1991年4月21日 CDS発売 PIDL-1019
映画「ふたり」
監督:大林宣彦 音楽:久石譲
主題歌「草の想い」は大林宣彦&FRIENDSであるが、本作品は主題歌の1ヶ月後にリリースされたカバー盤。サウンドトラックにも収録されていない。伸びやかな歌唱と、8ビートのリズム&ベースが印象的な仕上がりとなっている。※編曲者が異なる
カップリングに収録された「わたし、いないの」は、映画「ふたり」イメージソングとクレジットされている。アコースティックギターの伴奏とゆったりと流れる歌声。後半にかけて少しバンドサウンドが重なるくらいで、ほぼギターとボーカルというシンプルな楽曲になっている。
ただ、この楽曲がサントラに収録された、いずれかのインストゥルメンタル楽曲がモチーフになっているのかは未確認である。
中嶋朋子による同曲発売の経緯は下記文献をご参照。
この一度聴いたら忘れられない魅力的なメロディーの生みの親は、『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』などの映画音楽で多くのファンの心を掴んだ久石譲。大林監督の前作『北京的西瓜』(89)を映画館で見、その手づくり映画のあり方に感動し「今度、ぜひ大林さんの手づくり映画に手弁当で参加したい」とラブコールを送り、それに監督がさっそく応え、久石氏はそのまま尾道に直行、二百人に及ぶ尾道の女学生の出演者たちのオーディションの審査席に座ってしまった。そして海や山のロケハンに参加、その感動がそのままメロディーとなったもの。こうしてクラインク・イン前にすでに主題曲がつくられていたので、映画本編中いわば唄うダイアローグとして効果的に使用されることになった。全編に渡る映画音楽は、これほど映像と音楽とが幸福に出会えたことはないと思われるほどの出来栄えであるが、これも尾道の空気を共に吸い、味わったことの成果ともいえるだろう。さらに言えば監督版CDでFRIENDとして監督とふたり、陰の声で唄っているのは久石氏である。
中嶋朋子版のCD製作は、この地道に女優の道を歩む一少女への、石田ひかりとは逆の形でのご褒美である。監督はさらに映画では唄われなかった”わたし、いないの”を新たに千津子のイメージ・ソングとして作詞、久石譲のメロディーを添えて中嶋へ『ふたり』の想い出として贈った。
(Blog. 映画『ふたり』(1991) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより 抜粋)
1. 草の想い -千津子のテーマ- 作詞:大林宣彦 作曲:久石譲 編曲:椎名和夫
2. わたし、いないの 作詞:大林宣彦 作曲:久石譲 編曲:椎名和夫
3. 草の想い (オリジナル・カラオケ)