Info. 2014/07/22 [CDマガジン] 「クラシック プレミアム 15 ~ベートーヴェン3~」 久石譲コラム連載 発売

2014年7月22日 CDマガジン 「クラシック プレミアム 15 ~ベートーヴェン3~」(小学館)
隔週火曜日発売 本体1,200円+税

「久石譲の音楽的日乗」連載付き。クラシックの名曲とともにお届けするCDマガジン。久石による連載エッセイのほか、音楽評論家や研究者による解説など、クラシック音楽の奥深く魅力的な世界を紹介。

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Blog. 別冊 COMIC BOX vol.2「もののけ姫」を読み解く 久石譲 インタビュー内容

Posted on 2014/07/20

スタジオジブリ作品 宮崎駿監督 映画「もののけ姫」1997年公開年に発売された本 別冊 COMIC BOX vol.2 「もののけ姫」を読み解く です。今は既に絶版となっているようです。

 

 

久石譲インタビュー内容

宮崎さんという高いハードルをこなすことによって「これで5年はやれる」という気持ちになるんですよ。

-今回は長かったですね

「2年間ですからね。他の映画ではこんなに時間をかけることはないですよ。一昨年に話をいただいて、暮れに宮崎さんに会ったんですよ。その時はまだ完全にはストーリーもできていない状態で、内容よりも、いま何故これをつくらなければならないか、というような宮崎さんの覚悟の話が多かったですね。」

-それでイメージアルバムをつくられたのですか

「年が明けて、いくつかのキーワードをいただきました。これは「ナウシカ」以来いつも通りなんですけど、キーワードがタタリ神とか犬神モロとかシシ神の森とかですから、「はっ?」という感じでしたよ(笑)。こういう場合イメージの拠りどころは劇的な部分になるので、今回特に難しかったですね。おどろおどろしいモノしか想像できないでしょ。タタリ神の喜びなんていったってわかんないもの(笑)。「ひとつのメロディで、猛々しくもあり、優しくもあり、唸るような象徴的なメロディを」という注文はありました。それで、宮崎さんの方から早いうちに音を聞きたいというリクエストがあったので、普通はサントラの半年ぐらい前に作るんですけど、すぐ作りました。」

-そんな状態で作ったアルバムとは思えませんけど

「映画をみたら、結果的にはイメージアルバムで作った大事なところは生き残っていましたね。」

-今回のサントラはフルオーケストラですね

「直感的にフルオーケストラでやるべきだと思いましたね。それから、これは僕自身の最近の課題でもあるんですが、構造的に五音階的な要素を積極的にメロディにとりいれようとしていまして、その良さをいかに表現するかも大分考えました。

もう一つ、これは日本が舞台ですから、日本的な情緒や世界観もかなり意識しました。最初はこれがイマジネーションの限定を招きまして、尺八だとか琵琶とか、和楽器は異常に音の色が濃いのでどう使うか悩みましたね。最終的には篳篥(ひちりき)、竜笛(りゅうてき)、和太鼓などをあくまでもイメージを限定しない範囲で随所に入れました。

音の構造自体は五音階だからといって日本的なモノに限定するわけではなかったんですが、途中、西洋的なコード進行の曲を試しに一曲作ったんですよ。そしたら明らかに浮きましたね。宮崎さんもそれが分かって、「今回の久石さんが注意してつくられている音とちょっと違いませんか」とおっしゃってました。」

-サントラに関しては宮崎さんもかんり意見をおっしゃったんですか

「いつもに比べて、現場に来る回数は多かったですね。かなり具体的なディスカッションもしましたし、曲ができる度に話もしました。だいたい宮崎さんが疑問に思ったところは自分も同じように思いましたし、自分が迷うところは宮崎さんも「どうなんでしょう?」といった感じで、理想的なコラボレーションができました。プロデューサーの鈴木敏夫さんも含めて3人で本当に深いレベルのコミュニケーションがとれました。」

-制作期間が長いのは影響がありましたか

「いままでの宮崎さんの作品でも特に苦しかったですね。最初からそうなる事は予想してましたけど。のたうちまわりました。本当はある一定の時期に集中して、自分の頭にあるレベルを超えた確信を得て完結するんですが、こう時間がかかると、それが終わらないから非常に苦しいんです。でも、今回は悔いがなくなるまで最後まで仕上げたと思っています。ひきずるモノがまったくありませんね。

作曲家だから音楽だけを作っていればいいという発想は僕にはありません。映画にも音楽家として参加していますが、メイン・スタッフの一人として参加している意識が強い。だから映像に対して意見を言うときもあるんですよ。物事を視るためには映画がどうやってつくられるのか下から全部視て、そこから意識して理解しないとダメだと思ってます。

宮崎さんを理解しようと思ったら、やはり宮崎さんの考え方とかバック・ボーンなどを全部自分の中で消化したうえでないと、実際はとてもできません。特に今回は、ただいいメロディをかいたとかそういうレベルの話では追いつけませんよ。」

-観終わって、映像と音楽の関係が凄くいいと思いました。決して映像を邪魔しないけれども、キチンと盛り上げ、印象を残すメロディでした

「僕は2回観ましたけれど、最初に頭で組みたてた全体像からほとんどズレていなかったので、自分のなかで「やった!」という感じでした。部分的な細かい事よりもいかにオープニングからエンディングまで2時間以上うまく構成しきったかが一番気になります。そういう意味でもかなり満足感がありましたね。でも部分ではラストシーンからエンドロールのところが気に入ってます(笑)。」

-ずっと宮崎さんと組んできて、久石さんにとってどんな存在なんですか

「宮崎さんとの仕事は本当に大変です。コンビを組んでいるわけではありませんから、一本一本が真剣勝負でやってきて、気付いたらここまでやらしていただいていたというだけの話です。2,3年おきに一緒に仕事してきて、その都度もし自分が立ち止まっていて進歩していなければ次は必ず切られます。その辺りは厳しい関係です。

そして、宮崎さんという高いハードルをこなすことによって「これで5年はやれる」という気分になるんですよ。司馬遼太郎さんがなくなったとき、宮崎さんは司馬さんのように生きればいいと感じたとおっしゃってましたが、僕は逆に宮崎さんをみてこうやって生きればいいんだと判りました。言わば道標みたいなモノですね。」

-監督は引退されるようですね

「それでも宮崎さんは死ぬまで現役の作家ですよ。僕もあと5年したら引退してシニア・ジブリに入れてもらおうかと思ってますけど(笑)。」

 

 

別冊 COMIC BOX vol.2 「もののけ姫」を読み解く

内容

インタビュー:宮崎駿 「森と人間」

スタッフインタビュー
久石譲(音楽) / 男鹿和雄、山本二三、黒田聡、田中直哉、武重洋二(美術)
保田道世(色彩設定) / 鈴木敏夫(プロデューサー)

絵コンテ / レイアウト / 原画(エボシ/サン) 特別公開!!

技術解説:タタリ神が動くまで CG部の夜明け

制作日誌 ’94~’97
汗と波あと血と笑いの怒涛の2年間 闘いの記録

語られなかった物語
サンの生い立ちは?エボシの過去は?師匠連とは?
物語の背景に見え隠れする「物語」に迫る
*共同体としてのタタラ場とエボシ御前
*エミシの村
*室町時代の民衆
*照葉樹林文化
*「生きろ」の意味
*エボシ幻想曲
*風となって疾る少年アシタカ

 

 

Related page:

 

もののけ姫を読み解く

 

Disc. 久石譲 『Mt.Fuji』 *Unreleased

2014年7月18日 オープン

 

富士急ハイランドの新アトラクション「富士飛行社」のために書き下ろされた楽曲『Mt.Fuji』。富士山の大自然の魅力と、四季折々の富士山の美しい映像とともに流れる臨場感のある音楽。フルオーケストラ編成で構成され、壮大で美しい、日本の美を感じることができる大迫力の音楽になっている。

 

公式Youtubeにてダイジェスト映像動画が視聴できる。

 

富士急ハイランド|WEBサイト動画【富士飛行社】

from Fuji-Q Highland Official富士急ハイランド公式 YouTube

 

 

アトラクション所要時間5分20秒のため、同じく5分程度の楽曲に仕上がっている。

富士急ハイランド内の「富士飛行社」アトラクションに搭乗しないと聴くことができない贅沢な音楽になっている。

 

富士急ハイランド 富士飛行社 久石譲

 

 

2016.7 追記

2016年7月14日「Mt. Fuji 2016」

富士飛行社リニューアル。新たな富士山の魅力をお届けするために映像を一新。久石譲が担当したオリジナル曲「Mt. Fuji」も、曲の持つ雰囲気はそのままに、ゴージャスで重厚感あふれる新ヴァージョン「Mt.Fuji 2016」に生まれ変わる。久石譲自ら指揮をとり、演奏されたフルオーケストラが織りなす壮大なオーケストレーションと雄大な富士山の姿を堪能できるアトラクションとなっている。

アトラクション所要時間も7分15秒となり、新映像に合わせて新たなパートも加筆されている。そして従来の旋律もふくめてオーケストレーションを再構成している。

 

 

Disc. 久石譲 『スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX』

スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX

2014年7月16日 CD-BOX発売 TKCA-74104

 

『風の谷のナウシカ』から2013年公開の『風立ちぬ』まで。
久石譲が手掛けた宮崎駿監督映画のサウンドトラック12作品の豪華BOXセット。
スタジオジブリ作品サウンドトラックCD12枚+特典CD1枚

 

【商品内容】
<ジャケット>
「風の谷ナウシカ」「天空城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」は発売当時のLPジャケットを縮小し、内封物まで完全再現した紙ジャケット仕様。

<特典CD「魔女の宅急便ミニ・ドラマCD」>
1989年徳間書店刊「月刊アニメージュ」の付録として作られた貴重な音源。

<ブックレット>
徳間書店から発売されている各作品の「ロマンアルバム」より久石譲インタビューと、宮崎駿作品CDカタログを掲載。

<収録CD>

DISC1-12 HQCD (Hi Quality CD)
DISC1,3,4 LP復刻 紙ジャケット&ライナー
DISC2 LP復刻 紙ジャケット&パズーとシータの複製セル画
DISC5-12+特典CD オリジナル紙ジャケット
34ページブックレット付き

紙ジャケット/封入特典:カタログ・ブックレット/特典CD付

 

 

Disc 1 風の谷のナウシカ サウンドトラック盤 はるかな地…
久石譲による宮崎駿監督作品最初のサウンドトラック盤。イメージアルバム「鳥の人…」、シンフォニー「風の伝説」を基に新たに録音された映画用BGMを収録。1984年2月録音。「レクイエム」のヴォールは当時4歳の麻衣が担当している。

4ページカラーグラフ&スコアーつき(風の伝説 メインテーマ / ナウシカのテーマ)

風の谷のナウシカ LP復刻

 

Disc 2 天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎
映画本編で使用されたBGMを収めたサントラ盤。挿入歌「君をのせて」も収録。ラピュタは4chドルビーステレオを初めて採用した宮崎作品であり、音楽もそれにふさわしく壮大なスケールの内容になった。1986年6~7月かけて制作。

天空の城ラピュタ LP 復刻

 

Disc 3 となりのトトロ サウンドトラック集
映画で使用されたBGMを収録したサントラ盤。「ナウシカ」「ラピュタ」とは一味違った、ほのぼのとした温かさをもつ久石音楽が心ゆくまで楽しめる。オープニング主題歌「さんぽ」、エンディグ主題歌「となりのトトロ」収録。 録音は1988年2 ~3月。

となりのトトロ LP 復刻

 

Disc 4 魔女の宅急便 サントラ音楽集
映画本編で使用された全楽曲を収録したサントラ盤。高畑勲が本作では音楽演出を担当している。録音は1989年6~7月ソロアルバムの作業で渡米していた久石の帰国直後に行われた。CDとLPのジャケットは同一。荒井由実の挿入歌2曲も収録。

魔女の宅急便 LP 復刻

 

Disc 5 紅の豚 サウンドトラック 飛ばねぇ豚は、ただのブタだ!
映画本編で使用された楽曲を収録したサントラ盤。アコースティックなサウンドにこだわり、ほぼ70名のフルオーケストラで録音。収録は1992年5~6月に行われた。加藤登紀子の歌2曲も収録。本作から、LPの発売は行われなくなった。

久石譲 『紅の豚 サウンドトラック』

 

Disc 6 もののけ姫 サウンドトラック
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のフルオーケストラによるサントラ盤。録音は1997年5月。映画本編の楽曲を米良美一の主題歌も含め完全収録。本作の主題歌で久石は日本レコード大賞作曲賞を受賞。アルバム自体も企画賞を受賞している。

久石譲 『もののけ姫 サウンドトラック』

 

Disc 7 千と千尋の神隠し サウンドトラック
映画本編の楽曲を収録したサントラ盤。新日本フィルハーモニー交響楽団のフルオーケストラによりサントラでは初めて、コンサートホールでライブ収録された。指揮・ピアノも久石が担当。録音は2001年5月。木村弓の主題歌も収録。

久石譲 『千と千尋の神隠し サウンドトラック』

 

Disc 8 Castle in the Sky ~天空の城ラピュタ・USAヴァージョン・サウンドトラック~
ディズニーが2003年に北米でリリースした「ラピュタ」の英語吹替版用に久石自らが、ハリウッド映画音楽のオーケストラを率いて壮大なスケールと迫力あるサウンドで再録音したニュー・サントラアルバム。一部書き下ろしの新曲も含まれている。

久石譲 『Castle in the sky 天空の城ラピュタ・USAヴァージョン』

 

Disc 9 ハウルの動く城 サウンドトラック
新たに作曲されたテーマ「人生のメリーゴーランド」を中心に構成された映画本編の楽曲を収録。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏で今回もホールでライブ収録された。指揮・ピアノも久石が担当。録音は2004年6月。倍賞千恵子の主題歌も収録。

ハウルの動く城 サウンドトラック

 

Disc 10 崖の上のポニョ サウンドトラック
映画本編の楽曲を収録。新日フィルハーモニー交響楽団の演奏に加え、本作では栗友会合唱団による大編成のコーラスが加わり“海と生命”をダイナミックに表現している。録音は2008年5月。林正子、藤岡藤巻と大橋のぞみの主題歌も収録。

久石譲 『崖の上のポニョ サウンドトラック』

 

Disc 11 ラ・フォリア / パン種とタマゴ姫 サウンドトラック (ジブリ美術館公開)
三鷹の森ジブリ美術館映画「パン種とタマゴ姫」のサウドトラック。宮崎監督がこの映画を製作している時にずっと聴いてたという、ヴィヴァルディの「ラ・フォリア」という曲を素材に、宮崎監督の映像が与えてくれるインパクトに沿う形で、古典曲を現代的なアプローチで再構築した作品。録音は2010年10月。

久石譲 『ラ・フォリア パン種とタマゴ姫 サウンドトラック』

 

Disc 12 風立ちぬ サウンドトラック
読売日本交響楽団によるフルオーケストラ演奏ほか、バラライカ・マンドリン・バヤン・アコーディオ等の民族楽器での楽曲も印象に残るサウンドトラック。荒井由実の歌う主題「ひこうき雲」も収録。録音は2013年5月。

久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』

 

特典Disc 魔女の宅急便 ミニ・ドラマ「元気になれそう」 (詩:宮崎駿/ナレーション:高山みなみ)
1989年徳間書店刊「月刊アニメージュ」の付録として作られた貴重な音源。

魔女の宅急便 元気になれそう

 

定価:¥ 21,600(税込)
品種:CD 13枚組
商品番号:TKCA-74104
発売日:2014/07/16
発売元:(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ
JAN:4988008160246

 

 

 

 

 

スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX

スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラCDBOX

 

Info. 2014/07/16 ジブリがいっぱいCOLLECTION 「千と千尋の神隠し」 Blu-ray DVD 発売

2014年7月16日 発売

2001年公開 スタジオジブリ作品 映画「千と千尋の神隠し」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲
ブルーレイによる高画質・高音質にて甦る
大容量を生かした追加された映像特典など話題満載

ジブリ映画をDVDよりも美しい映像で見る。

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Info. 2014/07/16 「スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX」 発売

スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX

『風の谷のナウシカ』から2013年公開の『風立ちぬ』まで。
久石譲が手掛けた宮崎駿監督映画のサウンドトラック12作品を収めた豪華BOXセット。

ジブリファン感涙!

久石譲が手掛けた宮崎駿監督映画のサウンドトラック12作品の豪華BOXセットが登場!
スタジオジブリ作品サウンドトラックCD12枚+特典CD1枚

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Info. 2014/07/09 麻衣 となりのトトロイメージソング集収録の「小さな写真」カバー 久石譲作曲

やさしさ、なつかしさ、ぬくもり、うたう。あの名曲が時を超えて今ここに生まれ変わる。

宮崎駿作詞、久石譲作曲。となりのトトロ イメージソング集に収録されたあの名曲が、麻衣のカバーにより発売。忘れかけたなつかしい時を思い出す詞、究極にやさしいメロディ、ぬくもりある麻衣の歌声が見事に調和した最高に素敵な世界観は、ジブリファンならずとも必聴。iTunesにて7月9日より試聴・ダウンロードを開始している。

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Info. 2014/07/11 六甲オルゴールミュージアム 開館20周年記念特別コンサート 「久石譲。あの夏へ。」 開催スタート

六甲オルゴールミュージアム 開館20周年記念特別コンサート 「久石譲。あの夏へ。〜オルゴールがひらく記憶の扉〜」 オルゴールが奏でる久石譲のメロディーを この夏の思い出に

阪神電気鉄道株式会社 (本社:大阪市 社長:藤原崇起)のグループ会社である六甲山観光株式会社(本社:神戸市 社長:岡本交右)が、六甲山上で運営する「六甲オルゴールミュージアム」(博物館相当施設)では、7月11日(金)より下記の通り夏の特別コンサートを開催します。

公式サイト:六甲オルゴールミュージアム 六甲ポータルサイト

 

■ 特別コンサート「久石譲。あの夏へ。〜オルゴールがひらく記憶の扉〜」

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Blog. 映画「風立ちぬ」 Blu-ray鑑賞 レビュー

Posted on 2014/07/10

2013年夏に公開されたスタジオジブリ 宮崎駿監督最新作 映画「風立ちぬ」いよいよBlu-ray / DVD 化 発売されました。公開からもう1年が経ちますが、試写会でいち早く鑑賞し、映画公開後も数回劇場へ足を運び、計3回以上は映画館でどっぷり鑑賞した映画です。

公開から3ヶ月後には、宮崎駿監督 「長編映画 引退」というニュースもあり、最新作にして、現時点では最後の長編作品となったこの映画「風立ちぬ」です。

そんな渾身の作品がようやく家で楽しめる時を迎えました。やっぱり何度見ても、いい作品はいいとしか言いようがありません。いろいろな見解や意見がそれぞれにあるのも自由だとは思いますが、ド素人な一般的ファンとしては、ただただ堪能できる映像美と音楽です。

 

映画本編の感想などは、過去にもすでに紹介していますので、今回はこのブルーレイ作品にちなんだ内容を。本編もさることながら、毎回ジブリ作品のブルーレイ/ DVD化で、楽しみにしているのが〈映像特典〉です。

〈風立ちぬ:映像特典 内容〉

●絵コンテ(本編映像とのピクチャー・イン・ピクチャー)
●アフレコ台本
●予告編集
●完成報告会見
●ひこうき雲 ミュージッククリップ

 

このなかで紹介したいのは2つです。

まずひとつめは、「完成報告会見」の収録。宮崎駿監督、庵野秀明(主人公声担当)、松任谷由実(主題歌担当)による、約1時間半にも及ぶ会見がほぼ収録されています。ちょうど公開に先立ったメディアトピックスだけに、当時作品完成直後の、それぞれの思いがたくさんつまって語られています。これはとても貴重な内容だと思います。映画「風立ちぬ」の世界観や背景を知るうえでも、トリビア的な情報が満載です。

そのあたりは各方面で紹介されているかとも思いますので、ちょっと「風立ちぬ」とは直接関係ないかもしれませんが、『ジブリ』の由来について。この会見のなかでの宮崎駿監督の発言です。

 

-作品のなかにも、カプローニのセリフとして、「君の10年を力を尽くして生きなさい」という言葉が出てきますね。

宮崎 「ええ。ジャンニ・カプローニは実在の人物で、今でもカプローニ社はあるし、カプローニ伯爵家も残っているんです。その人たちがこれを観たらなんて言うんだろうなと思うんですけど。実は『紅の豚』を作った後に、ジャンニ・カプローニの曾孫にあたる人がカプローニ社の1936年製の立派な社史を、飛行機の構造図などが一杯描いてある本を送ってきたんですね。それがカプローニとの出会いだったんです。元々僕はカプローニの飛行機が好きなものですから。第二次大戦では役に立たない飛行機しか作らなかった会社で、しかもスタジオジブリのジブリは本当は「ギブリ」だってバラしている人がいますけど、実はカプローニ社の飛行機なんです。なんでも無い小さな木製の双発機ですけども、サハラ砂漠の救難機をやってたんですよね。それがとても好きだったものですから、ジブリって名前を付けたんです。そういうこともあってカプローニに縁があるなと思って、登場人物にしてしまったんです。そういう長い積み重ねがあって出来た映画なんで、不覚にも涙を流したのかな?分かりません(笑)。」

 

なんとも目からウロコな!!

たしかに、スタジオジブリの名前の由来は、

サハラ砂漠に吹く熱風(ghibli)に由来しており、第二次世界大戦中のイタリア・カプローニ社の偵察/爆撃機の名前でもある(CAPRONI Ca309 GHIBLI)

と、ウィキペディアなどでも紹介されています。カプローニとはそんな古くから宮崎駿監督の心にあったのですね。

そして、その証拠に!

1992公開の映画「紅の豚」でも、実は登場しています。エンジンとして。とある中盤のシーン、一瞬ですが、よーくよーく目を凝らして見ると…

紅の豚 ジブリ エンジン

たしかに、エンジンに「GHIBLI」と書いてあります。

ということは、もともとカプローニ社の飛行機が好きだった宮崎駿監督 → 「紅の豚」に登場 → 本家イタリアのカプローニ一族の目にとまり、その後社史を送ってもらうという交流に → 映画「風立ちぬ」に人物登場!

という流れになっていることがわかります。

おもしろいですね。ほかにもこの「完成報告会見」では、映画「風立ちぬ」の話題を中心に、制作秘話が満載です。

 

 

映像特典で紹介したいふたつめは、「予告編集」です。

これは、映画公開前の映画館での予告編・特報から、TVCMスポットまで、たくさんの予告編集が収録されています。なにげに見ていたのですが、耳が違和感をもって反応しました!「あれっ?予告編で使われているメインテーマ曲「旅路」がなんか違う…」

この映画の主題歌「ひこうき雲」(歌:荒井由実)ももちろん好きですが、劇中メインテーマ曲である「旅路」(音楽:久石譲)も名曲です。実は、映画本編でそのメインテーマをバラライカやマンドリンで演奏しているのは、青山忠さんという方です。そして、映画「風立ちぬ」予告編で使われていたのは、その息子さん、青山涼さんのアルトバラライカによる演奏だったそうです。

もちろんリアルタイムに予告編を見ていた頃には、その後聴いていた映画本編やCDのバージョンと全く違いがわからなかったのですが、たしかにメロディーの旋律も少し違うんですね、後半が。

これにはびっくりしました。

いかにギリギリの制作過程のなかで、録音したものなのか、予告編が完成した頃に映画本編の映像も完成していないのと同じように、音楽もまだ核のメロディーこそあれ、サウンドトラック用の音楽録音前、『予告編用の、予告編のためだけの音楽』だったんだなということが今回わかりました。

意外に聴き逃してしまうほんの15-30秒程度の予告編ですが、今回ディスク化されたことで、きちんとその違いも確認できて、その醍醐味も味わえてよかったです。

 

映画「風立ちぬ」の音楽で、久石譲は、独特な民族楽器である、ロシアの代表的な弦楽器である「アルトバラライカ」や同種のマンドリン、同じくロシアのアコーディオン「バヤン」といった民族楽器を使っています。映画オープニングから、これらの民族楽器が旋律を奏でるメインテーマ曲「旅路」がそうです。

宮崎駿監督から、「音楽はできるだけ、そぎ落としたシンプルなものを」という話をうけて、今までのスタジオジブリ宮崎駿監督作品にはないような、美しくも切ない品格のある楽曲たちが並んでいます。

そのあたりの、映画「風立ちぬ」に関する、久石譲のインタビュー関連は、いくつか紹介しています。あまり露出度が少ないだけに貴重な内容です。

こちら ⇒ Disc. 久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』

久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』

 

というわけで、今回は、映画「風立ちぬ」 Blu-ray / DVD 化 にともない先日発売されたその内容からのお話でした。上にも書いてきましたように、完成報告会見~久石譲音楽インタビュー~宮崎駿監督引退会見~NHKプロフェッショナル ドキュメンタリー などなど。いろんな角度から、そして時系列での情報を経て、この作品を味わうと、映画「風立ちぬ」、感慨深いものがあります。

 

さて、毎年恒例の夏のお祭り「金曜ロードショー 2014 夏はジブリ!」も開催中です。第1週目の先週は映画『もののけ姫』、そして今週は『となりのトトロ』ですね。

語り尽くせぬ宮崎駿監督のジブリ世界ですが、今日は一旦このあたりで。

 

風立ちぬ ブルーレイ発売

 

Disc. 麻衣 『小さな写真』

2014年7月9日 デジタルリリース

 

やさしさ、なつかしさ、ぬくもり、うたう。あの名曲が時を超えて今ここに生まれ変わる。

宮崎駿作詞、久石譲作曲。

となりのトトロ イメージソング集に収録されたあの名曲が、麻衣のカバーにより発売。忘れかけたなつかしい時を思い出す詞、究極にやさしいメロディ、ぬくもりある麻衣の歌声が見事に調和した最高に素敵な世界観は、ジブリファンならずとも必聴。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

映画「となりのトトロ」公開に先がけ発表されたイメージソング集。「音楽を重視したい」との宮崎駿の思いを受け、本編サウンドトラック制作の前に10曲の歌をつくるという、かつてない企画のもとに完成したアルバムだった。

そこには、「となりのトトロ」主題歌をはじめ「風のとおり道」「さんぽ」など、後に映画を通じて世界中から愛される数々の歌が収録された。「お母さんが小さな女の子だった頃の写真」を通じて、愛情、そして古き良き時代の思い出を唄ったこの曲も、そんな名曲の1つ。映画本編には登場しない、いわば隠れた名曲だ。小さなお母さんの写真という素敵な世界観を、久石譲の娘でもある麻衣が20余年の時を超えて再現した。

アコースティックギター、ピアノ、コントラバス、ドラムのジャズ編成がシンプルで綺麗なサウンドを奏で、麻衣のやさしく素直な声が、心にすっと届く。いつ、どんな時に聴いても心和む。至高の美しさと、どこかに儚い時の流れを感じる。それが麻衣の歌う「小さな写真」だ。そして、ほんのりとした感動を味あわせてくれる。

 

ちなみに同曲のオリジナルは「となりのトトロ イメージソング集」に収録。ここでの歌は、作曲者である久石譲本人である。

また、2003年に発売された宮崎駿プロデュースによる上條恒彦のアルバム『お母さんの写真』にも
「大人が歌える歌」をテーマに、アレンジも新たに収録されている。ここでは曲名が「小さな写真」から『お母さんの写真』へと変更されている。発表当時、ハウス食品『おうちで食べよう。』CMソングにも起用された楽曲である。

 

 

 

配信限定だった本楽曲は、後にCDに収録されている。

2015年4月8日 CD発売 WRCT-1014

 

 

麻衣 小さな写真

1.小さな写真 acoustic version (作詞:宮崎駿 作曲:久石譲)