Posted on 2025/07/26
2025年7月24,25日開催「久石譲&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 スペシャルツアー 2025 オーケストラ・コンサート」です。久石譲がComposer-in-Associationを務めるロイヤルフィルとの日本公演が実現です。ジブリフィルムコンサート・ツアーファイナルat東京ドーム、ソウル公演を経てツアー最終日まで熱く駆け抜けたこの夏へ。
今回ご紹介するのは、ジブリフィルムコンサートに続いてthuruさんです。ライブ配信で臨場感たっぷりです。そのままコンサートの時間で進んでいるような感想はイメージ映し出す疑似体験です。ぜひお楽しみください。
Joe Hisaishi Royal Philharmonic Orchestra Special Tour 2025
Orchestra Concert at Suntory Hall
[公演期間] 
2025/07/24,25
[公演回数]
2公演
東京・サントリーホール
[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ハープ:エマニュエル・セイソン
[曲目]
久石譲:Metaphysica(交響曲第3番)
I. existence
II. where are we going?
III. substance
—-intermission—-
久石譲:Harp Concerto ※日本初演
Movement 1
Movement 2
Movement 3
—-Soloist Encore—-
ドビュッシー:月の光 (7/24)
久石譲:Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestra
交響組曲「君たちはどう生きるか」 ※日本初演
—-Orchestra Encore—-
One Summer’s Day (for Piano and Harp) (7/25)
Merry-go-round (for Piano and Orchestra) (7/24,25)
[参考作品]

久石譲スペシャルツアーinサントリーホールコンサートレポート
ライブ配信された7月25日公演の様子をレポートさせていただきます。
東京ドームツアーと並ぶこのコンサート。久石譲ファンの中にはこのコンサートを待っていた人も多くいるはずです。それもそのはず、演奏予定の3曲はすべて音源化されておらずファンからしたら触れる機会が少ないからです。
一昨年、第2期が終了したWDO。その代わりともとれるこのコンサート。その様子を画面越しながらお伝えさせていただきます。
Metaphysica(交響曲第3番)
新日本フィルによって委嘱されたこの作品。ミニマル全開でした。
1.existance
テンポは速く、リズミカルで16分音符が管楽器と弦楽器の間を行ったり来たり。リズム中心のとても難しい楽曲でした。中間でチェロをはじめとした優しいパートの後、本人公式インスタグラムに上がっていた録音のパートを発見。なんのレコーディングをしていたのか気になっていましたが予想通りMetaphysicaでした。また、コントラバスの早いピチカートもみられ、全体的にミニマルチックな第1楽章でした。
2.Where we are going?
新日本フィルのYouTubeにもあがっていたため、この第2楽章だけは予習できました。弦楽器の怪しくも悲しいような雰囲気で始まり、タイトルのように本当に自分はどこに行っているんだろうと思わせるような曲でした。少し映画音楽にもありそうな雰囲気で、そこから金管が出始め、打楽器が刻み始めます。どこかSymphony No2やThe End of the Wouldのような雰囲気でまた、ミニマルとクラシックが融合しているようにも感じました。
3.Substance
これもまた16分音符中心です。弦の不協和音に始まります。3つある楽章の中で一番ミニマルっぽく感じました。ベルなど打楽器が印象に残る曲でした。駆け上がっていくような中間部、ラストの1部分は新日本フィルのYouTubeに上がっています。最後はラヴェルのラヴァルスのような終わり方でした。
全体通して、Symphony No2などスネアをはじめとする打楽器の感じでか、この打楽器の使い方久石さんっぽいなとわかるようになってきました。それほどに近年の久石さんのオリジナル作品における、重要なポイントは打楽器である。ということがこのMetaphysicaを通じてよくわかりました。
休憩
Harp Concerto
久石譲✕エマニュエル・セイソンのタッグがおくるハープ協奏曲。とても楽しみにしていました。が、電波が悪く、第1楽章の終わりからしか見られませんでした。見逃し配信で見ます、、、
Movement1.
聞き取れた範囲だけになります。これもミニマルっぽい感じで弦とうまく調合していました。また、特殊奏法なのかわかりませんがハープからボイスパーカッションのような音も多く聞こえました。
Movement2.
ここで大きな気づきが1点。エマニュエル・セイソンがポケットからドライバーのようなものを取り出し、ハープの弦にこすりつけたり、紙のようなもので弦を押さえつけて演奏したりと、現代音楽みのある第2楽章でした。
Movement3.
ここでもハープの弦ではなく反対をたたきながら演奏し、特徴的なパートが見られました。オーケストラとハープの合わさった絶妙な音楽。素晴らしいの一言に尽きます。
ハープの見たことのない特殊奏法に翻弄され、絶妙な演奏に圧倒されました。
Symphonic Suite The Boy and the Heron for Piano and Orchestra
(交響組曲 君たちはどう生きるか)
この作品が交響組曲化するにあたってずっとミニマル中心で1曲1曲が短いのにどうするんだろうと思っていました。シンガポール公演の写真を見て、アンサンブル形式だと確認してから今日まで、どうなるんだろうとずっと考えていました。サントラないの曲名に従って自分なりにまとめてみました。
1.Ask me why(疎開)
おなじみの久石さんによる和音から始まり、オーケストラも入ってきました。弦楽器の伴奏がきれいな和音ではなく少し不協和音のようになっていたのが気になりました。明らかだったので演奏ミスではないかと。
2.青サギ
サントラ曲名でいうと青サギ、青サギ3、青サギの呪いの3曲が合わさっていました。そのため、まとめて青サギとしました。久石さんの力強いピアノとオーケストラで不穏な雰囲気を演出します。
3.ワナ
青サギの不穏な雰囲気のままこの曲へ。こちらも力強いピアノが印象的でした。
4.ワラワラ
久石さんは指揮に徹し、ホルンが不思議な生物のテーマを彩ります。SEは金管楽器の奏者がマウスピースで行いました。
5.火の雨
サントラでコーラスが歌っている部分はピアノに置き替えられていました。オーケストラとともに盛り上がりを見せます。
6.祈りのうた(産屋)
宮崎駿監督のために作られたこの曲。しっかりと組曲にも入っています。久石さんがピアノでメロディーを奏でた後、コンマスとともに不思議な旋律を奏で暗い雰囲気をオーケストラが演出します。
7.大王の行進
自分がサントラで1番といってもいいほどに好きな曲です。サントラに比べてアップテンポで久石さんもニコニコ指揮をされていました。
8.大伯父の思い
楽団のピアニストがレの音を一定のリズムで奏でこの曲がスタート。明るい曲で組曲の終盤を彩ります。
9.Ask me why
東京ドームツアーのアンコールと全く同じです。やはりサントリーホールですので東京ドームとは段違いで音が良い。絶妙なオーケストレーションが素晴らしいです。Ask me whyにはじまり、Ask me whyに終わる。まるで千と千尋の神隠し組曲のようです。やはりどちらの曲も共通するのはピアノの重要さ。近年、久石さんのピアノに演奏回数は減少傾向にありますがやっぱり久石さんとピアノは切っても切り離せないですね!
ほぼすべての曲でピアノを弾いた久石さん。こんな姿はとてもレアです!でも、ほかの交響組曲がおよそ25分から30分なのに対して、この組曲は15分ほど。楽曲内容的に長くうまくつなげるというのは難しいと思いますがここからの改訂に期待します!
Soloist Encore
One Summer’s Day for Harp
東京ドームツアーでも演奏されたピアノとボーカルバージョンのボーカルがハープに置き換わったものです。2022年のWDOもバンドネオンとともに演奏されました。泣いちゃいました。
Encore
Merry Go Round
よくアンコールで演奏されるものと変わりありません。しかし変更点が一か所。Symphonic Variation Merry Go Roundとこのアンコールバージョンの違いは、ワルツが始まった後の久石さんのピアノのメロディーです。微妙に違います。転調前のチェロが奏でるSymphonic Variation Merry Go Roundのピアノパートも久石さんがもう一度ピアノを弾かれました。つまり、曲中にイントロ、ワルツ後、転調前の三回ピアノを弾いたという事になります。(語彙力皆無だけどどうにか伝わらないかな)
以上で全曲目終了です。会場全体スタンディングオーベーション。楽団員も久石さんもニコニコが止まりません。複数回のカーテンコールの後、コンサート終了です。
サントリーホールでの二日間。ソウル含めると四日間。本当に素晴らしい演奏だったと思います。久石譲✕ロイヤルフィルによる活動はまだ終わりません。おそらくこの一年以内にMetaphysicaを含むもしかするとこの公演の三つの曲目をいれたアルバムが出ることでしょう。久石譲ファンとしては待ちきれませんね。これからの活動が世界中の人々に感動を与えることを願っています。
2025年7月25日 thuru

とても同時進行な鮮やかなレポートありがとうございます。コンサートの余韻より前の、その瞬間感じたことがそのまま時間とともに流れるようでとても楽しかったです。しかも久石譲の音楽を現在進行形で追いかけていないと書けないような視点に溢れていてすごいです。
ちょっと裏側をお話させてもらうと、このレポートが届いたのは当日夜23時、ライブ配信終了からちょうど2時間後でした。それでこの吸収度・咀嚼度・充実度、すごくないですか!?だから、ここにあるのは、誰しも共感するところがあるコンサートを聴きながら思っていることの現れなんですね。本当にありがとうございます。
Merry-go-roundピアノ3回弾いた、よく伝わりました。


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- 〔備忘録〕JOE HISAISHI ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA SPECIAL TOUR 2025/ORCHESTRA CONCERT(2025.7.25)
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reverb.
コンサートレポートをもらうたびに久石さんの熱いファンがここにもいるんだ!!ってうれしくなりますね。

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
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역시 모두들 Merry-Go-Round에서 매의 눈으로 보고 있었군요!! 많이 공감되는 보고서 였습니다. 감사합니다.
^^♪ ♡