Posted on 2022/11/11
2022年12月9日開催「第28回 四人組とその仲間たち」コンサートです。今回のゲスト作曲家として久石譲出演予定です。その連動企画として貴重な作曲家対談が実現しています。ぜひご覧ください。 “Info. 2022/11/11 特別対談企画【久石譲×西村朗】第1回:作曲家の真意と現代音楽(全音楽譜出版社)動画公開” の続きを読む
Posted on 2022/11/11
2022年12月9日開催「第28回 四人組とその仲間たち」コンサートです。今回のゲスト作曲家として久石譲出演予定です。その連動企画として貴重な作曲家対談が実現しています。ぜひご覧ください。 “Info. 2022/11/11 特別対談企画【久石譲×西村朗】第1回:作曲家の真意と現代音楽(全音楽譜出版社)動画公開” の続きを読む
Posted on 2022/11/11
ユーミン、久石譲らの楽曲も紹介 スタジオジブリ監修のプレイリスト『ジブリパーク』をApple Musicが独占公開
Apple Musicが、スタジオジブリ監修(監修: 宮崎吾朗、構成: 岩崎太整)の2つのプレイリスト『ジブリパーク:行き』『ジブリパーク:帰り』を独占公開した。 “Info. 2022/11/11 スタジオジブリ監修『ジブリパーク』プレイリスト Apple Music 独占公開” の続きを読む
Posted on 2022/11/08
10月26,27日開催「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」コンサートです。春の開催発表から7月には追加公演(10/26)決定、そして公演前日にライブ配信の発表、なんとも直前まで目が離せない。2日間を完売にできる現代音楽のコンサート。日本国内だけでなく世界各地からも視聴できるコンサート。シリーズを重ねるごとにリスナーの好奇心をつかみ、さらにその少し先をいってみせてくれるコンサートです。
今回ご紹介するのは、韓国からライブ・ストリーミング・レポートです。ライブ配信レポートの皆勤賞じゃないかな、忙しいときもあるでしょう、いつもありがとうございます。どうぞお楽しみください!
久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9
[公演期間]
2022/10/26,27 and 2022/11/05
[公演回数]
3公演
10/26,27 東京・紀尾井ホール
11/05 ニューヨーク・カーネギーホール(ザンケルホール)
[編成]
指揮:久石 譲
作曲・ピアノ:ニコ・ミューリー
ヴィオラ:ナディア・シロタ
室内楽:Music Future Band
[曲目]
久石譲:室内交響曲 for Electric Violin and Chamber Orchestra
ニコ・ミューリー:Selections from the Drones and Viola
久石譲:Viola Saga (世界初演)
ニコ・ミューリー:Roots, Pulses (世界初演)
久石譲のMUSIC FUTUREコンサートは、ミニマル曲をはじめとした様々な現代音楽を紹介するコンサートです。WDO、FOC、MFと久石譲の3大コンサートです。MFではWDO、FOCと同じく久石譲の新曲がよく初演されます。WDOからジブリアニメの交響組曲シリーズとしてアルバムが発売され、FOCでベートーベン、ブラームスの交響曲がアルバムとして発売されたように、MFでは久石譲 presents MUSIC FUTUREアルバムシリーズも一緒に進行しています。
今回も久石譲 presents MUSIC FUTURE VIが発売決定しました。
コンサート会場では先行発売になったそうですが、とても羨ましいです!今回のアルバムは異例に前回のコンサートの全曲が収録されました。韓国では海外配送なので、アルバムが届くのにも時間がかかる上、値段もはるかに高いんです。ファン層がさらに強くなって、韓国にたくさん輸入されたらいいですね。
今度のコンサートはNico Muhlyとヴィオラ奏者Nadia Shirotaを招待して共演します。それにニューヨーク公演も決まりました!これはデヴィット・ラングさんと一緒にしたMFコンサートのパターンと同じですね。
はじめに
実はMFコンサートの前に久石譲とテリー・ライリーの合同公演が予定されていました。公演直前に久石譲の体調の問題で公演が中止になったのですが、それから時間があまり経っていないMFコンサートなので心配でした。しかもストリーミングは以前と違って数日前まで告知されなかったので自暴自棄していたのですが。予期せぬストリーミングのニュースが聞こえてきました。 聴くことができて本当に良かったです!
今回のコンサートは、いつもと違って長さの長い数曲で選曲されました。インターミッションの前に久石譲とニコ・ミューリーの1曲ずつ、そしてインターミッションの後に久石譲とニコ・ミューリーの世界初演曲1曲ずつですね。プログラムも事前に公開されましたが、今回は予習せずにコンサートを聴いてみました。
Joe Hisaishi:Chamber Symphony for Electric Violin and Chamber Orchestra
Chamber SymphonyはMFvol.2で演奏され、Joe Hisaishi Presents Music Future 2015のアルバムにも収録されたことがある曲です。
vol.1でエレクトリック・ヴァイオリンでニコ・ミューリー作品を演奏する様子
この曲の最大の特徴はエレクトリック・ヴァイオリンがメインになるということですが、実はMFvol.1で演奏されたニコ・ミューリーの作品から、自身もエレクトリック・ヴァイオリンで曲を書くのはどうかというアイデアを得て書いた曲です。ニコ・ミューリーとのコラボ公演にふさわしい選曲といえます。
さらに、久石譲さんの公式チャンネルに8分間抜粋で数シーンを選んで演奏される様子が公開されましたが、全曲が演奏される場面を見るのは初めてです。
vol.2での演奏シーン
過去に演奏された姿と比べると、今はみんな立って演奏するなど、舞台セッティングの変化も目立つのですね。
ステージを始める前に、エレクトリック・ヴァイオリンをアンプにつなぐシーンも見られました。特に前にあるペダルを使ってループステーションを利用するシーンがありますが、アルバムで聴くのとは違った発見でした。アルバムで聴くときは、何が起こっているのかよく分からないのです。
第3楽章はBorderの第3楽章の原曲になる曲なのでお互いによく似ています。お互いに比べて聴く楽しさがありました。
最後に、サックスの組み合わせが目立ちました。かつては日本武道館コンサートにもサックスが登場するなど、よく登場する楽器でしたが、最近は何らかの理由でサックスをあまり編成していません。 サックスを演奏される方はいつも同じ方のようです!
Nico Muhly:Selections from the Drones and Viola
ニコ・ミューリーが奏でるピアノと、ナディア・シロタさんが奏でるヴィオラによる作品です。今回のコンサートは特に予習していなかったので初めて聴く曲でした。舞台を始める前に携帯電話をつなげて神秘的な雰囲気の音源を再生しながら始まるんですね。
作曲家はやっぱりピアノが上手ですね!ピアノは和音を連打する姿を見せてくれますが、タイトルにある「ドローン」の感じを生かしたのではないかと思います。
時には静寂としたり緊張感がある部分もありますが、全体的にリラックスして静かな感じの曲でした。vol.8で演奏されたアルヴォ・ペルトのFratres for Violin and Pianoという作品も思い浮かびました。MFコンサートは久石譲だけでなく、現代の各作曲家の個性をよく知ることができるコンサートのようです。
Joe Hisaishi:Viola Saga
この曲は、ナディア・シロタさんの演奏を想定して作曲されたヴィオラ協奏曲です。すでに2年前に演奏予定だった曲ですが、COVID-19によってキャンセルされ、ようやく世の中に現れた曲···ということですが、意外に作曲完了の時点はすごく最近だったそうですね。
とにかく、このコンサートが終わり、私が恋に落ちた曲です!
第1楽章はまるでいろんな場面とストーリーがある曲のようです。そういう面で二ノ国の感じもしたし、vol.8で演奏されたMurder Ballades for Chamber Ensemble(ブライス・デスナー)の感じもしました。雰囲気が何度も変わりますが、ボンゴが加わって軽快になる短い瞬間も印象深かったです。途中でジャーン、ジャーン、ジャーン!とポイントを与えたりもしたのですが、結局ジャーン、ジャーン、ジャーン!で締めくくられます。面白い曲でした。
第2楽章は真剣な曲でした。感情を起こす曲です。全体的に静かな感じでもあり、オーケストラはおおむね静かにヴィオラの演奏を支えてくれる程度でした。ヴィオラは演奏を通して休んでおらず、同様のフレーズを繰り返し演奏します。そういう面で典型的なミニマル曲のようですが、ずっと少しずつ静かに変奏しながら感情を引き出します。
そしてインスタグラムでちょっと出た部分で泣きました。思わず涙がこぼれました。どんな感情だったんでしょうかね。まだ説明されません。たぶん曲がとても美しいという感じたようです。私の他の感情も刺激したのかもしれません。本当に魅力的な曲です。演奏時間が本当に短く感じました。
Nico Muhly:Roots, Pulses
MFの委嘱作品であり、世界初演となるニコ・ミューリーの作品です。しかもニコ・ミューリー本人による指揮です。ピアノ演奏に続いて指揮だなんて。ニコ・ミューリーも久石譲も万能音楽家として通じる面があるようです。
この曲はすごい夢幻的な雰囲気です。神秘的な感じもしました。よくわからないけれど、聴きながら音楽的想像力がすごいと感じました。とてもオーケストラが出す音のようには思えないほどでした。
特にトランペットの演奏も印象的でした!
現代音楽の魅力をたっぷり感じることができました。久石譲とニコ・ミューリー、二人の作曲家のそれぞれの魅力もわかった気がします。久石譲とニコ・ミューリーの世界初演曲を同時に聴けるものすごいコンサートだ。まだ信じられません。
おわりに
久石譲のスニーカー姿での公演は初めて見るようです。どうぞ末永くお元気でいらっしゃるといいですね。インスタグラムを見ると、テリー・ライリーもMFコンサートの楽屋に寄って久石譲さんと会っていました。テリー・ライリーはMFコンサートも聴いたんじゃないかな?Viola Sagaをどう聴いたんだろう。MFに少し関心ができただろうか。いつかテリー・ライリーのMF委嘱作品とともに合同公演を実現できるのではないでしょうか。想像するだけでもワクワクします。
2022年11月7日 tendo
出典:TENDOWORK|久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9 콘서트 리뷰
https://tendowork.tistory.com/91
そうか、久石譲:室内交響曲がフルサイズで映像になるのは初めてでしたね。ルーパーを駆使する様子がよく見れてCDだけで聴くよりも楽しくわかりやすかったですね。Viola Sagaはほんと感動ものでしたね!同じタイミングで一緒に聴けてよかったです。ライブ配信がないと、コンサートに行った熱い感動をつらつら書いてもなあ…温度差ハンパないしなあ…と思うこと近頃あったので、こうやって同じタイミングで感想を言いあったりSNSだったり共感できるのは、ほんとうれしいです。簡単なことじゃないですねこういうシチュエーションが提供されてるのって。CDになった1年後に初めて共感できるのとは…えらい違いです…未知との遭遇は冷めちゃってますから。ほんとライブ配信ありがとうございます!!
tendo(テンドウ)さんのサイト「TENDOWORKS」には久石譲カテゴリーがあります。そこに、直近の久石譲CD作品・ライブ配信・公式チャンネル特別配信をレビューしたものがたくさんあります。ぜひご覧ください。
https://tendowork.tistory.com/category/JoeHisaishi/page=1
こちらは、いつものコンサート・レポートをしています。
「行った人の数だけ、感想があり感動がある」
久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋 では、久石譲コンサートのレポートや感想、いつでもどしどしお待ちしています。応募方法などはこちらをご覧ください。どうぞお気軽に、ちょっとした日記をつけるような心もちで、思い出をのこしましょう。
みんなのコンサート・レポート、ぜひお楽しみください。
reverb.
新しいCDもゆっくり着実にゲットしてください!
*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
このコーナーでは、もっと気軽にコメントやメッセージをお待ちしています。響きはじめの部屋 コンタクトフォーム または 下の”コメントする” からどうぞ♪
Posted on 2021/10/15
九州交響楽団の2022年度シーズン・プログラムが発表されました。そのなかに久石譲指揮の特別演奏会が予定されています。(*2023年開催です) “Info. 2023/02/16 「久石譲指揮 九響×日本センチュリー響 特別演奏会」(福岡)開催決定!! 【11/7 Update!!】” の続きを読む
Posted on 2022/11/04
2022年7月14,16日開催「久石譲 FUTURE ORCHESTRA CLASSICS Vol.5」コンサートより、久石譲の新作「2 Dances for Orchestra」が動画配信されました。ぜひご覧ください。
以前に、久石譲オフィシャルYouTubeより14日公演(東京)の同作品が特別配信されています。今回は、16日公演(長野)のコンサート映像になります。 “Info. 2022/11/04 久石譲「2 Dances for Orchestra」FOC Vol.5(長野公演)より 動画配信” の続きを読む
Posted on 2022/11/01
ふらいすとーんです。
Overtone モチーフです。
きれいに考えをまとめること、きれいに書き上げることをゴールとしていない、メモのような雑文です。お題=モチーフとして出発点です。これから先モチーフが展開したり充実した響きとなって開けてくる日がくるといいのですが。
モチーフ「久石譲秋2022」
秋に聴きたい曲を移ろい流れる雲のように。毎年秋になったら聴く久石譲オールタイム・セレクトです。新譜が出るとまたそこから振り分けられたりする春夏秋冬プレイリストです。2013年頃にサイト特集したこともあります。今回は気ままに一口コメントとツイートしていた2022年版です。
こんな感じで。コメント見たい人は#久石譲秋で。あまりたいしたことは…移ろい流れる雲のように。
#NowPlaying️ #久石譲秋 Silence ETUDE ~ a Wish to the Moon ~ / 久石譲
きれいなスーパームーンのジャケットもあいまって。いつもな久石メロディを弾くようなピアノになっていない。得意技を封印した会心作アルバムから。
— 久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋 (@hibikihajimecom) September 12, 2022
from the most likes
ハッシュタグ参加してくれた人もありがとうございます!実り豊かな秋になります。
from tendo(@tendo01)
from むーん(@HisaishiM)
from ken*(@bellaortensia)
季節ごとにプレイリストを作り出した頃が、主要曲からセレクトしようとかシンセ曲はなるべく入れないとかでやってました。今ならもっと柔軟にカーディガンのように新しくさらっと羽織りたいものもあるかな。アルバム曲からなら「坂の上の雲」「二ノ国」「人体」シリーズから見つけても楽しいし、「Dolls」「風の盆」「Asian X.T.C.」からいろいろありそうです。あとは楽器とか。
バンドネオン
チェロもいいなとか思い出すわけです。でもアルバムジャケット眺めて見つけるのってけっこう大変です。たとえば、管理してる曲データのところにメロディの楽器とか情報を入れといて、チェロ!とセレクトかけると瞬時にプレイリストできる、みたいな。そんなことできたらいいのにな。その下準備するのが面倒すぎるやらない。メインテーマをチェロが歌ってるバージョンのサントラ曲とか、フルートやホルンの伸びやかさがとか、オーボエが哀愁誘うとか、いろいろありますよね。結局のところ、季節と一緒にたくさん聴いて体に染み込ませていこう。たっぷりじっくり年月かけて。
「昨年の自分と今年の自分は違う」なんか違うなと紹介しなかった曲もあります。諸行無常です。古い曲集になってはいけない。プレイリストもアップデートしなきゃいけない。
(四季:久石譲は、指揮:久石譲にかかっています。季節を指揮する人ですね。今更ながらお粗末さまです)
お知らせ
「秋に聴きたい久石譲曲」お待ちしてます!リプから曲名リストだけでも#久石譲秋で一曲でもコメントからでもどしどし豊作に!〆切:秋の深まるころ
同じ季節に、同じ曲を、同じファンが、聴く。
肌感覚の合ううれしさ、肌感覚で伝わる楽しさ。
そんなモチーフでした。
それではまた。
reverb.
もし好評ならほかの季節もやってみたい♪
*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
このコーナーでは、もっと気軽にコメントやメッセージをお待ちしています。響きはじめの部屋 コンタクトフォーム または 下の”コメントする” からどうぞ♪
Posted on 2022/10/25
久石譲主宰Wonder Land Records × クラシックのEXTONレーベル
夢のコラボレーション第6弾!未来へ発信するシリーズ! “Info. 2022/11/23 『久石譲 presents MUSIC FUTURE VI』CD発売決定!!” の続きを読む
Posted on 2022/10/25
MUSIC FUTURE Vol.9のライブ配信が決定しました!
日本国内だけでなく、世界各地(一部地域を除く)からも視聴できます。 “Info. 2022/10/27 「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」ライブ配信決定!!” の続きを読む
Posted on 2022/03/29
久石譲がナビゲートするコンサートシリーズ第9弾
東京とニューヨークで開催!
ポスト・クラシカルの重要アーティスト、ニコ・ミューリーと
ジャンルを超越したヴィオラ奏者、ナディア・シロタが来日!
久石譲とのコラボレーションによる“現代の音楽”に全世界が注目する。 “Info. 2022/10/26,27 「久石譲 presents MUSIC FUTURE Vol.9」コンサート開催決定!! 【10/25 Update!!】” の続きを読む
Posted on 2022/10/23
ふらいすとーんです。
Overtone モチーフです。
きれいに考えをまとめること、きれいに書き上げることをゴールとしていない、メモのような雑文です。お題=モチーフとして出発点です。これから先モチーフが展開したり充実した響きとなって開けてくる日がくるといいのですが。
モチーフ「赤い袖先 The Red Sleeve OST」
韓国ドラマ『赤い袖先 / The Red Sleeve』です。2021年11月~2022年1月まで放送、2月に韓国でサントラ発売。春くらいまでずっと聴いてました。今年のマイベスト10に入る勢いキープしてます。メインテーマやモチーフのバリエーション(変奏)三昧でおもしろくておもしろくてほっぺが落ちる。6月に日本でサントラ発売、同時か時間おいてかデジタルリリースもされて、やっと広く聴ける紹介できるようになりました。
韓国エンタメの勢いを感じます。韓国映画や韓国ドラマが次々と世界で大ヒットしています。世界に照準を合わせたその戦略は、脚本・演技・カメラワーク・セット・CG・編集、そうそして音楽、すべての制作パーツの水準を上げることになるからです。音楽以外の分野のことは全くわかりませんが、欧米からそして日本から大ヒット作や注目作を相当に研究している。うまく取り入れている。
ということは、映像音楽を日本の作曲家から学ぼうとしたときに、まず名前が挙がるのは久石譲 JOE HISAISHIに違いない。実写からアニメーションまで幅広く手がけていないジャンルはないに違いない(否定の連打は肯定)。この作品は歴史ロマンスというこもとあってオリエンタルのテイストもいる。そうじゃなくても同じアジアだし久石譲感あるものいてしかり、かなり楽しいサントラです。
赤い袖先 オリジナル・サウンドトラック
The Red Sleeve Original Soundtrack
1. ドクイム、愛 (Main Theme)
from Official Audio, YouTube
イントロから久石みましまし。チャーミングでぬくもりのあるメインテーマです。00:30-くらいがそのメロディ、この短いワンテーマからできています。この1曲だけでワクワク突っ込みたいところ全開なんだけど先に進める。
2.灯火と子ども二人
イントロもメインテーマからのどかに、そしてメインテーマのバリエーション。00:40-のフルートに始まる木管で軽やかな蝶のようです。クレジットを見ると作曲者が違う、チームで音楽制作しているんです。同じメインテーマをもとにして各々が彩りを加えている。
01:40-くらいから曲想が展開して第2テーマみたいになります。そしてこれがまたさらにバリエーションを生んでいくことになる。作曲者間でバトンリレーされたメインテーマが、さらに違うアイデアを得て、新しい主要テーマが生まれて、どんどん広がり発展していく。
3.語り部 幼い宮女
英語のタイトルは「Faily Tale」となってたと思いますけど、なんとも羽ばたくメルヘンです。00:40-くらいからのびのびとフルート歌っています。01:30-くらいからまた違う感じでバリエーションしています。この曲は2曲目と同じ人ですけど、02:00-くらいからまた新しい曲想を生んだりして。
ここがこの作品のキーポイントです。チームで制作する方法は、作曲家ごとに得意なカラーを打ち出して全体をコンピレーションみたくするのはよくある。ジャンルもテイストもバラエティパックのようなもの。でも、曲想や楽器といったカラーを統一したなかで、かつ、メインテーマを軸にして作曲家たちがバリエーション(変奏)で競演している。この方法はなかなかない。もうおもしろくてしょうがない。まだ3曲目ですよ。
『肩の上の蝶 / Rest on Your Shoulder』っていう久石譲が音楽を担当した中国映画があって…サントラないか…先に進める。
8.東宮の書庫
ハープもストリングスも、リズミックな音型が久石さん好きにはたまらない。『花戦さ』っぽくていいよねと違和感なく聴きすすめる。おっと最後01:15-くらいから第2テーマの変奏みたいなのが登場します。2分足らずの曲なのに耳が名残惜しそう。
11.寵愛を受ければよい
英語のタイトルは「Destiny」だっと思いますけど、そっちのほうが曲にあってます。ストーリーからみたらどちらも正解。ぐっとくる1曲。力込めて盛り上がってくる01:55-くらいなんて聴きどころですね。時代に翻弄される感じ。ここで高音ヴァイオリンの下で鳴っている中弦の対旋律は、上で紹介した「2.灯火と子ども二人」01:50-のオーボエの旋律からのバリエーションだったりします。同じ作曲者による。
こうやってメインテーマから派生して新しい展開を加えた曲、その第2テーマを使って、その第2テーマのパートから旋律の一部をうまく使って、その第2テーマのパートから旋律の一部を対旋律として支える役割で。チームプレーかたい。
16.英祖、怒り
歴史ものらしい重みのある曲。『太王四神記』を思い起こしそう。似てるマネしてるそういうことが言いたいわけじゃない。好きなテイストの曲がさらに広がって聴ける喜びってある。世界共通のヒサイシズム。
21.謎
ミステリアスな雰囲気をまとったメインテーマです。ハープ、グロッケンと反復音型を幾重にも散りばめてるものそうだし打楽器群の使い方もそうだし、うまいなあ。後半に進むにつれ久石成分多め。
25.ドクイム、運命
CDサントラ終曲。きれい。もうメインテーマは覚えましたか?オーボエ?チェレスタ? いやあほんと、曲のもっていきかたが、楽器の使い方が、シンセサイザーのなじませ具合が、対旋律の絡ませかたが。美味しすぎてお腹いっぱいごきそうさまでした。これをもって久石譲を研究してないといえようか。01:40-ああ、万感の主旋律×対旋律よ。
まだある?
(Bgm) The Red Sleeve OST || 70. Noh Hyung Woo – San, The Moment (노형우 – 산, 순간)
from Viet Tam Tran
これはTrack.70「San, The Moment」という曲です。70曲目?! CD1に18曲(SongとInst.ver)CD2に25曲(BGM)なんですけど、いち早く韓国でリリースされたデジタル限定版には8曲(Song)と71曲(BGM)というのがあります。だから本当は25曲目で終わりじゃなくてそのさき怒涛のバリエーションが続く、日本ではあまり聴けない、残念、入手方法知りたい人は要相談、さておき探せばあるかもしれません、どうかな。全部聴こうと思ったら4時間25分あります要時間。ドラマで使った曲全部入れた?
00:40-くらいからピアノで切なく。あの高揚感いっぱいの1曲目メインテーマが、長い長い物語のエンディングには、こんなにしっとりとやさしく涙に濡れるよう。メインテーマ作曲者ですけれど、他の作曲者たちが紡いできたメロディたちも織りなす。人生の黄昏。どうしても紹介したかったのでun-officialゴメンナサイ。
魅力の半分も広げれてないけど、そのエッセンスはたっぷりお伝えできたと思います。
参考:
赤い袖先 オリジナル・サウンドトラック | HMV&BOOKS online – KICS-4056/7
https://www.hmv.co.jp/artist_TV-Soundtrack_000000000029998/
赤い袖先 (袖先赤いクットン) | HMV&BOOKS online – L200002344
https://www.hmv.co.jp/artist_TV-Soundtrack_000000000029998/item
*日本/韓国 2CD 全43曲(2022.6)
*韓国限定デジタル版 全79曲(2022.1)は日本リリースされていない
Overtone モチーフは、モチーフの範囲を越えたり広がったりしてはいけない。そうらしいので、言い足りないことをメモ書してまたいつか。
サントラのチーム制作のかたち(バラエティパックorシェア)/Symphonic Variation “Merry-go-round”はすごい/久石譲は変奏の魔法使い/韓国でも大ヒットした映画『君の名は。』後の音楽的影響/海外サントラは名前で聴かないからおもしろい(作曲家の名札で聴かない)/純粋な音楽センサーで好きなものをキャッチする楽しさ
そんなモチーフでした。
それではまた。
reverb.
WOWOW(10/28- 全17回)TV初放送も始まります。
*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number]
このコーナーでは、もっと気軽にコメントやメッセージをお待ちしています。響きはじめの部屋 コンタクトフォーム または 下の”コメントする” からどうぞ♪