Overtone.第59回 「久石譲 FUTURE ORCHESTRA CLASSICS Vol.4」コンサート・レポート by tendoさん

Posted on 2022/02/14

2月9日開催「久石譲 FUTURE ORCHESTRA CLASSICS Vol.4」コンサートです。当初予定からの延期公演です。プログラムも新たにアップデートされリアルチケットは完売御礼。さらに、Vol.2,3に引き続いてライブ配信もあり、国内外からリアルタイム&アーカイブで楽しめる機会にも恵まれました。

今回ご紹介するのは、韓国からライブ・ストリーミング・レポートです。「WDO2021」「新日本フィル定演」「MF Vol.8」コンサートにつづいてこの1年間で4回目の登場tendoさんです。とてもおもしろい注目の仕方と表現で、いつも対訳させてもらいながら楽しませてもらっています。きっと共感ポイントあると思いますよ。

 

 

久石譲 FUTURE ORCHESTRA CLASSICS Vol.4

[公演期間]  
2022/02/09

[公演回数]
1公演
東京・東京オペラシティ コンサートホール

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:Future Orchestra Classics
コンサートマスター/ヴァイオリン・ソロ:近藤薫

[曲目] 
レポ・スメラ:Musica Profana
久石譲:Winter Garden

—-intermission—-

ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調 Op.90

—-encore—-
ブラームス:ハンガリー舞曲 第6番 ニ長調

 

 

はじめに

F.O.C.シリーズもすでに4回目になる。今回の公演もリアルタイム・ストリーミングが決定し、日本公演を韓国で楽しむことができた。世界各国の人々とコンサートの直後に感想を交わすことができ、コンサートが終わった後もアーカイブで見ることができるので、リアルタイム・ストリーミングがこのように継続的に続いていることに感謝するばかりだ。いつの日かパンデミックの状況が良くなって会場に直接行ってパンフレットやCDなどを買って演奏を直接聴く日が来てほしい。

 

F.O.C.シリーズについて

Future Orchestra Classics(F.O.C.)シリーズは久石譲の代表的なコンサートシリーズの一つで、長野で活動していたN.C.Oを母体として再結成されたフューチャー・オーケストラが、古典クラシック作品を久石譲作品などの現代作品とともに演奏するプログラムだ。

フューチャー・オーケストラは、厳選した首席演奏家で構成されており、久石譲は指揮を兼ねる作曲家として、時代を先取りした指揮を追求している。現在はブラームスの交響曲全曲のツィクルスが進行中だ。

 

Lepo Sumera : Musica Profana

 

久石譲のファンなら、もうレポ・スメラはおなじみの名前だろう。今回のコンサートで演奏されるレポ・スメラの曲は、弦楽オーケストラで演奏される曲だ。

いつからか久石譲のコンサートには、弦楽だけで演奏される曲が少なくとも1曲は含まれているようだ。正確な理由は分からないが、金管楽器演奏者たちのクオリティーを高めるためのようでもあり、コンサートのレパートリーで小編成の弦楽からなる曲を試してみることのようでもあり、シンプルに久石譲が弦楽オーケストラを好んでよく楽しむのかも知れない。

Musica Profanaはよく演奏されるとか有名な曲ではないけど、かなり面白い曲だった。緊張感の感じられるメロディーがリズム感のあるように進んでは停止するを緊密に繰り返しながら進行される。現代曲をよく演奏する首席奏者からなるオーケストラ、ミニマル音楽を作曲している久石譲に適している曲だと思った。

何度か緩やかに進んでは再び最初の雰囲気に戻ることを繰り返すが、中断を適切に活用した曲という側面から、久石譲の「2 Pieces」という作品の第1楽章である「Fast Moving Oppositions」という曲が浮かんできた。

 

 

最後のハイライトで曲が盛り上がったとき、久石譲がキューサインを与える姿が素晴らしかった。終わりまで本当に素敵な曲だった。F.O.C. vol.3で演奏したレポ・スメラの交響曲第2番も本当に印象深かったが、今回の曲も本当にすごかった。

 

Joe Hisaishi : Winter Garden

 

Winter Gardenはヴァイオリンのための協奏曲として作曲されたミニマル曲だ。2006年にヴァイオリンとピアノのためのバージョンとして2楽章の曲として作曲され、これはアルバムとしてもリリースされたことがある。だが、以降に新たに3楽章が付け加えられたヴァイオリンとオーケストラバージョンになってから2014年に改訂されたバージョンが出てきたが、映像やアルバムなどでは残っていなかった未知の曲だ。

 

 

久石譲のミニマル曲を聴くときは最近打楽器に耳を傾ける方だが、キラキラしたグロッケンシュピール、トライアングルや欠かせないウッドブロックの音もあった。特に、後ろにあるカウベルが注目を集めた。 久石譲の「The East Land Symphony」や「Deep Ocean」に使われた楽器だ。(2017年の韓国公演でも見たうれしい楽器だ。)

コンサートマスターである近藤薫さんの素敵なヴァイオリン・ソロで始まるが、ヴァイオリンとピアノのバージョンとは違いパーカッションがヴァイオリンとともに和やかな音を出しながら始まるのが印象的だった。

第1楽章は、覚えやすいメロディーを中心に軽快な感じで進められる曲だった。全体的に明るく朗らかな雰囲気だった。最後にヴァイオリンの高音で終わりを迎えるが、その瞬間オーケストラが急にみんな静まる部分が印象的だった。

第2楽章は、先に話したカウベルとともに始まる。瞑想的な雰囲気の穏やかな曲だった。ヴァイオリンの官能的なソロ演奏が本当によかった。 ぼたん雪が少し積もった穏やかな感じで、だんだん緊張感が高まった。オーケストラがヴァイオリンをやさしく包み込んで終わる。

 

 

爽やかな雰囲気で始まる第3楽章は、ヴァイオリンのテクニックが引き立つ曲だった。オーケストラとヴァイオリンが交差し、次々と主要テーマを演奏していく。チューブラーベルが加わってさらに豊かでかっこいい雰囲気に。ソロ・ヴァイオリンのカデンツァ直前のオーケストラが力強く躍動する場面も印象的だった。

 

 

カデンツァは本当に完璧だった!ヴァイオリンのテクニックというのはこういうことなんだ!曲が終わる頃に聴こえる楽器はヴィブラフォンだろうか。 暖かい音色で包み込んで終わりを告げているが、本当に素敵な終わり方だった。

 

Brahms : Symphony No.3 in F major Op.90

 

インターミッションの後に続く曲は、今日の主人公ブラームスの交響曲第3番だ。

第1楽章は、管楽器の力強いハーモニーから始まる。この曲は全体的には明るいようでありながらも、一方ではどこか複雑微妙な感情も感じられた。時々登場する急上昇の和音部分は素敵だった。

第2楽章は、緊張した一日を降りて気楽に聞くことができる曲だった。ロマンティックで叙情的な雰囲気の曲だ。

第3楽章は、おそらくブラームスの交響曲第3番で最もよく知られている楽章ではないだろうか。 訴える力の強い濃厚なメロディーに秋の香りが漂うような感じだった。

 

 

福川伸陽さんのホルン演奏はどんなに素敵なことか!オーボエも本当によかった。最高だった!第3楽章が終わる頃には、しばらく泣きそうになった。一生覚えていたい素敵な瞬間だった。

第4楽章は、実に強烈で情熱的な演奏だった。私も知らないうちにリズムに乗っていた。第3楽章に次ぐ素敵な楽章だった。第4楽章は非常に静かに落ち着いた調子で締めくくられた。ブラームスの交響曲第3番は、すべての楽章でこのように穏やかに締めくくられているのが特徴だと感じた。

 

続くアンコール曲は、やはりブラームスのハンガリー舞曲だった!

 

Brahms : Hungarian Dance No.6 in D Flat Major

やや馴染みのない曲だったが、軽快で茶目っ気が感じられる面白い曲だった。「ドン!ドン!」という音に合わせて腕を振り回す久石譲の姿も面白かった。指揮者と演奏者の息が本当に良かったというか、素晴らしいアンコールだった!

 

 

今日のコンサートは本当に駆け引きする演奏に夢中になってしまった。FOCが始まった時は、ブラームスの交響曲に目覚める前でしたが、今は久石譲のおかげでその真価をわかってくるようになった。FOCが持っている特有の音色とアクセント、リズム感、スピードなどなど… FOCが持っている魅力は数え切れないほど多かった。

ミニマル作品とクラシック作品をつなげて紹介するコンサートはどれほどか、またこうして完成度の高い曲を聞けて本当に幸せだった。次のFOCは7月にブラームスの最後の交響曲となる。久石譲のRecomposed楽曲はどのように披露するのか、そしてまだ発表されていない曲はどんな曲なのか。

久石譲が指揮したブラームス交響曲全曲を全集で会うその日を楽しみにしてこの文を終える。

 

2022年2月11日 tendo

出典:TENDOWORKS|히사이시조 – Future Ochestra Classics Vol.4 콘서트 리뷰https://tendowork.tistory.com/77

 

 

tendoさんは韓国で久石譲活動を広く知ってもらいたいとウェブサイトで発信しています。なので、韓国の人たちに現在進行系の久石譲を伝える「はじめに」などの導入部で丁寧に解説しています。こんなライブレポートがあるとうれしいですよね。距離感を越えてぐっと身近に感じられます。

ライヴ映像をことこまかに忘れてしまっても、数年後このレポートを見たらきっとその瞬間の映像が蘇ってくるだろうな、音楽が聴こえてくるだろうな、そんなふうに思います。もうね、SNSでライブ配信直前からスタンバイしてる様子(写真付き)とかを見るだけで、なんだかこっちまでそわそわワクワクうれしくなってきます。そういう海外ファンがもっと増えたらいいですね!

tendo(テンドウ)さんのサイト「TENDOWORKS」には久石譲カテゴリーがあります。そこに、直近の久石譲CD作品・ライブ配信・オフィシャルYouTube特別配信をレビューしたものがたくさんあります。ぜひご覧ください。

https://tendowork.tistory.com/category/JoeHisaishi/page=1

 

 

こちらは、「コンサート・パンフレット」から久石譲による楽曲解説や、いつものコンサート・レポートをしています。

 

 

 

 

「行った人の数だけ、感想があり感動がある」

久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋 では、久石譲コンサートのレポートや感想、いつでもどしどしお待ちしています。応募方法などはこちらをご覧ください。どうぞお気軽に、ちょっとした日記をつけるような心もちで、思い出をのこしましょう。

 

 

みんなのコンサート・レポート、ぜひお楽しみください。

 

 

 

reverb.
訳しながら久石譲が使うキーワードを熟知しているなと感嘆しきり。

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

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