Disc. 久石譲 『太王四神記 OST』

太王四神記 韓国盤

2007年10月17日 CD+DVD発売 DK 0530 ※輸入盤

 

2006年 韓国歴史ファンタジードラマ「太王四神記」(全24話)
日本語吹き替え版
2007年12月〜 NHK BSにて放送
2008年4月〜 NHK総合にて放送
監督:キム・ジョンハク 音楽:久石譲 出演:ペ・ヨンジュン 他

 

CD+DVD(ミュージックビデオ)のOST韓国盤

 

日本国内盤サウンドトラック Vol.1~Vol.2をおりまぜた選曲になっていてそれぞれ同一楽曲である。

 

 

太王四神記 韓国盤

ディスク:1 (CD)
1. オープニング
2. 聖戦
3. タムドクのテーマ 〜メインテーマ〜
4. スジニのテーマ 〜淋しさ〜
5. キハのテーマ 〜運命的な出会い〜
6. 運命 -オリジナルバージョン-
7. ファチョン会
8. 神々の戦い
9. タムドクのテーマ 〜勇壮に〜
10. コムル村
11. 敵軍の攻撃
12. 団結 -オーケストラバージョン-
13. 勝利へ
14. ゆるして / ジュンソ
15. 時は流れて
16. かなわぬ恋
17. 初恋
18. スジニのテーマ -ピアノソロバージョン-
19. 千年恋歌 / 東方神起

ディスク:2 (DVD)
1. 千年恋歌 /Drama Music Video
2. タムドクのテーマ 〜メインテーマ〜 -ペ・ヨンジュン/Drama Music Video

 

 

太王四神記 (태왕사신기) Original Soundtrack & Music DVD

1.Opening
2.성전 Sacred War
3.담덕의 테마 ~ 메인테마 Damdok ~ Main Theme
4.수지니의 ~ 테마 Sujini ~ Solitude
5.기하의 테마 ~ 운명적인 만남 Kiha ~ Destiny
6.운명 Destiny
7.화천회 Hwacheonhwe
8.신들의 전쟁 Battle Of The Gods
9.담덕의 테마 ~ 용맹 Damdok ~ Brave
10.거믈촌 GomulChon
11.적군의 공격 Hostile Attack
12.단결 Union
13.승리 Victory
14.허락 許諾 Forgive Me
15.세월은 흐르고 As Time Passes
16.이루어지지 않는 사랑 Tragic Love
17.첫사랑 The First Love
18.수지니의 테마 ~ 피아노 솔로 Sujini ~ Piano Solo Version
19.천년연가 千年戀歌 Eternal Love

1.천년연가 千年戀歌 Eternal Love
2.담덕의 테마 ~ 메인테마 Damdok ~ Main Theme

 

Disc. 久石譲 『太陽照常升起 / The Sun Also Rises Original Movie Soundtrack』

久石譲 『太陽照常 オリジナル・サウンドトラック』

2007年9月19日 CD発売 GE0029C ※輸入盤のみ

 

中国映画「太陽照常升起 (The Sun Also Rises)」(邦題:陽もまた昇る)オリジナル・サウンドトラック

 

ちなみに同監督 姜文(チアン・ウェン) 2011年作品中国映画「さらば復讐の狼たちよ (Let the Bullets Fly)」(原題:譲子弾飛)にもこの作品のテーマ音楽が使用されている。(日本公開2012年7月6日)

アイリッシュハープ、リュート、リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオラ・ダ・モーレなどの民族楽器も多く取り入れられている。

 

 

久石譲 『太陽照常 オリジナル・サウンドトラック』

1.黒眼睛的姑娘 – Singanushiga 人聲清澈晶瑩, 主唱:伊再提・伊力亞斯(イザイティ・イリヤス)
2.前奏曲/瘋狂之開始 – Prologue/When Madness Sets In
3.阿遼莎 – Just Call Me Aloysha
4.樹上的瘋子 – Madman On A Tree
5.尋找母親 – Looking For Mother <鼓聲度向準確>
6.母親在何方? – Where Is Mother?
7.再一次 – Here She Goes Again
8.回憶 – Reminiscence
9.母親的秘密小白宮 – Mother’s Secret Lair <神秘美聲掀動心扇>
10.神奇的康復 – A Miraculous Recovery
11.母親消失 – The Mother Vanishes
12.進行曲 – The Parade
13.心靈深處 – One From Her Heart
14.暗戀者的表白 – Confession of A Secret Admirer
15.狩獵進行曲 – The Hunting Party
16.引誘 – Seduction
17.狩獵/小白宮 – The Hunt/The Lair
18.背叛之夜 – Night Of The Betrayal
19.最後的一槍 – Final Reckoning
20.黑眼睛的姑娘 – Singanushiga 人聲2重唱.;主唱: 葉爾江·馬合甫什/阿斯哈爾·買買提
葉爾江・馬合甫什(イェアルジャン・マハーブシー)&阿斯哈爾・買買提(アスハール・マイマイティ)
21.太陽照常升起 – The Sun Also Rises

Produced, Composed & Conducted by Joe Hisaishi

Performed by Tokyo City Philharmonic Orchestra
Concert master:Hikaru Yamanaka
Irish Harp:Tomoyuki Asakawa
Tin Whistle/Bass Recorder:Hideyo Takakuwa
Lute:Koichiro Tashiro
Viola da Gamba:Hiroshi Fukuzawa
Viola d’amore:Mina Fukasawa
Percussion:Ikuo Kakehashi
Vocals:Yizaiti Yiliyasi (Track-1) , Ye’erjiang Mahefushi & Asiha’er Maimaiti (Track-20)

Recording & Mixing Engineer: Suminobu Hamada (Wonder Station)
Recording Engineer: Hiroyuki Akita (Wonder Station)
Mastering Engineer: Shigeki Fujino
Recorded at Wonder Station, Victor Studio (Japan)
Mixed at Sony Music Studios (Japan)
Mastered at UNIVERSAL MUSIC (Japan)

 

Disc. 久石譲 『久石譲 meets “THE GENERAL” キートンの大列車追跡』

久石譲 meets “THE GENERAL” キートンの大列車追跡

2006年12月8日 CD&DVD発売 DXDS-0055

 

バスター・キートンの最高傑作にして映画史に残る傑作。久石譲がスコアをつけたスペシャル・ヴァージョン

久石譲 meets “THE GENERAL” キートンの大列車追跡<80周年記念リマスター・ヴァージョン>としてサントラCDと本編DVDの豪華2枚組仕様

 

チャップリン、ロイドと並ぶ3大喜劇王のひとり、バスター・キートンのアクションコメディ『キートンの大列車追跡』の製作80周年を記念した特別版。最新の技術でリマスターされた本編と久石譲の新しいスコアによって映画史に残る傑作が蘇る!!

 

 

2004年第57回カンヌ国際映画祭にて特別上映(リアルタイム生演奏)された。

特典映像に登場する久石譲レコーディング風景は4分程度である。

 

本作品のサウンドトラックは、フランス盤オリジナル・サウンドトラックCD盤と同一である。

 

the general import

 

 

 

久石譲 meets “THE GENERAL” キートンの大列車追跡

Original Sound Track CD

Le mecano de la general joe hisaishi

1.Les deux amours de Johnnie Gray
2.Mobilisation
3.Abandonné
4.Un train pour cible
5.L’amour kidnappé
6.Face Au Canon Mobile
7.Poursuites et obstacles
8.Train enfumé
9.Manœuvres Autour de Chatanooga
10.La fôret
11.Les retrouvailles de Johnnie et Annabelle
12.Une marchandise délicate
13.La redoutable général
14.Cavale Ferroviaire I
15.Cavale Ferroviaire II
16.Un train sans maître
17.Le pont piégé
18.Retour Au Sud
19.La Bataille de la Rivière
20.Derniers coups de Canon
21.Héros du Jour
22.La ballade d’annabelle et Johnnie

 

【特典映像】
●INTRODUCTION(デヴィット・ロビンソン)
●レコーディング2004(久石譲/Anna Mouglallis&Moustaki)
●リマスター作業
●オリジナル予告編

本編DVD+サントラCD 二枚組仕様/1926年/アメリカ映画/75分+特典映像/モノクロ/サイレント/片面1層/ドルビーデジタル5.1ch/4:3スタンダードサイズ/クリアケース付きトールサイズ仕様

 

Disc. 久石譲 『トンマッコルへようこそ オリジナル・サウンドトラック』

久石譲 『トンマッコルへようこそ オリジナル・サウンドトラック』

2006年10月4日 CD発売 UPCI-1052

 

2005年公開 映画「トンマッコルへようこそ」
(原題:Welcome to Dongmakgol)
監督:PARK Kwang-hyun パク・クァンヒョン 音楽:久石譲

日本公開日:2006年10月28日

 

久石にとって初めて手がけた韓国映画となる本作で日本人として初となる第四回大韓民国映画大賞最優秀音楽賞を受賞。もちろん日本人としては史上初の快挙。さらに、韓国のアカデミー賞ともいわれている権威ある映画賞である大鐘賞でも最優秀音楽賞にノミネートされた。

 

 

対談:パク・クァンヒョン監督 × 久石譲

2005年の韓国映画界で最大の収穫になった『トンマッコルへようこそ』。神に祝福されたような成功ぶりだが、実は製作時点では問題が山積し、公開されるまでは”呪われたプロジェクト”とさえ陰で呼ばれていたという。監督自身、3年におよぶ製作のどの段階でも苦労が絶えず、何度も「もうあきらめたい」と思った、と語る。だが、それほどの難産だったデビュー作で、音楽監督を久石譲が引き受けてくれたことは、何よりの奇跡だった。2人のコラボレーションの成果は、完成作品が何よりも証明している。久しぶりに再会する2人の嬉しそうな笑顔、つきない話に、周囲の空気まで温かで穏やかなオーラに満たされた。

 

パク・クァンヒョン:
大学時代から久石先生の音楽の大ファンでした。『菊次郎の夏』の美しい旋律も、『ソナチネ』のエネルギーに満ちた音楽も、もちろん宮崎駿作品の音楽も、本当に心酔しています。最初にお会いしたときはファン丸出しで、持っているCDすべてにサインしてもらいました(笑)。すごく緊張して行ったのですが、とても優しい笑顔で迎えてくださって、そのことにまた感動しました。一瞬、目の前にいる人が本当の巨匠であることを忘れてしまうほど、心優しい笑顔だったんです。

久石譲:
僕がまず思ったのは、「俳優になってもいいぐらいかっこよくて若い人だ」でした(笑)。でも、いざこの作品のビジョンを話し出すと、止まらない。細部にいたるまで明快なアイディアを持っている。これぐらい強い思いを持っている作品なら絶対にいい映画になると確信しました。それに、監督も新人だし、スタッフもみんな若いと聞いて、それなら予定調和な作業ではなく、エネルギーに溢れた現場になるだろうというワクワクする期待感も持ちました。

パク・クァンヒョン:
今回一緒に作業してわかったんですが、どうやら私たちはどちらもビジネス感覚に欠けていて(笑)、確か事前の打ち合わせでは、「だいたい17曲ぐらいでしょう」ということだったはずですが、やっていくうちに曲数がどんどん増えていきました。久石先生が「ここにも曲をつけようか」とおっしゃって、私も「いいですね」と答える、そんなやりとりをしていくうち、結果的に34曲になりました。最初はオーケストラも小規模なものを考えていましたが、先生が70人編成にしたいと提案してくださったんです。以前に宮崎作品のDVDの特典映像で、久石先生がオーケストラを指揮していて、それを宮崎監督が後ろに座って見ている場面がありました。それを見て以来、「宮崎監督みたいに後ろに座って久石先生が僕の映画のために指揮するところを見る」というのが夢の一つになったんです。目の前で久石先生が汗をかかれて何度もTシャツを着替えながら指揮しているところを眺めていたら、「ああ自分の夢が今かなっているんだ」と思って、鳥肌が立つほど感激しました。

久石譲:
映画は、どこに音楽を入れて、どこには入れないか、それを判断することも大事な作業です。この作品の場合、戦争の話ではありながらファンタジーの要素があるわけで、場面場面を引き立てたり雰囲気を伝えるために音楽を入れる場所を考えていったら、結果的に34曲になりました。オーケストラの規模にしても、作品の内容が要求したからですよ。これだけの話になるとスケール感も必要だし、より深い感情を表現するために二管編成は必然でした。重厚さ、弦の優しさがほしかったし、特殊な楽器を使うことで不思議感を出すことも狙いました。この作品の曲は、沖縄のスタジオに10日間ぐらいこもって集中してつくりました。毎日、海を眺めながら、真冬の戦闘シーンに曲をつけていたわけです(笑)。例えばチョウチョのシーンの旋律は、実は沖縄の音階を取り入れているんです。不思議な感じが出せて、いい効果になったと思います。

パク・クァンヒョン:
一方で、例えばイノシシのシーンは、原始的なリズムで力強いエネルギーを感じるとともに、胸が高鳴るような喜びの気持ちも表現されています。どの曲も大好きですが、どしゃ降りの雨の中ヨイルが自分の汚い靴下を脱いで少年兵の顔を拭う場面がひときわ好きです。胸に響くと同時に、気持ちがよくなります。本当に、音楽のおかげで作品全体に神秘性と深みが増しました。

久石譲:
イノシシのシーンは、実をいうとね、送られてきた映像を見たとき、てっきり未編集バージョンだろうって思ってたんですよ(笑)。スローモーションがずっと続く長いシーンだったから、きっと途中でノーマルスピードに変えて編集するんだろう、と。だけど、待てども待てども送られてこない。「送ったものが最終バージョンです」って言われて、正直なところぞっとしましたよ。これは大変だって。あそこが一番苦労しましたね。ところが、完成作品を見ると、監督の狙いがぴったり当たって、ものすごく力強いシーンになっていた。おかしかったのは、韓国での完成披露試写会で質問がイノシシのシーンに集中してしまって、俳優さんが「俺のことも聞いてくれよ」って(笑)。

パク・クァンヒョン:
チョン・ジェヨンさんですね。「自分は主役だと聞いていたのに、出来上がってみたら自分の場面は少なくて、イノシシやチョウチョのほうが目立ってるじゃないか」って、最初はちょっとスネてました(笑)。私が最後まで編集の判断に迷ったシーンが3つあって、イントロの部分とイノシシのシーン、それからラストの戦闘シーンでした。ずっと悩みつづけて、久石先生にもスケジュール的にずいぶんご迷惑をおかけしてしまいました。

久石譲:
確かに時間的にはきつかったけど、逆にいうと今回はそれ以外の部分での葛藤や摩擦がまったくなくて、心から気持ちよくできました。僕自身、韓国映画という初めての場にチャレンジして、自分の可能性を広げられたと思っています。監督やスタッフから、作る情熱がものすごく伝わってきて、気持ちが燃えました。

(取材・文 片岡真由美)

Blog. 映画『トンマッコルへようこそ』(2005) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより

 

 

 

 

 

久石譲 『トンマッコルへようこそ オリジナル・サウンドトラック』

1. Welcome to Dongmakgol
2.Opening
3.Butterfly
4.トンマッコルの村
5.村への行進
6.N. Korea vs S. Korea
7.おばあちゃん
8.Love and Grande
9.対立
10.イノシシ
11.友情
12.ソリのワルツ
13.悲しい過去
14.バタフライの逆襲
15.アメリカ軍
16.Invasion
17.ヨイルの死
18.村人との別れと戦いへ
19.戦闘
20.男たちは…
21.Paradise

演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
Vocal:麻衣 / Mitsuko

 

Disc. 久石譲 『A Chinese Tall Story 情癲大聖 Original Film Soundtrack』

久石譲 『chinese tall story』

2005年12月20日 CD+iVCD発売 CGM0169 ※輸入盤のみ

 

2006年香港公開 映画「情癲大聖」
(英題:A Chinese Tall Story 邦題:西遊記リローデッド)
監督:Jeff Lau Chun Wai ジェフ・ラウ 音楽:久石譲

 

 

西遊記を題材にしたSFファンタジー。音楽的にもアジアンテイストあり、ハリウッド映画を彷彿とさせるダイナミックさ、とりわけハリー・ポッターの世界観を思わせるファンタジーさなどバラエティーに富んだ内容になっている。

それは編成やアレンジにも現れていて、フルオーケストラ、シンセサイザー、民族楽器など多数混在するなか、うまく融合した独特な異次元、SFファンタジーの世界へ連れて行ってくれる。

主題歌(1)は、アジアの響きのするメロディアスな旋律。デュエットにより歌われ、民族楽器も絡みあう壮大な世界観を演出している。その主題歌でもありメインテーマをモチーフとしたものは、(6) (7) (11) (18) (20) などでも聴くことができる。美しい旋律をピアノや胡弓が悠々と奏でている。

 

日本では映画「西遊記リローデッド」として、DVDなどで鑑賞することができる。

 

また、主題歌/メインテーマ曲は、オリジナル・ソロアルバム「Asian X.T.C.」にて「A Chinese Tall Story」として収録。サウンドトラック用とは別に、原曲の持ち味をそのままに、ピアノと二胡、そしてストリングが叙情的に流れる、完成された1曲として聴くことができる。

 

 

 

久石譲 『chinese tall story』

1.情聖 Sacred Love – 謝霆鋒/ 蔡卓妍 (情癲大聖主題曲)
2.佛光初現 Prologue / The Triumphant Entrance
3.妖夜 Dogfight Over Shache
4.奪命煩音 Words Are Lethal
5.天王有難 Rout Of The Four Heavenly Knights
6.你跳我跳/ 愛情笨豬跳 Lover’s Gambit
7.“等” Longing For You
8.在下唐三藏 Yours Truly, Tripitaka
9.大陰謀 The Conspiracy
10.棄明投暗 Capitulation
11.雪中送外 Twirling Snow
12.君臨天下 Alien Invasion
13.美-艷 I Can Fly!
14.戰役愛你萬年 Help is On The Way
15.世界的終末 Annihilation of The Tree Spirit
16.秘密 The Princess’s Secret
17.再鬧大宮 Storming of The Celestial Court
18.我知道I Know
19.回頭是岸 Divine Manifestation
20.無限的愛 A Journey West

iVCD
1. 唐僧取情经
2. 莎车城大影院 (I)情圣 MV (II)爱 MV (III)情癫大圣 制作特辑 (IV)情癫大圣 剧场版第一版预告片 (V)情癫大圣 剧场版第二版预告片
3. 一切从癫开始
4. 造妖者
5. 免费唐僧肉尽情下载
6. 唐僧棒打妖精游戏
7. 西域圣诞 e Card

Music Composed and Produced by Joe Hisaishi

Piano:Joe Hisaishi

Performed by The China Philharmonic Orchestra
Conducted by Joe Hisaishi

二胡 Er-hu:Chen Jun
Kena:Takashi Asahi

Recorded at 北京電影廠録音室(中国), Wonder Station(日本)

 

Disc. 久石譲 『男たちの大和/YAMATO サウンドトラック』

久石譲 『男たちの大和 オリジナル・サウンドトラック』

2005年12月14日 CD発売 FLCF-4088

 

2005年公開 映画「男たちの大和/YAMATO」
監督:佐藤純彌 音楽:久石譲 出演:反町隆史 渡哲也 他

 

“勇敢”と“悲壮”の二つの雰囲気に魅了

 

 

PRODUCTION NOTE

精力的に画と音と対峙し続け、今や日本映画音楽界のみならず国際的にも活躍している巨匠・久石譲。実は彼、若き日に映画音楽の大家である故・佐藤勝の恩恵を受けており、かつて『陸軍残虐物語』や『敦煌』など何本も佐藤勝と共に名作を連打してきた佐藤純彌監督の感慨もひとしおであった。

本作の音楽を作曲するにあたり、久石は「大和」「青春」「戦闘」「レクイエム」「癒し」そして「再生」といった6つの大きなモチーフを構築し、シーンに応じてそれらを巧みに使い分けながら1曲1曲を奏で上げ、作品に多大な成果をもたらしている。それぞれが明確なメロディと繊細な音色に気を配った素晴らしい楽曲ばかり。また悲劇が連鎖していくストーリー性にも関わらず、すべての画と音を堪能した後の印象は、涙を流した後のさわやかさにも似てどこか明るく晴れやかである。それは未来への希望を示唆する作品の意図を十分汲みとった、久石譲の映画音楽作曲家としての卓抜したセンスも当然挙げられるが、同時に彼が生来持ち得ている音楽的純粋性と、劇中の特年兵たちが醸し出す純粋性とが気持ちよく呼応しているからでもあろう。ラストを壮麗に刻印する「再生」のモチーフ曲は、デモテープを聴いた角川春樹プロデューサーから「もうひといき粘ってみないか」との要望に久石が熱く応え、全く新しい発想で作り上げた渾身の仕上がりともなった。録音は2005年10月3、4日、かつしかシンフォニーヒルズにて、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団およそ80名に、コーラスの栗友会60名という大編成。そこで、初めてオーケストラで奏でられた新たな「再生」に接した角川プロデューサーは、涙を拭う暇もないまま久石のもとへ駆け寄り、堅い握手を交わしたのであった。それを見守る佐藤監督の表情も実に満足げだ。その後も久石は、佐藤監督と0.1秒レヴェルの音と画の細かい打ち合わせを終始和やかに行いつつ、録音を続けていく。

自ら指揮台に立って棒を振る久石は、演奏が終わるためび自分の曲を具現化してくれるオーケストラの面々に感謝の意を表することを忘れない。「ありがとう」「素晴らしい」「最高!」それらの言葉を発する久石の子供のような笑顔は、音楽に対する純粋性を巧みに物語っている。そしてその純粋性こそは『男たちの大和/YAMATO』にふさわしいものでもあるのだ。

(映画「男たちの大和/YAMATO」劇場用パンフレット より)
(CDライナーノーツ より)

 

以上、ふたつの資料より重複箇所などを再構成している

 

 

 

久石譲 『男たちの大和 オリジナル・サウンドトラック』

1.YAMATO 唄:長渕剛
2.大和の海
3.男たちの大和
4.光る海
5.兵士のエチュード
6.青春の碑(いしぶみ)
7.海の墓標
8.沈みゆく太陽
9.生きる覚悟と死ぬ覚悟
10.英霊たちの旅立ち
11.愛の無常
12.花の降る午後
13.名残りの雪
14.女たちの大和
15.特攻の海
16.惜別の賦
17.男たちの挽歌
18.帰らざる海
19.青春の巡礼
20.明日に生きる
21.大和よ永遠に
22.CLOSE YOUR EYES 唄:長渕剛

 

All Score Composed, Arranged and Conducted by Joe Hisaishi

Performed by The Tokyo Philharmonic Orchestra / Ritsuyukai

Produced by Ko Ishikawa
A&R: Isao Okada (FLME)
Recorded & Mixed by Suminobu Hamada
Assistant Engineers: Hiroyuki Akita, Tomotaka Saka & Akihiro Tabuchi
Co-operatred by Octavia Record, SCI, Psy Corporation & Hibino
Recorded at Katsushika Symphony Hills & Wonder Station
Mastering Engineer: Hiroyuki Hosaka
Jacket Design: Daisuke Suzuki

Special Thanks Toei Company, OFFICE REN, Tatsuya Masutou & Wonder Staff

M1
Lyrics, Composition, Arrangement: Tsuyoshi Nagabuchi

M22
Lyrics, Composition, Arrangement: Tsuyoshi Nagabuchi Strings Arrange: Ichizo Seo

 

Disc. V.A. 『チェコ・フィルプレイズ スタジオジブリ交響曲集』

久石譲 『スタジオジブリ交響曲集』

2005年11月16日 CD発売 TKGA-502

 

スタジオジブリ作品のチェコフィル名演奏を集めたベスト盤
SACD ハイブリッドディスク

「チェコ・フィルプレイズ スタジオジブリ交響曲集」
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団

録音:ドヴォルザーク・ホール/プラハ

 

1998年「交響組曲もののけ姫」以来、プラハ(ドヴォルザークホール)にてチェコ・フィルとのセッションの数々の中からバランスエンジニアとして参加した江崎友淑がセレクト&リマスタリング。スタジオジブリレコーズ初のSACD(ハイブリッド)。チェコ・フィルとは数々セッションを重ねてきた江崎氏によるライナーノーツ解説掲載。

 

 

プロデューサーノート

ここに集められた作品群は、スタジオジブリが制作した一連のサウンド・トラックからの抜粋である。日本の映画や映像を取り巻く環境、こと音楽に関しては決して明るいものとはいえない。というのも、本編と同等とも言えるほど大事な音楽に関して、かけられる予算がどんどん下降の傾向にあるということだ。そんな日本のサウンド・トラックの中にあって、ことスタジオジブリの制作するものは、一流の作曲家、そして世界的なオーケストラの起用といった豪華な内容になっていることは非常にユニークなことだ。ぼくも、そのいくつかの仕事を一緒に出来たことは、自分の録音生活の中でもとても有意義であったといえる。

僕たちが普段行っている録音活動は、あくまでクラシックの再生芸術の分野において、先の巨匠たちが残したが曲を演奏者と我々録音側でその時々の正誤を探って仕上げてゆく。しかも、そのほとんどは欧州においてで、欧州の演奏家達と欧州の作曲家の作品の携わることがその大部分である。すなわち、我々日本人がそこで現場をリードする事は容易なことではないのである。

ジブリ作品の録音を通じては、いつもの逆で日本人の作曲家のものを、作った本人とともに音楽制作していくというのは非常な醍醐味である。欧州においては日本人の感性は非常に高く評価されているのも面白い。

今回はSACDでこれまでのいくつかの作品をバージョン・アップしてリリースできることも非常に嬉しい限りだ。SACDは、これまでとは全く違った音声信号によって、CDでは再生できなかった20kHz以上の音、すなわち人間の耳には聞こえていない気配感などの超広帯域の音が収録されている。それによる音楽表現の幅が更に広がっているということだ。

これはマニアが揃える大型のオーディオでなくても、充分にミニ・コンポでもその違いは歴然とわかる。我々制作側にいると、マスターのクオリティーをどうやってリスナーの皆々により高い次元のサウンドを届けられるか、それがいつも大きな難問であるが、これらの次世代メディアの登場で、一つ大きくマスターに近いサウンドを届けられるようになったのは喜ばしい限りだ。

今回リリースされるこの作品群は、それぞれの作曲家が、特に日本で人気の名門オーケストラ、チェコ・フィルの名手たちとともに作り上げた珠玉のオムニバス盤で、これはサウンド・トラックとして、また独立した音楽作品として是非末永く聴き続けられるアルバムとなることを望むばかりである。

江崎友淑

(CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 『スタジオジブリ交響曲集』

「交響組曲 もののけ姫」より
作曲:久石譲 演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 ピアノ:久石譲
1.第一章 アシタカせっ記
2.第四章 もののけ姫
3.第八章 アシタカとサン
「となりの山田くん クラシックアルバム」より
作曲:矢野顕子 演奏:チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団
4. となりの山田くんのテーマ~オーケストラバージョン~
5.たかしとまつ子のタンゴ・シンフォニコ
「猫の恩返し サウンドトラック」より
作曲:野見祐二 演奏:チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団
6.バロン
7.パストラーレ(牧歌)
8.ハルのおもいで
「イメージ交響組曲 ハウルの動く城」より
作曲:久石譲 演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
9.ミステリアス・ワールド
10.動く城
11.ウォー・ウォー・ウォー(War War War)
12.ケイヴ・オブ・マインド
ボーナストラック〈初収録〉
作曲:木村弓 演奏:チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団
13.いつも何度でも~オーケストラバージョン~

録音:
1998/6/6~8 「交響組曲もののけ姫」
1999/2/27~28 「となりの山田くんクラシックアルバム」
2001/12/11~12 「猫の恩返しサウンドトラック」
2003/10/18~20 「イメージ交響組曲ハウルの動く城」
2001/12/11~12 ボーナス・トラック「いつも何度でも」

指揮:マリオ・クレメンス
録音ホール:芸術家の家(ドヴォルザーク・ホール/プラハ)

 

Czech Philharmonic Orchestra Plays Studio Ghibli Symphonies

1.The Legend of Ashitaka
2.Princess Mononoke
3.Ashitaka and San
4.Theme for “My Neighbors the Yamadas”
5.Takashi and Matsuko’s Tango Sinfonico
6.The Baron
7.Pastorale
8.Haru’s Memories
9.Mysterious World
10.Moving Castle
11.War War War
12.Cave of Mind
13.Always with Me

 

Disc. 久石譲 『Welcome to Dongmakgol』

久石譲 『トンマッコルへようこそ オリジナル・サウンドトラック』

2005年9月14日 CD発売 DK0471 ※輸入盤

 

2005年公開 映画「Welcome to Dongmakgol」
(邦題:トンマッコルへようこそ)
監督:PARK Kwang-hyun パク・クァンヒョン 音楽:久石譲

 

日本国内盤サウンドトラック「トンマッコルへようこそ」と一部選曲および曲数が異なる

 

 

確かに、韓国にて発売された『Welcome to Dongmakgol』のサントラよりも、10月4日にユニバーサルより発売される『トンマッコルへようこそ』のサントラの方が3曲少なくなっています。この理由は、映画に使用されているすべての楽曲からサントラにいれるにふさわしい楽曲を厳選した結果です。曲目、曲順等を含め一枚のサントラアルバムとして、よりまとまりのあるものになっていると思います。

韓国にて発売された『Welcome to Dongmakgol』のサウンドトラックは当事務所の許諾無くして韓国側が発売し、音質に問題のあるものでした。しかし、日本で発売する『トンマッコルへようこそ』のサウンドトラックは日本でリマスタリングをし、音質には全く問題ありません。

・韓国映画のサントラの評判について
韓国と日本の技術、文化に対する意識の差や制作過程のシステムの違いなどから、こういった事態に至ってしまいました。もちろんこの件に関しましては、昨年中に韓国と話し合いを行い、韓国国内のサントラを回収することで双方合意しております。ただし、韓国から既に輸入されてしまったものに関しては、回収等の手段をとることが非常に困難な状況で、私どもといたしましても大変遺憾に思っております。秋に映画が公開される際にユニバーサルレコードからサントラが発売されますが、新たにマスタリングを行い、良質の音を必ずお届け致します。

(Wonder City 公式発表)

 

 

 

久石譲 『トンマッコルへようこそ オリジナル・サウンドトラック』

1.a waltz of sleigh
2.welcome to Dongmakgol
3.Opening
4.The battle
5.American Army
6.a wild boar
7.N.Korea
8.no title
9.N.Korea vs S.Korea
10.Love and Grenage
11.Leaving Dongmakgol for the battle
12.falls of the popcorn
13.Dongmakgol Village
14.to the village
15.paradise
16.friendship song
17.after the battle
18.an old lady
19.Death of Yeoil
20.buried past
21.Confrontation
22.Butterfly
23.attack of butterflies
24.Resolution of Hyunchul

 

Disc. 久石譲 『ハウルの動く城 サウンドトラック』

ハウルの動く城 サウンドトラック

2004年11月19日 CD発売 TKCA-72775
2020年11月3日 LP発売 TJJA-10030

 

2004年公開 スタジオジブリ作品 映画「ハウルの動く城」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

新たに作曲されたテーマ「人生のメリーゴーランド」を中心に構成された映画本編の楽曲を収録。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏で今回もホールで生収録された。指揮・ピアノも久石が担当。録音は2004年6月。倍賞千恵子の主題歌も収録。

 

 

制作ノート

1曲のテーマ曲が決め手となった音楽

今回の音楽制作はヨーロッパへの音楽ロケハンからはじまった。久石譲さんはアルザス地方を訪問、そこで掴んだ映画の世界観を宮崎監督からの音楽メモと照らし合わせながら創作し、東欧の名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、非常に完成度の高いイメージ交響組曲をまず作った。その中にはミロスラフ・ケルマン(63歳にしてチェコ・フィル現役のトランペット奏者)によるソロ演奏が印象的な「ケイヴ・オブ・マインド」という曲もあった。完成したアルバムを聴いた宮崎監督はこの曲を気に入り、劇中でも使用することにしたが、監督はここで久石さんに対しひとつの注文を出した。テーマ曲を1曲作ってほしい、というものだ。実は宮崎監督、これまでの作品では各キャラクターの感情や動き等場面に合わせた音楽をつけるという方向性で久石さんとやってきたのだが、今回は映画全体を通して常に流れる印象的なテーマを1曲欲しいと要望したのだ。久石さんの1曲のテーマ曲作りがはじまった。そうして誕生したのがあるワルツ曲。その曲を聞いた宮崎監督は大喜びし、「人生のメリーゴーランド」と命名した。その後、このテーマ曲を中心に本作の映画音楽は構成されていった。

(映画「ハウルの動く城」劇場用パンフレット より)

 

 

一つのテーマ曲で貫いた『ハウルの動く城』

で、まずは一曲め。弾き終わると宮崎さんは大きく頷いて微笑んだ。鈴木さんもまあまあの様子。ほっと胸を撫で下ろす。ちょっと勢いのついた僕は三番目に弾く予定だった曲の順番を繰り上げた。

「あのー、ちょっと違うかもしれませんが、こういう曲もあります」

宮崎さんたちの目を見ることもできず、ピアノの鍵盤に向かって弾き出した。

そのワルツは、そんなに難しくはないのだが、僕は途中でつっかえて止まってしまった。まるで受験生気分なのである。最高の緊張状態で弾き終えたとき、鈴木敏夫プロデューサーがすごい勢いで乗り出した。眼はらんらんと輝いている。「久石さん、面白い!ねえ、宮さん、面白くないですか?」宮崎さんも戸惑われた様子で「いやー」と笑うのだが、次の瞬間、「もう一度演奏してもらえますか?」と僕に言った。が、眼はもう笑ってはいなかった。

再び演奏を終えたとき、お二人から同時に、「いい、これいいよー!」「かつてないよ、こういうの!」との声をいただいた。

その後、何回かこのテーマを弾かされたが、この数か月本当に苦しんできたことが、ハッピーエンドに変わる瞬間だったので、ちっとも苦ではなかった。

Blog. 一つのテーマ曲で貫いた『ハウルの動く城』「人生のメリーゴーランド」誕生秘話 (久石譲著書より) 抜粋)

 

 

 

-それらはどんな曲だったんですか?

久石 「1曲目は、わりと誰が聴いても「いいね」と思えるオーソドックスなテーマでした。2曲目は、自分としては隠し球として用意していったワルツで。これは採用されないだろうと思って演奏したんですけど、途端に宮崎さんと鈴木さんの表情が変わって、すごく気に入ってくれたんです。それが『人生のメリーゴーランド』で、結局3曲目は演奏せずに終わりました。」

-なぜ、ワルツにしてみようと思ったんですか?

久石 「その理由はちょっと難しいんだけど、最近、個人的に音楽への要求度が高くなってきていて、映像に付けるには、自分のやっている音楽は強すぎるんですよ。でも、今自分が最も求めていることをやるのが作曲家としては正しいのだから、その落としどころをどうしようかと考えていて出てきたのが、ワルツだったんです。ワルツなら、自分がやりたい音楽と『ハウル』の映像の接点になってくれると。だから、宮崎さんに気に入ってもらえたのは、すごく嬉しかったです。」

 

-サントラのレコーディングでは、チェコフィルから一人だけトランペット奏者の方を招いたということですが?

久石 「ええ。交響組曲の中の「ケイブ・オブ・マインド」という曲のソロを吹いてくれたミロスラフ・ケイマルさんという方です。この曲は、サウンドトラックの打ち合わせの時に、試しにある重要なシーンに流してみたら、あまりにもぴたっりハマってしまったのでそのまま使おうということになったんです。でも、サウンドトラックの中に、チェコフィルの演奏を入れるわけにはいかないので、ケイマルさんをこの1曲のために呼ぼうということになりました。」

-他の方ではダメだったんですか?

久石 「ケイマルさんはこの曲を完全に自分のものにして吹いていたし、宮崎さんの心の中にも、ケイマルさんのトランペットの音が染みついていました。この曲を使うなら、ケイマルさん以外に考えられない、と。楽器というものは、他の奏者が演奏すると、全く音の表情が違ってしまうものなのですが、特にトランペットはそれが顕著なんです。」

 

-交響組曲もサウンドトラックも、完成度が高く、それぞれ違った魅力を持つ作品になったんじゃないでしょうか?

久石 「サウンドトラックは「人生のメリーゴーランド」を、これが同じ曲なのかと思えるくらい、いろいろ変奏しているので、そこを中心に楽しんでいただければ、と。交響組曲は、三管編成のフルオーケストラ作品としてかなり完成度が高いので、ぜひ聴いていただきたい。僕も、いつかコンサートで全曲まとめて演奏してみたいと思っているんです。」

Blog. 久石譲 「ハウルの動く城」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

「サウンドトラックを録っている時に宮崎さんが、ある曲を僕がつけようと思っていた場面と違う所につけたいと思ったんです。宮崎さんは作業をしながらどんどん考えていく方ですから。その時、宮崎さんは悩まれたらしいですね。思っている所と別のシーンに曲を使ったら、僕が怒り狂うということを宮崎さんは知っていますから(笑)。オーケストラの音録りをしている間中、『ウ~ン』と唸っていたと聞きました。僕は離れた場所にいますから、そんなことは知らなかったんですが。それでとりあえず、宮崎さんが使いたいという場面にその曲をあててみたんです。これがキッカケの部分が音楽的にズレることも全然なくて、いいんですよ。ものを作る人間同士ですから、ぶつかり合うことや毎回いろんなことがありましたけれども、20年やれてこれて良かったと思いますね。画と音が生理的にシンクロすることも含めて、いい意味でここまで来れたんだなあと実感しました。どんな作品でも苦しみますから、最後は早く終わればいいと思うんです。でも『ハウルの動く城』に関しては、もう半年この仕事をやっていたいと思いました。」

「元々音自体に関しては、シンセサイザーとかいろんなものを使って、枠にはめない作り方をしてきたんです。『千と千尋の神隠し』ではバリ島や沖縄、アフリカのリズムを、現地の人が叩いたリズムをサンプリングしてオーケストラと融合させた。そういう音がアバンギャルドであるのは、僕にとっていいことなんです。ただ音の入れ方に関しては、これまでクリックを作ってかっちりと画にはめ込んでいたんです。ただ今はもっとファジーにやってもいいかなと。つまり多少音は伸びたとしても、そこに心がこもっていれば微妙なニュアンスが伝わるほうを選ぶ。これは自分がオーケストラの指揮をするようになって、変わったんだなと思うんです。音やリズムの正確さだけではなく、そこでもう一歩踏み込んだ表現をして次にいく。『ハウルの動く城』のレコーディングでは、そのニュアンスを大事にしました。とは言えちゃんとしたクリックも用意したんです。ただアクシデントでレコーディングの時に機械が故障して、曲の終わりを示すマーカーも無しに勘だけで3分ぐらいの曲をお尻がピッタリ合うようにしなくてはいけなくなって。それでも大体は合うものなんですよ。ちょっとしたズレが音楽的なニュアンスになって、映画の余韻にもなっている。作曲者の意図としては、画面が変わった瞬間に音がガンと入るとか、設計図を書いて組み立てていく。それでしっかりした演奏さえすれば、レコーディングはOKなんです。でも今回のように生の演奏をしていくと、自分が思ったテンポと実際にいい音楽になるテンポは違うんです。演奏者がいい気持ちになって朗々と演奏をすると長くなりますね。その長くなったことで成立するニュアンスの方を大事にして、その分をどこかで調整しようと努力する。こういうやり方をしていくと、映像が呼吸するように音楽も呼吸をしだすんです。がっちりしたものを作るよりも、音のニュアンスを活かす。これは僕にとって大きな方向転換なんです。ただ、最初からファジーでいいというのではない。きっちりと作り上げておいて、レコーディング本番で崩す。今回はそれが、いい効果を上げていると思います。僕にとっては新鮮で、凄く興奮するレコーディングでしたよ。」

Blog. 「月刊アピーリング 2004年10月号」久石譲スペシャルインタビュー “ハウルの動く城” 内容 より抜粋)

 

 

「あれは、実は宮崎さんの意図なんです。今回はソフィーというヒロインが90歳から18歳の間でどんどん表情が変わっていく。そこで一貫してこれはソフィーであるということを印象づけるために、そのときに必ず流れる音楽がほしいって要望があって。それは、宮崎さんの中でとっても重要だったんです。それで、実は劇中の全30曲中18曲がこのテーマのヴァリエーションなんです。これは作曲家にとっては、非常につらいんですよ。だって作曲の技術を駆使しなくちゃならないから(笑)。あるときは、ラブロマンス的なもの、あるときは勇壮で、あるときはユーモラスで。でも、大変ではあったけど仕上がりを観て、こういう意図を要求された宮崎さんはあらためてスゴイと思いましたね」

Blog. 「月刊ピアノ 2005年2月号」 久石譲 インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「舞台が西洋で、フルオーケストラでやろうと決めていました。個人的には音楽的な主張が強くなって、複雑な方向にいきそうな時期でしたから、映像との調和を考え、シンプルなワルツの力を借りました。」

「僕らはそんなこと言い合いません。「最高!」と僕はいい、テレもあるのか「とんでもないものを作っちゃいましたね」と宮崎さんは毎回いわれる。僕が『ハウル』で「やったな!」と思うのは、これまでは1秒の30分の1まで計算して、映像と音楽を合わせてきました。今回はアバウトにしています。映像を見ながらオーケストラを指揮して、音楽をつけたのですから。」

「デジタルだとテンポが一定になるじゃない。そうした計算づくではなく、たとえシーンの合わせ目が微妙にズレたとしても、気分の充実を大事にしたかった。この方法は『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』以来。20年ぶりですが、後退ではなく、前進だと思っています。」

Blog. 「kamzin カムジン FEB. 2005 No.3」”ハウルの動く城” 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

「ハウルの動く城」

しばらく悩んだ後、「ハウル」のメインテーマはワツルがいいと考えた。アルバム「ETUDE」の影響もあり、自分の音楽が映像とマッチングするよりも強い主張を持ち始めていることをボクは自覚していた。この問題を解消するための方法がワルツのど導入だった。

どんなに複雑なテクスチュアを導入しても、ワルツという3拍子のリズムは行き過ぎた音楽表現を抑制してくれる。

ワールド・ドリーム・オーケストラでも演奏したショスタコーヴィチのワルツ(キューブリックの「アイズワイドシャット」のなかにも使われている)が頭のなかに残っていたこともあって、もともと4拍子で書いたものを3拍子に切り替えた。

優れたクリエイターは、自分の予想の範囲内の出来事に興味を示さない。予定調和はおもしろくない。

宮崎監督、鈴木プロデューサーの想定を裏切るのは大変だが、自分のためにも、そして映像と作品のためにも、「ハウル」のテーマをワルツにしたのは正解だった。

余談になるけれど、このとき別案として書いた曲も、完全に捨ててしまったわけではなくて、実は「ハウル」の中で使っている。どこの部分かは、読者の皆様のご想像にお任せしたい。

(「久石譲 35mm日記」(2006年刊)~「ハウルの動く城」項より 一部抜粋)

 

 

参考資料:
連載 久石譲が挑む「ハウル」の動く音 (読売新聞)

 

 

 

 

2020.11 Update

2020年発売LP盤には、新しく書き下ろされたライナーノーツが封入された。時間を経てとても具体的で貴重な解説になっている。

 

 

 

 

ハウルの動く城 サウンドトラック

1.-オープニング- 人生のメリーゴーランド
2.陽気な軽騎兵
3.空中散歩
4.ときめき
5.荒地の魔女
6.さすらいのソフィー
7.魔法の扉
8.消えない呪い
9.大掃除
10.星の湖 (うみ) へ
11.静かな想い
12.雨の中で
13.虚栄と友情
14.90歳の少女
15.サリマンの魔法陣~城への帰還
16.秘密の洞穴
17.引越し
18.花園
19.走れ!
20.恋だね
21.ファミリー
22.戦火の恋
23.脱出
24.ソフィーの城
25.星をのんだ少年
26. -エンディング- 世界の約束~人生のメリーゴーランド

M26.「世界の約束」 歌:倍賞千恵子
作詞:谷川俊太郎 作曲:木村弓 編曲:久石譲

作曲・編曲・指揮:久石譲
プロデュース:久石譲

演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:久石譲
トランペット:ミロスラフ・ケイマル (チェコ・フィルハーモニー管弦楽団)

音楽収録:ワンダーシティ, すみだトリフォニーホール

 

Howl’ Moving Castle (Original Soundtrack)

1.Opening Song – Merry-Go-Round of Life
2.The Merry Light Cavalrymen
3.A Walk in the Skies
4.Heartbeat
5.Witch of the Waste
6.Sophie in Exile
7.The Magic Door
8.Irremovable Spell
9.Cleaning House
10.To Star Lake
11.Unspoken Love
12.In the Rain
13.Vanity and Friendship
14.A Ninety-Year-Old Girl
15.Saliman’s Spell – Return to the Castle
16.The Secret Cave
17.Moving to a New House
18.The Flower Garden
19.Run!
20.You’re in Love
21.Family
22.Love Under Fire
23.Escape
24.Sophie’s Castle
25.The Boy Who Swallowed a Star
26.Ending Song – Merry-Go-Round of Life

 

하울의 움직이는 성 Original Soundtrack
(South Korea, 2004) PCKD-20167

1.오프닝- 인생의 회전 목마
2.명랑한 경기병
3.공중 산책
4.고동
5.황무지의 마녀
6.방랑하는 소피
7.마법의 문
8.풀리지 않는 저주
9.대청소
10.별의 호수로
11조용한 상념
12빗속에서
13.허영과 우정
14.90세의 소녀
15.설리먼의 마법진~성으로의 귀환
16.비밀의 동굴
17.이사
18.꽃의 정원
19.뛰어!
20.사랑이야
21.패밀리
22.전쟁의 사랑
23.탈출
24.소피의 성
25.별을 삼킨 소년
26.엔딩- 세계의 약속 ~인생의 회전 목마

 

Disc. 久石譲 『世界の約束 / 人生のメリーゴーランド』

久石譲 『ハウルの動く城 主題歌 世界の約束』

2004年10月27日 CDS発売 TKCA-72774

 

2004年公開 スタジオジブリ作品 映画「ハウルの動く城」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲 主題歌:倍賞千恵子

 

 

本作品に収録されている「人生のメリーゴーランド」は、「ハウルの動く城 サウンドトラック」に収録のものと、尺(パート構成/繰り返し)などが異なる。サウンドトラック未収録versionとなる。

 

 

久石譲 『ハウルの動く城 主題歌 世界の約束』

1. 主題歌:世界の約束 歌:倍賞千恵子
2. テーマ:人生のメリーゴーランド (インストゥルメンタル)
3. 世界の約束 (オリジナルカラオケ)

「世界の約束」
作詞:谷川俊太郎 作曲:木村弓 編曲:久石譲

プロデュース:久石譲

ジャケット監修:宮崎駿