Info. 2014/01/24 映画「風立ちぬ」 第86回アカデミー賞 長編アニメーション賞 ノミネート

第86回アカデミー賞の各賞候補が現地時間16日、米ロサンゼルスで発表され、スタジオジブリの宮崎駿監督『風立ちぬ』が長編アニメーション賞にノミネートを果たした。

宮崎監督作品はこれまでに、2003年(第75回)に『千と千尋の神隠し』が長編アニメーション映画部門賞を受賞、2006年(第78回)に『ハウルの動く城』が同部門にノミネートされており、今回でノミネートは3度目で8年ぶり。もし同部門賞の受賞となれば11年ぶりとなる。ノミネートにあたり宮崎監督は、以下のコメントを発表している。

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Info. 2014/01/24 久石譲 米アカデミー賞作曲賞に惜しくもノミネートならず 【第86回アカデミー賞】

現地時間16日、第86回アカデミー賞のノミネーションが発表されたが、映画『風立ちぬ』で作曲賞の審査対象に選ばれていた久石譲は惜しくもノミネートを逃した。

久石譲が音楽を手掛けた『風立ちぬ』は、昨年12月に発表された同部門の審査対象114作品に選出。これまで同部門にノミネートされた日本人は、1967年に『天地創造』で候補になった故・黛敏郎さん、1988年に『ラストエンペラー』で同賞を受賞した坂本龍一のみで、日本人3人目の快挙に期待がかかっていた。

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Disc. 久石譲 『小さいおうち オリジナル・サウンドトラック』

小さいおうち 久石譲

2014年1月22日 CD発売 UMCK-1472

 

2014年公開 映画「小さいおうち」
監督:山田洋次 音楽:久石譲 出演:松たか子 他

 

 

インタビュー

-今回の『小さいおうち』は、前回にも増して音楽の曲数が多いと思いました。

久石:
単純に、本編の内容から出てくる違いです。『東京家族』は非常にシリアスな内容の作品でしたので、音楽を少なめにした方がよいという判断がありました。それに対し、『小さいおうち』はラブストーリー的な側面が強い作品ですから、音楽も当然増えてきます。山田監督からも「今回は音楽を多くしたい」という要望をいただきました。それと、「非常に甘みのあるメロディが欲しい」という要望も。

-それが、冒頭の火葬場で流れてくるメインテーマですね。

久石:
本編全体を見てみると、最初はタキの葬儀の場面から始まり、ラストシーンもタキがある重要な役割を果たしています。平成から激動の昭和へ、たとえ物語の時空が自由に飛んだとしても、タキの”目線”だけは変わらない。そのタキの”目線”のテーマ、わかりやすく言えば、タキの”運命のテーマ”です。ただし、そのメインテーマだけだと音楽全体が非常に重くなってしまうので、もう1曲、別のテーマを作曲しました。

-アコーディオンで演奏されるワルツのテーマですね。

久石:
こういう作品にワルツが似合うかどうかはともかく、結果的には、ワルツによって”昭和という時代に対する憧れ”や、”小さいおうちの住人に対する憧れ”を表現できたのでは、と思っています。昭和ロマンに憧れるワルツ、という意味では、松たか子さん演ずる”時子のワルツ”と呼んでよいのかもしれません。その”時子のワルツ”と、メインとなるタキの”運命のテーマ”のデモ2曲を最初に作曲したところ、山田監督から早々にOKをいただきました。

Blog. 映画『小さいおうち』(2014) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより 抜粋)

 

 

「基本的にはメーンとなるテーマ曲は2つなんです。その時代を生きてきたタキのテーマみたいなものと、もうひとつは意表をつくようなワルツ調の曲。深い根拠はないんですが、直感みたいなもので、ある種の軽やかさが出たらいいなと思ったんです。守りに入るよりは、こちらも冒険させてもらったんですが、それが結果的に良い形になればいいなと思っています。」

Info. 2013/08/10 山田洋次監督最新作「小さいおうち」 久石譲音楽レコーディング より抜粋)

 

 

赤い屋根の小さな家で働く女中・タキの目線を通し、昭和から平成へと激動の時代を生き抜いてきたタキの自身のテーマでもある“運命のテーマ”と、アコーディオンの甘美なメロディが印象的な“ワルツのテーマ”を主軸に構成。昭和モダンのノスタルジックな雰囲気が満載のサウンドトラック。

2つのテーマにより構成されたサウンドトラックは、
”運命のテーマ” (1) (2) (3) (5) (8) (10) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19) (20) (21)
”時子のワルツ” (4) (6) (7) (9) (11) (12)

”運命のテーマ”はときにピアノの単音で、ときにフルートやオーボエの木管で、ときに弦楽やピッツィカートで、ギターなども加わりとてもシンプルなアコースティックサウンド。シンプルなというか極限まで削ぎ落としたメロディと言っていい。

”時子のワルツ”はアコーディオンの旋律が特徴的だが、こちらもトラックごとに、ピッツィカートや木管編成、ピアノにより構成されている。

エンドクレジットにあたる(22)は、この主要な2つのテーマが、”運命のテーマ”から”時子のワルツ”へと引き継がれ幕をとじる。その(22)を除く、すべての楽曲が1-2分程度の長さであり、サウンドトラック全体としても30分程の音楽となっている。

ここで注目すべきは、映画本編2時間として音楽が約半分以下の時間しか流れていないということ、まさに山田洋次監督がオーダーした”空気のような音楽”ということである。

久石譲はセリフを重視する山田監督の演出に配慮するため、本編用のスコアでは特徴的な音色を持つ楽器(ダルシマーなど)を効果的に用いている。ハンマー・ダルシマーは「ピアノの先祖」とも言われる楽器である。

しかしながら、主要テーマのどちらもメロディの長さは短くも、とても印象的で、記憶に残らない耳に残らないということは決してない。これこそが久石譲のメロディの強さであり、かつ効果的にモチーフを2つに絞り込んで、あらゆるバリエーションで効果的な楽器編成で配置した結果といえる。

 

この後、久石譲「WORKS IV」にて、フルオーケストラ用にオーケストレーション、メインテーマ(22)は、楽曲構成はほぼ同じとしながらも、ギター、アコーディオン、マンドリンが加わり、サウンドトラックにはないオーケストラの華やかさと優雅さに磨きがかかっている。ひかえめながらも力強い華麗な輪舞曲(ロンド)に仕上がっている。全体の構成は、久石のソロ・ピアノによる序奏に続き、タキが象徴する激動の昭和を表現した「運命のテーマ」、そして時子が象徴する昭和ロマンを表現した「時子のワルツ」となっている。

 

 

映画「東京家族」につづく山田洋次監督とのタッグは久石譲にも大きな変化をもたらしている。具体的には、別項にて紹介しているが、一部抜き出すと下記とおり。

 

  • オーケストラなどで音楽が主張をすることをひかえたつくり方
  • 空気のような音楽、雰囲気を邪魔しない音楽、芝居や映画と共存する音楽
  • 小編成にシンプルに、おさえるけれど、ただうすいだけにならないつくり方
  • 登場人物や観客の気持ちを煽るような音楽をつけない
  • より映画にコミットするかたちで音楽をつける

“今まではどうしても映画音楽としても主張してしまう自分がいたけれど、その力みがなくなった”といつかのインタビューでも語っている。

 

 

 

 

今後の久石譲映画音楽制作の分岐点になるであろう作品である。

 

 

小さいおうち 久石譲

1. プロローグ
2. 僕のおばあちゃん
3. 上京
4. 赤い屋根のおうち
5. 昭和
6. タキと時子
7. 雨の日も風の日も
8. 南京陥落
9. 師走
10. 正治と恭一
11. 嵐の夜
12. タキの幸せ
13. 本当の所
14. タキの悲しみ
15. 開戦
16. 事件
17. 別れ
18. 手紙
19. B29
20. イタクラ・ショージ記念館
21. 時効
22. 小さいおうち

All Music Composed, Arranged and Produced by Joe Hisaishi

Piano by Joe Hisaishi (Track 1,11,20)
Conducted by Joe Hisaishi

Performed by
Flute: Hideyo Takakuwa
Oboe & E.Horn: Satoshi SHoji
Clarinet: Kimio Yamane
Bassoon: Masao Osawa
Guitar: Masayoshi Furukawa
Hammered Dulcimer: Keiko Tachieda
Accordion: Hirofumi Mizuno, Patrick Nugier
Percussion: Marie Oishi
Harp: Yuko Taguchi
Piano & Celesta: Ryota Suzuki
Strings: Manabe Strings

Recorded at Victor Studio
Mixed at Bunkamura Studio
Recording & Mixing Engineer: Suminobu Hamada
Manipulator: Yasuhiro Maeda(Wonder City Inc.)

 

Blog. 映画「東京家族」 山田洋次監督×久石譲 スペシャルトークセッション

Posted on 2014/1/21

いよいよ2014年1月25日より、山田洋次監督 最新作「小さいおうち」が公開されます。2013年に公開された山田洋次監督50周年記念作品 映画「東京家族」にて、山田洋次監督との初タッグを果たした久石譲が再び音楽を担当します。2作品続けてとなります。

映画本編も、そして映画公開に合わせて発売される「小さいおうち サウンドトラック」もいまかいまかと楽しみにしているところです。

そんな待ち遠しいなか、ちょうど約1年前に行われた「山田洋次監督×久石譲 スペシャルトークセッション」の公式レポート記事をご紹介します。

 

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この度、映画の公開を記念し、国立音楽大学の学生向けに、映画界・音楽界の第一線を走り続けている山田洋次監督、久石譲さんの2人の巨匠による、初の貴重なトークセッションが開催されました!

また、この日を楽しみに集まった250名の学生からもたくさんの質問も飛び出し、更には、久石譲さんによる『東京家族』のピアノ生演奏が行われるなど映画同様大いに盛り上がりました!

■スペシャルトークセッション概要
【日時】2013年1月25日(金)16:20~
【場所】国立音楽大学新1号館オーケストラスタジオ
【登壇者】山田洋次監督、久石譲
【ゲスト】花崎薫(チェロ演奏)
(愛知県立芸術大学准教授 元新日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者)
【司会】津島令子

【スペシャルトークセッション内容】
<ご挨拶>
●山田洋次監督:
音楽大学はあこがれの場所です。
ここでどんな授業が行われているのか、想像するだけで夢のようです。

●久石譲さん:
今日は映像と音楽の話で、授業じゃないから興味深い話が出来ると思うから楽しみにしててね(笑)。

●MC:
映像音楽という世界へ入られたきっかけは?

●久石譲さん:
食べるためですかね(笑)
年間300本以上映画を見ていたので、一番好きな音楽と、大好きな映画の仕事ができるからかな。

●MC:
映像音楽の魅力とは?

●久石譲さん:
思い通りにいかないところですね。今でも思い通りにいかない。

●山田洋次監督:
映画が一番近い芸術は音楽かもしれないですね。演劇なんかよりも映画は音楽に近いのでは?映画音楽の学問が日本にないのが不思議なくらいです。

●MC:
ここで、本日は特別に、生演奏をお聞かせ頂きましょう。

<演奏曲>
・One Summer’s Day (『千と千尋の神隠し』より)
・東京家族 (『東京家族』より)
・Departues (『おくりびと』より)

●MC:
山田監督演奏はいかがだったでしょうか?

●山田洋次監督:
『東京家族』の画面が浮かんできました。私の中では音楽と画面が既に一緒になってしまっているようです。

●MC:
山田監督と久石さんは今回の『東京家族』で初タッグを組まれましたが、どのような感じだったのでしょうか?

●久石譲さん:
映画監督も音楽家も呼吸が合うかが大事ですね。『東京家族』はある意味重くて、素晴らしい作品。個人的にはとてもプレッシャーがありました。

●山田洋次監督:
作曲家と組んでやるのはとても大変。お見合いのようなもので、どういう人と組んでやるかというのはとても気を使う。緊張しました。

●MC:
『東京家族』では監督からはどんな指示があったのでしょうか?

●久石譲さん:
空気のような音楽、雰囲気を邪魔しないような音楽と言われていました。今回はあまりたくさんの音楽を必要としない、芝居を邪魔しないで共存出来る音楽なんだと思いました。

●山田洋次監督:
カメラだけ、演技だけ、音楽だけが素晴らしいというのではなく、映画全体でアンサンブルをつくりあげて、観客の心の中にすーっと吸い込まれていくような作品でなければいけないと思っています。

●久石譲さん:
今回は2時間半ぐらいの映画なんだけど、曲は全部で25分ぐらいしかないんです。いかにうすく書くか、でもやせすぎちゃいけない…そんな色々な工夫をしていくうちに、こんな技があるんだと、3つぐらい新しい技を発見しました。

●山田監督:
今回はいかに雰囲気を邪魔しないような音楽と思っていたのですが、でもオーケストラでないといけないと思いました。節約するととどうしても貧しくなってしまう。

●久石譲さん:
色々なテクノロジーが流行るのはいけど、ダウンロードした音楽などはあくまで情報。情報には感動がありません。映画もやっぱり映画館で見るからこそ感じるものがあると思います。

●山田洋次監督:
安っぽく感じるものは全て情報だけで成り立っている。映画は全てのショットが情感を持っていなくてはいけないと思います。

<この後、学生から山田洋次監督と久石譲さんとの間で、活発な質疑応答が行われ、イベントは大盛況のうちに幕をおろしました。>

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映画界の巨匠と映画音楽の巨匠による、とても興味深い話ばかりです。

そして、上のトークから久石譲本人も語っているように、この山田洋次監督との仕事が、それ以降(2013年以降)の作品に大きく影響してきています。

どのトーク内容かというと、

「空気のような音楽、雰囲気を邪魔しないような音楽と言われていました。~ 」
「いかにうすく書くか、でもやせすぎちゃいけない…そんな色々な工夫をしていくうちに、こんな技があるんだと、3つぐらい新しい技を発見しました。」

このあたりが2013年に携わった他の映画作品などにも影響するきっかけとなっています。宮崎駿監督 映画「風立ちぬ」も監督からの要望もあったのも事実ですが、小編成のオーケストレーションとクラシカルな音楽になっていますし、高畑勲監督 映画「かぐや姫の物語」も、ほぼ山田洋次監督と同じ思考といいますか、高畑勲監督からの要望も同じようなものでした。

「今まではどうしても映画音楽としても主張してしまう自分がいたけれど、その力みがなくなった」といつかのインタビューでも語っています。

 

さて、現在進行形の久石譲音楽に、大きな影響を与えた山田洋次監督と「東京家族」。そこからの進化形である映画「小さいおうち」がいよいよ顔を出すかと思うと楽しみです。

 

Related page:

 

東京家族 山田洋次 x 久石譲

 

Info. 2014/01/19 [ラジオ] 「VINTAGE GARAGE」 久石譲 ゲスト出演

放送日時:2014年1月19日(日)18:00-18:54
放送局:J-WAVE 81.3
ラジオ番組「VINTAGE GARAGE」 久石譲ゲスト出演

ロバート・ハリスがナビゲーターをつとめる番組。今月25日に劇場公開される映画『小さいおうち』の旬な話題も聴きどころのひとつ。

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Info. 2014/01/17 映画「風立ちぬ」 米アカデミー賞 ノミネート決定

本年度のゴールデン・グローブ賞も発表され、アカデミー賞に向けた賞レースが加熱するこの時期。1月16日(日本時間)に、その大本命となる第86回アカデミー賞のノミネート作品が発表され、スタジオジブリ・宮崎駿の最後の長編アニメーション監督作『風立ちぬ』が「長編アニメーション部門」にノミネートされた。

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Blog. DAISHI DANCE 「the ジブリ set 2」 ジブリ名曲たちのダンス・ミュージック!

Posted on 2014/1/16

2013年12月に「the ジブリ set 2」 / DAISHI DANCE がCD発売されました。異例のロング大ヒットを記録したジブリカバーの先駆け「the ジブリ set」の続編です。

2008年に発表された前作から5年です。2008年はスタジオジブリ作品 宮崎駿監督 映画「崖の上のポニョ」が公開された年です。そして、あれから5年の昨年2013年は、宮崎駿監督 映画「風立ちぬ」公開、高畑勲監督 映画「かぐや姫の物語」公開と、ジブリ巨匠の2作品が同年公開された「メモリアル・イヤー」でした。

同じ時を経て、「the ジブリ set」も1から2へ、進化して登場したわけです。ジブリ作品の名曲たちにダンス・ミュージックを融合させて、新しいサウンドへ昇華させたDAISHI DANCEは今回も健在でした。今作の注目はなんといってもオリジナル楽曲を歌ったアーティストがこのアルバムとこのアレンジ楽曲のために参加していることです。

3曲目 カントリー・ロード (JPN ver.) feat.本名陽子
映画「耳をすませば」の月島雫役で、同曲のオリジナルを歌っていた本名陽子さん。クレジットにもあるように、日本語で歌っています。

6曲目 Arrietty’s Song feat.Cecile Corbel
映画「借りぐらしのアリエッティ」で同主題歌を歌っていたセシル・コルベルも参加しています。

 

また前作「the ジブリ set」にて、映画「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」を英語ヴァージョンで披露していたのは、久石譲の娘 麻衣でした。そして今作では、同じく「君をのせて」をなんと待望の日本語で披露しています。しかもヴォーカルアレンジもサウンドアレンジも前作英語ver.から進化しています。

 

ジブリ set 2 

the ジブリ set 2 / DAISHI DANCE

1. 君をのせて (JPN ver.) feat.麻衣 (天空の城ラピュタ)
2. やさしさに包まれたなら feat.GILLE (魔女の宅急便)
3. カントリー・ロード (JPN ver.) feat.本名陽子 (耳をすませば)
4. 風のとおり道 feat.吉田兄弟 (となりのトトロ)
5. アシタカとサン (もののけ姫)
6. Arrietty’s Song feat.Cecile Corbel (借りぐらしのアリエッティ)
7. 帰らざる日々 (Mellow mix) (紅の豚)
8. 時には昔の話を feat.COLDFEET (紅の豚)
9. ひこうき雲 feat.arvin homa aya (風立ちぬ)
10. あの夏へ (Mellow mix) (千と千尋の神隠し)
11. さよならの夏~コクリコ坂から~ feat.Lori Fine(COLDFEET) (コクリコ坂から)
12. Take Me Home, Country Roads feat.arvin homa aya, SHINJI TAKEDA (Re-Visited SAX mix)  (耳をすませば)

 

 

ちなみに前作はというと

DAISHI DANCE the ジブリ set サムネイル 

the ジブリ set / DAISHI DANCE

1. 天空の城ラピュタ:君をのせて feat. 麻衣
2. 千と千尋の神隠し: あの夏へ
3. となりのトトロ: 風のとおり道
4. おもひでぽろぽろ:The Rose feat. Lori Fine (COLDFEET)
5. 魔女の宅急便: 海の見える街
6. ハウルの動く城:人生のメリーゴーランド
7. 風の谷のナウシカ:ナウシカ・レクイエム
8. 風の谷のナウシカ: 風の伝説
9. もののけ姫: もののけ姫
10. 千と千尋の神隠し:いつも何度でも feat. Chieko Kinbara
11. 耳をすませば:Take Me Home Country Roads feat. arvin homa aya
12. となりのトトロ: となりのトトロ

 

 

収録曲のラインナップを見比べてみますと、

「君をのせて」 (天空の城ラピュタ)
「風のとおり道」 (となりのトトロ)
「あの夏へ」 (千と千尋の神隠し)
「Take Me Home Country Roads」 (耳をすませば) ※カントリー・ロード 英語ver.

曲目がかぶっているのが4曲ありますが、アレンジは違います。先に言ったように、「君をのせて」は日本語ver.になっていますし、「風のとおり道」はダンスビートの打ち込みと、吉田兄弟の三味線が見事にコラボしています。

今作「the ジブリ set 2」では、前作にもまして原曲の雰囲気に忠実、近いと思います。リズムが入っているからといって、原曲よりもテンポが過剰に速くなってしまっていたりということもなく、おそらくほぼ原曲に近いテンポ感・リズム感のビートになっています。

これもまたDAISHI DANCEがジブリ作品や久石譲音楽を純粋に愛している、尊敬の念を持っているからだと思います。活動ジャンルこそ違えど、若き日から、本当に久石譲ばかりを聴いていたとDAISHI DANCE本人も語っているくらい、久石譲音楽には大きく影響を受けたそうです。

「the ジブリ set 2」では、・メロディアスでドラマティックな定番のスタイル・現在進行形のダンスミュージックのトレンドを意識した“今らしさ”・新たにメロウなビート構成、3つの音楽性を織り交ぜる事でさらなる魅力を生み出すことに力を注いでいます。

 

個人的には、やっぱりラピュタの「君をのせて」は日本語で聴けて感動です。やっぱりあの日本語歌詞がいいのです。そしてその名曲を、オリジナルを超えて久石譲の愛娘、麻衣さんが歌っているというのもなんだか感慨深いものがあります。

ちなみに麻衣さんはDAISHI DANCE名義の他オリジナル・アルバムにも参加しています。そこでも久石譲作品を歌っているのですが。ヒントはトゥーランドットです。

「カントリーロード」も2ヴァージョン収録されていますが、やはり日本語詞とあの日本語の響きやテンポ感がいいですね。改めて今回聴いて、いい歌詞だな、深い歌詞、と聞き入ってしまいました。本家のオリジナル歌手:本名陽子さんも色褪せない歌声でしたし。

宮崎駿監督 最新作「風立ちぬ」の主題歌(ユーミン)もしっかり収録されています。こちらは英語ヴァージョンです。同じくユーミンの「やさしさに包まれたなら」ならも名アレンジだと思います。心が踊るようです。まさに本作のジャケット写真のような青空な気持ちになります。

 

パーティーやドライブなどには持ってこいのダンスサウンドから、ほっと心安らぐメロー・ビートまで、いろんなシーンをドラマティックにしてくれるアルバムです。

普段は久石譲以外(アレンジもの含め)ほとんど紹介しないのですが、DAISHI DANCEの「the ジブリ set」は、本当にジブリファンも久石譲ファンも納得、原曲を大切に心を込めてアレンジした、良品サウンドになっています。

 

Related page:

the ジブリ set 2

 

Info. 2014/01/15 [TV] 「笑ってコラえて!ジブリ支局リターンズ 世界中がワンダフォーSP」 放送

1月15日(水)19:56-21:54 日本テレビ系列
「日本の未来は大丈夫だ 笑ってコラえて一発目 世界中がワンダフォー 日本文化の素晴らしさ 再発見スペシャル!!」

かぐや姫の物語 久石譲が故地井武男が苦闘8年の記録…姫を見て逝った男と高畑勲。「ジブリ支局」では、映画「かぐや姫の物語」を監督したアニメ作家・高畑勲氏を特集。高畑氏のアメリカ取材に密着し、高畑氏が映画制作に対して大きな情熱を傾ける理由を解き明かす。

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Info. 2014/01/11 久石譲 台湾・台北 クラシックコンサート開催

台湾でも人気の高いスタジオジブリの映画音楽などで知られる作曲家の久石譲氏が訪台し、11日に国家音楽ホール(台北市)で行われるコンサートでタクトを振る。

コンサートでは台湾の国家交響楽団により、ベートーベンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」(ピアノ演奏、ソン・ヨルム)、交響曲第5番「運命」のほか、「運命」をモチーフに久石氏自らが作曲した「5th Dimension」が演奏される。この作品は2011年に東京で初披露されて以来大きな反響を呼んでおり、久石氏の指揮で台湾で同曲が披露されるのは今回が初めて。

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Blog. 久石譲 2013年 お仕事 まとめ

Posted on 2014/1/11

2013年は近年稀にみる「ジブリ・メモリアル・イヤー」でした。宮崎駿監督「風立ちぬ」公開、高畑勲監督「かぐや姫の物語」公開、そして宮崎駿監督の引退会見と。このジブリ一色に翻弄されそうな2013年ですが、久石譲ももちろん上の巨匠2作品に音楽をつけたわけです。そしてまたそれ以外にも精力的な音楽活動をしています。そんな久石譲の2013年のお仕事をまとめてみようと思います。

 

2013年1月

映画「東京家族」 監督:山田洋次 音楽:久石譲

山田洋次監督50周年記念作品にして久石譲との初タッグとなりました。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 『東京家族 オリジナル・サウンドトラック』

同月には、国立音楽大学にてスペシャルトークセッションも開催されました。
こちら ⇒ Info. 2013/01/25 山田洋次監督×久石譲 スペシャルトークセッション

 

2013年3月

コンサート「クラブツーリズムスペシャルコンサート 久石譲オーケストラの世界」

クラシックや自身の楽曲を多数演奏しています。
こちら ⇒ Info. 2013/03/05 クラブツーリズムスペシャルコンサート 久石譲オーケストラの世界

 

2013年4月

TVドラマ「女信長」 監督:武内英樹 音楽:久石譲

かなり珍しくレアな、TVドラマへの音楽です。二夜連続放送のスペシャルドラマとして企画も音楽も力の入った作品でした。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 『女信長 オリジナル・サウンドトラック』

コンサート「秋山和慶&佐山雅弘企画 オーケストラで楽しむ映画音楽 パート4」

秋山和慶指揮による、久石譲と佐山雅弘のピアノ競演。2台のピアノのために編曲された、久石譲コンサートでは定番の楽曲たち。どんなアレンジだったのか聴いてみたかったですね。伊右衛門 新旧テーマ音楽のアンコール付きと贅沢な内容です。

 

2013年6月

映画「奇跡のリンゴ」 監督:中村義洋 音楽:久石譲

実話と実在する主人公をテーマにしたベストセラー本の映画化です。シリアスになりすぎない、軽快な音楽タッチが大自然や愛情・夢を連想させてくれます。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 『奇跡のリンゴ オリジナル・サウンドトラック』

映画「ラーメンより大切なもの」 監督:印南貴史 テーマ曲:久石譲

こちらはドキュメンタリー映画で、エンディングテーマ曲のみです。サウンドトラックは発売されていませんが、DVDなどでテーマ曲はじっくり堪能できます。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 映画「ラーメンより大切なもの」 EDテーマ曲『ふるさとのメロディー』 *Unreleased

 

2013年7月

映画「風立ちぬ」 監督:宮崎駿 音楽:久石譲

スタジオジブリ作品 宮崎駿監督最新作にして最後の作品になるかもしれない映画「風立ちぬ」です。まさに夏からはジブリ一色だったわけですが、このサイトでもたくさんのことをアップしてきました。一言では語れませんので、気になるページをご覧いただければと思います。そのピックアップすらすべてではなく主要なもののみ選んでいます。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』
こちら ⇒ Blog. スタジオジブリ 宮崎駿監督 x 久石譲 ディスコグラフィー紹介 まとめ

TV「NHKスペシャル 深海の巨大生物」 音楽:久石譲

久しぶりのNHK番組です。「驚異の小宇宙 人体」シリーズを思い出してしまいます。映画音楽なみのクオリティの高い音楽とその世界観でびっくりしたのを覚えています。イカ、サメ、とそれぞれBlu-ray&DVD化もされています。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 『NHKスペシャル 深海の巨大生物 オリジナル・サウンドトラック』

 

2013年8月

公開録画「読響シンフォニックライブ」

この月の公開録画を経て、11月にはTV放送がありました。そしてなんと言ってもこのプログラムの目玉は映画「風立ちぬ」の初披露でした。
こちら ⇒ Blog. 久石譲 TV「読響シンフォニックライブ」 風立ちぬ初披露 レビュー

 

2013年10月

ラジオ番組「UNBEATEN TRUCKS IN JAPAN ~イザベラ・バードの日本紀行」オリジナル楽曲

ラジオ番組「J-WAVE 25th Anniversary Special」企画・構成・演出・ナビゲーター:三谷幸喜 朗読:松たか子 音楽:久石譲 による全11回に及ぶ物語でした。ラジオでしか、そして今企画単発でしか聴けないのか?!と思うくらい、素晴らしい音楽でした。

 

特別展「京都 – 洛中洛外図と障壁画の美」 テーマソング:EXILE ATSUSHI & 久石譲 「懺悔」

特別展開催と世紀の異色コラボという話題性もあって、TV特番などでも特集されていました。入魂の1曲、日本の歴史や和の美しさを感じる、この秋リピードして聴き惚れた楽曲です。
こちら ⇒ Disc. EXILE ATSUSHI & 久石譲 『懺悔』

 

2013年11月

映画「かぐや姫の物語」 監督:高畑勲 音楽:久石譲

スタジオジブリ もうひとりの巨匠にして、約30年の付き合いで初タッグとなった、高畑勲監督 最新作 映画「かぐや姫の物語」です。この作品についてもたくさん書きました。とても内容濃く充実した制作過程が垣間見れます。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 『かぐや姫の物語 サウンドトラック』
こちら ⇒ Blog. 「かぐや姫の物語」 わらべ唄 / 天女の歌 / いのちの記憶 歌詞紹介
こちら ⇒ Blog. 久石譲 「かぐや姫の物語」 インタビュー ロマンアルバムより
こちら ⇒ Blog. 久石譲 「かぐや姫の物語」 インタビュー キネマ旬報より
こちら ⇒ Blog. 久石譲 「かぐや姫の物語」 インタビュー ビジュアルガイドより
こちら ⇒ Blog. 久石譲 「かぐや姫の物語」 インタビュー 熱風より

コンサート「久石譲スペシャルオーケストラコンサート with 群馬交響楽団」

公演後、公式に演奏プラグラム詳細はアップされていませんが、大枠ではこういったプログラムだったようです。

 

TVドラマ「長谷川町子物語 ~サザエさんが生まれた日~」 監督:加藤義人 テーマ音楽:久石譲

事前に何の情報もなく、これは不意打ちでびっくりしました。スペシャルドラマとはいえ、ただでさえ珍しいTVドラマの音楽を2013年は2本も手がけたことになります。

 

2013年12月

コンサート「久石譲 第九スペシャル」 東京・大阪

2013年の締めくくりは、久石譲が初めてベートーヴェンの「第九」を指揮するコンサート。「第九」に捧げる序曲として書かれた自身の「Orbis」にはじまり、2013年を象徴する「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」の楽曲もこのコンサート用に組曲、そしてフルオーケストラ編成用にアレンジされた貴重なコンサートです。

 

さて、簡潔にまとめただけでも、2013年はこのような1年でした。

日本映画音楽の巨匠としての認知も一般的になってきましたが、実際に日本映画界の名監督・巨匠である、山田洋次・宮崎駿・高畑勲など、これが1年間のなかに詰まっているわけですから、本当にすごいです。

そこにTV音楽や企画イベント、コンサート活動もあるわけで、同じ365日、24時間、時間は平等なのか?!と思ってしまうほど、さすが密度の濃い時間、創作活動をされているなあとただただ脱帽するばかりです。そして、2013年に発表したどの作品も、それぞれの世界観とカラーがあり、安住という言葉とは無縁な、無限の創造性と挑戦しつづける姿勢を感じます。

 

世に送り出した、発表したのが2013年という1年間のなかにこれだけあって、それを制作過程などを考慮すると、おそらく2年近く費やしているのだと思います。それぞれの作品ごとに。

今年2014年は、どんな久石譲のお仕事が見れるのか、聴けるのか楽しみです。コンサートも全国各地ツアー的なものを久々に開催してほしいですね。ここ数年は1会場のみ、1公演のみ、といった貴重さが増してしまっていますので。

新年早々には「箱根駅伝」のテーマ曲「Runner of the Spirit」で幕を明けたわけですが、この新テーマ曲は2009年の第85回箱根駅伝からですので、今年で5年目です。

 

2014年、最初のお仕事は、今月1月25日より公開の、山田洋次監督との「東京家族」につづく2作目のタッグ、映画「小さいおうち」です。

そして音楽マガジンへのコラム連載もはじまりました。

そのあたりは、こちらで随時紹介、更新しています。
こちら ⇒ 今後の作品予定 ダイジェスト版

 

2014年の新しい音楽を楽しみにしながら、まだまだ新しい2013年の音楽たちもゆっくりじっくり堪能していこうと思います。

 

久石譲 2013 まとめ