レベルファイブは、PS4/PC用ソフト『二ノ国II レヴァナントキングダム』の公式サイトで、コアスタッフによる特別インタビュー映像を公開しました。
今回公開されたのは第1弾「アニメーション編」。今後第2弾「キャラクター編」、第3弾「音楽編」、第4弾「ゲームシステム編」、第5弾「アート編」の公開が予定されています。 “Info. 2017/12/18 [ゲーム] 「二ノ国II レヴァナントキングダム」特別インタビュー映像 第1弾「アニメーション編」公開” の続きを読む
レベルファイブは、PS4/PC用ソフト『二ノ国II レヴァナントキングダム』の公式サイトで、コアスタッフによる特別インタビュー映像を公開しました。
今回公開されたのは第1弾「アニメーション編」。今後第2弾「キャラクター編」、第3弾「音楽編」、第4弾「ゲームシステム編」、第5弾「アート編」の公開が予定されています。 “Info. 2017/12/18 [ゲーム] 「二ノ国II レヴァナントキングダム」特別インタビュー映像 第1弾「アニメーション編」公開” の続きを読む
Posted on 2017/12/17
雑誌「FMファン 1991年 3.18-3.31 VOL.7」に掲載された久石譲インタビューです。
Joe Hisaishi
久石譲
柔軟な思考と確かな哲学を持つメロディ・メイカー
彼のニュー・アルバム『I am』を聴いていると、彼が数多くの映画音楽(TVも)を手がけているにもかかわらず、映画音楽を作っていないのがよく分かる。映像に従属した音楽を作っていない、という意味である。これから想像して、気位の高い気難しい人かもしれないと思っていたのだが……。
「生ピアノと弦楽オーケストラで作り上げたわけですけれど、必ずしもアコースティックがいいという意味ではないんです。ピアノの微妙なニュアンスは、打ち込みではどうしても出てこない。打ち込みでやって、微妙なニュアンスを修正していくと、ワン・フレーズに半日かかってしまう。だったら、初めから生ピアノでやったほうがいいでしょ(笑)。いまは、深いニュアンスを要求する時代だと思うんです」
柔和な笑顔で、アルバムについて語りだした彼は、想像に反して気難しい人ではなかった。むしろ、柔軟な思考と確かな哲学を持っている人のようだった。僕たちは、日本の音楽状況について話し始める。
「日本で一番足りないのは、エンターテインメントだと思うんです。これが充実して、初めていろんなことがやれるんじゃないですか」
簡単に言えそうで、なかなか言えない言葉。
「僕の好きな音楽は、幹みたいな音楽。それ自体はきれいじゃないけれど、幹がなければ枝もきれいな葉も出てこない。音楽を変えていくようなパワーのあるものがやりたいですね。たとえばこのアルバムを作ったのも、日本では、音楽でリリカルな精神世界に入っていけるものがないからなんです。どうしてもムード・ミュージックになりがちなんです。人のやっていないことをやりたい、という気持ちは、どこかにありますね」
「人は、一生に1冊の小説を書ける」という言葉と同じ意味で、ひとつの歌を書ける。最近、どうもそんな歌が多いような気がする。その後が問題。そんな人とそんな音楽状況に彼のこんな言葉はどうだろうか。
「1ヵ月に1個、新しい技術を覚えると、1年で12、3年で36。もしかしたら、1週間で1個も可能かもしれない。上昇思考、そういう発想が、自分の糧になっている。やっぱり、音楽を尊敬していますからね。そのための苦労はいとわない」
彼は、体はやわらかくエンターテインメント(ポップス)、心は、クラシカル(正統的、古典的)という人だと思った。こういう人が、もっともっと必要な時代ではないか。
インタビュー・分 こすぎじゅんいち
(FMファン 1991年 3.18-3.31 VOL.7 より)

新春の「金曜ロードSHOW!」は「魔女の宅急便」と「ゲド戦記」が放送されます。ジブリ作品を2週に亘ってお届けする「冬のジブリ」。合言葉は「みんなで観よう!」ジブリ作品と初めて出会う小さなお子様から、何度も繰り返し観てきたジブリファンの方まで、皆さまそろってお楽しみ頂ければと思います。
(スタジオジブリ公式サイト より) “Info. 2018/01/05,12 [TV] 金曜ロードSHOW! 2週連続 冬もジブリ「魔女の宅急便」「ゲド戦記」放送決定” の続きを読む
レベルファイブは、PS4/PC用ソフト『二ノ国II レヴァナントキングダム』の日本語版キャストを発表しました。また、発売日を2018年1月19日から2018年3月23日に変更しています。
前作『二ノ国』は、スタジオジブリによる制作協力のもと、レベルファイブが開発をし、音楽は久石譲さんが手がけたRPG作品です。『二ノ国II レヴァナントキングダム』でも、百瀬義行さん(元スタジオジブリ)と久石譲さんが参加しています。
発売日の変更理由は、さらなるクオリティアップと、すべてのユーザーに安心して遊んでもらうためとのことです。
(Webニュース各種より) “Info. 2018/03/23 [ゲーム] 「二ノ国II レヴァナントキングダム」発売日変更 & 5thトレーラー公開” の続きを読む
Posted on 2017/12/15
雑誌「TITLE タイトル 2005年8月号 特集 スター・ウォーズは終わらない。」に掲載された、スター・ウォーズ音楽への久石譲コメントです。
ジョン・ウィリアムズの音楽で映画の格が上がった。
第1作(『EP4』)の当時、僕はシンセサイザーとオーケストラの音を混ぜたスタイルをとっていました。その時代にフルオーケストラを、しかもあれだけ派手に鳴らしたのは相当オールドスタイルに感じましたね。でも、今は僕もオーケストラの指揮もするようになって、クリックに縛られない、映像のエモーショナルによってテンポも変わる、揺れの音楽の良さを再認識しているんです。
ジョン・ウィリアムズの音楽がないと、もしかしたらお子様向け映画に見えてしまったかもしれない。映像の格、画格を上げる音楽だと思います。去年『スター・ウォーズ』や『E.T.』の曲を指揮させてもらったんです。それで改めて思ったのは彼のスコアがすごく良く書けているということ。とくに『スター・ウォーズ』は、あれだけすごい音がするので、相当大きい編成だと思っていた。でも本当はスタンダードな三管の編成。これでこういう音鳴らすの? と驚きました。各パートが几帳面に書いてあって、学ぶことが多いんです。
よく「日本のジョン・ウィリアムズ!」なんて製作発表の時に紹介されたりするんですけど(笑)、違うんですよ。僕はやっぱり東洋人なのでファとシを抜いた5音階をベースに作るんですけど、彼の場合は逆にその2音に特徴がある。違うからこそ逆に彼の良さがよくわかる気がします。
(TITLE タイトル 2005年8月号 より)
あわせて、「スター・ウォーズ」はじめ作曲家ジョン・ウィリアムズに関する過去の興味深いインタビュー内容もご紹介します。いろんな角度から見るとおもしろく、その真意が深く紐解けるかもしれません。作曲家同士だからこそわかる作家性やリスペクトが見え隠れするようです。読めば読むほどに深い内容です。
「何なに風に書いてください、と頼まれると、すぐお断りしますね。たとえば、ジョン・ウィリアムズ風に勇壮なオーケストラ……じゃジョン・ウィリアムズに頼めば……となっちゃうわけですよ。僕がやることじゃない。余談になりますけど、ジョン・ウィリアムズの曲はどれを聞いても同じだ、という風に良く言われますけど、それはまったくナンセンスな話なんですね。つまり、彼ほど音楽的な教養も、程度も高い人になると、あれ風、これ風に書こうと思えば簡単なんですよ。だけど、あれほどあからさまに『スター・ウォーズ』と『スーパーマン』のテーマが似ちゃうのは、あれが彼の突き詰めたスタイルだから変えられないわけですよ。次元さえ下げればどんなものでも書けるんです。だけど、自分が世界で認知されている音というものは、一つしかないんです。大作であればあるほど、自分を出しきれば出しきるほど、似てくるもんなんです」
(Blog. 「キネマ旬報 1987年12月上旬号 No.963」 久石譲 インタビュー内容 より抜粋)
「作品によってあえて違うものを書こうという考えはないんです。前の作品に似ていようと、その映画に合っていると思った自分の正しいメロディを正しい形で書くということに徹したんですよ。ジョン・ウィリアムズも、けっこう何を書いても同じでしょ。すごい技量があって何でもやれるハズの彼が、何故ワンパターンと言われながらもやっているのか。自分に忠実に一所懸命書いたら、同じタイプになっていいと思うんですよ。オリジナリティっていうのは、そういうものでいいんですね」
(Blog. 「CDジャーナル 1991年4月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
「ハリウッドでも、「何でこんな付け方をしたんだ?」というのもありますね。たとえば、スピルバーグなんかが、これは大林さんが言っていたんですけど、音を消してスピルバーグがつないだ絵を見ると、余りよくないんですよ。シーンのつなぎがぎくしゃくしている。でもスピルバーグはやろうと思えば完璧にできるんですよ、すごいテクニックがあるから。なぜそういうことをしているかというと、そのところにジョン・ウィリアムズのオーケストラの音楽がガーンと流れるんですよ。それでつないじゃうんです。逆にきれいにつながった絵にあの太い音楽をつけると流れちゃうんですよ。音楽がガーンと行くから、シーンは少しごつごつのつなぎをした方が、見る側に衝撃が来る。そこまで計算して、わざと荒くつなぐ。音楽を信じている。だからスピルバーグは絶対ジョン・ウィリアムズとしかやらない。あれは正しいやり方です。だから僕らが音楽を頼まれて、監督さんが期待したものを出したら、もうだめですね。えっ、こういうふうにもなるんだな、となるように。監督は音楽のプロじゃないから、その人が想像した範囲内のものを出したら、それは予定調和でしかないから、何もそこからはドラマが生まれないんですよ。」
(Blog. 「ダカーポ 422号 1999.6.2 号」鈴木光司 × 久石譲 対談内容 より抜粋)
「音楽をやっていても、毎回リセットしてゼロから作ってるつもりなんですけど、やはり覚え慣れた方法論というのがいくつかある。それだと大量に作れるのがわかるんですけど、ゼロにしてまだ開けたことのないドアを開けようとする、そこまでが大変ですよね。一番近いドアを開け続けるとやっぱり枯渇していくし、悪いほうへ向かっちゃいますね。昔ジョン・ウィリアムズがやった『スターウォーズ』と『スーパーマン』と『E.T.』は全部同じメロディーじゃないかと言われてたのね。ほとんどの人はそう言った。でも僕はその時擁護したんです。なぜかと言うと、ジョン・ウィリアムズは自分の音楽を突き詰めて、突き詰めて、その結果自分の音楽はこうだと言い切ったんです。自分をきちんと突き詰めていない人間だと、ジャズ風、クラシック風、ロック風と簡単に書き分けることができる。それはオリジナリティがないということです。でも最後まで自分を突き詰めた人は、似ていてもいいんです。そうしないと、彼も音楽家としてのアイデンティティがなくなってしまう。彼は自分の曲がどれも似ているというのを誰よりもよく知っているはずだし、でもそうせざるを得なかったというところに作家性を感じる。毎回違うことをやろうとした結果、同じような音が生まれたとしても、それは次に発展することだからオーケーなんだと思う。」
(Blog. 「秋元康大全 97%」(SWITCH/2000)秋元康×久石譲 対談内容 より抜粋)
「やっぱりオーケストラを扱って映画音楽をやってるから比べられるのはしょうがないと思うし、昨年、ワールド・ドリームでスター・ウォーズのテーマを自分で振ってみてよくわかったんだけど、あれだけのクオリティと内容のオーケストレーションをやれる人はいないですよ。すごく尊敬してるし、僕なんかまだまだだな、と思います。でもね、実際の音楽でいうと、僕と彼の作るものはまるで違うんですよ。僕は東洋人なので、5音階に近いところでモダンにアレンジしてやったりするものが多いんです。でもJ・ウィリアムズはファとシに非常に特徴がある。正反対のことをやってるんです。それはすごくおもしろいなあと思いますね。音楽の内容も方法論も違うけど、僕もあれくらいのクオリティを保って作品を発表し続けたいですね」
(Blog. 「月刊ピアノ 2005年9月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

世界の音楽情報誌『LATINA(ラティーナ)』2018年1月号に
バンドネオン奏者・三浦一馬さんとの対談が掲載されます。
10月に共演した「MUSIC FUTURE Vol.4」での貴重なエピソードなども満載です。
どうぞお楽しみに。
月刊『ラティーナ LATINA』(2018年1月号)
2017年12月20日発売 “Info. 2017/12/20 [雑誌] 「LATINA ラティーナ 2018年1月号」久石譲×三浦一馬 対談掲載” の続きを読む
NHK シリーズ ディープオーシャン「南極大潜航 幻の巨大イカと氷の楽園」
NHK BSプレミアム
2017年12月11日(月) 20:00~20:59
再放送
2017年12月18日(月) 8:00~8:59
2018年2月23日(金)15:00~15:59
2019年3月12日(火)16:00~16:59
“Info. 2017/12/11 [TV] NHK シリーズディープオーシャン「南極大潜航 幻の巨大イカと氷の楽園」放送” の続きを読む
Posted on 2016/08/17
8月2日から8月16日まで、日本国内・韓国で開催された「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017」の放送が早くも決定しました。
8月16日東京国際フォーラムホールA【Aプログラム】が収録放送予定です。 “Info. 2017/10/21 [TV] 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017」スカパー!放送決定!!【12/07 Update!!】” の続きを読む
「SONGS OF TOKYO」でPerfume、Linked Horizon、X JAPAN、久石譲ら熱演
11月26日に東京・NHKホールにてNHKワールドTVおよびNHK総合で2018年1月に放送される音楽番組「NHK WORLD presents SONGS OF TOKYO」の公開収録が、11月25、26日に東京・NHKホールで行われた。本記事では2日目の模様をレポートする。 “Info. 2017/12/02 「NHK WORLD presents SONGS OF TOKYO」ライブレポート(ナタリーより)” の続きを読む
Posted on 2017/12/01
雑誌「DVD&ブルーレイでーた 2017年11月号」より「我が愛しのブレードランナー」リレー・コラムの最終回に登場した久石譲です。
映画「ブレードランナー」に惚れ込んだ理由から、「ブレードランナーの彷徨」(アルバム『illusion』(1988)収録)なんて初期作品まで飛び出し!? 懐かしさと同時に、あぁ覚えてるんだとファンならではのうれしさもあったり。ついついアルバムを聴きかえしたくなります。聴きかえしてしまいます。
「自分のやりたいことがそのままできる機会なんてまずないですからね。それでも『これだけは譲れない』とぶつかったり、譲ったフリをして別の方法で取り返したり。みんなそうやって生き抜くために努力しているのが現実ですよ。」(一部抜粋)
折にふれて語ることのある話題ですが、映画・音楽という異なるジャンルをこえてあぶり出される作家性のようなもの。共鳴し重なりあうことでわかりやすく理解できるのかもしれませんね。
”ブレラン愛”を語り尽くすリレー・コラム
我が愛しのブレードランナー
最終回 久石譲
3号連続でお送りしてきた本連載、満を持して登場してくれたのは、世界的音楽家である久石譲。数々の名曲を生み出してきた彼が『ブレードランナー』に惚れ込んだその理由とは?
「ヴァンゲリスの温かい音楽はSF映画では異質だった」
-初めて『ブレードランナー』(以下BR)を観た時の印象を教えてください。
久石:
「SF映画は好きなので、劇場公開された’82年に映画館で観たと思います。ただ正直に言うと、その時はあまり印象には残らなかったんですよね。『なんか暗い映画だな』くらいで(笑)。でもその後に原作小説(『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)を読んで、それがかなり飛んでる話で『映画もこんな話だったっけ?』と、ビデオでもう一度見観直してみたんです。するとどういうわけか、そこからジワジワと好きになっていったんですよね」
-徐々に良さが分かったということですよね。一体どんなところに惹かれたのでしょうか?
久石:
「ひとつはヴァンゲリスの音楽です。ほとんどシンセサイザーなんだけど、いわゆるシンセ臭くなくて、それが素晴らしいなと。当時僕はフェアライトという何千万もするシンセサイザーを購入して試していた時期なので、『こういうアプローチをするのか』と、作曲家として非常に刺激を受けた部分がありました」
-”シンセ臭くない”というのは、どの辺りから感じたんですか?
久石:
「シンセサイザーは既に映画音楽に浸透していて、当時はちょっとした流行でもあったんです。だからヴァンゲリスがシンセの先駆者というわけではないんだけど、彼はクラシックの素養もあり、それまでのシンセを使った映画音楽とは一線を画していたんですね。ちょっとジャジーなコード使いだったり、スローテンポ感だったりで、音楽全体に温かい雰囲気が漂っていて、それは当時のSF映画の音楽としてはかなり異質なアプローチだったんです。それが『BR』のシリアスな近未来の世界観によく合っていた。ヴァンゲリスの音楽でなかったら、『BR』の雰囲気はもっと重苦しいものになっていただろうし、そういう意味では影から全体を支えていたと思いますね」
-久石さんは1988年に『ブレードランナーの彷徨』(アルバム『illusion』収録)という楽曲を発表されていますよね。しかも、ご自身で歌われて…。
久石:
「それは言わないで。誰も歌い手がいなかったもんだからさ(笑)。でも確かにこの曲のタイトルは『BR』を基にしましたね。当時はバブル期の絶頂で、みんなが孤独な仮面舞踏会状態だったから、まるでレプリカントのようだと揶揄したんです。実は同じアルバムに収録している『オリエントへの曳航』や、その後につくった『MY LOST CITY』も終末的な世界観が『BR』と同じです」
-そうだったんですね。一方で、『BR』の映像についてはどう感じられましたか?
久石:
「素晴らしいです。リドリー・スコットのこだわりが尋常じゃないですよね。近未来という設定を見事に使い切り、ここまでの映像で表現している作品はほかにないですよね。世界観も美術もほぼ到達している感じ。雨を降らし、スモークを焚き、ライティングやカメラ・アングルは徹底的にやって。そりゃあ膨大な時間と手間が掛かりますよ。これは有名な話だけど、リドリー・スコットのあまりのこだわりぶりにスタッフも役者も暴動寸前で、監督を罵る言葉をプリントしたTシャツを着て仕事をするほど、現場の雰囲気は最悪だったらしいよね(笑)。さらに予算が足らずにシーンをかなり削ったり、上層部の意向で監督としては不本意なラストシーンが追加されたりトラブルの絶えない作品だったみたいだけど、結果として、こだわりがいのある映像に仕上がっていましたね」
-そんな苦しい状況下で不朽の名作が生まれたというのは本当に驚きですね。
久石:
「それは結果としてそうなった。カットが減り、シーンの繋ぎが分かりにくくなったことで観客の想像力を刺激することになったとも言えるし。『BR』の成功はどこにあるのかなと考えると、あの映像とヴァンゲリスの音楽、台本も非常にしっかりしていた。色々なシチュエーションが重なって、いつの間にか”不朽の名作”になっていたんじゃないかと。まあ監督としては自分が思う通りのものにならず、悔しい思いをしたでしょうけどね」
-久石さんもリドリー・スコットと同じような苦労を味わったことがありますか?
久石:
「それは僕に限らず、モノづくりしている人みんながそうだと思いますよ。自分のやりたいことがそのままできる機会なんてまずないですからね。それでも『これだけは譲れない』とぶつかったり、譲ったフリをして別の方法で取り返したり。みんなそうやって生き抜くために努力しているのが現実ですよ。リドリーも『BR』で妥協したり踏ん張ったことで、その後素晴らしい作品を生み出すことになったわけですから。それで思い出しましたけど、初めて『BR』の予告篇を観た時は思わず笑っちゃいましたね。アクション&ラブ・ロマンスの大作として大々的にアピールされていて。実際にはアクションもラブ・ロマンスもそんなにないのにね…(笑)。本当、大変だったんだろうなと思います」
-久石さんが最も印象に残っているシーンと言えば、どこでしょうか?
久石:
「やっぱりラストの屋上でのやり取りですね。レプリカントの寿命が尽きて鳩が飛んでいくあのシーンは、もうほとんど哲学的と言っていいくらいだし、映画史に残る名シーンだと思います。エンターテインメントのフリをしながら、最後に”人間とは何なのか”という命題をボーンと突きつけてくる。小難しい問答があるわけではなく、シンプルな形でこれだけ深いテーマを表現できるのはスゴイですよね。それって音楽の在り方としてもまさに理想で、『自分もそういう音楽をつくりたいな』と思った記憶があります」
-では最後に、本作の続編となる『ブレードランナー 2049』への期待についてお聞かせいただけますか?
久石:
「正直、不安と期待が入り混じっていますね。何しろ、続編で『1』を超えるものって、なかなかないんですよね。リドリーの『エイリアン』(’79)でさえ、やっぱり『1』が最高ですし。ただし今回だけは期待してもいいかなとは思っています。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はオリジナルの大ファンみたいですし、リドリー・スコットも彼に全面的に任せているんでしょ? それはすごく正しい選択ですよ。上からコントロールしようとしたら、逆に上手くいかないと思う。『ラ・ラ・ランド』(’16)のライアン・ゴズリングも役になりきれる強さがあるし。それに何より、ハリソン・フォードが出るということは、デッカードという存在についての何がしかの答えを出さざるを得ないということでしょ。ハードルはかなり高いと思うけど、それでも新鮮な驚きを与えてもらいたいし、きっと与えてもらえるんじゃないかなと期待しながら公開を待っています」
(「DVD&ブルーレイでーた 2017年11月号」より)
