、全力をつくして試合にのぞむ。若い人の挑戦する姿。熱心な訓練。そんなものが連想される曲。
8.村の祭り
これは、まさに題名ピッタリの曲。しかし、使い方では田園風物を感じさせることもできるし、ドラマの時代物なら、庶民の生活のB・G(バッグ・グラウンド)音楽としても面白そうだ。
9.成長の思い出
優しく、可愛らしく、生き生きしている。子供達の場景に、まことに相応しい曲である。しかし、あえて「思い出」という題名がついているのには、理由がありそうだ。ひとかわヴェールがかっているような印象である。今この眼の前で起こっている現象ではなくて、かつてあった事、心の中で余分なものが落とされ、美しく結晶したイメージ、そんなものを連想させるのだ。夢の場景などにも応用できそうだ。深夜の夢というよりは、昼寝の夢にピッタリという感じだ。
(CDSライナーノーツより)
(EPジャケット)
(CDSジャケット)
1.旅のアルバム BGM, T
2.楽しい集い BGM
3.野山を行く BGM
4.旧友再会 BGM, E
5.家族団らん BGM, T
6.祝福 BGM
7.スポーツの喜び BGM
8.村の祭り BGM
9.成長の思い出 BGM, E
*BGM(バックグラウンドミュージック)、T(テーマ)、E(エンディング)