Disc. 久石譲指揮 ナガノ・チェンバー・オーケストラ 『ベートーヴェン:交響曲 第7番&第8番』

2018年7月18日 CD発売 OVCL-00666

 

精鋭メンバーが集結した夢のオーケストラ!ベートーヴェンはロックだ!!

音楽監督久石譲の呼び掛けのもと、長野市芸術館を本拠地として結成された「ナガノ・チェンバー・オーケストラ」は、日本の若手トッププレーヤーが結集し、ダイナミックで溌剌としてサウンドが魅力のオーケストラです。2年で全集完成を目指すベートーヴェン・ツィクルスは、作曲家ならではの視点で分析した、”例えばロックのように”という、かつてない現代的なアプローチが話題となっています。さまざまな異なる個性が融合し、進化を続ける久石譲とNCOのベートーヴェンをどうぞお楽しみください。

(CD帯より)

 

 

リズムとカンタービレの共存 柴田克彦

本作は、第1番&第3番「英雄」、第2番&第5番「運命」に続く、久石譲指揮/ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)のベートーヴェン交響曲シリーズの第3弾。長野市芸術館を本拠地とし、久石が音楽監督を務めるNCOは、在京オーケストラの首席奏者を多く含む国内外の楽団やフリーの奏者によって構成されている。彼らは、ホール開館直後の2016年7月から2018年7月にかけて、ベートーヴェンの交響曲の全曲演奏(全7回)及びライヴ録音を行っており、本作には2018年2月12日の第6回定期の2演目が収録されている。

当シリーズにおける久石のコンセプトは、「作曲当時の小回りが効く編成で、現代的なリズムを活用した、ロックのようなベートーヴェン」。弦楽器の編成(本作)は、ヴァイオリンが全体で16名、ヴィオラが6名、チェロが4名、コントラバスが3名とかなり絞られている。久石とNCOは、これを生かしたソリッドな響きで、細かな音の綾を浮き彫りにしながら、推進力と躍動感溢れる演奏を聴かせてきた。

さて第7番と第8番は同時期の作。サイズや曲想こそ違えども、リズムが強調されている点、純粋な緩徐楽章がない点など、双生児的な面をもっている。共にいわば”ビートが効いた、停滞しない音楽”だ。久石は当初から「ロックやポップスを聴いている今の奏者は皆リズムがいい。そのリズムを前面に押し出した強い音楽をやれば、物凄くエキサイティングなベートーヴェンになる」と語っていたし、これまでの演奏からみても、彼らのアプローチに最も適した作品であるのは間違いない。

実際に聴くと、まさしくその通り。快速テンポでビートの効いた躍動的な演奏が展開されている。だがここで重要なのは、第7番では”カンタービレ”、第8番では”ユーモアや和み”との共生が成就されていること。ベートーヴェンが狙ったのは、そこではなかったか? 本公演前、NCOのコンサートマスター・近藤薫(東京フィルでも同職にある)に話を聞いた際、「久石さんは、流行や世が求めるアプローチよりも、ベートーヴェンが交響曲で何をしたかったのか?との視点で考えている。作曲家ゆえに、音符を通して対話し、構造を読み解こうとしているように思う」との旨を語っていた。本作を聴くと、この言葉を思い出す。

もう1つ感心させられるのは、奏者たちの生き生きとした反応と積極性だ。短いフレーズの応答や合いの手における絶妙な会話と相まって、全体に覇気が漂っている。特に木管楽器の存在感が抜群。オーボエの荒絵理子(東響首席)をはじめとするNCOメンバーの妙技も、本作の魅力の1つだ。

第7番は、第1楽章の遅い序奏部からすでに駆動力が示され、何かが起こりそうな予感が漂っている。主部に入ると、「ターン・タタン」の基本リズムが明確に描かれ、前向きに進みながらも、音楽の流れはしなやかだ。この”リズムはくっきり、フレージングはなめらか”は、全曲に亘る特徴でもある。第2楽章は精妙なダイナミクスで奏される弦楽パートの室内楽的な絡み合いが見事。しかも「アレグレット」の歩調はキープされている。第3楽章は溌剌と進行し、トリオもレガートだが停滞はしない。第4楽章は超速テンポの畳み込みが凄まじい。「タンタカタン」のリズムや細部の動きは明瞭で、終盤のバッソ・オスティナートも通常以上の凄みを発揮する。

第8番の第1楽章は軽やか且つ力強い。ここもリズムが明確で、ティンパニ等の強烈なアタックも耳を奪い、圧倒的な推進力が第7番と双生児たることを明示する。第2楽章は木管の瑞々しい刻みとしなやかな弦楽器群の対比が絶妙。第3楽章は流動的な運びに添えられるアクセントが効果的で、ホルン2本を筆頭にしたトリオの美しさも特筆される。第4楽章はむろん軽快だが、やはり細部まで入念に表出され、勢い任せになることはない。

”爽快なエネルギーと高揚感”に充ちた本作を聴くと、残る3曲への期待がいやが上にも膨らむ。

(しばた・かつひこ)

(CDライナーノーツより)

 

※諸石幸生氏による3ページにわたる曲目解説は割愛。詳細はCD盤にて。

 

 

 

 

 

 

 

2020.02 Update

 

 

 

[ベートーヴェン・ツィクルス第3弾]
ベートーヴェン:交響曲 第7番&第8番
久石譲(指揮)ナガノ・チェンバー・オーケストラ

ベートーヴェン
Ludwig Van Beethoven (1770 – 1827)

交響曲 第7番 イ長調 作品92
Symphony No.7 in A major Op.92
1. 1 Poco sostenuto -Vivace
2. 2 Allegretto
3. 3 Presto
4. 4 Allegro con brio

交響曲 第8番 ヘ長調 作品93
Symphony No.8 in F major Op.93
5. 1 Allegro vivace e con brio
6. 2 Allegretto scherzando
7. 3 Tempo di menuetto
8. 4 Allegro vivace

久石譲(指揮)
Joe Hisaishi (conductor)
ナガノ・チェンバー・オーケストラ
Nagano Chamber Orchestra

2018年2月12日 長野市芸術館 メインホールにてライヴ録音
Live Recording at Nagano City Arts Center Main Hall, 12 Feb. 2018

 

Produced by Joe Hisaishi, Keiji Ono

Conducted by Joe Hisaishi
Performed by Nagano Chamber Orchestra
Concertmaster:Kaoru Kondo

Recording & Balance Engineer:Tomoyoshi Ezaki
Recording Engineers:Takeshi Muramatsu, Masashi Minakawa
Mixed and Mastered at EXTON Studio, Tokyo

and more…

 

Info. 2018/07/17 アートメントNAGANO閉幕 気迫の第9、久石さん有終 (信毎Webより)

長野市で開かれていた3回目の音楽フェスティバル「アートメントNAGANO」は16日、長野市芸術館でナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)の第7回定期演奏会を行い、10日間の日程を終えて閉幕した。この日の演奏会は、来年3月に同館芸術監督を退任する意向を表明した久石譲さんが指揮。久石さんと、NCOの勢いのある演奏に、満席の来場者1260人から盛大な拍手が送られた。 “Info. 2018/07/17 アートメントNAGANO閉幕 気迫の第9、久石さん有終 (信毎Webより)” の続きを読む

Info. 2018/07/09 「アートメントNAGANO 2018」いよいよ7日からスタート! 【7/15 Update!!】

Posted on 2018/07/09

7月7日(土)から16日(月・祝)まで開催される「アートメントNAGANO 2018」いよいよスタートです。

 

アートメントNAGANO とは
長野市から発信する夏の音楽フェスティバル。長野市芸術館が開館した2016年より毎年実施、今年で3回目を迎える。”芸術を日常的に楽しんでほしい”、長野市芸術館・芸術監督を務める久石譲の発案のもと「Art(芸術音楽)」と「Entertainment(エンタテインメント)」を組み合わせた造語で『アートメント Art’ment』。クラシック音楽の醍醐味から様々なジャンルの芸術を積極的に組み合せたプログラムで、斬新かつ従来にない総合芸術フェスティバルになることを目指しています。 “Info. 2018/07/09 「アートメントNAGANO 2018」いよいよ7日からスタート! 【7/15 Update!!】” の続きを読む

Info. 2018/08/10,17,24 [TV] 金曜ロードSHOW! 3週連続夏はジブリ「ハウルの動く城」「となりのトトロ」「猫の恩返し」放送

この夏、「金曜ロードSHOW!」は夏のスーパーアニメ祭りとしてアニメーション映画を集中放送します。ジブリ作品は、8月に入って3週連続放送。「ハウルの動く城」「となりのトトロ」「猫の恩返し」が放送されます。合言葉は「3週連続 夏はジブリ」。夏休みの思い出に、是非とも家族でご覧ください。SNSでも盛り上がろう!

(スタジオジブリ公式サイトより) “Info. 2018/08/10,17,24 [TV] 金曜ロードSHOW! 3週連続夏はジブリ「ハウルの動く城」「となりのトトロ」「猫の恩返し」放送” の続きを読む

Info. 2018/07/15 [TV] 「日曜劇場「この世界の片隅に」徹底ガイド!!【ドラマの舞台裏&魅力に迫る1時間】」放送

日曜劇場「この世界の片隅に」徹底ガイド!!【ドラマの舞台裏&魅力に迫る1時間】
7月15日(日)14:00 – 15:00 TBS

日曜劇場「この世界の片隅に」の魅力に迫る1時間!/松本穂香×松坂桃李×尾野真千子×伊藤蘭ほか出演者座談会/二階堂ふみ・村上虹郎ら豪華キャストが撮影の裏側を語る!

日曜劇場「この世界の片隅に」の舞台裏&魅力に迫る!この番組でしか観ることのできない、最新映像や特別企画が満載の濃密な1時間! “Info. 2018/07/15 [TV] 「日曜劇場「この世界の片隅に」徹底ガイド!!【ドラマの舞台裏&魅力に迫る1時間】」放送” の続きを読む

Info. 2018/08/01 「Symphonic Suite Castle in the Sky/久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ」CD発売決定!! 【7/12 Update!!】

昨年、国内5都市と韓国ソウルにて開催された「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017」コンサートツアーで初演された、2大作品が待望のCD化。発売は8月1日、どうぞご期待ください。

(2018.7.12 ジャケット写真と収録曲目を更新しました) “Info. 2018/08/01 「Symphonic Suite Castle in the Sky/久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ」CD発売決定!! 【7/12 Update!!】” の続きを読む

Info. 2018/07/09 久石譲さんが今年度で長野市芸術館の芸術監督退任へ (Webニュースより)

長野県中野市出身の作曲家・久石譲さんが、長野市芸術館の芸術監督を今年度で退任する意向を明らかにしました。

久石さんは長野市芸術館で8日行われた音楽フェスティバル・アートメント長野のオープニングコンサートのステージで、「ちょうど5年目で任期満了になるので今年が最後のコンサートになります」と述べ、退任する考えを示しました。同館によると、久石さんは、音楽祭が身近な存在として定着したことに感謝の言葉を口にしたといいます。同館の山本克也総支配人は「このタイミングでの発表に驚いたが、市民の間で年々高まる音楽祭への熱気に手応えを感じたのだと思う」と語りました。 “Info. 2018/07/09 久石譲さんが今年度で長野市芸術館の芸術監督退任へ (Webニュースより)” の続きを読む

Info. 2018/07/08 夜の善光寺 幽玄な調べ 音楽祭開幕(信毎Webより)

長野市芸術館などで多彩な公演を繰り広げる音楽祭「アートメントNAGANO」が7日夜、同市の善光寺本堂での奉納コンサートで開幕した。16日までの間、オーケストラや現代音楽の公演、子どもも鑑賞できるライブなどを展開する。この日はバンドネオン奏者の三浦一馬さんやギタリストの大萩康司さんらが演奏し、約350人が幽玄の空間に浸った。 “Info. 2018/07/08 夜の善光寺 幽玄な調べ 音楽祭開幕(信毎Webより)” の続きを読む

Info. 2018/07/07 [TV] BSジャパン「エンター・ザ・ミュージック」麻衣ゲスト出演 「Stand Alone」他披露

7月7日(土)、BSジャパン放送 音楽番組「エンター・ザ・ミュージック」に麻衣さんがゲスト出演します。同番組は「音楽は世界を豊かにする!」をコンセプトに、さまざまな分野の音楽の楽しみ方や逸話を語り、かつ演奏を楽しむ音楽番組です。ぜひご覧ください。 “Info. 2018/07/07 [TV] BSジャパン「エンター・ザ・ミュージック」麻衣ゲスト出演 「Stand Alone」他披露” の続きを読む

Info. 2018/07/18 久石譲指揮「ベートーヴェン:交響曲 第7番&第8番」CD発売決定!!

久石譲 指揮《ベートーヴェン・ツィクルス第3弾》
ベートーヴェン:交響曲 第7番&第8番の一般発売が、7月18日に決定いたしました。

<先行販売情報♪>
7月に長野市芸術館で開催される「アートメント2018」ならびに「ナガノ・チェンバー・オーケストラ第7回定期演奏会」において、一般発売に先駆けて先行発売をいたします。 “Info. 2018/07/18 久石譲指揮「ベートーヴェン:交響曲 第7番&第8番」CD発売決定!!” の続きを読む